がん診断後に、自殺、心血管死が増大:スウェーデン

提供元:ケアネット

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公開日:2012/04/18

 



スウェーデン人約600万人を対象とした大規模なヒストリカル・コホート研究の結果、がんとの診断を受けた人は、受けなかった人と比べて、自殺および心血管系の死亡が増大することが明らかにされた。スウェーデン・Karolinska InstitutetのFang Fang氏らの報告で、NEJM誌2012年4月5日号で発表された。がんと診断されることは、精神的外傷となる経験であり、がんという疾患やその治療による影響以上に、差し迫った有害な影響をもたらす可能性が指摘されていた。

約600万人を対象にヒストリカル・コホート研究を実施




研究グループは、がん診断直後の自殺または心血管原因による死亡リスクとの関連を調べるため、スウェーデン人6,07万3,240人を対象に、1991年から2006年のデータに基づき、ポアソン回帰モデルと負の二項回帰モデルを用いたヒストリカル・コホート研究を行った。

解析では、未測定の交絡因子を補正するため、コホート内で自殺または心血管疾患で死亡したすべてのがん患者について、コホート内自己対照ケースクロスオーバー解析を行った。
診断直後に自殺・心血管死ともリスク上昇




がんのない人と比較して、がんと診断された患者の自殺の相対リスクは、診断直後の1週間で12.6(95%信頼区間:8.6~17.8、29例、発生率2.50/1,000人年)、1年時点では3.1(同:2.7~3.5、260例、発生率0.60/1000人年)だった。

また、がん診断後の心血管死亡の相対リスクは、診断直後の1週間が5.6(同:5.2~5.9、1,318例、発生率、116.80/1,000人年)、診断後4週間が3.3(同:3.1~3.4、2,641例、発生率65.81/1000人年)だった。

リスク上昇は、診断後1年で急速に減速した。リスク上昇は、特に予後不良のがんで顕著だった。

主要な解析の結果は、症例クロスオーバー解析によって確認した。

(朝田哲明:医療ライター)