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The Lancet Commission on addressing the global hepatocellular carcinoma burden: comprehensive strategies from prevention to treatmentChan SL, et al. Lancet. 2025;406:731-778.<Lancet誌委員会レビュー>:肝がん、2050年に全世界で倍増する可能性肝がんは、適切な対策を講じなければ2050年に152万人へと倍増する可能性があるとLancet誌が報告しています。地域ごとの背景は大きく異なり、中国では肝がん対策の進展が停滞し、欧州や北米ではMASLDやアルコール関連肝障害に伴う発がんが増加しています。またアフリカでは、人口増加に加え高いウイルス性肝炎の有病率が危惧されています。この“倍増の危機”を抑えるためには、国際的な協調や対策の強化が喫緊の課題です。Association between longitudinal weight change and clinical outcome in individuals with MASLDShi Y, et al. Hepatology. 2025 Oct 8. [Epub ahead of print]<1万例超対象の国際共同研究>:MASLD患者における体重変化の臨床転帰への影響国際共同研究によるMASLD 10,014例の解析により、これまで漠然と重要視されてきた“体重変化”が、治療評価に直結する強力なエビデンスとして示されました。5%超の体重増加は肝関連イベントの増加と肝硬度悪化、5%超の減量は改善と関連。GLP-1RA/SGLT2i使用を調整しても、体重変化自体が独立した主要因でした。Risk of de novo HCC in patients with MASLD following direct-acting antiviral-induced cure of HCV infectionLiu CH, et al. J Hepatol. 2025;82:582-593.<DAA後の新規肝がん発症リスク>:MASLDを有する患者では発がん率が約2倍C型肝炎は直接作用型抗ウイルス薬(DAA)でほぼ100%治癒する時代ですが、その後の肝がん管理は依然として重要です。本研究ではC型肝炎治療後の1,598例を解析し、MASLDを有する患者では発がん率が約2倍に上昇していました。MASLDはそれ自体が肝がんリスクを高めるだけでなく、肥満や糖尿病などの心代謝危険因子(CMRFs)を介して肝がん発症を促す“橋渡し役”にもなっていることが明らかになりました。ウイルス学的著効(SVR)後もMASLDとCMRFsの適切な管理と、継続的なHCCサーベイランスが不可欠です。Neoadjuvant FOLFIRINOX versus neoadjuvant gemcitabine-based chemoradiotherapy in resectable and borderline resectable pancreatic cancer (PREOPANC-2): a multicentre, open-label, phase 3 randomised trialJanssen QP, et al. Lancet Oncol. 2025;26:1346-1356.<PREOPANC-2試験>:切除可能・境界切除可能膵がんに対するFOLFIRINOX、OSに有意差認めずFOLFIRINOXは切除可能・境界切除可能膵がんに対し、ゲムシタビン併用化学放射線療法と比較して全生存期間(OS)の延長を示しませんでした。安全性は両群で許容可能と判断され、どちらの術前療法も臨床的に選択肢となりうることが示されました。IgG4-related disease in the Japanese population: a whole-genome sequencing studyZhang YO, et al. Lancet Rheumatol.2026;8:e11-e22.<日本のIgG4関連疾患における全ゲノム解析>:HLA・FCGR2Bに加え、C4コピー数変動が新たな感受性因子として同定日本人における自己免疫性膵炎をはじめとしたIgG4関連疾患患者を対象とした全ゲノム解析により、既知のHLA・FCGR2Bに加え、補体C4が独立した遺伝的感受性因子であることが示されました。また、PTCH1およびlncRNA LOC102724227がミクリッツ病特異的な感受性遺伝子として明らかになり、IgG4関連疾患の臓器多様性を生む遺伝的多様性が示唆されました。