内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:260

日本人高齢者の笑いと認知症リスク

 現在、主な社会的行動である笑いと認知症リスクとの関連を報告したエビデンスは、ほとんどない。大阪大学の王 雨氏らは、日本人高齢者における笑いのさまざまな機会と認知症リスクとの関連について調査を行った。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2022年3月14日号の報告。  対象は、日本老年学的評価研究の6年間のフォローアップデータを用いて抽出した65歳以上の高齢者1万2,165人。笑いの機会の評価には質問票を用い、認知症の評価には、介護保険制度で標準化された認知症尺度を用いた。ハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を推定するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。

ビレーズトリ、新たな吸入デバイスへの変更承認取得/AZ

 アストラゼネカ株式会社は、2022年3月30日、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療配合剤「ビレーズトリエアロスフィア56吸入/120吸入」(一般名:ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物、以下「ビレーズトリエアロスフィア」)の新たな吸入デバイスの製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。  COPD治療薬は吸入製剤が多く、患者が、医師や薬剤師の指示を理解したうえで、正しい手技で吸入することが求められる。ビレーズトリエアロスフィアの新たな吸入デバイスは主に外観を変更しており、有効成分、臨床成績、1回噴霧量および投薬方法に変更はない。

REAL-CADサブ解析で日本人の2次予防に最適なLDL-C値が明らかに/日本循環器学会

 LDLコレステロール(LDL-C)値について、“The lower, the better(低ければ低いほど良い)”という考え方があるが、日本人の冠動脈疾患(CAD)患者には必ずしも当てはまらないかもしれない。今回、日本人の安定CAD患者における最適なLDL-C目標値を検討すべく、REAL-CADの新たなサブ解析を行った結果を、第86回日本循環器学会学術集会(2022年3月11~13日)で佐久間 理吏氏(獨協医科大学病院 心臓・血管内科/循環器内科)が発表した。

lecanemabの最新知見をアルツハイマー・パーキンソン病学会で発表/バイオジェン

 エーザイ株式会社とバイオジェン・インクは、早期アルツハイマー病(AD)の治療薬として開発中の抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体lecanemabに関する最新の知見を、3月15日から20日までスペイン・バルセロナおよびバーチャルで開催された「第16回アルツハイマー・パーキンソン病学会(International Conference on Alzheimer’s and Parkinson’s Diseases:AD/PDTM2022)のシンポジウム「ADにおけるAβ標的治療法2」で発表した。

抗うつ薬の漸減・中止に関する診療ガイドラインの推奨~システマティックレビュー

 抗うつ薬の漸減や中止は、うつ病患者のマネジメントを行ううえで重要であり、診療ガイドラインを考慮して進める必要がある。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のAnders Sorensen氏らは、うつ病に関する主要な診療ガイドラインにおける抗うつ薬の漸減および中止に関するガイダンスの内容や質を評価するため、システマティックレビューを行った。Therapeutic Advances in Psychopharmacology誌2022年2月11日号の報告。  英国、米国、カナダ、オーストラリア、シンガポール、アイルランド、ニュージーランドの保健当局および主要な国家的または国際的な専門機関より発行された、うつ病に関する診療ガイドラインをシステマティックにレビューした。2021年5月25日までにPubMed、14件のガイドラインレジストリおよび関連団体のウェブサイトを検索し、診療ガイドラインの抗うつ薬の漸減および中止に関連する推奨事項について評価した。抗うつ薬の漸減および中止に関する診療ガイドラインの質の評価ツールとして、AGREE IIを用いた。

aducanumabの第III相試験結果に関する査読付き論文を発表/バイオジェン

 バイオジェン・インクは2022年3月16日、The Journal of Prevention of Alzheimer’s Disease(JPAD)誌が、早期アルツハイマー病治療薬であるaducanumab(米国での商品名:Aduhelm)点滴静注100mg/mLについて、第III相EMERGE/ENGAGE試験の詳細データに関する査読付き論文を掲載したことを発表した。このaducanumabの論文には臨床試験における主要、副次、3次評価項目をはじめ、安全性情報およびバイオマーカーに関するサブ試験の結果が含まれる。

J&J製ワクチン、第III相試験で重症化・死亡に対する有効性確認/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のAd26.COV2.Sワクチン(Johnson & Johnson製)単回接種は、ベータ変異株およびデルタ変異株のいずれにおいても重症COVID-19およびワクチン接種後のCOVID-19関連死に対して有効であることが認められた。南アフリカ共和国・Desmond Tutu HIV CentreのLinda-Gail Bekker氏らが、医療従事者を対象とした単群非盲検第IIIB相試験「Sisonke試験」の結果を報告した。Lancet誌2022年3月19日号掲載の報告。  研究グループは、南アフリカ共和国の18歳以上の医療従事者を全国のワクチン接種会場122施設のいずれかに招待し、Ad26.COV2.Sワクチン(ウイルス粒子量5×1010)単回接種を実施した。ワクチンの有効性を評価するため、2つの大規模な医療保険組織またはマネジドケア組織(Discovery Healthが管理する医療制度[A]と、Government Employees Medical SchemeおよびMedSchemeが管理する医療制度[B])の個人データを用い、ワクチン接種済みの医療従事者を一般集団のワクチン未接種者とマッチングさせた。

左房機能低下は認知症発症と関連/JAMA

 心エコーで評価した左房機能の低下は、その後の認知症のリスク増加と有意に関連しており、左房容積は関連していないことを、米国・ミネソタ大学のWendy Wang氏らが、地域住民を対象とした前向きコホート研究「Atherosclerosis Risk in Communities study:ARIC研究」で示した。著者は「今回の所見は、左房機能障害が認知症のリスク因子になり得ることを示唆するものである」とまとめている。左房の機能や大きさの変化が特徴である心房ミオパチーは、心房細動とは無関係に虚血性脳卒中と関連していることが知られる。心房ミオパチーの心電図マーカーは認知症と関連しているが、断層(2D)心エコーで評価した左房機能や大きさが認知症と関連しているかどうかについては不明であった。JAMA誌2022年3月22日・29日号掲載の報告。

医療従事者への4回目接種、その効果は?/NEJM

 イスラエルの医療従事者を対象に、3回目接種から4ヵ月後にファイザー製およびモデルナ製の新型コロナワクチンを投与した結果、4回目接種後の中和抗体価は投与前の9~10倍に増加した。一方で3回目接種後のピーク反応との比較から、著者らはmRNAワクチンの免疫原性は3回の接種で最大となる可能性が示唆されたとしている。イスラエル・Sheba Medical CenterのGili Regev-Yochay氏らによる非盲検非無作為化臨床試験の結果が、NEJM誌オンライン版2022年3月16日号のCORRESPONDENCEに掲載された。

小児の乳製品摂取量と片頭痛との関連

 片頭痛は、病因が明らかになっておらず、理解不十分な病態生理学的経路を伴う疾患である。乳製品の摂取量と小児の慢性的な症状および片頭痛との関係についてのデータを充足するため、イラン・テヘラン医科大学のShadi Ariyanfar氏らは本研究を実施した。Iranian Journal of Child Neurology誌2022年冬号の報告。  3次医療圏の頭痛クリニックにおける人口ベースのケースコントロール研究を実施した。対象は7~14歳の小児290例。片頭痛の診断は、国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の基準を用いて神経内科医が行った。人口統計学的および人体測定学的特性を収集した。食事摂取量の調査には、検証済みの半構造化された食事摂取頻度調査票(food frequency questionnaire:FFQ)を用いた。  主な結果は以下のとおり。