内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:258

今後25年間の日本における認知症有病率の予測

敦賀市立看護大学の中堀 伸枝氏らは、富山県認知症高齢者実態調査の認知症有病率データと人口予測データを用いて、日本における認知症有病率の将来予測を行った。BMC Geriatrics誌2021年10月26日号の報告。  まず、1985、90、96、2001、14年の富山県認知症高齢者実態調査のデータを用いて、性別・年齢別の認知症推定将来有病率を算出した。次に、2020~45年の47都道府県それぞれの65歳以上の推定将来人口に性別年齢を掛け合わせ、合計することで認知症患者数を算出した。認知症の推定将来有病率は、算出された認知症患者数を47都道府県それぞれの65歳以上の推定将来人口で除することで算出した。また、2020~45年の47都道府県それぞれの認知症推定将来有病率は、日本地図上に表示し、4段階で色分けした。

ノババックスワクチン、安全性と有効性を確認/NEJM

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのNVX-CoV2373(Novavax製)は、COVID-19の予防に関して安全かつ有効であることを、米国・NovavaxのLisa M. Dunkle氏らが、米国およびメキシコで行われた第III相無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。NVX-CoV2373は、英国と南アフリカで行われた第IIb・III相の試験において臨床的効果が示されていたが、北米ではまだ検討が行われていなかった。NVX-CoV2373は、サポニンベースのアジュバントを添加した遺伝子組換えスパイク蛋白ナノ粒子ワクチンで、冷蔵保管(2~8℃)が可能であることから、世界的なワクチン不足に資するワクチンと目されている。NEJM誌オンライン版2021年12月15日号掲載の報告。

大規模屋内ライブ、包括的介入でコロナ感染予防は可能か~無作為化比較試験

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)蔓延防止のため、2020年は多くの屋内で集まるイベントが禁止された。フランスにおけるSPRING研究(Study on Prevention of SARS-CoV-2 Transmission During a Large Indoor Gathering Event)グループでは、大規模な屋内集会イベントで、開催前3日以内の抗原検査、医療用マスクの着用、十分な換気などの包括的な予防的介入を実施した場合、参加者と非参加者の感染率が同等かどうかを非劣性試験で検証した。その結果、イベント参加とSARS-CoV-2感染リスクに関連は認められなかったことをThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2021年11月26日号で報告した。

心血管疾患2次予防にインフルエンザワクチンは必要か

 急性冠症候群の治療期間中における早期のインフルエンザワクチン接種によって、12ヵ月後の心血管イベント転帰改善が示唆された。本研究は、スウェーデン・Orebro UniversityのOle Frobert氏らにより欧州心臓病学会(ESC 2021)にて報告された。Circulation誌2021年11月2日号に掲載。  実施された国際多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(IAMI trial)は、2016年10月1日~20年3月1日の4シーズンに8ヵ国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ラトビア、英国、チェコ、バングラデシュ、オーストラリア)30施設で参加者を登録。急性心筋梗塞(MI)または高リスクの冠動脈疾患患者を対象に、入院から72時間以内にインフルエンザワクチンまたはプラセボを接種する群に1:1でランダムに割り付けた。  なお、過去12ヵ月間にインフルエンザワクチン接種を受けた者、入院したシーズン中にワクチン接種を受ける意思がある者は除外された。

「頭痛の診療ガイドライン」8年ぶり改訂、ポイントは

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした新規薬剤の片頭痛予防薬としての相次ぐ承認、2018年の「国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)」の発表等、頭痛診療における重要な変化を反映する形で、8年ぶりの改訂となった「頭痛の診療ガイドライン 2021」が10月に刊行された。ガイドライン作成委員会委員長を務めた荒木 信夫氏(よみうりランド慶友病院 委員長)に、改訂のポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。  本ガイドラインは前回の「慢性頭痛の診療ガイドライン 2013」をもとに改訂が行われているが、二次性頭痛の項目を加え、その記載を大幅に拡充したことから、タイトルは従来の「慢性頭痛」から「頭痛」に変更されている。

COVID-19パンデミック時の不眠症状とそれに関連する因子

 ノルウェー・オスロ大学のOyvind Halsoy氏らは、COVID-19パンデミック中の不眠症状に関連する因子について、調査を行った。Frontiers in Psychiatry誌2021年11月5日号の報告。  ノルウェーの成人4,921人を対象に、2020年3月31日~4月7日および2020年6月22日~7月13日の2つの期間において調査依頼を実施した。1回目の調査で関連するリスク因子や心理的相関を、2回目の調査で不眠症状を測定し、時間経過に伴う関連を含めた調査を行った。不眠症状の測定には、Bergen Insomnia Scale(BIS)を用いた。  主な結果は以下のとおり。

モデルナワクチン2回接種、変異株ごとの有効性/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンmRNA-1273(Moderna製)の2回接種は、デルタ変異株、ミュー変異株を含む新たに出現した変異株に対して有効性を示し、とくにCOVID-19による入院に対して高い効果が認められることが、米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニア(KPSC、統合型ヘルスケアシスム)のKatia J. Bruxvoort氏らにより報告された。KPSCメンバーの接種者を対象としたtest negativeケースコントロール試験の結果で、これまでmRNA-1273ワクチンの特異的変異株に対する有効性を検討した試験はほとんどなく、今回の試験を行ったという。mRNAベースのCOVID-19ワクチンについてはデルタ変異株への有効性が低く、保護効果の減弱が報告されていた。BMJ誌2021年12月15日号掲載の報告。

COVID-19退院後の血栓イベント予防に、抗凝固療法が有用/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した高リスク患者において、退院後のリバーロキサバン10mg/日投与は抗凝固療法を行わない場合と比較し35日後の臨床アウトカムを改善することが、無作為化非盲検試験「MICHELLE試験」で示された。ブラジル・Science Valley Research InstituteのEduardo Ramacciotti氏らが報告した。COVID-19で入院した患者は、退院後に血栓イベントのリスクがあるが、この集団における血栓予防の効果は不明であった。Lancet誌オンライン版2021年12月15日号掲載の報告。  研究グループは、ブラジルの14施設において、COVID-19により入院し、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが高い患者(VTE予防のための国際登録「IMPROVE」のVTEスコア≧4、または2~3でDダイマー>500ng/mL)を、退院時にリバーロキサバン10mg/日を投与する群(リバーロキサバン群)と抗凝固療法を行わない群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。

経口コロナ治療薬モルヌピラビルを特例承認/厚労省

 厚生労働省は12月24日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する経口抗ウイルス薬モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオカプセル200mg)について、国内における販売を特例承認した。申請者はMSD。重症化リスク因子を有し、軽症~中等症の入院していない18歳以上の患者が投与対象となる。ただし、動物実験において胎児毒性が報告されているため、妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しない旨が、添付文書に「禁忌」として明記されている。本剤は11月10日、メルクと日本政府との間で約160万回分を提供することですでに合意しており、今回の承認を受け、速やかに提供が開始される見通しだ。新型コロナに特化した経口治療薬の承認は本剤が初めてとなる。

押さえておきたいリアルタイムCGMの使用要件/日本糖尿病学会

 糖尿病診療で広く活用されてきているリアルタイム持続グルコース測定(リアルタイムCGM)。2018年12月からはリアルタイムCGMが保険適用となり、CGM機は施設基準を満たした医療機関で、適用患者も限定され使用されている。  日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、2019年に発表した「『リアルタイムCGM適正使用指針』について」の内容を改訂し、12月16日に公表した。