進行TN乳がん1次治療でのアテゾリズマブ+nab-PTX、OSの最終解析(IMpassion130)/ESMO2020

提供元:ケアネット

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公開日:2020/09/28

 

 進行トリプルネガティブ乳がん(TNBC)への1次治療として、抗PD-L1抗体アテゾリズマブとnab-パクリタキセル(PTX)の併用療法を検討した第III相IMpower130試験における最終解析における全生存期間(OS)の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Virtual Congress 2020)で報告された。ITT集団ではOSにおける有意差は認められなかったが、PD-L1陽性患者ではOSの改善がみられたことを、米国・University of Pittsburgh Medical Center Hillman Cancer CenterのLeisha A.Emens氏が発表した。

 本試験の無増悪生存期間(PFS)については、すでに2018年のNEJM誌で報告されており、ITT集団でのハザード比(HR)が0.80(95%信頼区間[CI]:0.69~0.92、p=0.002)、PD-L1陽性患者のHRが0.62(95%CI:0.49~0.78、p<0.001)といずれもアテゾリズマブ併用群の有効性が示されている。また、OSについては、第1回中間解析(データカットオフ2018年4月17日)では、ITT集団でのHRが0.84(95%CI:0.69~1.02、p=0.0840)、PD-L1陽性患者でのHRが0.62(95%CI:0.45~0.86)、第2回中間解析(データカットオフ2019年1月2日)では、ITT集団でのHRが0.86(95%CI:0.72~1.02、p=0.078)、PD-L1陽性患者でのHRが0.71(95%CI:0.54~0.93)であった。

・対象:未治療の転移有りまたは切除不能な局所進行TNBC患者(ECOG PS 0~1)
・試験群(アテゾリズマブ併用群):アテゾリズマブ840mg(1、15日目)+nab-PTX 100mg/m2(1、8、15日目)、28日ごと 451例
・対照群(プラセボ群):プラセボ(1、15日目)+nab-PTX 100mg/m2(1、8、15日目)、28日ごと 451例
・主要評価項目:ITT集団およびPD-L1陽性患者におけるPFSとOS

 主な結果は以下のとおり。

・最終解析のデータカットオフは2020年4月14日で、OS観察期間中央値は18.8ヵ月。
・OS中央値は、ITT集団ではアテゾリズマブ併用群21.0ヵ月、プラセボ群18.7ヵ月(HR:0.87、95%CI:0.75~1.02、p=0.077)で有意な差は認められなかったが、PD-L1陽性患者ではアテゾリズマブ併用群25.4ヵ月、プラセボ群17.9ヵ月(HR:0.67、95%CI:0.53~0.86)と改善が認められた(ただし、事前規定された階層に基づく解析ではない)。
・Grade3/4の有害事象発現率は、アテゾリズマブ併用群51%、プラセボ群43%、重篤な有害事象発現率はアテゾリズマブ併用群24%、プラセボ群19%であった。
・追加の観察期間においても、アテゾリズマブ併用群では安全性と忍容性を維持していた。

(ケアネット 金沢 浩子)