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CABGが3枝病変には有益?SYNTAX試験の10年死亡率/Lancet

 冠動脈3枝病変および左冠動脈主幹部病変の治療において、第1世代パクリタキセル溶出ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と冠動脈バイパス術(CABG)では、10年間の全死因死亡に差はなく、3枝病変患者ではCABGの生存利益が有意に大きいが、左冠動脈主幹部病変患者ではこのような利益はないことが、オランダ・エラスムス大学のDaniel J F M Thuijs氏らが行ったSYNTAX試験の延長試験であるSYNTAXES(SYNTAX Extended Survival)試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年9月2日号に掲載された。SYNTAX試験は、de-novo 3枝および左冠動脈主幹部病変患者における第1世代パクリタキセル溶出ステントを用いたPCIとCABGを比較する非劣性試験であり、最長5年のフォローアップでは、全死因死亡率はPCIが13.9%、CABGは11.4%(p=0.10)と報告されている。3枝および左冠動脈主幹部病変患者をCABGとPCIに割り付け 本研究は、北米と欧州の18ヵ国85施設が参加した多施設共同無作為化対照比較試験であり、2005年3月~2007年4月の期間に患者登録が行われた(フォローアップ期間の5~10年目はGerman Foundation of Heart Research、0~5年目はBoston Scientific Corporationの助成を受けた)。 対象は、年齢21歳以上のde-novo 3枝病変および左冠動脈主幹部病変を有する患者であった。PCIまたはCABGの既往歴、急性心筋梗塞、同時に心臓手術が適応の患者は除外された。被験者は、PCIまたはCABGを受ける群に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは10年全死因死亡であり、intention-to-treat解析で評価した。糖尿病の有無別、および3段階の冠動脈病変の複雑性(SYNTAXスコアが≦22点:複雑性が低い、23~32点:中等度、≧33点:高い)に基づき、事前に規定されたサブグループ解析が行われた。CABG群に比べ3枝病変患者はPCI群の死亡率が有意に高かった 1,800例が登録され、PCI群に903例(平均年齢65.2[SD 9.7]歳、女性24%)、CABG群には897例(65.0[9.8]歳、21%)が割り付けられた。10年時の生存転帰の情報は、PCI群841例(93%)、CABG群848例(95%)で得られた。 10年時までに、PCI群では244例(27%)、CABG群では211例(24%)が死亡し、両群間に有意な差は認められなかった(ハザード比[HR]:1.17、95%信頼区間[CI]:0.97~1.41、p=0.092)。5年時をランドマークポイントとするランドマーク解析を行ったところ、0~5年(1.19、0.92~1.54)および5~10年(1.15、0.89~1.50)のいずれにおいても、両群間に死亡率の差はみられなかった。 また、3枝病変患者では、PCI群がCABG群に比べ死亡率が有意に高かったのに対し(151/546例[28%]vs.113/549例[21%]、HR:1.41、95%CI:1.10~1.80)、左冠動脈主幹部病変患者では両群間に差はなかった(93/357例[26%]vs.98/348例[28%]、0.90、0.68~1.20、交互作用のp=0.019)。 糖尿病患者(HR:1.10、95%CI:0.80~1.52)および非糖尿病患者(1.20、0.96~1.51)においても、PCI群とCABG群の間に死亡率の差はなかった(交互作用のp=0.66)。冠動脈病変の複雑性別の解析では、複雑性が低い群(1.13、0.79~1.62)と中等度の群(1.06、0.77~1.47)の死亡率には治療群間に差はなく、高い群(1.41、1.05~1.89)ではCABG群が良好であったが、これらの3つの群に線形傾向はみられなかった(傾向のp=0.30)。 著者は、「血行再建術を要する複雑な冠動脈3枝病変を有する患者はCABGを受けるべきと考えられるが、選定された左冠動脈主幹部病変患者では、PCIはCABGに代わる適切な選択肢であり、同様の10年生存率をもたらす」としている。

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閉経後ホルモン療法、5年以上で乳がんリスク増大/Lancet

 先進国の平均体重の女性では、閉経後ホルモン療法(MHT)を50歳から5年間受けた場合の50~69歳における乳がんリスクの増加は、エストロゲン+プロゲスターゲン毎日投与では約50人に1人であり、エストロゲン+プロゲスターゲンの月に10~14日投与では70人に1人、エストロゲン単独では200人に1人であるとの調査結果が、英国・オックスフォード大学のValerie Beral氏らCollaborative Group on Hormonal Factors in Breast Cancerによって示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年8月29日号に掲載された。MHTの種類別の乳がんリスクに関する既報の知見には一貫性がなく、長期的な影響に関する情報は限定的だという。MHTの種類別の乳がんリスク増加のメタ解析 研究グループは、MHTの種類別の乳がんリスクに関するエビデンスを、公表・未公表を問わず収集し、関連する無作為化試験のエビデンスをレビューするとともに、メタ解析を行った(Cancer Research UKと英国医学研究会議[MRC]の助成による)。 主解析には、MHTの種類と使用のタイミングを検討した前向き研究の個々の参加者のデータを用いた。この種類と使用時期に関する完全な情報のある参加者を中心に解析を行った。研究の特定は、1992年1月1日~2018年1月1日の期間に、公式・非公式の情報源を定期的に検索することで行った。 現MHT使用者では、MHT使用の最終報告から最長5年(平均1.4年)までのデータを解析に含めた。ロジスティック回帰を用いて、特定のMHTの使用者の非使用者との比較における補正リスク比(RR)を算出した。中止後も、ある程度の過度のリスクが10年以上持続 フォローアップ期間中に10万8,647例の閉経後女性が乳がんを発症し、発症時の平均年齢は65歳(SD 7)であり、このうち5万5,575例(51%)がMHTを使用していた。完全な情報のある患者では、平均MHT使用期間は、現使用者が10年(6)、元使用者は7年(6)であり、閉経時の平均年齢は50歳(5)、MHT開始時の平均年齢は50歳(6)だった。 MHTは、膣エストロゲンを除き、乳がんリスクの増加と関連しており、使用期間が長くなるほどリスクが増加し、エストロゲン/プロゲスターゲンはエストロゲン単独に比べリスクが高かった。 現使用者では、このような過度の乳がんリスクは使用期間が1~4年と短くても明確に認められた(エストロゲン/プロゲスターゲンのRR:1.60、95%信頼区間[CI]:1.52~1.69、エストロゲン単独のRR:1.17、95%CI:1.10~1.26)。 エストロゲン/プロゲスターゲンの使用期間5~14年の乳がんリスクは、エストロゲン+プロゲスターゲンの毎日使用が、エストロゲン+プロゲスターゲンの月に10~14日の使用よりも高かった(それぞれRR:2.30[95%CI:2.21~2.40]、1.93[1.84~2.01]、異質性のp<0.0001)。 現使用者の使用期間5~14年における乳がんのRRは、エストロゲン受容体陽性腫瘍が陰性腫瘍よりも高く、MHT開始年齢が40~44歳、45~49歳、50~54歳、55~59歳の女性でほぼ同じであり、60歳以降に開始した女性や肥満の女性では低下した(肥満女性では、エストロゲン単独のMHTによる乳がんリスクの増加はほとんどなかった)。 MHT中止後も、ある程度の過度のリスクが10年以上持続し、その強度は使用期間の長さに依存しており、使用期間が1年未満の場合はリスクがほとんど増加しなかった。 著者は「MHTを10年間使用した場合の乳がんリスクの増加は、今回の5年使用のリスクの約2倍に達すると考えられる」としている。

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外傷医学的に一番危ない球技はどれか?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第146回

外傷医学的に一番危ない球技はどれか?いらすとやより使用球技って、球そのものが凶器と化すので、スポーツの中ではリスクの高い部類に属します。もちろん、ハンマー投げのハンマーのほうが破壊力は高いですが…。2017年に男子高校生が投げたハンマーが、女性生徒の頭に直撃して、搬送先の病院で亡くなったという痛ましい事故もありました。Fraser MA, et al.Ball-Contact Injuries in 11 National Collegiate Athletic Association Sports: The Injury Surveillance Program, 2009-2010 Through 2014-2015.J Athl Train. 2017;52:698-707.これは、2009~2010年および2014~2015年における11の国立大学体育協会(NCAA)スポーツにおけるボール外傷のデータをまとめた疫学研究です。対象となったスポーツは、男子サッカー、女子フィールドホッケー、女子バレーボール、男子野球、女子バスケットボール、男子ラクロス、女子ラクロス、女子サッカーです。なんとなくですが、ホッケーが一番怖そうです。ものすごいスピードで飛んできますもんね、ボールが。顔面に当たったらもうトラウマになりそう…。さて、球技によるボール外傷の頻度を調査したところ、1,123のボール外傷がありました。アスリート曝露(AE)という単位ごとにその頻度を評価しました。AEというのは1人のアスリートが1回の競技に参加した場合に1と定めたものです。「人年」みたいな感覚でよいですね。これに基づくと、最も頻度が高かったのは女子ソフトボールで、1万AEあたり8.82という結果でした。私が高いかなと予測していた女子フィールドホッケーは7.71、その次は男子野球で7.20でした。また、女子のほうが男子よりも脳震盪と診断されたボール外傷の頻度が高いことが分かりました。アメリカの女子ソフトボールは、ヘルメットの大きさや保護部位などに、厳密な規定がないそうで、それが外傷を増加させた可能性があります。

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2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症リスクとの関連

 大地震は極度のストレスを引き起こし、認知機能に悪影響を及ぼす可能性がある。新潟大学の中村 和利氏らは、2004年新潟県中越地震後の心理的苦痛と認知症との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年8月19日号の報告。 本研究は、10~12年フォローアップを行ったレトロスペクティブコホート研究である。対象者は、2004年新潟県中越地震後に年次健康診断を行った40歳以上の小千谷市民(2005年6,012人、2006年5,424人、2007年5,687人)。Kessler Psychological Distress Scale(K10)を用いて心理的苦痛を評価し、K10スコアが10以上を心理的苦痛ありと定義した。フォローアップ期間中の地方自治体からの介護保険データベースより、認知症発症を特定した。毎年の認知症発症に対する心理的苦痛のハザード比(HR)は、性別、年齢、職業、BMI、住居の物理的破損などの共変量について未調整および調整後に評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均年齢は、2005年64.6歳、2006年64.6歳、2007年65.2歳であった。・心理的苦痛を有する人は、対照群と比較し、調整HRが有意に高かった(HR:1.20~1.66)。・とくに、2005~07年のすべての年において、心理的苦痛を有する人は、調整HRが高かった(HR:2.89)。 著者らは「心理的苦痛、とくに持続的な苦痛は、大災害の犠牲者において認知症発症のリスク因子である」としている。

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PD-1阻害薬による免疫関連肺臓炎はNSCLC患者の予後を悪化させる

 PD-1阻害薬の免疫関連有害事象の1つである肺臓炎は、時に致命的となることが知られるが、予後にどの程度影響するのかは明らかになっていない。名古屋大学大学院医学部の富貴原 淳氏らは、PD-1阻害薬の投与を受けた非小細胞肺がん(NSCLC)患者を後ろ向きに解析し、免疫関連肺臓炎(IRP)の発症と予後の関係を検討した。Clinical Lung Cancer誌オンライン版2019年8月1日号掲載の報告。 研究グループは、2016年1月~2018年3月の間に、PD-1阻害薬(ニボルマブまたはペムブロリズマブ単剤療法)を用いた再発/進行NSCLC患者について、後ろ向きに解析した。 胸部X線画像上の片側浸潤陰影も、PD-1阻害薬に関連すると考えられる場合はIRPとした。 主な結果は以下のとおり。・170例中27例(16%)がIRPを発症した。・IRPを発症した27例中22例(81%)が、副腎皮質ステロイドの有無にかかわらずPD-1阻害薬の投与中止で回復した。・8週間のランドマーク解析の結果、PD-1阻害薬投与後の全生存期間は、IRP発症群が非発症群より有意に短かった(8.7ヵ月vs.23.0ヵ月、p=0.015)。・IRP発症群は、PD-1阻害薬中止後は後方治療を受けずに支持療法(BSC)を選択する傾向がみられた。・多変量解析では、ペムブロリズマブ(対ニボルマブ)および血清アルブミン低値が、IRPの独立したリスク因子であることが示された。

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統合失調症患者の洞察力がうつ、QOL、自殺に及ぼす影響

 統合失調症患者の半数以上が、生涯に自殺を試みる。より良い洞察力は、機能により良い影響をもたらすが、自殺企図の増加とも関連している。洞察力と自殺企図との関連を明確にするため、フランス・ベルサイユ大学のMickael Ehrminger氏らは、構造方程式モデリングを用いて検討を行った。Journal of Clinical Medicine誌2019年8月10日号の報告。 統合失調症スペクトラム障害患者の洞察力、QOL、うつ、自殺企図を、ベースラインおよび12ヵ月後の時点で測定を行った。これらの関連は、クロルプロマジン換算量、陽性症状、陰性症状、一般精神病理によりコントロールした潜在差スコアモデルを用いて調査した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者738例中、370例が試験を完了した。・洞察力のベースラインレベルは、自殺企図の変化を予測した。しかし、自殺企図のベースラインレベルは、洞察力の変化を予測しなかった。より良い洞察力は、自殺企図の根底にあり、その悪化を予測することが示唆された。・より良い洞察力→QOL不良→うつの増加→自殺企図の増加という時系列が示唆された。 著者らは「より良い洞察力は、統合失調症患者のQOL、うつ、自殺企図の悪化を予測した。本知見は、自殺企図に対する洞察力の長期的な影響を理解するうえで重要である。うつや自殺予防のモニタリングなしで、洞察力をターゲットとした介入を提案すべきではないと考えられる」としている。

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日本人NAFLD患者の種々のがん予測に亜鉛測定が有用

 血清亜鉛(Zn)濃度の低下は肝性脳症や味覚異常など、さまざまな疾患に影響することが報告されている。しかしながら、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)患者における関連はほとんど報告されていない。今回、名古屋大学消化器内科学の伊藤 隆徳氏らは、血清中のZn濃度と総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(BTR:molar ratio of total branched-chain amino acid to tyrosine)が、NAFLD患者の予後と関係することを明らかにした。著者らは、「血清中のBTRおよびZn濃度が、それぞれNAFLD患者の肝細胞がん(HCC)および他臓器がんの発生予測に有用」とコメントしている。Nutrition&Cancer誌オンライン版2019年8月21日号掲載の報告。 本研究では、名古屋大学と大垣市民病院において1999年1月~2014年12月の期間に肝生検を受け、NAFLDと診断された363例のうち、基準を満たした179例を登録。NAFLD患者の悪性腫瘍の発生率に対する血清中のBTRとZn濃度の影響を調査した。 主な結果は以下のとおり。・被験者179例の内訳は、NAFLが71例、NASHが108例だった。・平均年齢は53歳(四分位:40~62歳)、女性82例(45.8%)、男性97例(54.2%)だった。・被験者の各中央値はBTR:6.7、Zn:78.0μg/dLだった。・フォローアップ期間(中央値7.9年)中にHCCは7例(3.9%)、他臓器がんは10例(5.6%)発生し、他臓器がんの内訳として乳がん・婦人科がん・大腸がんが多くを占めていた。・Bruntの分類による活動性は、Grade1が107例(59.8%)、Grade2が64例(35.8%)、Grade3が8例(4.5%)であり、線維化は、Stage0が49例(27.4%)、Stage1が72例(40.2%)、Stage2が29例(16.2%)、Stage3が25例(14.0%)、そしてStage4が4例(2.2%)だった。・Cox比例ハザードモデルによる多変量解析により明らかとなったHCCのリスク因子は、肝線維化(F3~4、ハザード比[HR]:24.292、95%信頼区間[CI]:2.802~210.621、p=0.004)、BTR 5.0未満(HR:5.462、95%CI:1.095~27.253、p=0.038)であった。一方で、他臓器がんのリスク因子としては、血清Zn濃度70μg/dL未満(HR:3.504、95%CI:1.010~12.157、p=0.048)と病理学的肝内炎症(A2~3、HR:3.445、95%CI:0.886~13.395、p=0.074)が選択された。・血清中のBTR低値(5.0未満)およびZn欠乏(70μg/dL未満)の患者では、HCC(p

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糖尿病の安定CADに、チカグレロル+アスピリンは有益か?/NEJM

 心筋梗塞または脳卒中の既往歴のない安定冠動脈疾患を有する50歳以上の2型糖尿病患者において、チカグレロル+アスピリンの併用はアスピリン単剤と比べて、虚血性心血管イベントの発生が有意に減少したことが示された。一方で、大出血の発生は併用群で有意に増大した。フランス・パリ大学Bichat病院のP. Gabriel Steg氏らが、患者1万9,220例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月1日号で発表した。これまでに同患者集団において、チカグレロル+アスピリンの併用が、アウトカムを改善するか否かは明らかになっていなかった。心血管死・心筋梗塞・脳卒中の複合虚血性心血管イベントの発生を比較 研究グループは、安定冠動脈疾患と2型糖尿病を有する50歳以上の患者1万9,220例を対象に試験を行った。心筋梗塞や脳卒中の既往患者は除外した。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはチカグレロル+アスピリン(チカグレロル群)を、もう一方の群にはプラセボ+アスピリン(プラセボ群)を投与した。 有効性の主要アウトカムは、心血管死・心筋梗塞・脳卒中の複合とした。安全性に関する主要アウトカムは、TIMI出血基準に基づく大出血だった。追跡期間中央値は39.9ヵ月 追跡期間の中央値は39.9ヵ月だった。治療中断の発生頻度は、プラセボ群(25.4%)よりもチカグレロル群(34.5%)が高かった。 主要有効性アウトカムとした虚血性心血管イベントの発生率は、プラセボ群よりもチカグレロル群で有意に低率だったが(チカグレロル群7.7% vs.プラセボ群8.5%、ハザード比[HR]:0.90、95%信頼区間[CI]:0.81~0.99、p=0.04)、TIMI大出血の発生率は、プラセボ群よりもチカグレロル群で有意に高率だった(2.2% vs.1.0%、2.32、1.82~2.94、p<0.001)。頭蓋内出血の発生率は、チカグレロル群0.7%で、プラセボ群0.5%だった(1.71、1.18~2.48、p=0.005)。 致死的出血の発生率については、有意差は認められなかった(0.2% vs.0.1%、HR:1.90、95%CI:0.87~4.15、p=0.11)。 探索的評価による複合不可逆的有害アウトカム(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、致死的出血または頭蓋内出血)の発生は、同程度だった(10.1% vs.10.8%、HR:0.93、95%CI:0.86~1.02)。

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臨床的うつ病の補完代替療法~メタ解析

 うつ病に対する補完代替療法(CAM)の治療戦略や推奨事項は、臨床ガイドラインによって大きく異なる。ドイツ・デュースブルク・エッセン大学のHeidemarie Haller氏らは、臨床診断を受けたうつ病患者へのCAMに関するレベル1のエビデンスをシステマティックにレビューした。BMJ Open誌2019年8月5日号の報告。 2018年6月までのランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を、PubMed、PsycInfo、Centralより検索した。うつ病の重症度、治療反応、寛解、再発、有害事象をアウトカムに含めた。エビデンスの質は、RCTおよびメタ解析などの方法論的質を考慮し、GRADEに基づいて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・2002~18年に26件のメタ解析が実施されていた。・軽度~中等度のうつ病患者では、プラセボと比較し、セイヨウオトギリソウ(St. John's wort)の有効性が示唆された。さらに、セイヨウオトギリソウは、うつ病の重症度および治療反応に対する標準的な抗うつ薬治療との比較で有効性が示唆され、有害事象の有意な減少が認められた(エビデンスの質:中程度)。・再発うつ病患者では、うつ病の再発予防において、マインドフルネス認知療法が標準的な抗うつ薬治療よりも優れていることが示唆された(エビデンスの質:中程度)。・他のCAMに関するエビデンスは、エビデンスの質が低いまたは非常に低かった。 著者らは「2つを除き、臨床的うつ病に対するCAMは、エビデンスの質が低いまたは非常に低いことが示された。エビデンスは、主に元となるRCTやメタ解析の回避可能な方法論的欠陥のため、システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目の基準に合致しないことから格下げする必要があり、さらなる研究が必要とされる」としている。

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アトピー性皮膚炎患者の長期心房細動リスク、絶対リスクは低いものの1.2倍に

 アトピー性皮膚炎(AD)患者と心血管リスクの関連を示唆する報告が相次いでいる。デンマーク・オーフス大学病院のSigrun A. J. Schmidt氏らは、ADと心房細動の関連について35年の長期フォローアップ研究を行い、AD(中等症~重症)患者において、心房細動リスクが20%高いことを見いだしたという。ただし、絶対リスクは低いままであった。その背景要因として、著者は「患者は早期にADを発症することが多く、担当医は心疾患リスク低減に向けた健康的なライフスタイルを推奨する機会があるためと考えられる」と述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2019年8月20日号掲載の報告。 研究グループは、病院でADと診断された患者と心房細動の関連を明らかにするフォローアップ研究を行った。住民ベースのデンマークレジストリ(Danish National Patient Registry)を用いて、1977~2013年に入院または外来でADと診断された患者と、個別マッチングさせた比較コホートを特定。死亡、国外移住、心房細動と診断、もしくは2013年まで追跡した。 出生年と性別で補正後、Cox回帰法にて心房細動35年リスクを比較し、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。なお、検証試験として、同院皮膚科部門からADと診断された100例を無作為に選出し、研究者1人が患者カルテの精査を行った。 主な結果は以下のとおり。・AD患者群1万3,126例、対照群12万4,211例が解析に包含された。男性が43%、年齢中央値は19歳(四分位範囲:6~29)であった。・フォローアップ中央値19.3年において、心房細動35年リスクは、AD患者群は0.81%、対照群は0.67%であった。・AD診断の陽性反応適中度は99%であった。・AD患者群の対照群に対する補正前HRは1.2(95%CI:1.0~1.6)であった。同値は、さまざまな心房細動のリスク因子で補正後も、AD患者群のリスクは高いままであった(同:1.2、95%CI:0.9~1.5)。・35年リスクについて、性別(HR:女性1.6 vs.男性1.0)、診断時年齢(同:0~19歳1.6 vs. 20~63歳1.0~1.1)、喘息/関節リウマチ併存の診断(同:あり群1.7 vs.なし群1.0)、など、いくつか違いのあるエビデンスも見いだされた。・AD中等症群はHR:1.1(95%CI:0.8~1.6)、重症群はHR:1.3(95%CI:0.9~1.8)であった。・著者らは、本研究は、単一施設で行われた、中等症~重症のAD患者のみ、生活習慣のデータがない、という点で結果は限定的だとしている。

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食道がん発症における喫煙と飲酒の相互作用~プール解析

 食道がん発症の危険因子である喫煙と飲酒に有意な相加的相互作用が認められることが、愛知県がんセンター研究所の尾瀬 功氏らによる日本人集団ベースの大規模コホート研究のプール解析で示された。Cancer Medicine誌オンライン版2019年9月1日号に掲載。 本研究は、8つのコホート研究における被験者である16万2,826人の男性が対象。喫煙および飲酒状況については喫煙歴・飲酒歴の有無で分類し、喫煙量と飲酒量についてはpack-yearと1日飲酒量で3つに分類した。各研究における喫煙と飲酒の影響をCox回帰モデルで推定した。研究ごとの結果をメタ解析により結合させ、ハザード比(HR)の統合効果と、加法的および乗法的スケールによる相互作用を検討した。喫煙と飲酒の人口寄与割合(PAF)をこれらの曝露の分布と完全調整HRを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・計16万2,826人の男性のうち、954人に食道がんが発生した。・喫煙、飲酒、およびこれらの組み合わせにおけるHR(95%信頼区間)は、それぞれ2.92(1.59~5.36)、2.73(1.78~4.18)、8.86(4.82~16.30)であった。・加法的スケールでは喫煙と飲酒の相互作用が有意に認められたが、乗法的スケールでは有意ではなかった。・3つのレベルでの喫煙と飲酒の組み合わせによる結果から、同様の有意な超相加的相互作用が示された。・喫煙、飲酒、およびこれらの組み合わせのPAFは、それぞれ55.4%、61.2%、81.4%であった。

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ダパグリフロジン、HFrEF患者でCV死・心不全悪化リスク26%低下(DAPA-HF)/ESC2019

 2型糖尿病合併の有無を問わず、SGLT2阻害薬ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)が、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者における心血管死と心不全悪化の発現率を有意に低下させた。フランス・パリで開催された欧州心臓病学会(ESC2019)で、グラスゴー大学循環器リサーチセンターのJohn McMurray氏が、第III相DAPA-HF試験の結果を発表した。 DAPA-HF試験は、2型糖尿病合併および非合併の成人HFrEF患者を対象に、心不全の標準治療(アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬[ARB]、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬[MRA]およびネプライシン阻害薬を含む薬剤)への追加療法としてのダパグリフロジンの有効性を検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験。 HFrEF患者(NYHA心機能分類IIからIV、LVEF;40%以下、NT-proBNP≧ 600pg/mL)に対し、標準治療への追加療法としてダパグリフロジン10mgを1日1回投与し、その有効性をプラセボとの比較で評価した。主要複合評価項目は、心不全イベント発生(入院または心不全による緊急受診)までの期間、または心血管死であった。 主な結果は以下のとおり。・ダパグリフロジン群に2,373例、プラセボ群に2,371例が無作為に割り付けられた。・ベースライン特性は、両群ともに平均LVEF:31%、平均eGFR:66mL/分/1.73m2、2型糖尿病罹患率:45%でバランスがとれていた。・心不全治療薬の使用状況は、レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬:ダパグリフロジン群94% vs.プラセボ群93%、β遮断薬:両群ともに96%、MRA:両群ともに71%。・心血管死または心不全悪化の主要複合評価項目は、ダパグリフロジン群において有意に低下した(ハザード比[HR]:0.74、95%信頼区間[CI]:0.65~0.85、p=0.00001)。各項目の解析をみると、心不全悪化の初回発現リスク(HR:0.70、95%CI:0.59~0.83、p=0.00003)、心血管死のリスク(HR:0.82、95%CI:0.69~0.98、p=0.029)ともにダパグリフロジン群で低下した。主要複合評価項目におけるダパグリフロジンの影響は、2型糖尿病の有無を含む、検討された主要サブグループ全体でおおむね一貫していた。・全死亡率においても、100患者・年当たり1イベント換算で患者7.9例 vs.9.5例とダパグリフロジンで名目上有意な低下を示した(HR:0.83、95%CI:0.71~0.97、p=0.022)。・Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire (カンザスシティ心筋症質問票:KCCQ)の総合症状スコアに基づいた、患者報告アウトカムの有意な改善が確認された。・安全性プロファイルについて、心不全治療において一般的な懸念事項である体液減少の発現率は7.5% vs.6.8%、腎有害事象の発現率は6.5% vs.7.2%、重症低血糖の発現率はともに0.2%であった。

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卵巣がんに対するBRCA1/2遺伝子検査、日本初の大規模研究

 遺伝性乳がん・卵巣がんの発症には、乳がん感受性遺伝子(BRCA遺伝子)の変異が大きく関わっている。アストラゼネカ株式会社が開催したメディアセミナー(共催)にて、吉原 弘祐氏(新潟大学 医学部産婦人科学教室 助教)が、生殖細胞系列BRCA(gBRCA)1/2>遺伝子変異の保有率に関する日本初の大規模調査であるJAPAN CHARLOTTE STUDY(以下、本研究とする)に関して、解説した。認定遺伝カウンセラー不足とその弊害 BRCA1、BRCA2はDNAの組み換え修復などの機能を有し、両親のどちらかがBRCA1あるいは2に病的変異がある場合、50%の確率で子に受け継がれる。その変異は卵巣がんなどの発症率を増加させるため、患者本人だけでなくその家族にも影響を与えうる。そのため遺伝子検査にあたっては、認定遺伝カウンセラー等によるカウンセリングが重要となる。 欧米ではガイドラインで、BRCA1/2遺伝子検査の実施を推奨しているが、日本では日常的に遺伝子検査を行う環境が整っていない。実際に、検査結果の説明などを担当する認定遺伝カウンセラーの数は全国で243人(2018年12月時点)にとどまっており、著しく不足している。また、カウンセラー不在の県もあるなど、地域にも偏りがある。 環境が整っていない日本では、卵巣がん患者におけるgBRCA1/2変異頻度に関するまとまったデータがきわめて少なかった。このような状況の中で行われた本研究は、日本初のBRCA1/2遺伝子変異に関する大規模調査である。日本初の大規模研究(JAPAN CHARLOTTE STUDY) 本研究では、日本人新規卵巣がん患者、約600例のgBRCA1/2変異陽性率とgBRCA1/2遺伝子検査前のカウンセリングに対する満足度を評価した。 gBRCA1/2変異陽性率は14.7%であり、欧米人を対象とした過去の研究報告と同程度であった。これまで、日本人のgBRCA1/2変異率は欧米人よりも低いという見方もある中で、注目すべき結果といえよう。また、gBRCA1/2変異は進行期のがんで見られることが多い。本試験においても進行卵巣がんの患者ではgBRCA1/2変異陽性率が24.1%と、早期卵巣がんよりも変異陽性率が高かった。 検査前のカウンセリングに対する満足度は、実施者の職種にかかわらず同等だったものの、検査結果がgBRCA1/2変異陽性もしくはVUSの場合、検査後のカウンセリングは全例、認定遺伝カウンセラーもしくは認定遺伝専門医が担当していた。認定遺伝カウンセラーの「ホスピタリティー」は、デリケートな内容を患者に告知する際にとても重要であるという。現状、臨床現場では遺伝子検査の結果を医師が患者に説明するケースが多いが、他の業務に追われる中で、医師がホスピタリティーにまで気を配ることは難しいケースが多々あるのではないだろうか。遺伝子検査が実施できる環境の整備 BRCA1/2陽性例にリスク低減卵管卵巣摘出術を実施した場合、実施していない場合と比べて、卵巣がんの発症率が80%低下し、全生存期間が有意に延長する。そのためBRCA1/2遺伝子検査を実施することでがんを予防できたり、治療の選択肢が増えたりするケースもあると考えられる。 卵巣がんを克服するために、治療の進歩は非常に重要であるが、それだけでなく、認定遺伝カウンセラーの育成など、遺伝子検査が実施できる環境を整えることも重要になってくるのではないだろうか。

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StageIV NSCLC、全身治療に局所治療を併用するベネフィット

 非小細胞肺がん(NSCLC)は広がりやすい傾向にあり、診断時すでに55%の患者が遠隔転移を有するStageIVだとされる。全身治療が中心であるStageIVのNSCLCにおいて、ドイツ・ゲッティンゲン大学医療センターのJohannes Uhlig氏らは、National Cancer Database(NCDB)に登録された3万4,887例について解析し、全身治療単独よりも、原発腫瘍の外科的切除、もしくは体外照射療法または熱腫瘍アブレーション(EBRT/TA)との併用による、生存ベネフィット改善の可能性が示されたと発表した。JAMA Network Open誌2019年8月2日号掲載の報告。 研究グループは、StageIVのNSCLCの原発腫瘍に対する局所治療の追加が、全身治療単独よりも生存ベネフィットを上乗せするかを評価する検討を行った。NCDBの2018バージョンを後ろ向きに検索し、2010年1月1日~2015年12月31日に、病理組織学的にStageIVと診断されたNSCLCの患者を特定した。 2018年11月1日~2019年1月1日にデータを解析。(1)外科的切除+全身治療(手術併用群)、(2)EBRT/TA+全身治療(EBRT/TA併用群)、(3)全身治療単独について比較検討した。TAには、凍結療法とラジオ波凝固療法が含まれた。 主要評価項目は、全生存期間(OS)。多変量Cox比例ハザード回帰モデル法を用いて療法群間の比較検討を行い、その後に傾向スコアマッチング法にてEBRT/TA併用群と全身治療単独群について比較検討した。 なお治療割付は、人口統計学的因子およびがん特異的因子が関係しており、手術併用群への割付尤度は、オリゴメタスタシスのNSCLCで高かった。 主な結果は以下のとおり。・適格基準を満たした対象者は、3万4,887例であった。男性1万9,002例(54.4%)、年齢中央値68歳。・手術併用群835例、EBRT/TA併用群9,539例、全身治療単独群2万4,513例であった。追跡期間中央値は39.4ヵ月。・手術併用群のOSは他の2つの治療群と比べて有意に優れていた(EBRT/TA併用群に対するハザード比[HR]:0.62、95%CI:0.57~0.67、p<0.001、全身治療単独群に対するHR:0.59、95%CI:0.55~0.64、p<0.001)。・EBRT/TA併用群のOSは全身治療単独群と比べて有意に優れていた(HR:0.95、95%CI:0.93~0.98、p=0.002)。・交互作用の解析において、治療効果にはばらつきがあることが確認され、EBRT/TA併用は、T(腫瘍径)とN(リンパ節転移)が限定された腫瘍およびオリゴメタスタシスを有するStageIVの扁平上皮がんで、とくに生存ベネフィットをもたらした(HR:0.68、95%CI:0.57~0.80、p<0.001)。・同患者における全生存率(EBRT/TA併用vs.全身治療単独)は、1年時点で60.4% vs.45.4%、2年時点で32.6% vs.19.2%、3年時点で20.2% vs.10.6%であった。

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成人軽症~中等症喘息の発作治療、ICS/LABA vs.SABA/Lancet

 軽症~中等症の成人喘息患者の治療では、症状緩和のためのブデソニド/ホルモテロール配合薬の頓用は、低用量ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用に比べ、重度喘息増悪の予防効果が優れることが、ニュージーランド・Medical Research Institute of New ZealandのJo Hardy氏らが行ったPRACTICAL試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年8月23日号に掲載された。軽症の成人喘息患者では、発作時の単剤治療としての吸入コルチコステロイド(ICS)と即効性長時間作用性β2刺激薬(LABA)の配合薬は、短時間作用性β2刺激薬(SABA)による発作時治療に比べ、重度増悪の抑制効果が高いと報告されている。ICS/LABAとSABAの有用性を比較する無作為化試験 本研究は、ニュージーランドの15施設が参加した多施設共同非盲検無作為化対照比較試験であり、ブデソニド/ホルモテロール配合薬よる発作時治療と、低用量ブデソニド維持療法+テルブタリン(SABA)頓用の併用治療の有用性を比較する目的で実施された(ニュージーランド保健研究会議[HRC]の助成による)。 対象は、年齢18~75歳、患者が自己申告し、医師により喘息と診断され、割り付け前の12週間に発作時SABA治療単独、または発作時SABA治療+低~中用量の吸入コルチコステロイドによる維持療法を行っていた患者であった。 被験者は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬(1噴霧中にそれぞれ200μgおよび6μgを含有、症状緩和のために必要時に1吸入)による治療を行うICS/LABA群、またはブデソニド(1噴霧中に200μg含有、1回1吸入、1日2回)+テルブタリン(1噴霧中に250μg含有、症状緩和のために必要時に2吸入)による治療を行うSABA群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。患者は、割り付け時と4、16、28、40、52週時に受診した。 主要アウトカムは、intention to treat集団における患者1例当たりの重度増悪の年間発生とした。重度増悪は、喘息による3日間以上の全身性コルチコステロイドの使用、もしくは全身性コルチコステロイドを要する喘息による入院または救急診療部への受診と定義された。ICS/LABA群の重度増悪が31%減少、症状は同等でステロイド減量 2016年5月4日~2017年12月22日の期間に885例が登録され、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群に437例(平均年齢43.3[SD 15.2]歳、女性56%)が、ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用のSABA群には448例(42.8[16.7]歳、54%)が割り付けられた。 1例当たりの重度増悪の年間発生は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群がブデソニド維持療法+テルブタリン頓用のSABA群に比べ、31%有意に低かった(絶対発生率:0.119 vs.0.172、相対値:0.69、95%信頼区間[CI]:0.48~1.00、p=0.049)。 重度増悪の初発までの期間は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群が、ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用のSABA群よりも長かった(HR:0.60、95%CI:0.40~0.91、p=0.015)。また、中等度~重度増悪の初発までの期間も、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群のほうが長かった(0.59、0.41~0.84、p=0.004)。 治療失敗による投与中止の割合は、両群間に差はみられなかった(ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群9例、ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用のSABA群11例、相対リスク:0.84、95%CI:0.35~2.00、p=0.69)。また、five-question version of the Asthma Control Questionnaire(ACQ-5、前週の喘息症状に関する5つの質問への回答で、0[障害なし]~6[最大の障害]点に分類)のスコアにも、すべての評価時点で両群間に差はなかった(平均差:0.06、-0.005~0.12、p=0.07)。 ブデソニドの平均1日用量は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用のICS/LABA群のほうが少なかった(差:-126.5μg/日、95%CI:-171.0~-81.9、p<0.001)。 1件以上の有害事象を発現した患者は、ブデソニド/ホルモテロール配合薬頓用群が385例(88%)、ブデソニド維持療法+テルブタリン頓用群は371例(83%)であった。最も頻度の高い有害事象は、両群とも鼻咽頭炎だった(154例[35%]、144例[32%])。 著者は「これらの知見は、吸入コルチコステロイド/ホルモテロール配合薬による発作時治療は、軽症喘息患者への低用量吸入コルチコステロイド毎日投与の代替レジメンであるとする2019 Global Initiative for Asthma(GINA)の推奨を支持するものである」としている。

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4種配合剤、心血管イベントの予防に有効/Lancet

 4つの固定用量の薬剤を含む配合剤(ポリピル)は、主要心血管イベントの予防に有効であり、服薬順守が良好で有害事象も少ないことが、イラン・Tehran University of Medical SciencesのGholamreza Roshandel氏らが行ったPolyIran試験で示された。研究の成果は、Lancet誌2019年8月24日号に掲載された。固定用量配合剤による治療(ポリピル戦略)は、心血管疾患の負担軽減の取り組みとして、とくに低~中所得国(LMIC)で提唱されている。追加効果をコホート内のクラスター無作為化試験で評価 本研究は、イラン北東部のゴレスタン州(若年死の33.9%が虚血性心疾患、14.0%が脳卒中の地域)で行われた大規模な前向きコホート研究内で実施されたクラスター無作為化試験である(Tehran University of Medical Sciencesなどの助成による)。 対象は、Golestan Cohort Study(GCS)に参加した40~75歳の集団であった。村落をクラスターとし、非薬物的な予防介入(最小ケア)に加えポリピルを1日1錠投与する群(ポリピル群)または最小ケアのみを行う群(最小ケア群)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。無作為割り付けは、英国のバーミンガム大学の統計学者が、イランの現地の研究チームとは独立に行った。 非薬物的な予防介入(健康な生活様式に関する教育研修[低塩・低糖・低脂肪の食事、運動、体重管理、タバコや麻薬の不使用])は、現場の医療チームが、3ヵ月時および6ヵ月時に、その後は6ヵ月ごとに行った。 ポリピルは2つの種類が用いられた。ポリピル1には、アスピリン81mg、アトルバスタチン20mg、ヒドロクロロチアジド12.5mg、エナラプリル5mgが含まれた。フォローアップ中に咳嗽が発現した患者は、エナラプリルの代わりにバルサルタン40mgを含有するポリプロ2に切り換えた。 主要アウトカムは、主要心血管イベント(急性冠症候群による入院、致死的心筋梗塞、突然死、心不全、冠動脈血行再建術、非致死的/致死的脳卒中)の発現とし、治療割り付け情報を知らされていないGCSフォローアップ・チームにより中央判定が行われた。主要心血管イベントを34%抑制、NNTは34.5 2011年2月22日~2013年4月15日の期間に、6,838例が登録された。ポリピル群が3,421例(120クラスター)、最小ケア群は3,417例(116クラスター)であった。平均年齢はポリピル群が59.3歳、最小ケア群は59.7歳、女性はそれぞれ1,761例(51.5%)、1,679例(49.1%)であった。ポリピル群の服薬順守率中央値は80.5%(IQR:48.5~92.2)だった。 フォローアップ期間中に主要心血管イベントを発症したのは、ポリピル群が3,421例中202例(5.9%)と、最小ケア群の3,417例中301例(8.8%)に比べ有意に少なかった(補正後ハザード比[HR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.55~0.80)。1件の主要心血管イベントを予防するのに要する治療必要数(NNT)は34.5(95%CI:25.9~56.1)であった。 ポリピル群の服薬順守が良好な集団に限定すると、主要心血管イベントのリスク低下は、最小ケア群と比較して、さらに改善され(HR:0.43、95%CI:0.33~0.55)、1件の主要心血管イベントの予防に要するNNTは20.7(95%CI:17.5~26.5)だった。 ポリピル群における主要心血管イベントの発症に関して、心血管疾患の既往歴のある集団(HR:0.61、95%CI:0.49~0.75)と既往歴のない集団(0.80、0.51~1.12)の間に、有意な交互作用は認められなかった(交互作用のp=0.19)。 有害事象の頻度は両群でほぼ同等であった。5年のフォローアップ期間中に頭蓋内出血が21件(ポリピル群10件、最小ケア群11件)認められた。医師によって確定診断された上部消化管出血は、ポリピル群で13件、最小ケア群で9件みられた。 結果を踏まえて著者は、「ポリピル戦略は、とくにLMICにおいて、心血管疾患の管理における有効な追加要素とみなされる可能性がある」としている。

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診断時に6割が悪液質の基準満たす!高齢者肺がん シリーズがん悪液質(4)【Oncologyインタビュー】第10回

近年、肺がん治療は急速に進化し、生命予後も顕著に改善している。しかし、肺がん患者におけるがん悪液質の発症頻度は高く、その生命予後への影響は現在においても大きい事が報告されている。肺がんと悪液質の発現と、その弊害について、静岡県立静岡がんセンターの内藤 立暁氏に聞いた。肺がんにおける悪液質はどのような形で現れるのでしょうか。進行肺がんを有する患者さんは、診断の時点で半数以上ががん悪液質を有していますが、そのことは本人も、家族も、診療している医療従事者も気づいていない場合が多いようです。がん悪液質を有する肺がん患者さんは、身体機能が低下し、化学療法の副作用が多く、生存期間が短いことがわかっています。したがって、化学療法などによって腫瘍を制御することはできても、全体的にみると臨床転帰は悪いということをしばしば経験するのです。このような患者さんにおいては、がん悪液質の存在をできるだけ早く診断し、適切な栄養療法や運動療法などの支持療法を併用することで、がん治療を長く継続でき、身体機能も維持されるのではないかと考えられています。肺がんと悪液質について今までの研究について教えていただけますか。私たちは、70才以上の高齢の進行肺がんの患者さん60例の体重、骨格筋量、身体機能、日常生活動作を定期的に測定する観察研究「進行肺癌を有する高齢者の日常生活動作の観察研究」(UMIN000009768)を実施しました。画像を拡大するその結果、がんの診断の時点で約6割(58%)の患者さんが悪液質の基準(スライド参照)を満たし、3割(28%)の患者さんが前液質の状態(2~5%の体重減少)にありました。つまり、約9割は初診時に前悪液質以上の状態だったことになります。表に示すように、診断の時点において、前悪液質あるいは悪液質の患者さんは、PS良好で、食欲もあり、体格や食欲についても非悪液質の患者さんと大差はなく、外見上は非常に鑑別の難しい状態にあります。体重減少という簡単な指標に注目することで、これだけ多くの患者さんで栄養障害が潜在的に存在していることがわかるのです。ちなみに、1年後には状況はさらに悪化し、8割程度が悪液質の基準を満たしてしまいます。画像を拡大するこの研究の副解析で、高齢の肺がん患者さんにおいて、がんの診断から死亡に至るまで、どのような順序で体の変化が生じるかを調査しました。体重減少以外にどのような身体的なイベントが起きるのでしょうか。さまざまイベントが起きますが、その発現には順番があります。各イベント発現の中央値をみると、体重減少は進行がんの早期、最初のイべントとして起きます。それに続いて起こるのが歩行機能障害です。抗がん剤治療開始後3ヵ月の段階で、半数以上の患者さんに歩行機能障害が起きています。約半年で筋力(握力)低下し、約1年後には要介護状態となります。また要介護から約半年後に、死亡の最終イベントが生じます。画像を拡大する画像を拡大するがんの治療では生存に目が行きがちですが、その間に体重減少から始まるさまざまな身体的イベントが起こっていることが、この観察研究でおわかりいただけるのではないかと思います。悪液質が起こることによる弊害は?同じ研究のステージIVの集団の解析から、診断時に悪液質であった患者さんは、そうでなかった患者さんに比べると、同じ生存期間であっても要介護状態の方が顕著に多いことがわかります。つまり、悪液質の患者さんは健康寿命も短いのです。画像を拡大するまた、がん悪液質の存在は医療依存度にも関連があります。非悪液質患者さんの診断から1年間の入院日数は60日間であるのに対し、悪液質患者さんは92日間も入院しています。1年間で1ヵ月も入院期間が長いことが明らかになりました。それに伴い、悪液質患者さんの医療費は年間150万円、非悪液質患者さんよりも多くなります。その医療費の追加分の内訳は、合併症による予定外受診や緊急入院、緩和治療に対する用途が多くを占めていました。このようなところにも悪液質の弊害は表れています。画像を拡大する肺がんの中でも悪液質の発現には違いがあるのでしょうか。腫瘍熱を有していたり、血清CRP値の高い症例では、慢性的炎症とそれに伴うサイトカインの分泌などから、がん悪液質を起こしやすいと考えられています。高齢者の肺がんでは、悪液質をケアし身体機能を良好に保ちつつ、がん治療を行うことが必要ですね。その通りです。これらの研究結果から、特に高齢者の担がん患者さんにおいては、管理栄養士、理学療法士、看護師、医師が連携し、栄養サポートやリハビリを組み合わせた支持医療を提供していくことが重要と考えています。このようながん悪液質に対する集学的支持医療は、患者さんの生命予後の延長だけでなく、機能予後の改善も期待できるのではないかと思います。1)内藤立暁, 髙山浩一, 田村和夫 日本がんサポーティブケア学会2019年3月2)森 麻理子, 青山 高, 内藤 立暁ほか 日本病態栄養学会誌.2017:20:205-213.3)Naito T. Evaluation of the True Endpoint of Clinical Trials for Cancer Cachexia. Asia Pac J Oncol Nurs.2019;6:227-233.4)Naito T, Okayama T, Aoyama T, et.al. Unfavorable impact of cancer cachexia on activity of daily living and need for inpatient care in elderly patients with advanced non-small-cell lung cancer in Japan: a prospective longitudinal observational study. BMC Cancer.2017;17:800.5)Naito T, Okayama T, Aoyama T, et.al. Skeletal muscle depletion during chemotherapy has a large impact on physical function in elderly Japanese patients with advanced non-small-cell lung cancer. BMC Cancer.2017;17:571.

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抗うつ薬治療後の錐体外路反応

 錐体外路症状(EPS)は、抗精神病薬で一般的にみられる副作用である。しかし、抗うつ薬治療後のEPSに関する症例報告もある。抗うつ薬がEPSを引き起こすメカニズムは十分にわかってはいないが、ドパミン作動性経路へのセロトニン入力が関与している可能性が高い。オーストリア・グラーツ医科大学のSabrina Morkl氏らは、抗うつ薬治療に関連するEPSについて評価を行った。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2019年8月7日号の報告。 抗うつ薬治療に関連するEPSを評価するため、精神科入院患者における重度の薬物反応をシステマティックに記録した多施設薬物監視プログラム(AMSP研究)のデータを用いて、レビューを行った。15症例を特定し、類似性の検出およびリスク因子の特徴付けを行った。 主な結果は以下のとおり。・1994~2016年の間に、抗うつ薬治療後にEPSが発現した患者の報告は15症例であった。・SSRI単独治療で7例、SSRI併用治療で6例のEPS発現が認められた。・エスシタロプラム治療で最も多くEPSが認められた(5例)。・最も一般的なEPSは、非定型のジスキネジアで6例、次いでアカシジアの4例であった。・EPSの平均発症年齢は、54.93±17.9歳であった。・EPSは、任意の投与量で発症し、男女とも同様の頻度で認められた。 著者らは「抗うつ薬治療によるEPSは、重要かつ珍しい副作用である。臨床医は、この悪影響に注意を払い、早期の警告サインを注意深く監視する必要がある」としている。

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75歳以上でスタチンを中止した場合の心血管リスク/EHJ

 入院や施設への入所、がんなど他疾患の発症をきっかけに、高齢者が一次予防のために服用していたスタチンを中止した場合、継続した場合と比較して心血管イベントによる入院リスクが増加した。フランス・ピティエ-サルペトリエール病院のPhilippe Giral 氏らは、75歳まで一次予防目的でスタチンを服用していた高齢者の心血管転帰に対するスタチン中止の影響を、大規模コホート研究により評価した。European Heart Journal誌オンライン版2019年7月30日号掲載の報告より。 本研究は、フランスの国民医療データベースを使用した人口ベースのコホート研究。2012~14年に75歳になり、CVDの既往がなく、過去2年間にスタチンの総投薬量に対する実服薬量の割合(medication possession ratio:MPR)が80%以上だったすべての人が対象とされた。 スタチンの中止は3ヵ月連続の服用なしと定義され、アウトカムとして心血管イベントによる入院が設定された。スタチンを中止した場合と継続した場合を比較するハザード比は、ベースライン時点と時間依存共変量(心血管薬の使用、併存疾患、フレイル指標)の両者を調整する周辺構造モデルを用いて推定された。 主な結果は以下のとおり。・12万173人が平均2.4年追跡され、うち1万7,204人(14.3%)がスタチンを中止し、5,396人(4.5%)が心血管イベントのために入院した。・スタチン中止に関連した要因は、フォローアップ期間中の入院(調整オッズ比[aOR]:最大3.28)、高度看護施設への入所(aOR:2.66)、転移性の固形がん(aOR:2.22)、経管あるいは経口栄養摂取の開始(aOR:2.13)などであった。・スタチンを中止した場合の調整ハザード比は、全心血管イベント(1.33、95%信頼区間[CI]1.18~1.50)、冠動脈イベント(1.46、95%CI:1.21~1.75)、脳血管イベント(1.26、95%CI:1.05~1.51)、その他の血管イベント(1.02、95%CI:0.74~1.40)であった。・ベースライン時の糖尿病の有無によって、スタチン中止の心血管イベントによる入院への影響をサブグループ解析した結果、糖尿病有(3万3,617例、うち中止3,857例)の調整ハザード比は1.14(95%CI:0.89~1.44)、糖尿病無し(8万6,566例 、うち中止1万3,347例)は1.41(95%CI:1.23~1.62)であり、糖尿病有の場合のスタチン中止による影響は統計的に有意ではなかった。 75歳以上が一次予防として服用していたスタチンを中止することは、心血管イベントによる入院リスクが33%増加することに関連していた。研究者らは、本研究が後ろ向きの観察研究である点を限界として挙げ、ランダム化比較試験を含むさらなる研究が必要としている。また、糖尿病患者におけるサブグループ解析結果については、ベースライン時点で糖尿病があった場合にもともと心血管リスクが高いことで部分的に説明できる可能性があるとし、より詳細な研究が必要とまとめている。

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NSCLC免疫治療のバイオマーカーと生存期間の関係

 非小細胞肺がん(NSCLC)における免疫療法の役割や現在のバイオマーカーの臨床的関連について、興味深い知見が示された。中国・中山大学のYunfang Yu氏らは臨床試験計31件のメタ解析を行い、免疫療法はNSCLC患者の予後改善が期待できること、免疫療法の有効性を評価するバイオマーカーとしてはPD-L1発現と腫瘍遺伝子変異量(TMB)の併用が有用で、CD8+T細胞腫瘍浸潤リンパ球も加えることでさらに信頼性が高い予後予測が可能となることを示した。著者は、「これらを併用した予測値について、前向き大規模臨床試験で確認する必要がある」とまとめている。JAMA Network Open誌2019年7月号掲載の報告。 研究グループは、進行NSCLC患者における免疫チェックポイント阻害薬、腫瘍ワクチンおよび細胞性免疫療法と臨床転帰との関連を評価し、適切な治療戦略、対象および予測因子を探索する目的で、メタ解析を行った。 PubMed、EMBASEおよびCochrane Central Register of Controlled Trialsのデータベースを用い、2018年6月までに発表された論文について、tumor vaccine、cellular immunotherapy、immune checkpoint inhibitor、cytotoxic T-lymphocyte-associated protein 4、programmed death-ligand 1、programmed death receptor 1、non-small cell lung carcinomaを含むキーワードおよびMeSH用語で検索するとともに、システマティックレビュー、メタ解析、参考文献、学会抄録集は手作業で検索した。進行/転移NSCLC患者を対象に、免疫チェックポイント阻害薬、腫瘍ワクチンまたは細胞性免疫療法と従来の治療法について、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)または奏効率(ORR)を比較している無作為化臨床試験で、英語の論文を解析に組み込んだ。解析は2018年2月1日~8月31日に行われた。 主要評価項目は、OSおよびPFSであった。 主な結果は以下のとおり。・無作為化臨床試験31件、計1万4,395例(男性66%)がメタ解析に組み込まれた。・従来の治療法と比較して、免疫療法はOS(HR:0.76、95%CI:0.71~0.82、p<0.001)およびPFS(HR:0.76、95%CI:0.70~0.83、p<0.001)の有意な延長と関連した。・PD-L1発現とTMBを併用した予後予測は、それぞれの単独よりも有用であった。全エクソームシークエンス実施群では、併用法による1年PFSに関するROC(receiver operating characteristic curve)のAUC(area under the curve)が0.829、3年PFSのAUCが0.839、ターゲット次世代シークエンス実施群では、それぞれ0.826および0.948であった。・さらにCD8+T細胞腫瘍浸潤リンパ球も加えた併用法は、OSの予測値が最も高かった(3年OSのAUC:0.659、5年OSのAUC:0.665)。・RYR1またはMGAM遺伝子変異は、持続的臨床効果(DCB)、高TMBおよびPD-L1高発現と有意に関連していた。・RYR1遺伝子変異の頻度は、DCBあり群で24%(12/51例)、DCBなし群で4%(2/55例)(p<0.001)、高TMB群で23%(12/53例)、低TMB群で3.8%(2/53例)(p<0.001)、PD-L1高発現群で27%(8/30例)、PD-L1低発現群で7.1%(6/85例)(p<0.001)であった。・MGAM遺伝子変異の頻度は、DCBあり群で24%(12/51例)、DCBなし群で0%(p<0.001)、高TMB群で17%(9/53例)、低TMB群で0%(p<0.001)、PD-L1高発現群で20%(6/30例)、PD-L1低発現群で6%(5/85例)(p<0.001)であった。

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