ミレニアム開発目標4/5の2015年達成に向けた保健介入の現状とは?

提供元:ケアネット

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公開日:2012/04/12

 



妊産婦、新生児、子どもへの保健介入の普及度は、介入の種類や国ごとで大きなばらつきがあることが、ブラジル・Pelotas連邦大学のAluísio J D Barros氏らの調査で明らかとなった。ミレニアム開発目標4(乳幼児死亡率の削減)および5(妊産婦の健康の改善)の達成に向けた歩みが、期限とされる2015年へ秒読み体制に入っている現在、死亡率や健康の改善に有効な介入の普及度の不均衡にいかに対処するかが、重要な戦略となっているという。Lancet誌2012年3月31日号掲載の報告。

54ヵ国のデータを後ろ向きに解析




研究グループは、妊産婦、新生児、子どもへの保健介入における介入法別、国別の普及度について検討するために、54ヵ国のデータをレトロスペクティブに解析した。

2000年1月1日~2008年12月31日までに各国で行われた12の保健介入に関する調査のデータを再解析した。介入の標準的な定義に従って介入の指標を評価し、各家庭の富裕度を5段階のグループに分けて解析した。絶対的指標と相対的指標を用いて普及度について検討した。
医療施設による介入は、最貧困層へ届くよう戦略を立てるべき




普及度が最も低い介入法は「熟練助産師の派遣」で、次いで「4回以上の妊婦訪問診療」の順であった。最も普及していた介入は「早期の授乳開始」だった。

介入の普及度が最も低い国は、チャド、ナイジェリア、ソマリア、エチオピア、ラオス、ニジェールであり、次いでマダガスカル、パキスタン、インドであった。最も介入の普及度の高い国は、ウズベキスタンとキルギスタンだった。

医療施設による介入よりも、地域社会ベースの介入のほうが普及度が高かった。すべての介入が、国によってその普及度にばらつきがみられたが、最富裕層に比べ最貧困層での変動が大きかった。

著者は、「介入の種類別、国別の普及度には大きなばらつきがみられた」とまとめ、「最も普及度の低い介入については、すべての社会集団に到達しているかを確認すべきあり、医療施設による介入は、各国の最貧困層へ届くよう戦略を立てる必要がある。最も介入の普及度が低い国々は、最貧困層と比較的裕福な階層との隔差を埋める努力をすべきである」と指摘している。

(菅野守:医学ライター)