富士フイルム 静岡がんセンターとCTの類似症例検索システムを開発

提供元:ケアネット

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公開日:2012/04/12

 



富士フイルムは10日、静岡県立静岡がんセンターと共同で人工知能の技術を用いて医師の画像診断をサポートする世界で初めての「類似症例検索システム」の開発に成功したと発表した。富士フイルムは、同システムは本年秋に発売予定。まずは、肺がんを対象に類似CT画像検索機能を提供するという。

「類似症例検索システム」は、富士フイルムの人工知能の技術に、静岡がんセンターの約1000例の確定診断のついた豊富な症例データベースを組み合わせることで実現した。同社の医用画像情報システム「SYNAPSE(シナプス)」上で使用できる。

同システムは、CT画像の読影を行う際に、組み込まれた症例データベースから、病変の特徴が類似した症例を瞬時に検索し、似ている順に複数表示する。医師は、表示された画像を参考にして、検査画像と比較しながら画像診断を行うことができる。さらに、導入施設ごとに蓄積された過去の症例を追加登録することで、症例データを充実させることも可能だ。また、検索・表示された類似症例の診断結果をもとに、読影レポートの作成を効率的に行える機能も備えている。また、静岡がんセンターの読影実験による検証では、類似症例の検索は、約9割の確率で適切な症例が表示され、それを参考にして読影レポートの作成時間も短縮することができたという。

同システムは、4月13日からパシフィコ横浜にて開催される「国際医用画像総合展(ITEM2012)」富士フイルムブースにて技術展示される。

詳細はプレスリリースへ
http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/articleffnr_0626.html