日本語でわかる最新の海外医学論文|page:299

コロナに感染した医師はどれくらい?ワクチン接種回数別では?

 2020年初頭から新型コロナウイルス感染症の国内での流行が始まり、3年が経過した。CareNet.comでは、これまでにどれくらいの医師が新型コロナに感染したのかを把握するため、会員医師1,000人を対象に『医師の新型コロナ感染状況に関するアンケート』を実施した。その結果、コロナ診療の有無や、年齢、診療科、病床数別、ワクチン接種回数別の感染状況が明らかとなった。また、回答者自身や周囲が感染した際に感じたさまざまな課題も寄せられた(2022年12月10~17日実施)。  Q1では、コロナの診療に携わっているかについて聞いた。「診療している」が63%、「以前は診療していたが、今はしていない」が7%、「診療していない」が30%となり、全体の70%の医師がコロナの診療に携わっていた。年代別では、「診療している」もしくは「以前は診療していたが、今はしていない」と答えた回答者の割合は、年齢が若いほど高く、20代は87%、30代は78%、40代は70%だった。診療科別では、割合が高い順に、救急科(100%)、呼吸器内科(90%)、腎臓内科、臨床研修医(87%)となった。

COPDガイドライン改訂―未診断者の早期発見と適切な管理を目指して

 COPDは、日本全体で約500万人を超える患者がいると見積もられており、多くの非専門医が診療している疾患である。そこで、疾患概念や病態、診断、治療について非専門医にもわかりやすく解説する「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第6版」が2022年6月24日に刊行された。本ガイドラインは、2018年版からの4年ぶりの改訂で、大きな変更点としてMindsに準拠した形で安定期COPD治療に関する15のクリニカルクエスチョン(CQ)を設定したことが挙げられる。本ガイドライン作成委員会の委員長を務めた柴田 陽光氏(福島県立医科大学呼吸器内科学講座 教授)に改訂点や日常診療におけるCOPD診断・治療のポイントについて、話を聞いた。

リファンピシン耐性結核、24週レジメンが標準治療に非劣性/NEJM

 リファンピシン耐性肺結核患者に対する24週間の経口治療レジメンは、従来の標準治療に対して有効性に関する非劣性が示され、安全性プロファイルも良好であった。オランダ・Operational Center AmsterdamのBern-Thomas Nyang'wa氏らが、国境なき医師団主導による多施設共同無作為化非盲検非劣性第II/III相試験「TB-PRACTECAL試験」の結果を報告した。リファンピシン耐性結核患者においては、現在のレジメンより治療期間が短くかつ有効で、副作用プロファイルも許容できる、経口治療レジメンが必要とされている。NEJM誌2022年12月22日号掲載の報告。  研究グループは、ベラルーシ、南アフリカ共和国、ウズベキスタンの7施設において、新たに診断された15歳以上のリファンピシン耐性肺結核患者を登録した。

骨盤臓器脱の改善効果、ペッサリーvs.外科的治療/JAMA

 症候性骨盤臓器脱患者において、保存的治療であるペッサリー療法は手術治療と比較して、24ヵ月時点での患者報告による改善に関して非劣性が認められなかった。オランダ・アムステルダム大学のLisa R. van der Vaart氏らが、オランダの21施設で実施した無作為化非劣性試験「PEOPLEプロジェクト」の結果を報告した。骨盤臓器脱は女性のQOL(生活の質)に悪影響を及ぼす疾患で、平均寿命の延長に伴い骨盤臓器脱に対する費用対効果の高い治療が世界的に求められている。JAMA誌2022年12月20日号掲載の報告。  研究グループは、手術歴またはペッサリー療法歴のないステージ2以上の骨盤臓器脱症状を有する女性を、ペッサリー群または手術群に1対1の割合で無作為に割り付けた。

過剰な対策の見直しや具体例追記「医療機関のコロナ対応ガイド 第5版」/日本環境感染学会

 日本環境感染学会(理事長:吉田 正樹氏[東京慈恵会医科大学 感染制御科 教授])は、1月17日に『医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第5版)』を同学会のホームページで公開するとともに、同日開催の厚生労働省の第114回 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードでも発表した。  学会では、「COVID-19の第8波に突入し、医療機関でも多くのクラスターが発生するなど厳しい状況に置かれている中、この感染症に対する感染対策については、新たなエビデンスも蓄積しているため、今回、第5版として改訂版を公開した」とその目的を述べるとともに、「医療の現場では感染対策を緩める時期はまだ先だと思われる。ただし過剰な対策は見直していく必要があり、新しいエビデンスも含めて理にかなった適切な感染対策を実施し、この状況を乗り越えて欲しい」と希望を寄せている。

高齢者の認知機能に対するハーブ抽出物の効果~ランダム化対照試験

 アルツハイマー病モデルに関するin vitroおよびin vivoの研究において、ロスマリン酸がアミロイドβの形成やアミロイドβタンパク質のオリゴマー化や沈着を阻害できると報告されている。ロスマリン酸500mgを含有する食用ハーブであるメリッサオフィシナリス(M. officinalis)抽出成分は、健康成人や軽度のアルツハイマー型認知症患者に対し忍容性、安全性が良好であると考えられる。金沢大学の篠原 もえ子氏らは、高齢者におけるM. officinalis抽出成分の認知機能に対する影響を評価するため、ランダム化プラセボ対照二重盲検試験を実施した。その結果、M. officinalis抽出成分は、高血圧でない高齢者の認知機能低下の予防に有用である可能性が示唆された。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2022年12月7日号の報告。

ADAMTS13欠損の先天性TTPにADAMTS13投与が著効した1例/NEJM

 妊娠合併症と動脈血栓症歴のある妊娠30週の27歳女性が、重度のADAMTS13欠損による急性遺伝性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の診断を受けた。医療チームは当初、治療的血漿交換(TPE)を実施したが、効果が乏しく中止し、遺伝子組み換えADAMTS13投与に切り替えた。その後、血小板数は正常化、胎児の成長も安定化し、妊娠37週と1日で、在胎不当過小児であったが健康な男子を帝王切開で出産した。その後も患者と生まれた男児の健康状態は良好で、遺伝子組み換えADAMTS13の投与を隔週で継続しているという。スイス・ベルン大学のLars M. Asmis氏らによる症例報告で、NEJM誌2022年12月22日号で発表された。

コロナ呼吸不全で気管挿管率が低い治療は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による低酸素血症性呼吸不全を発症した成人患者に対し、覚醒下腹臥位療法は通常ケアと比べて、気管挿管の発生リスクを低減するが、死亡率や人工呼吸器離脱期間(VFD)などのアウトカムには、ほとんど影響が認められないことが明らかにされた。カナダ・アルバータ大学のJason Weatherald氏らによる、システマティック・レビューとメタ解析で示された。BMJ誌2022年12月7日号掲載の報告。研究グループは、創刊から2022年3月4日までのMedline、Embase、CENTRAL(Cochrane Central Register of Controlled Trials)をデータソースとして、COVID-19関連の低酸素血症性呼吸不全の成人患者を対象に、覚醒下腹臥位療法と通常ケアを比較した無作為化試験について、システマティック・レビューと頻度論的・ベイズメタ解析を行った。  2人のレビュアーがそれぞれデータを抽出し、バイアス・リスクを評価。ランダム効果モデルを用いて主要アウトカム(気管挿管)と副次アウトカム(死亡率、VFD、ICU・病院入院期間など)を評価した。気管挿管と死亡率はベイズメタ解析で評価。アウトカムのエビデンスの信頼性はGRADEで評価した。

静脈血栓の抗凝固療法はいつまで必要?(解説:後藤信哉氏)

以前よりだいぶ増えてきたとはいえ、日本の静脈血栓症の発症リスクは欧米ほど高くない。症状はあるけど画像診断にて末梢側に血栓を認めた症例に抗凝固薬をどのくらい使用したらよいか? 実臨床では迷うケースが多い。静脈血栓症の症候は下肢痛、浮腫なのであるが、重症度にはばらつきが大きい。神経質な症例ではわずかの浮腫も気になるし、大まかな人もいる。症状があって、静脈血栓を見つけたら抗凝固薬を始めるだろう。

アセトアミノフェン含有製剤、薬剤性過敏症症候群を重大な副作用に追加/厚労省

 アセトアミノフェン含有製剤の添付文書について、2023年1月17日、厚生労働省が改訂を指示した。改訂内容は『重大な副作用』の項への「薬剤性過敏症症候群」の追記で、薬剤性過敏症症候群の国内症例を評価したことに基づく。症例の因果関係評価および使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と薬剤性過敏症症候群との因果関係の否定できない国内症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断された。

統合失調症における抗精神病薬の減量と継続

 統合失調症の主な治療では抗精神病薬が用いられるが、QOLを低下させうるさまざまな投与量関連の副作用が問題となる。そのため、抗精神病薬は可能な限り低用量での使用が推奨されているが、実際の臨床現場では高用量で使用されることも少なくない。再発リスクを抑え有害な副作用を最小限にとどめるために、抗精神病薬を安全に減量できるのかどうか、またはその方法について明らかにする必要がある。  イタリア・カターニア大学のAlessandro Rodolico氏らは、統合失調症患者に対する抗精神病薬について、現在の用量を継続した場合と比較した減量の有効性および安全性の評価を行った。その結果、抗精神病薬の用量を減量した場合と継続した場合において、QOL、機能、1つ以上の有害事象が発現した患者の割合に差は認められなかったが、減量により再発および治療中止のリスクが上昇し、再入院の可能性は高まった。注目すべき点として、研究の大部分がQOL、機能、有害事象などの潜在的なアウトカムではなく再発予防に焦点を当てており、そのうちのいくつかの研究では、抗精神病薬の急激な減量が行われていた。著者らは、より明確な答えを得るためには、適切に設計されたRCTが求められるとしている。Cochrane Database of Systematic Reviews誌2022年11月24日号の報告。

脳卒中後の職場復帰状況は?/BMJ

 手厚い福利厚生と支援システムを有するデンマークでは、主に軽症の脳梗塞成人患者の約3分の2が、診断から2年後には労働市場に参加している一方で、脳出血患者は脳梗塞やくも膜下出血の患者に比べ職場復帰の確率が低いことが、デンマーク・オーフス大学病院のNils Skajaa氏らの調査で示された。職場復帰をしていない理由で最も多かったのは、病気休暇の取得と障害年金の受給であったという。研究の成果は、BMJ誌2023年1月3日号で報告された。

日本で承認されていなくても科学論文には読む価値がある(解説:後藤信哉氏)

心筋梗塞の症例に対してprimary PCIが日本では広く施行されている。多分、日本の臨床家は、抗血小板薬2剤併用療法にて血栓イベントは十分にコントロールされていると感じているだろう。しかし、心筋梗塞後とのこともあり、本試験では日本にて選択可能な抗凝固治療であるヘパリン群では全死因死亡・BARC分類3~5の重篤な出血イベントの発生は30日以内にて4.39%であった。bivalirudinは日本では承認されていない選択的なトロンビン阻害薬である。

コロナ5類変更に賛成は何割?現在診ていない医師は診られるか

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染症法上の位置付けについて、季節性インフルエンザと同様の「5類」に引き下げることを政府が検討を始め、議論が活性化している。ウイルスの性質や医療機関の負担、医療費の公費負担など、さまざまな意見がある中で、医師はどのように考えているのだろうか? CareNet.comの会員医師のうち、内科系を中心として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の診療に携わることが想定される診療科の医師1,000人を対象に、アンケートを実施した(2023年1月11日実施)。  COVID-19患者あるいは発熱患者の診療状況について、「COVID-19患者の診療を行っている」が63.8%と最も多く、「COVID-19疑いの発熱患者の診療を行っている」が18.8%、「いずれも診療していない」が17.4%と続いた。また、「5類となり、COVID-19患者の受診・入院が一般医療機関でも可能となった場合、実際に診療が可能か」質問したところ、「現在診療している」が63.7%、「診療できる」が18.7%、「診療できない」が17.6%であった。

2月5日開催、ドライアイ研究会主催講習会2023【ご案内】

 2023年2月5日(日)、グランフロント大阪にてドライアイ研究会主催講習会2023が開催される。本講習会の現地対面開催は3年ぶり、そして大阪開催は4年ぶりとなる。年に一回開催される本講習会では、ドライアイという疾患の正しい理解と治療の普及、臨床に役立つ情報の発信に力を注いでいる。  今回、参加者の多くが開業医であることに鑑みて、第1部の「繰り返し聞きたい!」では、基本のおさらい、第2部の「これが聞きたい!」では臨床における実際の対応をカバーする。そして、第3部の「もっと聞きたい!」では、今、最もホットな話題について講演が行われる予定である。“あめちゃん”ならぬ、「参加して良かった」「得した!」と思われること間違いなしの明日から使える知識をお持ち帰りいただけるよう準備しているという。

仲間と行う運動は認知機能低下を抑制する/筑波大学・山口県立大学

 高齢者にとって運動習慣を維持することは、フレイルやサルコペニアの予防に重要な役割を果たすとともに、認知症予防に有効であることが知られている。ただ、近年では孤立しがちな高齢者も多く、こうした高齢者が1人で運動した場合とそうでない場合では、認知機能の障害に違いはあるのであろうか。  大藏 倫博氏(筑波大学体育系 教授)らの研究グループは、高齢者4,358人を対象に「1人で行う運動や仲間と行う運動は、どの程度実践されているのか」および「どちらの運動が認知機能障害の抑制に効果があるのか」について、4年間にわたる追跡調査を行った。  その結果、高齢者の多くが実践しているのは、1人で行う運動であり、週2回以上の実践者が40%を超える一方で、仲間と行う運動の週2回以上の実践者は20%未満にとどまることがわかった。また、認知機能障害の抑制効果については、どちらの運動についても週2回以上の実践では、統計的な抑制効果が認められたが、1人で行う運動(22%のリスク減)よりも、仲間と行う運動(34%のリスク減)の方がより強い抑制効果を示すことが判明した。Archives of Gerontology and Geriatrics誌2022年12月23日号(オンライン先行)からの報告。

日本人片頭痛患者における併存疾患

 大阪・富永病院の菊井 祥二氏らは、日本における片頭痛とさまざまな精神的および身体的な併存疾患との関連を調査した。その結果、片頭痛患者では、そうでない人と比較し、精神的および身体的な併存疾患の有病率が高く、これまで日本では報告されていなかった新たな関連性も確認された。本研究結果は、片頭痛患者のケア、臨床診療、アウトカムを複雑にする可能性のある併存疾患に関する知見として役立つであろうとしている。BMJ Open誌2022年11月30日号の報告。  対象は18歳以上の日本在住者。国民健康調査2017年に回答した日本人サンプルのうち3万1人のデータを用いて、横断的研究を実施した。片頭痛患者378例および非片頭痛患者2万5,209例を特定した。1:4の傾向スコアマッチング後、非片頭痛患者を1,512例に絞り込んだ。片頭痛患者と非片頭痛患者における併存疾患の有病率および傾向スコアをマッチさせた有病率のOR(POR)は、精神的および身体的な併存疾患ごとに評価を行った。1ヵ月当たりの頭痛日数が15日未満の片頭痛患者と15日以上の片頭痛患者についても検討を行った。

ルキソリチニブクリーム、アトピー性皮膚炎への長期安全性・有効性は?

 アトピー性皮膚炎(AD)に対するヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬ルキソリチニブ(本邦では骨髄線維症、真性多血症の適応で承認)のクリーム製剤の安全性・有効性について、長期評価の結果をカナダ・Clinical Research and Probity Medical ResearchのKim Papp氏らが報告した。必要に応じて投与が行われた(as-needed)44週の治療期間中の疾患コントロールと忍容性は本治療が有効であることを示すものであったという。ルキソリチニブクリームのAD治療については、2つの第III相二重盲検無作為化プラセボ対照試験(TRuE-AD1試験とTRuE-AD2試験)で検討が行われ、8週時に安全性と有効性が示されていたが、著者は「今回の試験で8週の結果を確認することができた」とし、また「安全性の所見では、ルキソリチニブの血漿中濃度は低く既知のリスク因子が反映されており、生理学的に重大な全身性のJAK阻害の可能性は非常に低いと考えられる」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2022年11月26日号掲載の報告。

気管挿管時の誤嚥回避に、レミフェンタニルは有効か/JAMA

 手術室での迅速導入気管挿管時に、誤嚥のリスクがある成人患者において、即効性オピオイドであるレミフェンタニルは神経筋遮断薬と比較して、重度合併症を伴わない初回挿管の成功に関して非劣性を達成できず、むしろ統計学的に有意に劣ることが、フランス・ナント大学のNicolas Grillot氏らの検討で示された。研究の詳細は、JAMA誌2023年1月3日号に掲載された。  本研究は、フランスの15施設が参加した非盲検無作為化非劣性試験であり、2019年10月~2021年4月の期間に、患者の登録が行われた(フランス保健省の助成を受けた)。

日本人労働者における社会的サポートとメンタルヘルスとの関連

 うつ病、不安症、不眠症には、社会的サポートの不十分さが影響しているといわれている。大阪医科薬科大学の大道 智恵氏らは、日本人労働者のうつ病、不安症、不眠症に関連する社会的サポートの特定を試みた。その結果、同僚や家族からのサポートは、日本人労働者の抑うつ症状を軽減する可能性があり、家族からのサポートは、不眠症状の軽減にもつながる可能性が示唆された。Frontiers in Public Health誌2022年11月21日号の報告。  コホート研究の一環として、2021年9月~2022年3月に滋賀県甲賀市の市職員を対象にアンケート調査を実施した。抑うつ症状、不安症状、不眠症状の評価には、こころとからだの質問票(PHQ-9)、7項目一般化不安障害質問票(GAD-7)、不眠症重症度質問票(ISI)をそれぞれ用いた。仕事のストレスおよび上司、同僚、家族からのサポートは、職業性ストレス簡易調査票(BJSQ)を用いて評価した。