内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:240

抗CGRP抗体治療中止後の片頭痛日数の変化

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)抗体は、片頭痛予防におけるゲームチェンジャーとして期待される。しかし、治療費が高額となるため、治療期間を必要最低限に抑えることが求められる。スイス・チューリヒ大学病院のAndreas R. Gantenbein氏らは、12ヵ月間の抗CGRP抗体治療を中止した後、月間片頭痛日数がどの程度変化するかを検討した。Cephalalgia誌オンライン版2021年5月17日号の報告。  抗CGRP抗体で12ヵ月間治療を行った片頭痛患者のデータを収集した。

運動するなら、朝と夕方どちらが効果的?

 太り過ぎの男性が運動療法を行う場合、朝よりも夕方に行ったほうが代謝機能の回復効果が高いことが、ノルウェー科学技術大学のTrine Moholdt氏らによる研究の結果、わかった。Diabetologia誌オンライン版2021年5月19日号に掲載された。  研究者らは、高脂肪食の摂取が血糖コントロール、全身の健康マーカー、血清メタボロミスクに及ぼす影響が、運動トレーニングを行う時間帯(朝と夜)によって変化するかどうかを検討した。

新型コロナ抗体薬bamlanivimab、単剤投与で発症予防効果/JAMA

 介護付き有料老人ホームの入居者と職員を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「BLAZE-2試験」において、bamlanivimab単剤療法は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生を低下させることが認められた。米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のMyron S. Cohen氏らが報告した。介護福祉施設でCOVID-19が発生した場合、入居者および職員をCOVID-19から守るために予防的介入が必要である。モノクローナル抗体薬のbamlanivimabは、SARS-CoV-2感染およびCOVID-19発症に対し速やかな予防効果を発揮することが期待されていた。JAMA誌オンライン版2021年6月3日号掲載の報告。

COVID-19診断後、3割が半年以内に精神・神経症状発症

 COVID-19の神経学・精神医学的後遺症が報告されているが、英国・オックスフォード大学のMaxime Taquet氏ら研究グループが23万例超のCOVID-19患者のデータを分析したところ、診断後6ヵ月以内に約34%が虚血性脳卒中や不安障害、気分障害などを発症していたことがわかった。集中治療を要する重症例では、推定発生率は約47%にまで上昇していた。Lancet Psychiatry誌2021年5月号掲載の報告。  本研究は、米国の62医療機関の患者8,100万人の電子カルテから匿名データを収集するTriNetX電子健康記録ネットワークを使用し、2020年1月20日~12月13日の期間、COVID-19診断後6ヵ月間における14種の神経学・精神医学的症状の発生率を推定した(頭蓋内出血、虚血性脳卒中、パーキンソン病、ギランバレー症候群、神経・神経根・神経叢障害、神経筋接合部・筋疾患、脳炎、認知症、気分・不安・精神病性障害、精神病性障害、気分障害、不安障害、物質使用障害、不眠症)。対照群として、インフルエンザや呼吸器感染症の患者コホートを設定し、傾向スコアマッチングを用いて発症率を比較した。

嚥下機能低下の患者さんへの糖尿病治療薬/田辺三菱製薬

 高齢者や病中・病後の患者さんなど飲み込む力、すなわち嚥下機能が落ちている患者さんにとって薬を飲みこむことは一仕事であり、場合によっては服薬中断など服薬コンプライアンスを悪化させる原因となる。こうした身体状況に対処できる工夫はあるだろうか。  田辺三菱製薬株式会社は、選択的DPP-4阻害剤テネリグリプチン(商品名:テネリアOD錠20mg、同錠40mg)について、6月18日に薬価基準に収載され、発売したと発表した。  同社は、高齢の患者さんや嚥下機能が低下した患者さん、また、水分の摂取制限が必要な患者さんにおける、さらなる利便性や服薬コンプライアンスの向上を目指し、口腔内崩壊錠(OD錠)の開発を行い、本年2月に同薬剤の製造販売承認を取得していた(「テネリア錠20mg」は2012年6月に、「同錠40mg」は2018年8月に製造販売承認を取得)。

「COVID-19ワクチンに関する提言」、変異株や安全性の最新情報追加/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:舘田一博氏[東邦大学医学部教授])は、6月16日に「COVID-19ワクチンに関する提言」(第3版)を同学会のホームぺージで発表、公開した。  第1版は2020年12月28日に、第2版は2021年2月26日に発表・公開され、ワクチンの有効性、安全性、国内での接種の状況、接種での注意点などが提言されていた。  今回は、第2版以降の新しい知見に加え、新しく承認されたワクチンの効果、安全性について加筆された。

AZ製ワクチン、毛細血管漏出症候群を副反応に追加/欧州医薬品庁

 欧州医薬品庁(EMA)の安全委員会・ファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)はアストラゼネカ製のCOVID-19ワクチン「Vaxzevria:開発名ChAdOx1 nCoV-19(AZ製ワクチン)」に関するレビューをサイト上で発表し、過去に毛細血管漏出症候群を発症した人はAZ製ワクチンを接種すべきではない、と結論付けた。  毛細血管漏出症候群(capillary leak syndrome)は、毛細血管から液体が漏出し、手足のむくみ、低血圧、アルブミン血中濃度の低下などが生じ、全身の浮腫や腎不全などの症状を引き起こす希少疾患。

男性の精子数、mRNAワクチン接種で減少なし/JAMA

 COVID-19感染後に男性の生殖機能に障害が生じるという複数の報告※1※2があるが、mRNAワクチン接種後に精子の状態を調べた研究では、精子濃度が高まり、精液量と精子運動性も高まったことが確認されたという。JAMA誌オンライン版2021年6月17日号Research Letterの報告。  米マイアミ大学で行われたこの単施設の前向き研究では、18~50歳までの健康な男性をボランティアとして募集。参加者は不妊症の基礎疾患がないことが確認され、COVID-19有症状者と90日以内の検査結果陽性者は除外された。参加者は2~7日間の禁欲後、1回目のワクチン接種前と2回目のワクチン接種から約70日後に精液サンプルを提出した。

1つであらゆるコロナ変異株防ぐ「スーパー中和抗体」作製/富山大

 富山大学などの研究グループは6月16日、新型コロナウイルスのさまざまなタイプの変異株の感染を防ぐことができる中和抗体を人工的に作製することに成功したと発表した。1つの抗体で多種の変異株の感染を防御できる現時点で最も理想的な抗体として、研究グループは「スーパー中和抗体」と命名。6月14日付で特許を出願し、製薬会社との共同事業化等により治療薬として実用化に向けた対応を急ぎたい考えだ。

ワクチン予診票、17ヵ国語対応版を公開/厚労省

 厚生労働省サイトでは、各国語に対応した新型コロナワクチン接種に使う「予診票」「ワクチン種類別の説明書」「接種に関するお知らせ」が公開されている。  対応言語は英語、中国語(簡体字・繁体字)、フランス語、アラビア語など計17ヵ国語。「予診票」はかかりつけ医の項目が削除された最新版に対応しており、ファイザー製とモデルナ製それぞれに対応した「説明書」は対象年齢や接種のスケジュール、接種が受けられないケースといった基本事項が説明されている。「接種のお知らせ」は接種当日の服装や持ちものについての説明が記載されている。