日本語でわかる最新の海外医学論文|page:834

統合失調症患者のEPSと認知機能の関連は

 カナダ・トロント大学のGagan Fervaha氏らは、統合失調症患者における錐体外路症状(EPS)と、認知障害との関連を調べた。結果、EPSの重症度と認知テストの低スコアとが強く結び付いていることを実証した。EPSは統合失調症における最も一般的な運動障害である。同患者の運動障害は、抗精神病薬を服用していない患者でも認められるが、認知といった疾患のその他の特性との関連については十分に解明されていなかった。Schizophrenia Research誌オンライン版2014年12月1日号の掲載報告。

がん検診、過剰診断の回避に向けた第一歩/BMJ

 米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJamie L Carter氏らは、がん検診の過剰診断を定量化・モニタリングする最適な方法についてシステマティックレビューにより検討した。その結果、複数設定に基づく実行性が良好な生態学的およびコホート試験が、最も適した手法であることを報告した。さらなる検討により国際標準指標を確立すること、および公平な多国籍の研究者チームによる分析の継続が必要であるとまとめている。これまで行われたがん検診の過剰診断に関する研究は、さまざまな手法が用いられ、非常にばらつきのある結果が示されている。それら相反する結果を解釈するために各方法論をどのように評価すればよいのか、またより良い試験方法について明らかになっていなかった。BMJ誌オンライン版2015年1月7日号掲載の報告より。

4価HPVワクチン接種、多発性硬化症と関連なし/JAMA

 4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種は、多発性硬化症などの中枢神経系の脱髄疾患の発症とは関連がないことが、デンマーク・Statens Serum研究所のNikolai Madrid Scheller氏らの調査で示された。2006年に4価、その後2価ワクチンが登場して以降、HPVワクチンは世界で1億7,500万回以上接種されているが、多発性硬化症のほか視神経炎、横断性脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎、視神経脊髄炎などの脱髄疾患との関連を示唆する症例が報告されている。ワクチンが免疫疾患を誘発する可能性のある機序として、分子相同性や自己反応性T細胞活性化が指摘されているが、HPVワクチンが多発性硬化症のリスクを真に増大させるか否かは不明であった。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告。

双極性障害、ベンゾジアゼピン系薬の使用実態は

 米国・メイヨークリニックのWilliam V. Bobo氏らは、双極性障害研究「Bipolar CHOICE」の結果から、双極I型またはII型障害の外来患者について、疾患の複雑さとベンゾジアゼピン系薬使用について調べた。ベンゾジアゼピン系薬は双極性障害患者に広く処方されているが、同薬使用に最も関与する患者の双極性サブタイプや双極性の疾患面についてはほとんど明らかにされていなかった。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2015年2月号の掲載報告。

ラタノプロスト、緑内障の視野維持期間を延長/Lancet

 開放隅角緑内障の患者に対し、眼圧降下薬ラタノプロスト(商品名:キサラタンほか)の点眼は、視野の維持期間を有意に延長することが、初のプラセボ対照無作為化比較試験で明らかになった。英国・ムーアフィールド眼科病院のDavid F Garway-Heath氏らが、516例について行った試験の結果、報告した。開放隅角緑内障治療では、視覚機能喪失の回避を目的に眼圧低下治療が行われるが、プラセボ対照試験は行われていなかった。Lancet誌オンライン版2014年12月18日号掲載の報告より。

高齢者は酷暑が2日続くと入院リスク増大/JAMA

 夏に非常に気温の高い日が2日続くと、高齢者の水分・電解質異常や腎不全などによる入院リスクは増大することが明らかにされた。米国・ハーバード公衆衛生大学院のJennifer F. Bobb氏らが、約2,400万人の米国公的高齢者向け医療保険メディケア受給者について調査を行い報告した。JAMA誌2014年12月24・31日号掲載の報告より。

重度アルツハイマー病に心理社会的介入は有効か:東北大

 重度アルツハイマー病に対する心理社会的介入は有効なのか。東北大学の目黒 謙一氏らは、重度アルツハイマー病患者に対する薬物療法に心理社会的介入を併用した際の効果を明らかにするため、介護老人保健施設入所患者を対象に前向き介入試験を実施した。その結果、意欲改善やリハビリテーションのスムーズな導入、および転倒事故の減少がみられたという。著者は、「心理社会的介入の併用治療アプローチは、重度の患者に対しても有用な効果を示した。ただし、より大規模なコホートを用いて再検証する必要がある」と述べている。BMC Neurology誌オンライン版2014年12月17日号の掲載報告。

小児ピーナッツアレルギーは中~高所得世帯で多い

 ピーナッツアレルギーは食物アレルギーを有する小児の約4分の1で認められ、より重篤な反応を示すものの耐性を獲得しにくいこと、また、有病率は人種および世帯収入などにより差があることが、米・ノースウェスタン大学のAshley A Dyer氏らにより報告された。ピーナッツアレルギーは最も一般的な食物アレルギーの1つであるが、小児の一般集団における包括的な疫学調査は行われていなかった。Allergy and asthma proceedings誌2015年1月掲載の報告。

高リスクの小児慢性疾患、総合的ケアで医療費減/JAMA

 慢性疾患を有する高リスクの小児に対し、患者・家族中心の医療(medical home)に基づき専門的治療を含めた総合的なケアの提供は、通常ケアの提供と比較して、重篤な疾患およびコストの低減に結び付くことが、米国・テキサス大学医療センターのRicardo A. Mosquera氏らによる無作為化試験の結果、示された。患者・家族中心の医療は成人または小児慢性疾患における有害転帰やコストの低減には結び付かないとされている。研究グループは、高リスクのとくに小児慢性疾患では、費用対効果が優れる可能性があるとして本検討を行った。JAMA誌2014年12月24・31日号掲載の報告より。

エボラワクチン、第Ib相で免疫原性確認/Lancet

 アフリカで行われたエボラウイルスまたはマールブルグウイルスワクチンの第Ib相の臨床試験の結果、免疫原性、安全性が確認された。ウガンダ・マケレレ大学のHannah Kibuuka氏らが、同国内健康成人を対象に両ワクチンを単独または同時接種で検討した無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行い報告した。今回の所見について著者は、2014年に西アフリカでアウトブレイクしたエボラウイルス性疾患に対する、より効果的なワクチンの開発に寄与するものであると述べている。Lancet誌オンライン版2014年12月23日号掲載の報告より。

うつ病のリスク遺伝子判明:藤田保健衛生大

 藤田保健衛生大学の島崎 愛夕氏らは、大うつ病性障害(MDD)のリスク遺伝子を明らかにするため、遺伝子と外的環境との相互作用を考慮に入れた解析を実施した。その結果、双極性障害(BD)に関連する一塩基多型(rs7296288、DHH下流の12q13.1領域)とMDDのうつ症状との間の有意な関連を報告した。PLoS One誌2014年12月17日号の掲載報告。

ホジキンリンパ腫のABVD、BとDの除外は可能か/Lancet

 ドイツ・ホジキン研究グループ(GHSG)によるHD10試験では、早期ホジキンリンパ腫(HL)のfavourable risk例の治療として、ABVD(ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)レジメンを2サイクル施行後に総線量20Gyの放射線区域照射(IFRT)を行い、5年生存率(OS)が96.6%、5年無治療失敗(freedom from treatment failure:FFTF)率は91.2%と良好な成績が得られている。一方、HL患者の治療関連副作用は30年以上持続するとの報告があり、さらなる安全性の改善が求められている。そこで、GHSGは、ABVDからのブレオマイシンとダカルバジンの除外の可能性の検討を目的にHD13試験を行った。研究の詳細はLancet誌オンライン版2014年12月21日号に掲載された。

低体温療法の強化、新生児HIEの転帰を改善せず/JAMA

 低酸素性虚血性脳症(HIE)の新生児に対して72時間/33.5℃の低体温療法を行うと、死亡や機能障害が44~55%低減することが報告されているが、動物モデルでは冷却期間がより長く、冷却体温をより低くするほど良好な神経保護作用が得られる可能性が示唆されている。そこで、米国・ウエイン州立大学ミシガン小児病院のSeetha Shankaran氏らは、より強力な低体温療法の有用性を検討したが、アウトカムの改善は得られなかった。JAMA誌2014年12月24・31日号掲載の報告より。

レビー小体型認知症は日中の眠気がアルツハイマー型より多い傾向

 アルツハイマー型認知症(AD)と比べてレビー小体型認知症(DLB)のほうが、日中の過剰な眠気がみられる患者が、より多いとみられることが、米国・メイヨークリニックのTanis J Ferman氏らによる検討の結果、明らかになった。これまで、レビー小体型認知症の日中の過剰な眠気は、既知の一般的な問題として報告されていたが、アルツハイマー型認知症患者と比較した検討は行われていなかった。Alzheimer's Research & Therapy誌2014年12月10日号の掲載報告。  研究グループは、AD患者とDLB患者を比較して、夜間連続睡眠と日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた。DLB患者61例、AD患者26例に、夜間睡眠ポリグラフ検査を実施した。また、そのうちDLB患者32例、AD患者18例に日中、反復睡眠潜時検査(Multiple Sleep Latency Test:MSLT)を行った。DLB患者の20例について、神経病理学的検査を行った。  レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症を比較して日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた主な結果は以下のとおり。

安全性情報(2015年1月9日改訂指示分)

2015年1月9日改訂指示分 【成分名】 ・レベチラセタム ・イプラグリフロジンL-プロリン ・ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物 ・トホグリフロジン水和物 ・ルセオグリフロジン水和物 ・カナグリフロジン水和物 ・エンパグリフロジン ・リナグリプチン ・アモキシシリン水和物 ・クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物 ・ランソプラゾール・アモキシシリン水和物・クラリスロマイシン ・ランソプラゾール・アモキシシリン水和物・メトロニダゾール ・シメプレビルナトリウム ・乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン