日本語でわかる最新の海外医学論文|page:1118

ACE阻害薬、利尿薬とよりもCa拮抗薬との併用のほうが優れる:ACCOMPLISH試験

 米国の現行の高血圧治療ガイドライン(JNC 7)では、ハイリスクの高血圧患者に対してサイアザイド系利尿剤を含んだ併用療法を用いることを推奨しているが、最適な併用治療は十分に検討されていなかった。国際的な多施設共同試験ACCOMPLISHは、ACE阻害薬「ベナゼプリル」+ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬「アムロジピン」と、「ベナゼプリル」+サイアザイド系利尿薬「ヒドロクロロチアジド」とを比較したもので、ACE阻害薬+Ca拮抗薬併用療法のほうが、心血管イベントの減少効果が優れていることを報告した。NEJM誌2008年12月4日号より。

薬物抵抗性の側頭葉てんかん、前頭側頭葉切除術で期待余命や生活の質改善

薬物抵抗性側頭葉てんかんで、前頭側頭葉切除術が可能な人には、手術をすることで期待余命が5年ほど延長し、また生活の質も改善するようだ。米国コロンビア大学のHyunmi Choi氏らが、モンテカルロ・シミュレーションを用いた研究で明らかにしたもので、JAMA誌2008年12月3日号で発表した。なお、てんかん患者のおよそ20~40%が、薬物抵抗性だという。

中年女性のアルコール摂取、1日2杯以上は心房細動リスクを増大

 45歳以上の健康な女性がアルコールを1日2杯以上定期的に摂取すると、全く飲まない人に比べ、心房細動の発症リスクはおよそ1.6倍に増大するという。一方で、1日2杯未満の摂取なら、同リスクは増えないとも。米国ハーバード大学医学部のDavid Conen氏らが「Women’s Health Study」で明らかにしたもので、JAMA誌2008年12月3日号で発表した。これまでの研究で、男性の中程度~多量のアルコール摂取が、心房細動の発症リスクを増大する可能性があることは知られていたが、女性についての適切な研究はなかった。

心電図検査の予後評価は病歴聴取の域を出ない

狭心症疑いの外来患者への心電図検査(ECG)の予後評価は、病歴聴取で得られる情報に基づく予後評価の域を出ず、将来的に虚血性心疾患を発症するか否かにECGは、ほとんど役に立たない、Newham University Hospital(イギリス)のNeha Sekhri氏らがコホート調査の結果として報告した。ECGはイギリスの胸痛クリニックでは59%の実施率、最近のEuro heart surveyでは76%と臨床現場では慣例化している。BMJ誌2008年11月29日号(オンライン版2008年11月13日号)掲載より。

多施設共同試験の参加者募集について英国CTOCSからの教訓

英国での多施設共同無作為化対照試験はこれまで、当初目標としていた参加者を十分に集められたのはわずか3分の1未満に過ぎない。UCL EGA 研究所婦人科オンコロジー部門のUsha Menon氏らの研究グループは、その原因は、試験の管理・運営に十分な注意が払われてこなかったためではないかと考え、20万人以上の女性の参加を得て成功を収めた、過去最大の無作為化試験の1つである英国の卵巣癌スクリーニング共同試験(CTOCS)の要因を探った。BMJ誌2008年11月29日号(オンライン版2008年11月13日号)より。

2008年ブログ話題ランキング

ブログは様々な情報発信・交換の場となっていて世のトレンドが分かる場でもあるが、2008年の話題はなんだったのか。きざしカンパニーが発表した「08'年間ブログ注目話題ランキング」によると、1位「<北京五輪>女子ソフトボール金メダル」、2位「ラスト・フレンズ最終回」、3位「小室哲哉逮捕」、4位「福田総理辞任」、5位「ホンダF1撤退」だった。

新規抗肥満薬tesofensine、減量効果は既存薬の約2倍

新規抗肥満薬tesofensineの0.5mg/日24週投与は、既存薬の約2倍という有望な体重減少効果と良好な有害事象プロフィールを示すことが、デンマークで実施された無作為化第II相試験で判明した。同国Copenhagen大学生命科学部門のArne Astrup氏が、Lancet誌2008年11月29日号(オンライン版2008年10月23日号)で報告した。

Step試験が早期中止に、細胞性免疫ワクチンはHIV感染を予防できず

期待の大きさを反映してか、落胆の声が世界中に広がっているという。MRKAd5 HIV-1 gag/pol/nefワクチンによる細胞性免疫はHIV-1感染の予防効果およびウイルス量の減少効果を示さず、一部の症例ではむしろ感染リスクを上昇させる可能性があることが、国際的な第II相Step試験の中間解析で判明したのだ。試験はすでに早期中止となっている。米San Francisco公衆衛生局HIV研究部のSusan P Buchbinder氏が、Lancet誌2008年11月29日号(オンライン版2008年11月13日号)で報告した。

ニューロタンのヒトにおける尿酸低下作用の機序が証明される

万有製薬株式会社は9日、同社が販売している高血圧症治療薬ロサルタン(商品名:ニューロタン、アンジオテンシンII受容体拮抗薬:ARB)を用いた臨床研究で、ヒトにおけるロサルタンの尿酸低下作用の機序が初めて証明され、その結果が、米国高血圧学会の学会誌AMERICAN JOURNAL OF HYPERTENSIONに論文掲載されたことを発表した。