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残余因子に対する新たなアプローチ-evinacumabへの期待(解説:平山篤志氏)-1348

 LDLコレステロール(LDL-C)低下療法により動脈硬化性疾患(ASCVD)の発症は減少しているが、最大耐用量の各種薬剤を用いてもLDL-Cが低下しない患者群がある。従来のLDL-C低下薬は、主にLDL受容体を介する機序によるものであった。angiopoietin-like 3(ANGPTL3)の遺伝的欠如で、中性脂肪(TG)、LDL-Cが低下していることが明らかになり、高脂血症マウスでANGPTL3が過剰産生されていることから、新たな治療ターゲットとしてANGPTL3が注目されるようになった。ANGPTL3はlipoprotein lipase(LPL)活性を阻害することでTGが上昇するが、LDL-Cへの作用は明らかではない。ただ、ANGPTL3を低下させることで、TGおよびLDL-Cが低下することが明らかなことから、現在、ANGPTL3に対するanti-oligonucleotide(ASO)やモノクローナル抗体が作成され、治験が開始されている。とくに家族性高コレステロール血症(FH)では、LDL受容体が欠損、あるいは機能低下していることから従来の薬剤では十分なLDL-C低下効果が認められなかった。本論文では、ANGPTL3に対するモノクローナル抗体(evinacumab)を用いて、従来の治療で不十分であった難治性高コレステロールFH患者を対象に第2相の試験が行われ、最大投与量で50%以上のLDL-C低下効果が認められた。FH患者を対象としているが、FHだけでなく、糖尿病やメタボリック症候群でもLPL活性が高いことが知られ、スタチンなどを用いてLDL-Cを低下させても心血管イベントを低下させることができない残余因子と考えられている。ANGPTL3をターゲットとした脂質異常症の治療により、新たなリスク低下が実現するかもしれない。

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ラリキンが……死んだ【Dr. 中島の 新・徒然草】(359)

三百五十九の段 ラリキンが……死んだ年が明けてから雪になったり雨になったり。パッとしない天気が続きます。さて、米国大統領就任式が無事に終わったと思ったら、突然のニュースが飛び込んできました。あのラリキン・ライブのラリー・キング氏が87歳で亡くなった(Larry King, legendary talk show host, dies at 87)というのです。ついに1つの時代が終わってしまいました。サスペンダーでズボンを吊り、シャツを腕まくり。画面からはみ出さんばかりの顔でまくしたてる黒ブチ眼鏡のオッサン。並みいる有名人ゲストを圧倒するオーラ。私にとってラリー・キング氏は、アメリカのテレビの象徴でした。ちくしょう、死ぬなよ、ラリキン!彼を知らない読者のために、ラリキンの生涯を振り返ってみましょう。彼は、1933年にニューヨークのブルックリンで移民2世として生まれました。フロリダのローカルラジオ局で雑用係として働いていたのですが、ある日、司会に穴が空いたため、急遽代役を務めることになったのです。その時の彼の本名は、東欧だかロシアだかの発音もスペルも難しいものだったので、上司に言われて出演直前にラリー・キングという名前を付けたそうです。幸運にもその2日後には、地元のレストランにやってきた有名人にインタビューするチャンスがありました。以来、彼の司会するラジオ番組やテレビ番組は大当たりし、1985年からはCNNで「ラリー・キング・ライブ」が始まります。CNNの台頭と共にラリー・キングも売れ、視聴者は毎晩のように彼の顔を見ることになりました。1990年代にアメリカに住んでいた私にとっても、CNNといえばラリキン・ライブでした。なんといってもラリキンを特徴付けるのは、色とりどりのサスペンダーです。滅多にジャケットを着ることはありません。彼のインタビューは対決を避けているとか、ゲストが答えやすい質問しかしないとか、散々な言われようでした。でも、むしろラリキンは言い過ぎじゃないのか、と私は思っていました。ズバズバ質問しながら、全く嫌味を感じさせなかったのが彼の上手いところなのでしょう。相手を攻撃しようとかやり込めようとか、そんな印象は全くなし。視聴者のニーズを察知してゲストにストレートに質問する、そういうスタイルでした。時にはゲスト同士の議論が沸騰し、さすがのラリキンも閉口したこともあります。CMが入った後で、「『クロスファイア』へようこそ。おっと間違えた!『ラリキン・ライブ』だった」そう言ってとりなしたところが笑えました。ちなみに「クロスファイア」は、ゲスト同士が収拾つかないくらい大論争をするので有名なCNNの別の番組です。今回の訃報で初めて知ったのですが、生涯7人の奥さんと8回結婚していたそうです。私生活のエネルギーも尋常なものではありませんでした。5人いた子供のうち、2人は父親よりも早く、いずれも病気で亡くなったのだとか。ラリー・キング自身も1980年代に心疾患で手術を受けたことから、財団をつくって心臓病になった人のために貢献していました。単に自己主張が強いだけのオッサンではなかったわけですね。不世出のインタビュアー、ラリー・キング氏の御冥福をお祈りいたします。最後に1句冬の空 天に召された サスペンダー

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早期乳がん、“切らない治療”の実現を目指す:AMATERAS-BC試験【Oncologyインタビュー】第27回

出演:群馬県立がんセンター 乳腺科 藤澤 知巳氏  :呉医療センター 乳腺外科 重松 英朗氏術前補助療法で完全奏効となったcT1~2N0M0のHER2陽性乳がんに対する非切除治療を評価するJCOG1806/AMATERAS-BC試験が始まる。研究代表者の群馬県立がんセンター 藤澤知巳氏と研究事務局の呉医療センター 重松英朗氏に研究実施の背景と目標について聞いた。

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第42回 「病床過剰なのに病床逼迫」のなぜ? コロナ禍で露呈した国の先送り問題

欧米に比べて病床が過剰なのに、なぜ病床が逼迫するのか―。コロナ禍が「医療機能の分化と連携」の停滞ぶりを改めて浮き彫りにしている。82大学の医学部長・附属病院長などで構成する全国医学部長病院長会議が1月19日に公表した「新型コロナウイルス感染症患者の受入れ状況調査結果(1月6日午前0時現在)」によると、全大学病院(1,216床)の「中等症・軽床病床」における「無症状患者」の比率は27.3%を占め、緊急事態宣言下の4都県の21病院(494床)では33%にも上ることがわかった。転院できないコロナ患者が大学病院に滞留回答のあった67病院のうち、記載のあった65病院の集計結果によると、「後方施設の整備状況」について「整えられている」と回答した病院はわずか16病院(25%)だった。つまり、回復後も持病などで入院が必要な患者は、転院先の後方支援病院がないため、高度医療機関である大学病院に留まらざるを得ない。その結果、ベッドが空かず、重症患者が入院できない状態を招いている。大学病院は診療報酬が優遇される特定機能病院でもあり、医療資源の非効率な利用と言える。そんな中、日本医師会、四病院団体協議会の日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、そして全国自治体病院協議会の計6団体は1月20日、「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」を設置し、新型コロナ感染症患者の受け入れ病床を確保するための具体策を協議することにした。日医の中川 俊男会長は同日の記者会見で、中小病院にはコロナから回復後も入院が必要な患者を受け入れる役割が期待されると具体案を述べた。前述の大学病院に関する調査結果然り、このような案が出るということ自体、大学病院と中小病院との連携ができていない実情が垣間見える。一方、厚生労働省が公表した設立主体別のコロナ患者受け入れ状況では「公立病院71%、公的病院83%、民間病院21%」となっている。全病院数の7割が民間病院ということもあり、民間病院の受け入れ率の低さが批判されがちだ。しかし、民間病院の病床数は全体の半分強で、経営の体力も人材調達力も脆弱な病院が多い。院内感染が起きて休院に追い込まれたり赤字になったりしても、誰も補填してくれない。コロナ対応できる中規模民間病院は1割未満医療ビッグデータの分析に基づき情報発信しているグローバルヘルスコンサルティング・ジャパンの調査によると、コロナ感染者に対応できる医療資源が比較的整っている中規模(200床)以上の民間病院は1割にも満たないことがわかった。政府は高額な支援金を用意したり、コロナ患者受け入れを拒否する病院名を公表する措置を感染症法改正で検討したりしているが、民間病院側としては受け入れようにも受け入れられない状況にあることをどれほど理解しているのだろうか。日本は欧米に比べて病院・病床数が多く、医師や看護師などの医療資源が分散している。OECD(経済協力開発機構)加盟国で比較すると、ドイツは1人の医師が2床、アメリカは1床、イギリスは0.8床を診ているのに対し、日本は5床と突出している。病床が逼迫する中、医療資源の充足状況に応じた病院間の役割分担の明確化と連携が必要だ。国が施策として掲げながらも先送りしてきた「医療機能の分化と連携」を、コロナ禍の緊急事態下で改めて指摘しなければいけない状況が情けない。

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日本人双極性障害患者とうつ病患者の認知機能の比較

 国立精神・神経医療研究センターの松尾 淳子氏らは、双極性障害(BD)患者における病期別の認知機能を調査し、うつ病患者や健康対照者の認知機能との比較を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2020年12月27日号の報告。 BD患者139例(寛解期:55例、非寛解期:84例)、うつ病患者311例(寛解期:88例、非寛解期:223例)、健康対照者386例を対象に、ウェクスラー成人知能検査(Wechsler Adult Intelligence Scale-RevisedまたはWAIS-III)を実施した。対象は、日本人の非高齢者で通常推定病前知能指数(IQ)が90超であり、年齢、性別、病前IQは、グループ間で一致していた。 主な結果は以下のとおり。・非寛解期BD患者は、健康対照者と比較し、言語IQ、パフォーマンスIQ、フルスケールIQ、知覚の体制化、ワーキングメモリ、処理速度のスコアが有意に低かった(すべて、p<0.001)。・同様に、非寛解期うつ病患者と比較し、言語IQ、パフォーマンスIQ、フルスケールIQ、ワーキングメモリのスコアが有意に低かった。・非寛解期うつ病患者は、健康対照者と比較し、パフォーマンスIQ(p<0.001)、フルスケールIQ、処理速度(p<0.001)のスコアが有意に低かった。・寛解期BD患者は、健康対照者と比較し、パフォーマンスIQのスコアが有意に低かった(p=0.004)。・寛解期うつ病患者は、健康対照者と比較し、処理速度のスコアが有意に低かった(p=0.030)。 著者らは「うつ病患者では、処理速度のみが明らかな問題であると思われる点と比較し、BD患者では、非寛解状態で全体的かつより重度の認知機能障害が出現している。双極性障害、うつ病患者ともに、寛解期であっても認知機能低下が認められるようである」としている。

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春は他人の「くしゃみ」が気になる季節/ノバルティスファーマ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が収束をみせない中で迎える花粉症の季節。花粉症の患者さんは、くしゃみや目のかゆみ、鼻水などの諸症状で、マスクを外したり、顔を不用意に触れる機会が増えそうだ。 万が一、COVID-19の感染者であった場合、周囲に感染させる恐れとなる「くしゃみ」について、ノバルティスファーマ株式会社は、「新型コロナウイルス感染症流行下における、くしゃみに対する意識・実態調査」と題し、アンケート調査を行い、その結果を発表した。 今回の調査では、人のくしゃみに対する意識や、自分自身のくしゃみに対する意識と対策について探った。アンケート調査の概要 期間:2020年12月11日~12月13日 対象:首都圏在住の20~40代の男女 調査人数:600人アンケートの概要〔回答者の花粉症状況〕・花粉症と自覚する人が56.5%・花粉症と自覚する人のうち、1~4月の期間に症状が出るという人は85.5%・「くしゃみ」が重症花粉症にあたる「1日に11回以上」の人は約半数の49.8%・花粉症と自覚する人のうち、病院で治療を受けるという人は24.2%〔くしゃみに対する意識〕・COVID-19流行後、人の「くしゃみ」が気になる度合が増した人が80.3%・場面別にみると、「電車の同じ車両内で」人が「くしゃみ」をしていると気になる人が89.5%、「飲食店内で」が87.7%、「職場のデスクで」が80.0%。一方、「家庭内で」は61.2%・「くしゃみ」をする人がマスクをしていても「変わらず気になる」という人が8.7%、「少し安心するけどやはり気になる」という人が62.3%・新型コロナウイルス感染症の流行後、自身が「くしゃみ」をした際に周囲の目が気になる度合が増した人は88.4%。家庭内では「特に気にならない」が40.3%〔新型コロナウイルス感染症流行下における花粉症への意識〕・花粉症による「くしゃみ」が人に感染させるリスクになると思う人が83.8%・花粉症の治療に前年より力を入れたいと思っている人は23.9%(特に変わらない72.6%) 以上のアンケート結果を受け、大久保 公裕氏(日本医科大学大学院医学系研究科頭頸部感覚器科学分野 教授)は、「新型コロナウイルス感染症の流行下では『くしゃみ』や『目のかゆみ』など花粉症の症状はリスクになるので、今シーズンはとにかく症状が出ないようにしなければならない。この点、7割もの人が治療に関して昨年と変わらないとしていることは心配」と不安をのぞかせるとともに、「重症花粉症の場合には、症状のひどさだけではなく、花粉量が少なくても症状が出やすく、症状を抑えるのは簡単ではないということがあるので、しっかりした対処が必要。重症度が高い患者さんの症状を抑えるための治療というのもあるので、重症度に応じた治療法を選択し、今年はしっかりと症状の発現を抑えるように努めていただきたい」と花粉症治療でのCOVID-19リスクへの対応を提案している。

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1型DM患者へのインスリンポンプ、従来型vs.次世代型/Lancet

 血糖管理がチャレンジングである1型糖尿病の青年および若年成人患者において、既存のMedtronic製のMiniMed 670Gハイブリッド型クローズドループ・システム(HCL)と比べて、その進化版である開発中のアドバンスハイブリッド型クローズドループ・システム(AHCL)は、低血糖症を増やすことなく高血糖症を抑制することが示された。米国・HealthPartners InstituteのRichard M. Bergenstal氏らが、4ヵ国7医療機関を通じて行った無作為化クロスオーバー試験「Fuzzy Logic Automated Insulin Regulation:FLAIR試験」の結果を発表した。著者は、「今回示されたAHCLの効果を確認するためにも、社会経済的要因で十分サービスを受けられない集団や、妊娠中および低血糖症に対する認識が低い患者における長期試験の実施が必要と思われる」と述べている。Lancet誌2021年1月16日号掲載の報告。 14~29歳の1型DM患者113例を対象に試験 FLAIR試験は2019年6月3日~8月22日に、米国、ドイツ、イスラエル、スロベニアの7つの内分泌系治療施設を通じて、診断後1年以上の14~29歳の1型糖尿病患者113例を対象に行われた。被験者は、インスリンポンプまたは頻回インスリン注射法を行っており、HbA1c値は7.0~11.0%(53~97mmol/mol)だった。 試験ポンプの使用法習得のためのrun-in期間の後、被験者は無作為に2群に割り付けられ、一方は既存のHCLを、もう一方は開発中のAHCLを、それぞれ12週間使用し、その後クロスオーバーを受け(washoutなし)もう一方のインスリンポンプを12週間使用した。AHCLは、HCLと比べて、人工膵臓アルゴリズムの機能が強化され、5分ごとに自動修正ボーラスが配信されるなど新たな技術が施されている。 主要評価項目は2つで、日中(6時00分~23時59分)の血糖値180mg/dL超の時間の割合(優越性を評価)と、24時間の血糖値54mg/dL未満の時間の割合で(非劣性を評価、マージン2%)とした。解析は、intention to treat法にて実施。安全性は、治療割り付け全対象者について評価した。日中血糖値180mg/dL超の割合、従来型37%に対し次世代型は34% 被験者113例は、平均年齢19歳(SD 4)、女性70例(62%)だった。 日中血糖値180mg/dL超(>10.0mmol/L)の平均時間割合は、ベースライン42%(SD 13)、HCL使用期間37%(9)、AHCL使用期間34%(9)だった(AHCL-HCLの平均群間差:-3.00%、95%信頼区間[CI]:-3.97~-2.04、優越性のp<0.0001)。 24時間の血糖値54mg/dL未満の割合は、ベースライン0.46%(SD 0.42)、HCL使用期間0.50(0.35)、AHCL試用期間0.46%(0.33)だった(AHCL-HCLの平均群間差:-0.06%、95%CI:-0.11~-0.02、非劣性のp<0.0001)。 AHCLで重症低血糖症1例が発生したが、試験治療とは無関係と判断された。HCLでは発生は報告されなかった。

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急性脳梗塞、血管内治療単独vs.静脈内血栓溶解療法併用/JAMA

 発症から4.5時間以内の前方近位・頭蓋内循環閉塞性脳卒中患者において、血管内血栓除去術のみの単独療法は、静脈内血栓溶解療法+血管内血栓除去術の併用療法と比べて90日時点の機能的自立アウトカムについて、事前規定の統計学的閾値を満たし非劣性であることが、中国・人民解放軍第三軍大学のWenjie Zi氏らが行った多施設共同無作為化非劣性試験「DEVT試験」の結果、示された。ただし著者は、「今回示された所見は、選択的な非劣性閾値の臨床的受容性を鑑みて解釈する必要がある」としている。JAMA誌2021年1月19日号掲載の報告。機能的自立はmRSスコア0~2で定義 研究グループは2018年5月20日~2020年5月2日にかけて、中国33ヵ所の脳卒中センターで、18歳以上の発症後4.5時間以内の前方近位・頭蓋内循環閉塞性脳卒中で、静脈内血栓溶解療法が適応だった234例を対象に試験を開始した。追跡は90日間行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方には血管内血栓除去療法を(単独群、116例)、もう一方には静脈内血栓溶解療法と血管内血栓除去療法を行った(併用群、118例)。 主要エンドポイントは、90日時点における機能的自立(修正Rankinスケール[mRS]スコア0[症状なし]~6[死亡]のうち0~2と定義)を達成した患者の割合とした。非劣性マージンは-10%だった。 安全性に関するアウトカムは、48時間以内の症候性脳内出血と90日死亡率とした。90日機能的自立達成率、単独群54%、併用群47% 計画では被験者数970例を予定していたが、中間解析で単独群の有効性が確認されたため、234例が参加した時点で早期に終了した。被験者234例の平均年齢は68歳、女性は102例(43.6%)だった。 90日時点で、単独群54.3%(63例)、併用群46.6%(55例)が機能的自立を達成した(群間差:7.7%、片側97.5%信頼区間[CI]:-5.1%~∞、非劣性のp=0.003)。 48時間以内の症候性脳内出血の発生率は単独群6.1%と併用群6.8%(群間差:-0.8%、95%CI:-7.1~5.6)、90日死亡率はそれぞれ17.2%と17.8%(-0.5%、-10.3~9.2)で、いずれも有意差はみられなかった。

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elective PCIの抗血小板療法としてクロピドグレルとチカグレロルに差はない?(解説:上田恭敬氏)-1346

 安定冠動脈疾患患者のelective PCIにおいて、周術期の虚血性合併症を減少させるために、クロピドグレルよりもチカグレロルのほうが優れているか否かを検討するための無作為化比較試験であるALPHEUS試験が、フランスとチェコの49病院が参加して実施された。 対象患者はクロピドグレル群(ローディング量300~600mg、維持量75mg/日)とチカグレロル群(ローディング量180mg、維持量180mg/日)に無作為に割り付けられ、48時間以内(または退院まで)のPCI-related type 4の心筋梗塞・傷害を主要評価項目とし、同じく48時間以内(または退院まで)の出血性イベント(major bleeding)を主要安全性評価項目としている。 クロピドグレル群954症例とチカグレロル群956症例が登録され、主要評価項目も主要安全性評価項目も群間に有意差がないことが示された。ただし、30日間のminor bleedingはチカグレロル群で有意に多かった(11%対8%、p=0.007)。この結果から、著者らはelective PCIにおける標準的な抗血小板療法としてクロピドグレルを使用することが支持されたと結論している。さらに、メタ解析の結果から、elective PCIにおいて、クロピドグレルより強力なP2Y12阻害薬であるチカグレロルやプラスグレルを使用することに有用性はないと議論している。 この結果自体に異議はないが、その解釈には日本人としてかなり違和感を感じる。まず、本試験はPCI周術期の心筋梗塞・傷害によって評価しているが、退院後の抗血小板療法の効果や、単剤に変更する際にP2Y12阻害薬を残す可能性も考慮すると、さらに長期の影響も考慮すべきで、それらを検討せずに周術期の結果だけからクロピドグレルを推奨するのは無責任な解釈に思える。次に、遺伝的にCYP2C19 loss-of-function allelesを持つ人が多い東アジアでは、クロピドグレルの効果が不十分となることの影響が想定されるが、そのことはLimitationで一言触れているだけで、その影響を無視した結論である。次に、日本のプラスグレルの量は海外の量とは異なって日本人用に選ばれた量であり、上記遺伝子多型のためにクロピドグレルの効果が不十分な人でも十分な効果が得られるようになるだけで、いずれの薬剤でも十分な効果が得られる人では同程度の抗血小板効果が得られる量となっている。すなわち、日本において、プラスグレルはクロピドグレルより強力な抗血小板療法ではない。最後に、著者らも述べているように、ローディングで投与された人は約半数のみで、効果発現が早いチカグレロルの優位性が十分評価できていない可能性がある。以上より、elective PCIであっても、本試験の結果はクロピドグレルの使用を推奨する根拠とならないと思われる。

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「セルシン」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第36回

第36回 「セルシン」の名称の由来は?販売名2mg セルシン®錠5mg セルシン®錠10mg セルシン®錠セルシン®散1%セルシン®シロップ0.1%※セルシン注射液はインタビューフォームが異なるため、今回は情報を割愛しています。ご了承ください一般名(和名[命名法])ジアゼパム(JAN)効能又は効果○神経症における不安・緊張・抑うつ○うつ病における不安・緊張○心身症(消化器疾患、循環器疾患、自律神経失調症、更年期障害、腰痛症、頸肩腕症候群)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ○下記疾患における筋緊張の軽減脳脊髄疾患に伴う筋痙攣・疼痛○麻酔前投薬用法及び用量通常、成人には1回ジアゼパムとして2〜5mgを1日2〜4回経口投与する。ただし、外来患者は原則として1日量ジアゼパムとして15mg以内とする。また、小児に用いる場合には、3歳以下は1日量ジアゼパムとして1〜5mgを、4〜12歳は1日量ジアゼパムとして2〜10mgを、それぞれ1〜3回に分割経口投与する。筋痙攣患者に用いる場合は、通常成人には1回ジアゼパムとして2〜10mgを1日3〜4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。麻酔前投薬の場合は、通常成人には1回ジアゼパムとして5〜10mgを就寝前または手術前に経口投与する。なお、年齢、症状、疾患により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(1)急性狭隅角緑内障のある患者[本剤の弱い抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。](2)重症筋無力症のある患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。](3)リトナビル(HIVプロテアーゼ阻害剤)を投与中の患者※本内容は2020年1月27日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2017年3月改訂(第6版)医薬品インタビューフォーム「2mg セルシン®錠/5mg セルシン®錠/10mg セルシン®錠・セルシン®散1%・セルシン®シロップ0.1%」2)武田テバ DI-net:製品情報一覧

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第42回 民間検査で陽性、陰性、陰性、陽性…、ころころ変わる結果に振り回された友人の話

周囲でもポツリポツリと陽性者がこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。1月7日に緊急事態宣言が出せれてからまもなく3週間が経とうとしています。東京都の1日当たりの陽性者数は1月26日時点で1,026人と、2,000人を超えた1月7~9日と比べるとずいぶん落ち着いて来たようには見えます。しかし、街の賑わいは変わらず、変異ウイルスの伝播も考えられるため、そうは簡単に500人レベルまでは下がらない気もします。さて、私の周囲でもポツリポツリと陽性者が出ています。症状があったにもかかわらず、最初に民間の検査を受けてしまった友人(Aさん、都内在住)のケースが興味深かったので、本人の了解を得たうえで紹介します。発熱相談センターにつながらず民間検査へAさんは50代の男性。正月明けの1月5日に寒気、喉の痛み、発熱の症状が出ました。「これはコロナかも?」と思い、東京都発熱相談センターに電話したのですが、まったくつながりません。ちょうど東京都の患者数が激増していた頃で、発熱相談センターもパニックになったいたのかもしれません。幸い症状は軽く、重症化する感じもなかったので、この日はそのまま様子を見ることにしました。翌1月6日、熱がさらに上がり、症状も悪化してきたため、止むなくマスコミでも大きく報道された、木下グループが運営する「新型コロナPCR検査センター」新宿店をネットで予約しました。同センターは新橋、新宿の2店舗ありますが、新宿店のほうが空いていたそうです。それでも最短の予約日は1月9日でした。検査当日、Aさんは山手線で新宿に向かい、歌舞伎町の入り口近くにある新宿店で検査を受けました。方法は、店内のブースで採取セットを使って自分で唾液を採取し、提出する、というものです。Aさんによれば「店舗のスペースは小さな立ち食いそば屋くらい。狭くて外に検査待ちの行列ができていた」とのことです。症状が出て、陽性が疑われる人間が公共交通機関を使って繁華街にある検査所に行く、という行為は少々責められるべきかもしれませんが、都の発熱相談センターにアクセスできなかったのですから、ここは大目に見てあげたいところです。検査料金は3,190円(税込)と激安だったそうです。未承認の研究用試薬で料金圧縮か同センターのWebサイトには、検査について次のように説明されています。「厚生労働省健康局結核感染症課及び国立感染症研究所が、『臨床検体を用いた評価結果が取得された2019nCoV遺伝子検査方法について(2020年9月30日版)』として公表している中で、感染研法との陽性一致率及び陰性一致率を求めた結果が、陽性一致率及び陰性一致率ともに100%である製品となります。本検査は、この製品を用いたリアルタイムPCR法による遺伝子検査を行います」。試薬は東洋紡の「SARS-COV-2 Detection Kit Multi NCV-403」。医薬品医療機器等法に基づく体外診断用医薬品としての承認を受けていない研究用試薬です。東洋紡のWebサイトでは100回用セットが9万8,000円となっており、そうしたところで料金の低廉化を図っているのかもしれません。なお、民間のPCR検査としては、一部の診療所が自費検査を実施していますが、料金の相場は2〜3万円と高額です。本連載の「第12回 夏本番!冷やし中華ならぬ『抗体検査始めました』の怪」でも書きましたが、最近はPCR検査も「外来患者が減った医療機関にとっては、割のいい“臨時収入”」となるため、導入するところが増えています。しかし、そうした医療機関に限って、東京都発熱相談センターからの紹介患者を受ける「新型コロナ外来」には協力してないという話も聞きます。それはそれで問題と言えそうです。「陽性2、陰性2だから、まだわからないな」さて、Aさんの検査結果は翌10日24時(11日0時)までに新型コロナPCR検査センターからメールで届くことになっていました。検査後は自宅にこもって療養していたAさんに結果が届いたのは、10日の23時過ぎでした。結果は「感染が疑われる結果となりました」。予想はしていたもののショックを受けたAさんでしたが、その5分後に再び届いたメールで混乱に陥ります。同じセンターから今度は、「結果は、陰性となりました」という内容が届いたのです。Aさんはすぐさま同センターに対し、「どちらが正しいのか? 検査結果に不備があるなら返金してほしい」とメールで質問しました。すると、約30分後に「記載に不備があり、大変申し訳ございません。訂正して、再送させていただきます。結果は陰性となりました」というメールが届きました。この時点で「ひとまず安心」と思ったAさんですが、さらにその30分後。今度は「お詫び」というタイトルでメールが届きました。なんと4通目です。その内容は「システム上に不備があり、急ぎ、代替システムを使用する過程において誤動作がありました。正しい情報は『感染が疑われる結果となりました』です」というものでした。この時点で、怒りを通り越して呆れたAさんは、「陽性2通、陰性2通だから、まだわからないな」と考えることにし、お酒を飲んで寝てしまったそうです。なお、12日の夜、再び「念のため再度送ります。感染が疑われる結果となりました」という旨のメールが届いたため、同センターの結果は「3対2で陽性有利」となったそうです。結局、近所の「新型コロナ外来」へシステム上の不備とはいえ、このドタバタはちょっとひどいですね。おそらく、この日の同センターの結果報告の混乱はAさんだけではなく、相当数の被害者がいたに違いありません。11日朝、Aさんは私に怒りの電話をしてきました。「3,000円をドブに捨てた。どうしたらいいか?」と聞かれたので、「根気よく都の発熱相談センターに連絡し、つながったら『民間検査で陽性になった。近所で検査してもらえる医療機関を紹介してくれ』と相談したら」とアドバイスしました。結果、その日の夕方に何とか電話がつながり、Aさんは翌12日朝に、近所の診療所で検査を受けられることになりました。診療所から検査結果を伝える電話が来たのは14日の夕方で、「陽性でした。保健所からの連絡を待って下さい」と言われました。保健所から連絡が来たのはそのまた2日後の16日の夕方でした。この間、咳がひどくなったり、倦怠感が続いたりはしましたが、とくに重症化することなく徐々に軽快していったAさん。保健所の担当者からも「(医師と相談した結果)発症から10日以上経って、軽快されているので、もう自宅療養も解除していいです」と言われ、一件落着となったとのことです。Aさんは「最初から近所の診療所に行けばよかった」と後悔しきりでしたが、東京都は埼玉県のように公費(行政検査)でPCR検査をする「新型コロナ外来」がある医療機関名を公開していません(基本、発熱相談センターの担当者が必要と判断した場合のみ、医療機関名を教える仕組みになっています)。そのあたりも今後、改善の余地がありそうです。急拡大する民間PCR検査マーケット1月16日付の日本経済新聞の「民間検査 医療機関と連携」という記事によれば、「厚生労働省は新型コロナウイルスの検査で、民間検査機関に医療機関との連携を促す。現在は結果が陽性でも医療機関に連絡が届かず、患者の治療や隔離が進まない場合がある。感染症法の改正で医療機関との連携を国が勧告できるようにする」とのことです。この記事では「日本経済新聞社の調べによると、木下グループやソフトバンクグループなど主要4社の1日あたりの検査可能件数は2月末に計7万5,000件になる見通しで、12月末比で3倍強に膨らむ」と民間検査会社の急拡大も報じています。民間検査会社と医療機関を連携させることは妥当な対策だとは思いますが、システムがぐちゃぐちゃで、陰性か陽性もはっきりしない、利用者を混乱させるだけの結果しか出せない企業も存在することを考えると、安易に結果だけを医療機関と連携しても、混乱がさらに増すだけのような気もします。幸い私の友人は軽症で済みましたが、万が一重症化していたら、このケースは事件になっていた可能性もあります。民間検査会社に対しては、単に検査の精度向上を求めるだけではなく、全体の運用についても、相応の監視システムやレギュレーションが必要ではないかと切に感じたお正月の出来事でした。

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未使用の残薬を見つけたら?患者さんが感涙した新人薬剤師の対応【堀美智子のハートに効くラヂオ】第5回

動画解説在宅訪問時、冷蔵庫の中に未使用の目薬を発見。その後の機転が利いた対応に、患者さんは感涙したそうです。今回は、ゲストに堀先生の息子・正隆先生をお迎えし、新人時代のエピソードを語っていただきました。

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日本における認知症への呼称変更による家族の感情変化への影響

 認知症に対する差別やスティグマを減らすことは、国際的な問題である。日本では、2004年に「痴呆」から神経認知障害に近い「認知症」へ呼称変更を行った。筑波大学の山中 克夫氏らは、認知症患者の家族の観点から、現在の用語がうまく機能しているかを横断的に調査し、感情に影響を及ぼす因子(認知症患者の周囲の人の気持ち、家族や患者の属性)を見つけるため、検討を行った。Brain and Behavior誌オンライン版2020年12月21日号の報告。 3つの病院を受診した認知症患者に同行するその家族155人を対象に、認知症の呼称と患者の周囲の人の気持ちについて調査を行った。認知症の呼称に対する不快感の程度を分析した。探索的因子分析より抽出した感情の構成概念と属性との関係を分析するため、構造方程式モデリングを用いた。 主な結果は以下のとおり。・「認知症」は「痴呆」よりも不快感が少ないと回答した人は、71.6%であった。・「認知症」は差別的であると考えていた人は、13.2%であった。・しかし、対象者の約3分の1は、「認知症」でも不快感があると回答した。・構造方程式モデリング分析では、「認知症」に対するネガティブな感情に影響を及ぼす因子は若い家族、妻、夫、きょうだいが家族の認知症を周囲に開示することへのためらいであった。・認知症を周囲に開示することへのためらいを緩和する因子は、性別(女性)であった。 著者らは「厚生労働省が以前に調査した結果と比較し、今回の結果は全体として、認知症患者の家族における不快感の軽減がうまくいっていることが示唆されている。しかし、依然としてスティグマを感じている家族は存在する。そのため、影響する因子を考慮した新たな政策が求められる」としている。

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アベマシクリブ+内分泌療法、高齢乳がん患者での有効性と安全性(MONARCH-2、-3)

 ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性進行乳がんに対する、アベマシクリブと内分泌療法(ET)の併用は、第III相MONARCH-2試験(フルベストラント)およびMONARCH-3試験(アナストロゾールまたはレトロゾール)で有効性が示されている。米国・メイヨー・クリニックのMatthew P Goetz氏らは、両試験の年齢別サブグループ解析を実施。高齢患者における有効性と安全性について、Breast Cancer Research and Treatment誌オンライン版2021年1月3日号で報告した。 MONARCH-2および-3試験における探索的解析が、3つの年齢グループ(<65歳、65~74歳、および≧75歳)に対して行われた。安全性については両試験からのプールデータが用いられ、有効性についてはPFSのサブグループ解析を各試験データでそれぞれ実施した。 主な結果は以下のとおり。・プールされた安全性データは、1,152例について利用可能であった。・臨床的に関連する下痢(Grade2/3)は、アベマシクリブ+ET群で多く発生し、65歳以上の2つのグループでより多くみられた(<65歳:39.5%、65~74歳:45.2%、≧75歳:55.4%)。プラセボ+ET群では、<65歳:6.8%、65~74歳:4.5%、≧75歳:16.0%。・VTE発生率(全Grade)は、アベマシクリブ+ET群では<65歳(4.1%)および65~74歳(5.0%)となり、≧75歳(13.3%)でより高い傾向がみられた。プラセボ群では<65歳:0.5%、65~74歳:0.9%、≧75歳:2.0%。・悪心や食欲不振は、アベマシクリブ+ET群で多く発生し、65歳以上の2グループでやや増加する傾向がみられた。・一方、好中球減少症、貧血、白血球減少症などの血液毒性(全Grade)は、プラセボ群と比較してアベマシクリブ+ ET群で多かったが、年齢グループ間で発生率に差はみられなかった。・アベマシクリブ+ ET群での用量調整(<65歳:63.1%、65~74歳:74.4%、≧75歳:75.9%)および有害事象(AE)による治療中止(<65歳:8.8%、65~74歳:14.2%、≧75歳:24.1%)は、65歳未満と比較して65歳以上でやや増加していた。・アベマシクリブ+ ET群は、患者の年齢に関係なく、プラセボ+ ET群と比較してPFSを改善し、3つの年齢グループ間で治療効果に有意差はみられなかった(MONARCH-2:相互作用のp=0.695、MONARCH- 3:相互作用のp=0.634)。推定ハザード比は、0.523~0.633(MONARCH-2)および0.480~0.635(MONARCH-3)の範囲であった。 著者らは、高齢の患者ではより高い割合の有害事象が報告されたが、それらは用量調整と併用薬で管理可能であり、すべての年齢層で一貫した有効性の利点が観察されたと結論づけている。

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2型糖尿病の寛解に低炭水化物食は有効か?/BMJ

 低炭水化物食を6ヵ月間継続した2型糖尿病患者は、有害事象なく糖尿病が改善する可能性があることを、米国・テキサスA&M大学のJoshua Z. Goldenberg氏らが、システマティックレビューおよびメタ解析により明らかにした。これまでのシステマティックレビューでは、低炭水化物食の定義が広く(総カロリーの45%未満)、糖尿病の寛解について評価されていなかった。ただし、今回の結果に関するエビデンスの質は低~中であり、著者は「何を糖尿病の寛解とするか、また、長期にわたる低炭水化物食の有効性、安全性および食生活の満足度について、さらなる議論が必要である」との見解を示している。BMJ誌2021年1月13日号掲載の報告。12週間以上の超低~低炭水化物食を評価した無作為化試験についてメタ解析 研究グループは、CENTRAL、MEDLINE、Embase、CINAHL、CAB、臨床試験レジストリ(ClinicalTrials.govなど)および灰色文献ソース(BIOSIS Citation Index、ProQuest Dissertations & Theses Globalなど)から、2020年8月25日までに発表された研究を検索し、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。 適格研究は、成人2型糖尿病患者を対象に、12週間以上の低炭水化物食(炭水化物摂取量が1日130g未満、または2,000kcal食の26%未満)もしくは超低炭水化物食(総カロリーの10%未満)を評価した無作為化試験とした。2人の著者が独立して適格性のスクリーニングおよびデータ抽出を行った。 主要評価項目は、糖尿病の寛解(糖尿病治療薬の使用の有無にかかわらずHbA1c<6.5%または空腹時血糖値<7.0mmol/L)、体重減少、HbA1c、空腹時血糖値および有害事象、副次評価項目は健康関連QOLおよび生化学的検査データで、6ヵ月(±3ヵ月)および12ヵ月(±3ヵ月)時の報告とした。 Cochrane RoB 2.0を用いてバイアスリスクを評価し、Revman(ver.5.3)およびRのメタパッケージ(ver.3.6.1)を用いてメタ解析を行い、リスク推定値および95%信頼区間(CI)を算出し、事前に設定した最小重要差にしたがって臨床的意義を評価した。また、GRADEアプローチにより、各評価項目のエビデンスの質を評価した。6ヵ月時の寛解達成率が高く体重減少も大きいが、12ヵ月時はQOLやLDL-C悪化も 23の研究(1,357例)が適格基準を満たし解析に組み込まれた。これらは、バイアスリスクの評価において、全体で40.6%が低いと判定された。 6ヵ月時における糖尿病寛解率は、治療薬使用の有無は問わずHbA1c<6.5%と定義した場合は、低炭水化物食群(57%、76/133例)が対照食群(31%、41/131例)より高率であった(リスク差:0.32[95%信頼区間[CI]:0.17~0.47]、8研究、264例、I2=58%、p=0.02、GRADE:中)。一方、治療薬なしでHbA1c<6.5%達成を糖尿病寛解と定義した場合、低炭水化物食の相対的効果は低下した(リスク差:0.05[95%CI:-0.05~0.14]、5研究、199例、GRADE:低)。 信頼性基準を満たしたサブグループ解析の結果、インスリン使用患者を含む研究では、低炭水化物食による寛解率は著しく低下したことが示された。 なお、12ヵ月時の糖尿病寛解率を報告した研究は3つと少なく、効果が小さいとするものから、糖尿病のリスクをわずかに増大するというものまで、結果はさまざまであった。 体重減少、トリグリセライドおよびインスリン感受性に関しては、6ヵ月時は低炭水化物食による臨床的に重要で大きな改善が認められたが、12ヵ月時には効果がみられなかった。 信頼性基準を満たしたサブグループ解析で、6ヵ月時の体重減少効果は、超低炭水化物食群のほうが、より制限の少ない低炭水化物食群よりも小さかった。ただし、この効果については食事療法の順守が影響していることが示され、超低炭水化物食のアドヒアランスが高い患者は低い患者と比較し、臨床的に重要な体重減少が認められた。 低炭水化物食は、6ヵ月時におけるQOLに有意な影響は及ぼさなかったが、12ヵ月時のQOLおよびLDLコレステロール値については、臨床的に重要な悪化が認められた。そのほか有害事象または血中脂質に関して、6ヵ月時および12ヵ月時のいずれにおいても、グループ間で有意または臨床的に重要な差はみられなかった。

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Modernaの新型コロナワクチン、400万人でのアレルギー反応/CDC

 米国で2020年12月21日~2021年1月10日に初回投与されたModernaのCOVID-19ワクチン接種404万1,396回で、10例(2.5例/100万回)にアナフィラキシーが発現し、9例は15分以内、1例は45分後に発現したことを、米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年1月22日に発表した。 米国では2021年1月10日の時点で、ModernaのCOVID-19ワクチンの1回目の投与が404万1,396人(女性246万5,411人、男性145万966人、性別不明12万5,019人)に実施され、1,266例(0.03%)に有害事象が報告された。そのうち、アナフィラキシーを含む重度のアレルギー反応の可能性がある108例を調査した。これらのうち10例(2.5例/100万回)がアナフィラキシーと判断され、うち9例はアレルギーまたはアレルギー反応の既往(薬剤6例、造影剤2例、食物1例)があり、そのうち5例はアナフィラキシーの既往があった。 アナフィラキシー発現例の年齢中央値は47歳(範囲:31~63歳)。接種から症状発現までの中央値は7.5分(範囲:1〜45分)で、9例が15分以内、1例が45分後であった。10例すべてがアドレナリン(エピネフリン)を筋肉内投与された。6例が入院(うち集中治療室が5例、そのうち4例が気管内挿管を要した)し、4例が救急科で治療を受けた。その後の情報が入手可能な8例は回復もしくは退院した。アナフィラキシーによる死亡は報告されていない。 アナフィラキシーではないと判断された98例のうち、47例は非アナフィラキシー性のアレルギー反応、47例は非アレルギー性の有害事象と判断され、4例は評価に十分な情報が得られなかったという。

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花粉症シーズンで新型コロナの思わぬ流行が!?これを解決するには

 いよいよ花粉症シーズンに突入する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下で類似症状を示す花粉症の見極めは非常に難しいが、医療者が留意しておくべきことは何だろうかー。この状況に先駆け、花粉症治療の第一人者である大久保 公裕氏(日本医科大学大学院医学系研究科頭頸部感覚器科学分野 教授)と、日本感染症学会理事長で政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーでもある舘田 一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座 教授)による意見交換会が2020年10月に実施された(主催:ノバルティス)。*本稿はノバルティス社の取材情報について許可を得て加筆・編集したものです。無症状感染者が花粉症による“くしゃみ”でウイルスを拡散させる!? 昨年12月9日に発表された『2021年春の花粉飛散予測(第2報)』によると、スギ花粉の飛び始めは全国的に例年並み、早い所では2月上旬から飛散すると言われている。また、飛散量は広範囲で例年より少ないものの、前シーズン比では所々で非常に多くなることが予想されている。 このようななか、COVID-19流行下での花粉症対策はこれまで以上に困難を極めると考えられる。というのは、新型コロナウイルス対策として“換気”が必要なのに対し、花粉症対策は“密閉”がそれぞれの基本姿勢であるからだ。これについて、大久保氏は「換気のために風通しを良くしている店舗では花粉が舞いやすく症状が出やすくなってしまう」と話した。これに対し、舘田氏は「主症状としてとくに注意が必要なのがくしゃみ」とし、「COVID-19患者の中には症状がなくても、咽頭にウイルスを持っている人がたくさんいる。そのような無症状感染者はくしゃみや咳などの症状がないため、本来であれば症状がある人に比べウイルスを拡散するリスクが低い。しかし、花粉症の症状が現れることでウイルスを拡散するリスクが高まる」と懸念した。  また、花粉症で顔を触る頻度が増えることもリスクの増加につながる。舘田氏は「人の手が触れるところはすべてウイルスで汚染されている可能性がある。それを触っただけでは感染は起きないが、その手を目や鼻、口に持っていくことで感染するため、花粉症で痒くなった目や鼻を触ればリスクは高まる」とも説明した。重症例は少量の花粉でも症状出現、インフルエンザ予防と同じ意識で対策を ウィズコロナ時代のなかでもこの季節の花粉症治療はとくに重要になる。大久保氏は「花粉症は治療すれば症状もかなりゼロに近づけることが可能だろう。薬物療法以外に今はアレルギー免疫療法などもあり、この治療法は 3 年間続けると、後の 5 年間は実に軽くなるということがわかっている」と述べた。 症状が出やすく、くしゃみなどの頻度も多くなりやすい重症花粉症については、大久保氏は「2020年シーズンのように飛散量が例年の5分の1であれば、軽い人は症状が出ない。しかし、重症花粉症の場合は飛散量が少なくてもすぐに症状が出てしまう。症状としては鼻を1 日に11回以上かむ、くしゃみの発作が11回以上、鼻が1日中つまるなど、どれか一つでも当てはまれば重症だと思っていい」と解説1)。 治療においては、「重症の場合にはその時だけでも症状をゼロにできるような抗体療法もある。この抗体療法は日本でしか適用はないが、それだけ日本の花粉症は重症だということ。抗体療法を含めた治療選択肢をうまく組み合わせて治療を続けていくことが、ウィズコロナの時代においては大切」とも話した。 また、大久保氏によると花粉症の有病率は人口の 40%を超えることがわかっており、日本人1億2千万人のうち3~4千万人は花粉症になっている1)。その患者たちが症状を抑えることは、大きなCOVID-19対策にもなるという。 大久保先生によると「花粉症は致死的な病気ではないため、治療しないままの患者が多い。外から見ているとくしゃみをたくさんしているような人でも、本人は毎年のことだから慣れてしまっている」という現状がある。これに対し「症状があるのに何も治療しないで、くしゃみや鼻水、涙目、目のかゆみなどを放置していると、新型コロナウイルスをほかの人にうつす可能性も高くなるため、医療機関を受診してほしい」と訴えた。舘田氏も「病院内には専門家がおり、一方通行にしたり、経路を遮断したり、換気を行ったりとリスクを抑えるために対策を行っているので、受診控えなどは避けてほしい」と話し、両氏は過剰な受診控えがかえってリスクになることを強調した。<情報交換会に関する資料提供> ノバルティスファーマ

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超高齢者でもLDLコレステロール上昇は心筋梗塞、動脈硬化性疾患のリスクである(解説:平山篤志氏)-1347

 LDLコレステロール(LDL-C)と動脈硬化性疾患の関連は、多くの疫学研究や大規模臨床試験で明らかにされてきた。しかし、75歳までのデータが多く、75歳以上さらに80歳以上の高齢者のデータはほぼなかった。本論文のCopenhagen General Population Study(CGPS)では動脈硬化性疾患の既往のない健康人を追跡した結果、高齢になればなるほど、心筋梗塞および動脈硬化性疾患(心筋梗塞、致死的冠動脈疾患、非致死的、致死的脳梗塞)の発生頻度が増加しかつ、LDL-C値が高くなればなるほど増加している。LDL-C 1mmol/L(ほぼ38.5mg/dL)の上昇の心血管イベント発生率に及ぼす影響は高齢になるほど大きかった。これまでは、疫学調査でも高齢者のfollow-upが十分でない、期間が短いなどの限界があったが、この研究ではほぼ100%の追跡ができている点、80~100歳が3,188人(全体の3%)、70~79歳が1万591人(全体の12%)と多数例が追跡されている点で実態を正確に反映していると考えられる。この対象にmoderate-intensity statinを使用することで、LDL-C 1mmol/Lを低下することで、5年間の心筋梗塞予防のNNTが80歳以上では80、70~79歳では145と他の年齢に比較して効果があると結論付けている。これはあくまで、これまでの介入試験でのLDL-C低下効果の結果からの類推であり、1次予防効果のエビデンスではないことに留意が必要である。ただ、わが国のエゼチミブを用いた75歳以上の高齢者を対象にしたEWTOPIA75試験でもLDL-C低下によるイベント抑制効果が示されている。超高齢化社会に突入したわが国で、高齢者、とくに超高齢者はポリファーマシー、フレイルなど多くの問題を抱えている。脂質低下療法は2次予防では、論をまたないであろうが、1次予防において積極的介入をすべきかどうかは今後明らかにする必要がある。

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