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ニボルマブ・イピリムマブ併用、悪性胸膜中皮腫に国内申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年10月27日、抗PD-1抗体ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法について、切除不能な進 行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する効能又は効果に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。 今回の承認申請は、未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法をプラチナ製剤を含む標準治療の化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-743試験)の中間解析の結果に基づいている。 本解析において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な延長を達成した。また、本試験で認められたニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、本併用療法でこれ までに認められているものと一貫していた。

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FLT3-ITD変異陽性AML、同種移植後のソラフェニブ維持療法が有用/Lancet Oncol

 FLT3-ITD変異陽性急性骨髄性白血病(AML)患者における、同種造血幹細胞移植後のソラフェニブ維持療法について中国で行われた第III相試験の結果が示された。これまでに、移植後ソラフェニブ維持療法が再発を減少することは、後ろ向き研究で示されている。今回、中国・南方医科大学のLi Xuan氏らは、中国国内7施設にて無作為化非盲検試験を行い、移植後のソラフェニブ維持療法は再発を減少させ、忍容性は良好であることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「この戦略は、FLT3-ITD変異陽性AML患者の適切な治療選択肢となりうるだろう」とまとめている。Lancet Oncology誌2020年9月号掲載の報告。 試験は2015年6月20日~2018年7月21日に、中国国内7病院で行われた。対象は、同種造血幹細胞移植を受け移植前後に複合完全寛解が得られ、移植後60日以内に造血機能が回復した、ECOG PSが0~2、18~60歳のFLT3-ITD変異陽性AML患者202例。 患者を無作為に2群に割り付け、ソラフェニブ維持療法(400mgを1日2回経口投与)群(100例)と非維持療法(対照)群(102例)を移植後30~60日目に行った。 主要評価項目は、intention-to-treat集団における1年累積再発率であった。 主な結果は以下のとおり。・移植後の追跡期間中央値は、21.3ヵ月であった。・1年累積再発率は、ソラフェニブ維持療法群7.0%、対照群24.5%であった(HR:0.25、95%CI:0.11~0.57、p=0.0010)。・移植後210日以内の主なGrade3/4の有害事象は、感染症(ソラフェニブ維持療法群25% vs.対照群24%)、急性移植片対宿主病(GVHD)(23% vs.21%)、慢性GVHD(18% vs.17%)および血液毒性(15% vs.7%)であった。・治療に関連した死亡は報告されなかった。

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vericiguat、HFpEF患者の身体機能制限を改善せず/JAMA

 左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)で、代償不全がみられる患者の治療において、新規の経口可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬vericiguatはプラセボと比較して、身体機能制限を改善せず、6分間歩行距離(6MWD)の延長にも有意な差はないことが、カナダ・アルバータ大学のPaul W. Armstrong氏らが実施した「VITALITY-HFpEF試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年10月20日号に掲載された。HFpEF患者は、死亡や入院のリスクとともに、運動耐容能や生活の質(QOL)の低下のリスクが高い。vericiguatは、サイクリックグアノシン一リン酸(cGMP)を直接的に産生させ、内因性一酸化窒素に対する可溶性グアニル酸シクラーゼの感受性を回復させるという。vericiguatを2用量で評価するプラセボ対照無作為化第IIb相試験 研究グループは、HFpEF患者の治療におけるvericiguatの有効性を、カンザスシティー心筋症質問票(KCCQ)の身体機能制限スコア(PLS)を用いて評価する目的で、多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化第IIb相試験を行った(BayerとMerck Sharp & Dohmeの助成による)。 対象は、年齢45歳以上、慢性HFpEFと診断され、左室駆出率(LVEF)≧45%またはNYHA心機能分類クラスII/III度の症状がみられ、直近6ヵ月以内に代償不全(心不全による入院または非入院での心不全に対する利尿薬静脈内投与)が認められ、ナトリウム利尿ペプチド値が上昇し、標準治療を受けている患者であった。 被験者は、標準治療に加え、vericiguat 15mgまたは10mgを1日1回経口投与する群またはプラセボ群に、1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、24週の治療が行われた。 主要アウトカムは、ベースラインから24週時のKCCQ PLS(0~100点、点数が高いほど身体機能が良好)の変化とした。副次アウトカムは、ベースラインから24週時の6MWDの変化であった。vericiguatは2用量とも主要・副次アウトカムを達成できず 2018年6月~2019年3月の期間に、21ヵ国167施設で789例(平均年齢72.7歳[SD 9.4]、385例(49%)が女性、平均LVEFは56%、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド値[NT-proBNP]中央値1,403pg/mL)が登録され、vericiguat 15mg群に264例、vericiguat 10mg群に263例、プラセボ群には262例が割り付けられた。761例(96.5%)が試験を終了した。 ベースラインおよび24週時の平均KCCQ PLSは、vericiguat 15mg群がそれぞれ60.0点および68.3点、vericiguat 10mg群が57.3点および69.0点、プラセボ群は59.0点および67.1点であり、各群の最小二乗平均変化量はvericiguat 15mg群が5.5点、vericiguat 10mg群が6.4点、プラセボ群は6.9点だった。KCCQ PLSの群間の最小二乗平均差は、vericiguat 15mg群とプラセボ群が-1.5点(95%信頼区間[CI]:-5.5~2.5、p=0.47)、vericiguat 10mg群とプラセボ群は-0.5点(-4.6~3.5、p=0.80)であり、いずれも有意な差は認められなかった。 また、ベースラインおよび24週時の6MWDの平均値は、vericiguat 15mg群がそれぞれ295.0mおよび311.8m、vericiguat 10mg群が292.1mおよび318.3m、プラセボ群は295.8mおよび311.4mであり、各群の6MWDの最小二乗平均変化量はvericiguat 15mg群が5.0m、vericiguat 10mg群が8.7m、プラセボ群は10.5mだった。6MWDの群間の最小二乗平均差は、vericiguat 15mg群とプラセボ群が-5.5m(95%CI:-19.7~8.8、p=0.45)、vericiguat 10mg群とプラセボ群は-1.8m(-16.2~12.6、p=0.81)であり、いずれも有意な差はみられなかった。 有害事象は、vericiguat 15mg群が65.2%、vericiguat 10mg群が62.2%、プラセボ群は65.6%で発生した。症候性低血圧が、vericiguat 15mg群の6.4%(17例)、vericiguat 10mg群の4.2%(11例)、プラセボ群の3.4%(9例)に認められた。失神は、それぞれ1.5%(4例)、0.8%(2例)、0.4%(1例)で発現した。全死因死亡率は、3.8%(10例)、5.7%(15例)、2.7%(7例)であり、心血管死亡率は、3.0%(8例)、4.6%(12例)、1.5%(4例)だった。 著者は、「本試験の理論的根拠は、以前に行われた無作為化第II相試験であるSOCRATES-PRESERVED試験のKCCQ PLSデータの探索的な事後解析に基づくが、この試験の結果は偶然の作用によってもたらされた可能性がある」としている。

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NSCLCに対するペムブロリズマブ・化学療法併用の最長追跡データ(KEYNOTE-021)/MSD

 Merck社は、2020年10月16日、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者においてペムブロリズマブと化学療法の併用療法を評価したKEYNOTE-021試験(コホートG)の長期追跡の結果、PD−L1の発現にかかわらず、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法による1次治は、化学療法単独と比較して、客観的奏効率の改善、無増悪生存期間の改善が認められたと発表。この試験結果は、北米肺癌学会議(NACLC)において報告された(Featured Poster #OFP01.02)。NSCLC患者の1次治療における抗PD-1/L1抗体と化学療法の併用療法を評価した最長のフォローアップデータとなる。 マルチコホート多施設共同非盲検第I/II相KEYNOTE-021試験のコホートGでは、進行非扁平上皮NSCLC患者の初回治療におけるペムブロリズマブと化学療法の併用療法(n=60)と化学療法のみ(n=63)を比較した。全生存期間(OS)中央値はペムブロリズマブと化学療法併用34.5ヵ月、化学療法のみ21.1ヵ月、3年生存率は化学療法のみ患者では37%だったのに対し、ペムブロリズマブと化学療法併用患者では50%であった(HR=0.71、95% CI:0.45~1.12)。このOSの改善は、70%(n=43/61)の患者が後に化学療法から抗PD-1/L1抗体治療にクロスオーバーしたにもかかわらず認められた。ORRはペムブロリズマブと化学療法の併用では58%、化学療法のみでは33%であった。PFS中央値は、ペムブロリズマブと化学療法併用24.5ヵ月、化学療法のみ9.9ヵ月であった(HR=0.54、95% CI:0.35~0.83)。奏効期間(DoR)中央値はペムブロリズマブと化学療法の併用では36.3ヵ月、化学療法のみでは22.8ヵ月であった。また、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法に関し、長期的なフォローアップにおいて新たな安全性シグナルは認められなかった。

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境界性パーソナリティ障害女性の自分の体の評価と小児期の性的虐待の影響

 自分の体を評価するうえで、精神状態は大きく影響する。精神疾患を有する女性患者の身体評価は、健康な女性と比較し、ネガティブに表れる。とくに、境界性パーソナリティ障害(BPD)を含む児童性的虐待(CSA)に関連する問題によって、ネガティブな評価が増加することが示唆されている。しかし、このネガティブな評価が症状寛解後も持続するのか、体の場所(性的に暗示される場所と中立的な場所)に依存するか、CSAに依存するかについてはよくわかっていない。ドイツ・ハイデルベルク大学のNikolaus Kleindienst氏らは、BPD患者の身体評価とCSA歴の影響について、調査を行った。European Journal of Psychotraumatology誌2020年6月25日号の報告。境界性パーソナリティ障害女性の身体評価は児童性的虐待歴と有意な関連 BPD患者、BPD寛解患者、健康対照者の女性68例を対象に、身体評価を定量的に比較した。次に、CSA歴と性的に暗示される体の場所との関連を調査した。BPDの診断には、国際人格障害診断を用いた。対象者は、身体領域に関する調査を用いて、自分の体の評価を定量化した。CSAの評価には、小児期外傷アンケートを用いた。 境界性パーソナリティ障害の女性患者の身体評価を比較した主な結果は以下のとおり。・BPD患者の身体評価は、一般的にネガティブであったが、BPD寛解患者では、ポジティブであった。・しかし、BPD寛解患者のポジティブな評価は、中立的な体の場所に限定されており、性的に暗示される体の場所に関しては、BPD患者と類似しており、健康対照者の評価とは対照的であった。・BPD寛解患者の性的に暗示される体の場所に対する評価は、CSA歴と有意な関連が認められた。 著者らは「女性BPD患者には、全身のポジティブな評価を得るために、特別な介入が必要となる可能性がある。性的に暗示される体の場所に対する評価は、BPD寛解後も残存する問題であると考えられる」としている。

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日本のAMLの遺伝子プロファイリング/日本血液学会

 包括的遺伝子解析プロファイル検査FoundationOne Heme(F1H)を用い、急性骨髄性白血病(AML)における癌関連ゲノム変化の頻度と特徴の評価を目的とした多施設共同研究HM-SCREEN-Japan 01研究の中間解析の結果が、国立がん研究センター東病院の宮本 憲一氏により発表された。FoundationOne Hemeの実用性と有用性が示された 解析対象は標準治療不適の新規診断AML35例、再発/難治AML患者56例、主要評価項目はF1Hを用いたAMLの遺伝子異常の頻度である。 FoundationOne Hemeを用いてAMLのがん関連ゲノム変化を解析した主な結果は以下のとおり。・検体送付から結果受領までの所要時間中央値は15日であった。・新規AML患者のactionable変異(FLT3、IDH1/2、NPM1、RUNX1、KIT、KMT2A)の頻度は49%であった。・再発・難治AML患者のactionable変異の頻度は75%であった。・相関係数0.7を超える遺伝子異常の組み合わせはなかった。 AML治療における包括的遺伝子解析プロファイル検査FoundationOne Hemeの実用性と有用性が、今回の解析で示された、と宮本氏は結んだ。

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COVID-19の入院/死亡の新予測アルゴリズムが有望/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院と死亡を予測するリスクアルゴリズム「QCOVID」は、良好に機能し識別能は非常に高いことが認められた。英国・Radcliffe Observatory QuarterのAsh K. Clift氏らは、成人COVID-19患者を含む患者データを用いたコホート研究により「QCOVID」を開発し、検証結果を報告した。これまでに論文発表されたCOVID-19のリスク予測モデルは、バイアスリスクが高く、実臨床に適用する際には信頼できない可能性があることが懸念されていた。今回のリスクアルゴリズムについて著者は、「提示された絶対リスクは、SARS-CoV-2感染率やソーシャルディスタンスの取り方などに応じて時間とともに変化する可能性があるので、解釈には注意すべきである」と述べたうえで、「本モデルは、異なる期間で再較正することができ、流行拡大に合わせて動的にアップデートされる可能性がある」としている。BMJ誌2020年10月20日号掲載の報告。英国の608万人のデータからリスクアルゴリズムを開発、217万人で検証 研究グループは、英国のプライマリケア1,205施設のデータベースで、COVID-19検査結果、Hospital Episode Statisticsおよび死亡登録データとも連携しているQResearchを用い、19~100歳の成人608万人を開発コホート、217万人を検証コホートに組み込み解析した。 開発コホートおよび第1期検証コホートは2020年1月24日~4月30日、第2期検証コホートは2020年5月1日~6月30日をそれぞれ試験期間とした。 主要評価項目は、COVID-19(確定または疑い)による死亡までの期間で、2020年1月24日~4月30日にSARS-CoV-2感染が確認された人における死亡診断または死亡発生と定義した。また、副次評価項目は、SARS-CoV-2感染確定による入院までの期間とした。 開発コホートにモデルを適合し、各種予測変数を用いてリスク方程式を導き出し、各検証コホートで識別および較正の性能を評価した。「QCOVID」の識別能および較正能は良好 追跡期間中、COVID-19による死亡は、開発コホートで4,384例、第1期検証コホートで1,722例、第2期検証コホートで621例発生した。最終的なリスクアルゴリズムには、年齢、人種、貧困、BMIおよびさまざまな併存疾患を組み込んだ。 このアルゴリズムは、第1期検証コホートにおいて較正精度は良好であることが示され、男性COVID-19患者の死亡に関して、死亡までの期間の変動の73.1%(95%信頼区間[CI]:71.9~74.3)を説明した。D統計量は3.37(95%CI:3.27~3.47)、Harrell’s Cは0.928(95%CI:0.919~0.938)であった。女性について、また両転帰および両期間においても、同様の結果が得られた。 予測死亡リスクが最上位5%の患者では、97日以内の死亡を特定する感度は75.7%であった。また、予測死亡リスクの上位20%の患者が、COVID-19による全死亡の94%を占めた。

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3mm未満の冠動脈病変へのDCB vs.DES、3年追跡結果/Lancet

 小径の新規冠動脈疾患の治療において、薬剤溶出性ステント(DES)に対する薬剤コーティングバルーン(DCB)の有効性/安全性は3年間維持されていた。スイス・バーゼル大学のRaban V. Jeger氏らが、多施設共同非盲検無作為化非劣性試験「BASKET-SMALL 2試験」の3年追跡結果を報告した。BASKET-SMALL 2試験の主要評価項目である12ヵ月後の主要心血管イベント(MACE)について、DESに対するDCBの非劣性が検証されており、DCBは新規小冠動脈疾患に対する治療として1年までは確立されていたが、1年を超えるデータは乏しかった。Lancet誌オンライン版2020年10月19日号掲載の報告。DCB vs.DES、MACE・全死亡・ステント血栓症・大出血の発生率を3年間追跡 研究グループは2012年4月10日~2017年2月1日に、ドイツ、スイス、オーストリアの14施設において、直径3mm未満の新規冠動脈病変を有し経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の適応となる患者758例を、DCB群(382例)または第2世代DESを留置するDES群(376例)に、1対1の割合で無作為に割り付け、3年間追跡した。抗血小板薬2剤併用療法の投与期間は、状態が安定した患者ではDCB群は術後1ヵ月間、DES群は留置後6ヵ月間とした。ただし急性冠症候群(ACS)患者では12ヵ月間が推奨された。 評価項目は、MACE(心臓死、非致死性心筋梗塞[MI]、標的血管血行再建術[TVR])、全死因死亡、probable/definiteステント血栓症、および大出血(BARC出血基準3~5)であった。最大の解析対象集団について修正intention-to-treat解析が実施された。MACE発生率はDCB群15%、DES群15%、大出血発生率はそれぞれ2%、4% MACE発生率(Kaplan-Meier推定値)は、DCB群およびDES群ともに15%であった(ハザード比[HR]:0.99、95%信頼区間[CI]:0.68~1.45、p=0.95)。MACEの各イベントの発生率(Kaplan-Meier推定値)についても、心臓死はDCB群5%、DES群4%(HR:1.29、95%CI:0.63~2.66、p=0.49)、非致死的MIはともに6%(HR:0.82、95%CI:0.45~1.51、p=0.52)、TVRもともに9%(HR:0.95、95%CI:0.58~1.56、p=0.83)であり、全死因死亡率(Kaplan-Meier推定値)もともに8%(HR:1.05、95%CI:0.62~1.77、p=0.87)で、いずれも同程度であった。 probable/definiteステント血栓症の発生率(Kaplan-Meier推定値)は、DCB群1%、DES群2%(HR:0.33、95%CI:0.07~1.64、p=0.18)、大出血の発生率はそれぞれ2%および4%(HR:0.43、95%CI:0.17~1.13、p=0.088)で、DES群に比べDCB群で低値であったが統計学的な有意差は認められなかった。

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双極性障害患者のラピッドサイクラーと寛解に関連する臨床的特徴

 ラピッドサイクラー(RC)では、双極性障害(BD)の重症度リスクが高まるが、1年後に寛解状態を達成した(one-year euthymia:OYE)患者の予後は良好となる。関西医科大学の加藤 正樹氏らは、精神科クリニックにおけるBDの多施設治療研究(MUSUBI)において、大規模サンプル(2,609例)におけるラピッドサイクラーおよび1年後に寛解状態を達成した患者にある患者の臨床的背景、処方特性について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2020年9月30日号の報告。ラピッドサイクラーの抗精神病薬の処方率は1年後に寛解した患者と比べて多い MUSUBIは、外来クリニック176施設にアンケートを配布し、BD連続症例のカルテをレトロスペクティブに調査した横断的研究である。患者背景、現在のエピソード、臨床的特徴、処方状況に関するデータをアンケートで収集した。OYEの定義は、12ヵ月以上の正常状態とした。 双極性障害患者におけるラピッドサイクラーおよび1年後に寛解状態を達成した患者の臨床的背景などを調査した主な結果は以下のとおり。・現在のラピッドサイクラーの割合は9.7%であり、女性で有意に高かった。・ラピッドサイクラー患者は、非ラピッドサイクラー患者と比較し、発症年齢が若く、機能障害を有し、神経発達障害および身体疾患の合併頻度が高かった。・1年後に寛解状態を達成した患者の割合は19.4%であり、女性、高齢、職業的地位の高さ、自殺念慮、精神症状、人格障害、アルコールまたは薬物乱用の低さと関連が認められた。・気分安定薬は80%以上、抗精神病薬は50%の患者に処方されていた。これらの処方率は、ラピッドサイクラーでより多く、1年後に寛解状態を達成した患者でより少なかった。・抗うつ薬の処方率は、ラピッドサイクラーよりも1年後に寛解状態を達成した患者のほうが低かった。 著者らは「RCとOYEは、相反する特性を有するが、パラメータの詳細に特色が認められた。これら相反する臨床的特徴の背景や特性を理解することは、BDの進行を予測するうえで役立つであろう」としている。

4950.

アファチニブの用量調整と有効性:NJLCG1601【肺がんインタビュー】 第53回

第53回 アファチニブの用量調整と有効性:NJLCG1601出演:仙台厚生病院 呼吸器内科 中村 敦氏EGFR変異陽性肺がんにおける低用量アファチニブの第II相NJLCG1601試験の結果がOncologist誌20202年6月19日号に発表された。筆頭著者の仙台厚生病院 呼吸器内科 中村 敦氏に、試験実施にいたる背景や試験結果について聞いた。Atsushi Nakamura,et al. Phase II Study of Low-Dose Afatinib Maintenance Treatment Among Patients with EGFR-Mutated Non-Small Cell Lung Cancer: North Japan Lung Cancer Study Group Trial 1601 (NJLCG1601) Oncologist. 2020 Jun 19. [Epub ahead of print]

4951.

女性のうつ病と肥満、食糧不安との関連

 栄養精神医学は、新たな研究分野として注目されており、脳機能や精神疾患に対する栄養摂取および肥満の影響について調査が行われている。これまでの研究では、女性の肥満や栄養摂取とうつ病との関連が示唆されている。しかし、この関連に食糧不安がどのように影響しているかは、よくわかっていない。米国・イーストテネシー州立大学のManik Ahuja氏らは、女性のうつ病と肥満や食糧不安との関連について調査を行った。Archives of Public Health誌2020年9月17日号の報告。 2001~03年の精神疾患疫学共同調査(Collaborative Psychiatric Epidemiology Surveys:CPES)のデータを用いて検討を行った。肥満、性別、食糧不安と過去1年間のうつ病との関連を調査するため、ロジスティック回帰モデルを用いた。次に、性別で層別化した後、肥満と過去1年間のうつ病との関連に対する食糧不安の影響について調査した。 主な結果は以下のとおり。・女性における肥満は、過去1年間のうつ病リスク増加と関連していた(AOR:1.35、95%CI:1.17~1.55)。一方、男性ではこの関連は認められなかった(AOR:1.07、95%CI:0.86~1.32)。・肥満と食糧不安の両方を報告した女性(AOR:3.16、95%CI:2.36~4.21)では、食糧不安を報告しなかった女性(AOR:1.08、95%CI:1.02~1.38)よりも、過去1年間のうつ病エピソードのオッズ比が高かった。 著者らは「メンタルヘルスの問題を抱える人が増加している現在、女性のメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性のある貧しい食生活、食糧不安、肥満について、注意深くモニタリングする必要がある。臨床医および治療提供者が評価を行う際には、患者の食事と栄養価の高い食品摂取を考慮することが推奨される」としている。

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普段から気を付けたい身体診察のうっかり/日本感染症学会

 第94回日本感染症学会総会・学術講演会(会長:館田 一博氏[東邦大学医学部 教授])が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行下、8月19日~21日の期日でインターネット配信との併用で東京にて開催された。 本稿では、特別企画「感染症を究める」より徳田 安春氏(群星沖縄臨床研修センター長)の「診察」の概要をお届けする。時にリスクとなる抗菌薬 「感染症です」と外来に訪れる患者はいない。その多くは「熱っぽい、だるい、寒気がする」などの訴えから医師が知識と経験を通じて総合的に診断をする。徳田氏の講演では、こうした診断の際に忘れがちなポイントや見落としやすい身体部位などについて症例を交え、レクチャーを行った。以下にレクチャーされた症例を抜粋して紹介する。 はじめに2つの表情の画像を並べ顔貌から読み取れる身体の不調を示し、“General appearance”から患者の全身状態を診る重要性を指摘した。 症例(1)では97歳・男性について、高齢者の無熱性肺炎について述べた。患者は平熱が35.4度で、診察時36.9度。主訴は「3日前からせきと痰」で、最終的に肺炎と診断された。高齢者の風邪診断では、患者の平熱のベースラインが異なるので、バイタル表では本人のベースライン体温にプラス1度の赤線を引くことで背後のリスクに気付くことができると説明した。 症例(2)では50歳・女性について、尿路感染症治療後に、バレーボールで左足首を痛め受診した。トンプソン検査は陽性で「アキレス腱断裂」と診断されたが、原因はバレーボールだけではなく、実は感染症治療で処方されたシプロフロキサシンに関連したアキレス腱断裂だったという症例を紹介した。フルオロキノロン系抗菌薬はよく使用される抗菌薬だが、もともと日本人では大動脈解離の発症頻度も多く、高用量、長期間の使用では注意が必要だと促した。 症例(3)では45歳・男性について、草野球で外傷性開放骨折を負い、術後7日後に急激な血圧低下により紹介された症例。患者の身体所見は「腫脹、発赤、発熱、圧痛」があり、びまん性に全身性の発赤があった。当初、手術部位感染(SSI)疑いで診療されたが、全身の発赤などからトキシクショック症候群(TSS)の合併もあると診断された。こうしたショックを伴う感染症について、「『急激に起こるショック』の感染症」(皮疹ないことあり)を示し、外来で想起できるように注意を促した。・「急激に起こるショック」の感染症」 “SMARTTT”S:SepsisM:MeningococcemiaA:Acute endocarditisR:RickettsiaT:Toxic shock syndromeT:Toxic epidermal necrolysis T:Travel-related infection普段診ない部位の身体所見は診断のカギになる 症例(4)では30歳代女性について、発熱、意識障害、肺炎、X線所見を提示し、髄膜刺激徴候、後部硬直があるという症例を説明した。身体診察でのケルニッヒ徴候検査の重要性を示し、普段の診療から診察し、経験を重ねておく大切さを伝えた。なお、この患者は、以前に交通外傷で脾摘後であり、髄液検査により肺炎球菌による髄膜炎の診断となった。 症例(5)では40歳代男性について、主訴として、咽頭痛、発熱、嚥下痛、よだれのほか喘息様の呼吸音があり、上気道の狭窄病変を示唆する所見があった例を提示した。患者の状態から挿管となったが、その際の注意点として上気道閉塞を塞がないために仰臥位にせず、座位で診察と挿管を施行するケースもあること、体位によっては、手技が患者にとって大きなリスクになることを説明した。患者はその後の診断で後咽頭腫瘍に伴う壊死性縦隔炎と診断され、手術対応となった。また、「咽頭痛で見逃してはいけない疾患」として次の5つの疾患を掲げ、生命予後に係わる疾患もあるので覚えておいてほしいと注意を促した。1 急性咽頭蓋炎2 後咽頭腫瘍3 扁桃周囲腫瘍4 レミエール症候群(内頸静脈の血栓性静脈炎)5 Ludwig angina(口腔底蜂窩織炎)6 無顆粒球症 症例(6)では20歳代男性について、主訴に2週間にわたる発熱、咳嗽、労作時の息苦しさなどがあった。口腔内のカンジタ所見から性生活歴を聴取し、男性同性愛者であることが判明した。諸検査によって、AIDSによるニューモスチス肺炎と口腔カンジタ症と診断し、ただちにST合剤とステロイド療法で呼吸状態は改善したという。患者の社会的背景の聴取の重要性も診断の一助となると指摘した。 症例(7)では60歳・男性について、3週間前から寝汗、AR雑音があり、爪下線状出血に加えオスラー結節とJaneway紅斑が足の裏にあり、眼底ではRoth斑が観察された。心エコーで疣贅を確認し、血液培養で腸球菌が検出されて感染性心内膜炎の診断がなされた。診断での目印の1つは「寝汗」であり、また、普段なかなか診ることのない足の裏の所見を診ることも大切だと説明した。

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ロピナビル/リトナビル合剤が新型コロナに対して無効であった理由は?(解説:山口佳寿博氏)-1308

 新型コロナ感染症が中国・武漢において発生してから10ヵ月が経過した。この10ヵ月の間、感染症の分子生物学的/生理学的病態解明が進み、治療法に関しても抗ウイルス薬、ウイルス誘発免疫過剰状態(血栓過形成を含む)に対する多数の薬物に関する治験、ウイルスに対する不活化ワクチン、遺伝子工学的ワクチンの製造が驚くべきスピードで進行している。それらの結果として、新型コロナ感染症に対する有効な治療方針が整理されつつあり、同一施設における入院死亡率はパンデミック初期に比べ明らかに低下している(Horwitz L, et al. medRxiv. doi.org/10.1101/2020.08.11.20172775.)。初期治療に重要な抗ウイルス薬に関しては、種々の薬物が“篩(ふるい)”にかけられ、RNA-dependent RNA polymerase(RdRp)阻害薬であるレムデシビル(商品名:ベクルリー、Beigel JH, et al. N Engl J Med. 2020 Oct 8. [Epub ahead of print] , Wang Y, et al. Lancet. 2020;395:1569-1578.)ならびにファビピラビル(商品名:アビガン、Ivashchenko AA, et al. Clin Infect Dis. 2020 Aug 9. [Epub ahead of print], Cai Q, et al. Engineering (Beijing). 2020 Mar 18. [Epub ahead of print], 富士フイルム富山化学 9月23日付 News Release)が一定の効果を有することが確認された。一方、RdRpより上位で作用するウイルス―宿主細胞膜融合阻害薬であるクロロキン/ヒドロキシクロロキンならびに3-chymotrypsin protease阻害薬(Protease inhibitor)であるロピナビル/リトナビル(商品名:カレトラ、以下L/R合剤)の効果は確認されなかった。本論評においてはL/R合剤に焦点を合わせ、この薬物が臨床的効果を発揮できなかった理由について考察する。 抗ウイルス薬に関するメタ解析では、L/R合剤が新型コロナ患者の入院日数を短縮する可能性が示唆された(Siemieniuk RA, et al. BMJ. 2020;370:m2980.)。しかしながら、中国ならびに英国で施行された信憑性の高いRCTではL/R合剤の臨床的に意義のある有効性は確認されなかった(中国・LOTUS Study[Cao B, et al. N Engl J Med. 2020;382: 1787-1799.]対照群:100例、L/R群:99例、英国・RECOVERY Trial[RECOVERY Collaborative Group. Lancet. 2020 Oct 5. [Epub ahead of print]]対照群:3,424例、L/R群:1,616例)。 L/R合剤は、HIV-1(コロナと同様に1本鎖RNAウイルス)に対するキードラッグの1つとして、本邦では2000年12月に厚労省の薬事承認を受けたProtease inhibitorである。リトナビルは肝臓の薬物代謝酵素であるCYP3A4の活性を競合的に阻害しロピナビルの血中濃度を維持する。しかしながら、ロピナビルの95%以上は血漿タンパクと結合・不活化されるため、ロピナビルの生体内薬物活性はリトナビル共存下においても高く維持することは難しい。コロナウイルスが感染源である2002年のSARS、2012年のMERSが発生した時には、in vitroの検討でL/R合剤がSARS、MERSウイルスに対して感受性を有する可能性が示唆された。この時の検討結果(in vitro)では、ウイルス感染を50%抑制するL/R合剤の有効血中濃度(EC50)はSARSで17.1 μmol/L、MERSで6.6 μmol/Lであると報告された(日本小児科学会)。HIV-1を抑制するL/R合剤の血中濃度が7.2~12.1 μmol/Lであることを考慮すると(Lopez-Cortes LF, et al. Antimicrob Agents Chemother. 2013;57:3746-3751.)、通常量のL/R合剤投与でMERSは抑制される可能性があるもののSARSの抑制は難しい。新型コロナに対するL/R合剤のin vitro EC50は26.1 μmol/Lであり(Choy KT, et al. Antiviral Res. 2020;178:104786.)、HIV-1を抑制する通常量のL/R合剤投与では到底到達できない濃度であることが理解できる。L/R合剤の投与量を増加すれば臨床的有効性が認められる可能性があるが、その場合には、生命を脅かす重篤な有害事象の発生が予想され臨床の現場で施行すべきものではない。以上のように、生体にとって安全な投与量が低く制限されていることがL/R合剤によって新型コロナ感染症を制御できなかった理由であり、L/R合剤が新型コロナウイルスに対して薬理学的にまったく無効であることを意味するものではない。  結論として、現状のL/R合剤を用いたこれ以上の臨床治験は無意味である。今後HIV-1をターゲットとしたProtease inhibitorを用いて新型コロナに対する臨床治験を実施するならば、近年新たに開発されたダルナビル製剤(商品名:プリジスタ、シムツーザ)などの新型コロナに対するEC50の測定を含めたin vitroの検討とその基礎的/薬理学的結果を踏まえた臨床治験を計画すべきである。

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第23回 軽症の肺炎は入院適応ではないのか?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)スコアだけで判断するのではなく、患者背景を意識したマネジメントを!2)再発予防も忘れずに!【症例】81歳女性、肺炎●受診時のバイタルサイン意識清明血圧139/75mmHg脈拍72回/分(不整)呼吸21回/分SpO296%(RA)体温36.9℃既往歴高血圧、心筋梗塞、心房細動内服薬タケルダ(一般名:アスピリン・ランソプラゾール配合剤錠)、リピトール(同:アトルバスタチン)、ラシックス(同:フロセミド)、エリキュース(同:アピキサバン)肺炎の重症度の判断みなさん、肺炎の重症度はどのように判断しているでしょうか?酸素化が悪くリザーバーマスクでの酸素投与を要する場合には、重症と判断することは可能ですが、指標は酸素投与量のみでは判断できませんよね。市中肺炎の重症度の指標としてCURB-65スコア(表1)、A-DROPスコア(表2)が有名です1)。A-DROPスコアは、わが国の高い平均寿命を考慮して年齢が修正されていますが、項目はほぼCURB-65スコアと同様です。A-DROPスコアでは、CURB-65スコアで呼吸数だった項目がSpO2になっていますが、必ず呼吸数は意識するようにしてください。意識障害の程度が項目に含まれているのも重要です。Sepsis-3で導入されたqSOFAでも呼吸数と意識状態は大事なバイタルサインでしたね2)。A-DROPスコアの5項目のうち、実臨床で軽視されがちなのが意識状態、そして脱水の有無でしょう。他の項目は簡単に評価できるのに対して、意識障害は発熱や認知症のせい、水分は摂れそうだから脱水はないだろうなどと考えてしまいがちですが、どちらも客観的な評価が必要です。普段の意識状態との比較、身体所見で脱水を示唆する所見を認めないかはきちんと確認しましょう。また、体温と重症度は比例せず、むしろ低い方が重症であることを覚えておきましょう。高熱だから重症、発熱を認めないから軽症というわけではありません。表1 CURB-65スコア画像を拡大する表2 A-DROPスコア画像を拡大する誤嚥性肺炎の重症度高齢者で多い肺炎の原因に誤嚥性肺炎が挙げられます。誤嚥性肺炎の重症度も市中肺炎と同様にCURB-65スコアやA-DROPスコアで評価してよいかというと注意が必要です。誤嚥性肺炎は嚥下機能障害などを認める患者に起こるが故に、患者背景に予後は大きく依存します。そのため、重症度評価は患者背景が含まれるPSI(Pneumonia Severity Index)スコア(表3)が有効とされます3、4)。PSIはA-DROPスコアと比較すると評価項目が多く、点数をつけるのは面倒と思うかもしれませんが、患者背景を意識しなければ適切な評価はできません。簡単に計算できるアプリケーション(MDCalc etc.)もあるので利用するとよいでしょう。表3 PSIスコア画像を拡大する軽症ならば帰宅?酸素投与が必要な症例は原則として入院となりますが、酸素需要がなく軽症であれば帰宅可能でしょうか。例えば本症例の81歳の女性が肺炎球菌性肺炎でA-DROPスコアが年齢のみの1点であれば帰宅は可能なのでしょうか。結論から言えば、スコアだけで判断することはできません。歩行可能で経口摂取が問題ない患者さんと、A-DROPスコアこそ1点であるものの食事が十分摂れず自身では動くことができない患者さんでは、対応が一緒のはずがないからです。また、既存の疾患によって複数の薬剤を内服している患者さんでは、食事摂取量によって、また抗菌薬投与によって薬剤の効果に変動がみられるかもしれません。高齢者総合的機能評価(comprehensive geriatric assessment:CGA)など患者さんの日常生活動作の評価だけでなく精神心理機能や社会経済因子、さらには服薬状況や事前指示取得など複数の項目を評価することが重要なのです。救急外来で診療をしていると多くの患者さんを対応し、軽症患者をなんとか帰宅させようとしてしまうものです。また、ベッド状況も厳しく入院の閾値は上がっているかもしれません。しかし、無理矢理帰して重症化して再受診となっては、入院期間はさらに延びてしまうでしょう。「急がば回れ」の精神で、初診時に先を見据えた適切な対応を行うことを心掛けましょう。1)日本呼吸器学会. 成人肺炎診療ガイドライン2017.2017.2)Singer M, et al. JAMA. 2016;315:801-810.3)Lanspa MJ,et al. J Hosp Med. 2015.10;2:90-96.4)Fine MJ, et al. N Engl J Med. 1997;336:243-250.

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中等~重症アトピー性皮膚炎、バリシチニブ+TCSの有効性・安全性を確認

 経口JAK1/2阻害薬バリシチニブについては、外用コルチコステロイド薬(TCS)で効果不十分な中等症~重症アトピー性皮膚炎(AD)への単独療法の有効性および安全性が、これまでに2件の第III相試験の結果で報告されている。今回、ドイツ・ハンブルク・エッペンドルフ大学医療センターのKristian Reich氏らは、バリシチニブとTCSの併用療法について検討し、中等症~重症ADに対してバリシチニブ1日1回4mg+TCSが症状を有意に改善することを明らかにした。安全性プロファイルは、バリシチニブのこれまでの試験で既報されているものと変わらなかった。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年9月30日号掲載の報告。 研究グループは、TCS治療では効果不十分であった中等症~重症AD成人患者について、TCSを基礎療法としながらバリシチニブ4mgまたは2mg用量の有効性と安全性を評価する、二重盲検プラセボ対照第III相無作為化試験「BREEZE-AD7試験」を実施した。 試験は2018年11月16日~2019年8月22日まで、アジア、オーストラリア、欧州、南米の10ヵ国、68の医療センターで行われた。被験者は、18歳以上のTCSで効果不十分の中等症~重症AD患者であった。 被験者は無作為に3群(1対1対1)に割り付けられ、バリシチニブ1日1回2mg(109例)、同4mg(111例)、プラセボ(109例)のいずれかを16週間投与された。基礎療法として、低度~中等度効能のTCSの使用が認められた。 主要評価項目は、Validated Investigator Global Assessment for AD(vIGA-AD)スコアが16週時点の評価でベースラインから2ポイント以上改善し、0(改善)または1(ほとんど改善)を達成した患者の割合であった。 主な結果は以下のとおり。・被験者329例は、平均[SD]年齢33.8[12.4]歳、男性216例(66%)であった。・16週時点でvIGA-ADスコア0または1を達成した患者は、プラセボ群16例(15%)に対し、バリシチニブ4mg群34例(31%)、同2mg群26例(24%)であった。・対プラセボのオッズ比(OR)は、バリシチニブ4mg群2.8(95%信頼区間[CT]:1.4~5.6、p=0.004)、同2mg群1.9(0.9~3.9、p=0.08)であった。・治療関連有害事象の報告は、バリシチニブ4mg群で64/111例(58%)、同2mg群で61/109例(56%)、プラセボ群で41/108例(38%)であった。・重篤な有害事象の報告は、バリシチニブ4mg群4例(4%)、同2mg群2例(2%)、プラセボ群4例(4%)であった。・最も頻度の高い有害事象は、鼻咽頭炎、上気道感染症、毛包炎であった。・なお試験完了後、被験者は4週間のフォローアップもしくは拡大延長(長期)試験に登録された。

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米国におけるCOVID-19パンデミック前後のうつ病有病率の変化

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)およびこれに関連するソーシャルディスタンスやロックダウンといった制限は、実質的かつ永続的なメンタルヘルスへの影響が懸念される。アイルランド・メイノース大学のMichael Daly氏らは、米国におけるCOVID-19パンデミック前後のうつ病有病率の変化について、調査を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年9月15日号の報告。 米国成人を対象とした2つの代表的な調査において、うつ病を検出するために、Patient Health Questionnaire-2(PHQ-2)を用いた簡易スクリーニングを実施した。パンデミック前のうつ病レベルは、2017~18年の全国健康栄養調査(NHANES)の成人サンプル5,075例より算出した。米国の代表的なサンプルであるUnderstanding America Studyより、2020年3月(6,819例)および4月(5,428例)のうつ病レベルを評価した。 主な結果は以下のとおり。・米国成人のうつ病有病率は、以下のとおりであった。 ●2017~18年:8.7%、95%CI:7.6~9.8 ●2020年3月:10.6%、95%CI:9.6~11.6 ●2020年4月:14.4%、95%CI:13.1~15.7・65歳以上および黒人を除く調査したすべてのサブグループにおいて、うつ病レベルの統計学的に有意な増加が観察された。・若年成人(18~34歳)は、ほかの年齢層と比較し、うつ病有病率の顕著な増加が認められた。その増加率は、13.4ポイントであった。・2007/08年~2017/18年のNHANESよりうつ病の傾向を追加分析した結果と比較し、2020年4月のうつ病有病率の大幅な増加は、典型的な変動とは異なる可能性が高いことが示唆された。 著者らは「COVID-19パンデミックによりうつ病レベルは大幅に上昇しており、とくに若年成人において、メンタルヘルスへの影響に対する脆弱性が示唆された」としている。

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COVID-19検査法と結果どう考えるか/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:舘田 一博氏[東邦大学医学部 教授])は、10月12日に「COVID-19検査法および結果の考え方」を提言としてまとめ、同会のホームページで公開した。 提言では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)でさまざまな検査法、検査機器の登場により日々新しい情報が次々と発表されて行く中で、遺伝子検査で陽性を示す患者の感染性をどのように評価していくのかが検査の重要な課題として定義。その中でもCt値(Cycle Threshold)が重要な項目の1つとして将来的に遺伝子検査陽性が持続する患者に対し、Ct値や特異抗体の検出などを併用することで、正確に感染性を評価することができるようになると示唆している。 以下に「COVID-19検査法および結果の考え方」の概要をまとめた。なお、この内容は2020年10月初めの情報であり、今後変更される可能性があることも留意いただきたい。検査の適用は4つのタイプ 「検査の適用に関する基本的考え方」として、新型コロナウイルス感染症対策分科会から、COVID-19に対する検査の基本的考え方が下記のように示されている。(1)有症状者(COVID-19 を疑う症状がある患者)(2)無症状者 a 感染リスクおよび検査前確率が高い場合(例:クラスター発生時、医療機関や高齢者施設など) b 感染リスクおよび検査前確率が低い場合(例:海外渡航時、スポーツ選手、文化・芸能など) また、検査法ごとに使用できる検体および対象者として、検査法では「遺伝子検査」「高感度抗原検査」「簡易抗原検査」の3つが、検体では「鼻咽頭」「鼻腔」「唾液」の3つがあり、有症状者、無症状者により使い分けて使用することが厚生労働省より発表されている。 とくにインフルエンザ流行の秋冬においては、鼻咽頭あるいは鼻腔検体を用いてインフルエンザとCOVID-19 の検査を同時に実施することも想定し、同学会の過去の提言やCOVID-19病原体検査の指針を参考にしてほしいと述べている。各検査法の特徴と注意点・遺伝子検査法 特徴:数十コピーのウイルス遺伝子を検出できるほど感度が高い 注意点:検査時間が比較的長い(1~5時間)、専用機器・熟練した人材が必要、高コストなど おおむね感度90%以上、特異度はほぼ100%・抗原検査 特徴:検体採取ののち約30分で目視による判定が可能である(定性試験) 注意点:イムノクロマトグラフィー法では感度が低く、唾液検査は認められていない。ルミパルスは、遺伝子検査に近い感度が得られるとされている。高感度抗原検出検査は、無症状者の鼻咽頭拭い液および唾液を用いた検査でも承認・抗体測定法 特徴:COVID-19では抗体産生が、発症から受診まで2週間(通常、特異抗体産生は感染後2~3週間必要)ほどの経過である症例もあり、このような場合、患者血液の抗体の検出が診断に役立つ 注意点:感染・発症していても抗体検査が陽性にならない症例があることに注意。感度・特異度ともに他の方法と比較して劣り、製品ごとのばらつきも大きい感染性を評価するための指標としてCt値を提言 症状が軽快したのちも、数週間にわたって遺伝子検査が陽性を示すことが報告されている。長期間の遺伝子検査陽性を示す患者において、いつまで隔離を行う必要があるのか(感染性はいつまで続いているのか)の判断に苦慮することが多い。 そこで、感染性を評価するための指標として遺伝子コピー数(Ct値)を提言している。408症例の検討から発症時点でのCt値は20前後であったものが、日数が経過するごとにCt値は高くなり(ウイルス遺伝子数が減少)、発症9日の時点でCt値は30.1となっている1)。また、発症からの日数とCt値およびウイルス培養結果の関連では、Ct値が高くなるにしたがい(ウイルス遺伝子数が減少)、検体からのウイルスの分離率が低下していることがわかる。 これらの研究からウイルスの分離(すなわち感染性)は発症からの日数およびウイルスRNA量に強く依存している可能性を示すものであると説明している。退院基準の考え方 遺伝子検査がなかなか陰性化しないことで、無症状であっても退院させられない症例の増加が問題となっている。そこで、遺伝子検査の陰性結果(Test-based strategy)とともに、発症および症状消失からの日数を参考に退院を判断するSymptom-based strategy の導入が検討されている。 下記に「COVID-19陽性者の退院基準・解除基準」を示す。 1)有症状者の場合 (1)発症日から10日間経過し、かつ症状軽快後、72時間経過した場合 (2)症状軽快の24時間後、2回のPCR検査(24時間間隔)で陰性確認 2)無症状者の病原体保有者の場合 (1)検体採取日から10日間経過した場合 (2)検体採取日から6日間経過後、2回のPCR検査(24時間間隔)で陰性確認 以上今後の検査、退院などに際し参考としていただきたい。■参考COVID-19検査法および結果の考え方

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血漿ACE2は生命予後・心血管疾患イベントのリスクマーカーとなりうるのか?(解説:甲斐久史氏)-1307

 2020年は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の発見20周年である。その記念すべき年に、期せずして、人類の日々の営みさえ大きく変えようとしているCOVID-19パンデミックの原因ウイルスSARS-CoV-2感染における細胞受容体であることが同定され、ACE2に大きな注目が集まることとなった。ともすればネガティブな悪玉イメージが定着しそうな雲行きのACE2であったが、ここに来て本来の領域(?)でポジティブなニュースが飛び込んできた。 そもそも、ACE2は細胞膜メタロプロテアーゼで、古典的レニン・アンジオテンシン(RA)系における中心的な調節因子アンジオテンシン変換酵素(ACE)のホモローグである。言うまでもなくACEは、アンジオテンシン(ang)IからangIIを産生し、angII1型受容体(AT1R)を介する細胞増殖・肥大、酸化ストレス、血管収縮といった生理学的あるいは病態生理的作用に関与する。それに対して、ACE2はangIおよびangIIをそれぞれang 1-9およびang 1-7に分解、すなわち、angII産生を減少させる。さらに、ang 1-7はmas受容体を活性化してAT1Rの作用を抑制する。すなわち、ACE2は過剰に活性化したRA系に対する内因性抑制機構で、臓器保護的に作用するkey moleculeである。 高血圧や心不全・冠動脈疾患・心房細動といった心血管疾患患者において、血漿ACE2濃度・酵素活性あるいは尿中ACE2濃度が検討されている。これまで、心血管疾患患者を対象としたいくつかの小規模な観察研究において、血漿ACE2活性が高いと心血管疾患アウトカムが悪いことが示唆されていた。そこで、Narulaらは今回、大規模な登録研究コホートを用いて、血漿ACE濃度の規定因子、心血管疾患イベントとの関連を検討した。国際的な一般住民の前向き登録研究Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)に含まれる5大陸14ヵ国1万753例(フォローアップ期間中央値9.42年、IQR:8.74~10.48)を対象にnested case-cohort研究が行われた。 血漿ACE2濃度の規定因子は、性別(男性)、次いで地域(最高は東アジア、最低は南アジア)、高BMI、糖尿病、高年齢、収縮期血圧、喫煙、LDLコレステロール値の順であった。メンデルのランダム化法により臨床的リスク因子と血漿ACE2濃度の関連を検討したところ、肥満と糖尿病において因果関係が示唆された。 血漿ACE2濃度高値は、年齢、性別、地域、古典的心臓リスク因子(収縮期血圧、non-HDLコレステロール値、喫煙、糖尿病)で調整した全死亡リスクの増加と関連した(1SD増加ごとのハザード比:1.35、95%信頼区間:1.29~1.43)。心血管死(1.40、1.27~1.54)および非心血管死(1.34、1.27~1.43)の調整リスク増加のいずれとも関連した。さらに、初発心不全(1.27、1.10~1.46)、心筋梗塞(1.23、1.13~1.33)、脳卒中(1.21、1.10~1.32)、糖尿病(1.44、1.36~1.52)の調整後発症リスクとも関連した。 血漿ACE2濃度の生命予後や心血管イベントの予測能も検討された。血漿ACE2濃度は、補正後の全死亡(p<0.0001)、心血管死(p<0.0001)、非心血管死(p<0.0001)の最も優れた予測因子であった。心筋梗塞(p<0.0001)に対しては喫煙、糖尿病に次いで、心不全(p=0.0032)と脳卒中(p=0.0010)に対しては収縮期血圧、糖尿病に次いで、それぞれ3番目に強い予測因子であった。 大規模な観察研究の結果、血漿ACE2は生命予後や主要な心血管イベントの有用なリスクマーカーとなる可能性が示唆されたわけである。しかしながら、大きな問題が残されている。すなわち、細胞膜結合型ACE2については、細胞増殖・肥大、酸化ストレス、血管収縮などのangII-AT1R系を介する臓器障害に対して、保護的に作用するという多くの基礎研究のエビデンス蓄積がある。一方、遊離ACE2の生理学的・病態生理学的意義は明らかではない。つまり、血中の遊離型ACE2濃度は、ACE2細胞発現、ADAM-17などの酵素による細胞膜からの切断、血漿クリアランスなど多くの影響を受けるが、その機序はほとんど解明されていない。加えて、本検討は横断的観察研究であり、血漿ACE2と死亡、心血管疾患、肥満、糖尿病との関係は、未知の交絡因子や因果の逆転の結果である可能性は否定できない。 著者らは、血漿ACE2はRA系調節異常のバイオマーカーであり、これを踏まえた新しい心血管疾患の診断・治療アプローチの可能性を示唆している。確かに、BNPやNT-proBNPを手にすることで、心不全治療が大きく前進したように、ACE2-guide therapyが実現すれば、循環器領域における大きなブレークスルーにつながるであろう。血漿ACE2が、心血管疾患の予後規定因子であるのか、重症化さらには治療効果の判定マーカーとなりうるかについて、今後の大規模な前向き研究によるエビデンスが待たれる。

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第31回 COVID-19ワクチンはこのままだとインフルエンザワクチンと同じ轍を踏む

第III相試験の被験者集めの完了の便りも飛び交い、今月末には早くも結果さえ判明し始める1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防ワクチンは場当たり的に扱うことなく、安全で効果的なもののみ世に出すと米国FDAは約束しました2,3)。それにワクチンメーカー9社は早まった承認申請はしないという稀にみる珍しい共同声明を発表しています4)。世間が期待するワクチンの効果は明白で、悪くすると死ぬ恐れがあるような重病に陥るのを予防することです5)。専門家の意見も同様で、COVID-19ワクチンが担うべき役割は2つあり、1つは重症になって入院するのを防ぐこと、もう1つは(症状があるかどうかは関係なく)感染を防いでその連鎖を絶つことであると米国・ベイラー医科大学の熱帯病部門のリーダーPeter Hotez氏や感染症/ワクチン専門医師は言っています6,7)。しかし現在進行中のCOVID-19ワクチンの第III相試験はそういう効果を調べるようにはできていません。どの試験も入院・集中治療室(ICU)使用・死亡などの深刻な転帰を減らす効果の検出力はありませんし、症状の有無とは関係なく感染を防いでその伝播を遮断する効果の把握も期待できません8,9)。先月9月の初め、医療情報配信事業Medscapeの編集長にして米国屈指の研究所Scripps Researchの設立者Eric Topol氏はワクチン専門家Paul Offit氏に「重要なことなのではっきりさせたいと思いますが、COVID-19ワクチンの臨床試験で数えられる転帰は軽症のPCR検査陽性ではなく中等~重度の病態という認識で正しいですよね?」と尋ねました。米国FDAの諮問委員に名を連ね、COVID-19ワクチンの承認の是非を判断することになるであろうOffit氏はその問いに紛うこと無く「そうだ(That‘s right)」と答えました10)。しかし公開された第III相試験プロトコールはそうなってはいません11)。咳、喉の痛み、発熱、頭痛などの軽症の陽性診断で主要転帰は積み重なって試験は終了に近づきます。6月のニュースでCOVID-19ワクチンの開発会社の1つModerna(モデルナ)社は入院を試験の重要な副次転帰の1つだと発表しました12)。どうやら勢い余って米国政府も加勢し、Modernaの試験は重度COVID-19を防ぐ効果を調べることが目的の1つで、COVID-19による死亡を防げるかどうかを見極めると聞こえの良いことを言っています13)。ところが内実は違なります。モデルナ社の試験で入院は取り上げないと同社の最高医学責任者(CMO)Tal Zaks氏はBMJに話しており、重症や死亡などの転帰の差を検出する力は同社の試験には実はありません8)。米国では60年も前から65歳以上の高齢者へのインフルエンザワクチン接種が推奨されていますが、いまだにそれで死亡が減るかどうかは不明です。無作為化試験で死亡や入院が調べられたことはありませんし8)、さらにはインフルエンザワクチンの普及と死亡率低下の関連は認められていません14)。尊敬を集める研究者Peter Doshi氏はインフルエンザワクチンのような残念な道をCOVID-19ワクチンが歩むのを防ぐには今こそ行動する必要があると言っています9)。ほとんどのCOVID-19ワクチン試験で小児・免疫不全の人・妊婦が除外されている理由、主要転帰が適切かどうか、安全性判断、SARS-CoV-2に対してあらかじめ備わるT細胞反応の意義といった課題に向き合うように試験方針を変えることは今からでも間に合います。COVID-19ワクチンの試験は意見を取り入れることなく設計されたかもしれないが、幸いそれら試験のプロトコールが早期公開されたことは科学が声を上げて導くまたとない機会であり、手遅れになる前に今すぐ仕事に取り掛かろうとDoshi氏は呼びかけています9)。参考1)Pfizer Investor Day Features Significant Number of Pipeline Advances for COVID-19 Programs and Across Numerous Therapeutic Areas/businesswire2)The FDA’s Scientific and Regulatory Oversight of Vaccines is Vital to Public Health/FDA 3)Dr. Hahn's remarks to the National Consumers League on the vaccine review process/FDA 4)Biopharma Leaders Unite to Stand With Science/businesswire5)What A Nasal Spray Vaccine Against COVID-19 Might Do Even Better Than A Shot/npr6)Those coronavirus vaccines leading the race? Don’t ditch the masks quite yet/The Los Angels Times7)A Vaccine That Stops Covid-19 Won’t Be Enough8)Doshi P.BMJ. 2020 Oct 21;371:m4037.9)Covid-19 vaccine trials cannot tell us if they will save lives/Eurekalert10)Paul Offit's Biggest Concern About COVID Vaccines/Medscape11)Doshi P.BMJ. 2020 Oct 21;371:m4058.12)Moderna Advances Late-Stage Development of its Vaccine (mRNA-1273) Against COVID-19/businesswire13)Phase 3 clinical trial of investigational vaccine for COVID-19 begins/NIH14)Simonsen L,et al. Arch Intern Med. 2005 Feb 14;165:265-72.

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食事のパターンや質と認知症との関連~メタ解析

 食事は、神経変性疾患の発症や進行を予防または遅らせることができる、重要なライフスタイル要因である。すべてではないものの、最近報告されたいくつかの研究において、健康的な食事パターンの順守が認知症リスクの低下に寄与する可能性が示唆されている。米国・ペンシルベニア州立大学のYi-Hsuan Liu氏らは、食事パターンと認知症リスクとの関連をシステマティックに調査し、メタ解析を実施した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2020年9月11日号の報告。 1981年1月1日~2019年9月11日までのPubMed、Web of Science、Cumulative Index for Nursing and Allied Healthのデータベースを用いて、英語で発表されたプロスペクティブ研究をシステマティックに検索した。プールされたリスク比(RR)と95%信頼区間(CI)は、変量効果モデルを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・特定された16研究のうち、12研究(6万6,930例)をメタ解析に含めた。・質の高い食事や健康的な食事パターンの順守は、質の低い食事または健康的でない食事パターンと比較し、認知症リスクの有意な低下が認められた。 ●全体的な認知症リスク:プールされたRR:0.82、95%CI:0.70~0.95、12研究 ●アルツハイマー病:プールされたRR:0.61、95%CI:0.47~0.79、6研究・年齢、性別、フォローアップ期間、食事の質の評価方法、研究の実施場所、研究の質により層別化されたサブグループ解析でも、同様の結果が認められた。 著者らは「健康的な食事パターンの順守は、全体的な認知症リスクの低下と関連が認められた。認知症の発症や進行に対する健康的な食事の役割についてエビデンスを追加するためには、さらなるランダム化比較試験が必要である」としている。

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