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妊娠高血圧腎症の高リスク妊婦、自己血圧測定は有用か?/JAMA

 妊娠高血圧腎症のリスクが高い妊婦において、遠隔モニタリングによる自己血圧測定は通常ケアと比較して、臨床的高血圧の早期発見にはつながらなかった。英国・オックスフォード大学のKatherine L. Tucker氏らが、無作為化非盲検試験「Blood Pressure Monitoring in High Risk Pregnancy to Improve the Detection and Monitoring of Hypertension trial:BUMP 1試験」の結果を報告した。血圧上昇の不十分な管理は、妊産婦死亡の重要な要因である。一般集団における自己血圧測定は高血圧の診断および管理を改善することが示されているが、妊娠中の血圧自己測定の使用についてはほとんど知られていなかった。JAMA誌2022年5月3日号掲載の報告。妊娠高血圧腎症の高リスク妊婦2,441例、自己血圧測定+通常ケアvs.通常ケア 研究グループは2018年11月~2019年10月の期間に、英国の2次医療機関15施設の産科病棟において、妊娠16~24週で妊娠高血圧腎症のリスクが高い妊婦2,441例を、遠隔モニタリングによる自己血圧測定+通常ケア(介入群)、または遠隔モニタリングによる血圧を利用できない通常の妊婦ケアのみ(通常ケア群)のいずれかの群に無作為に割り付けた(追跡期間終了2020年4月)。 介入群(1,223例)では、週3回、血圧を自己測定した。毎回2回測定し、2回目の測定値を手動で研究用アプリを通じて提出してもらい、測定値が高かった場合は3回目の測定が要求され、3回目の測定値も上昇していた場合は産科に連絡するよう促された。通常ケア群(1,218例)では、必要に応じて(合併症がない場合、妊娠中に7回以上)産科クリニックを受診し、妊娠ケアチームによる血圧測定を受けた。 主要評価項目は、無作為化から「臨床的高血圧」が最初に記録されるまでの期間の両群間の差である。「臨床的高血圧」は、医療従事者によって記録された持続性の血圧140/90mmHg以上(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上のいずれか、または両方)と定義した。臨床的高血圧の診断までの期間に両群で有意差なし 無作為化された妊婦2,441例の背景は平均(±SD)年齢33±5.6歳、妊娠20±1.6週で、2,346例(96%)が試験を完遂した。 無作為化から「臨床的高血圧」が最初に記録されるまでの期間(平均±SD)は、介入群が104.3±32.6日、通常ケア群106.2±32.0日で、両群に有意差は認められなかった(平均群間差:-1.6日、95%信頼区間[CI]:-8.1~4.9、p=0.64)。 試験期間中に重篤な有害事象が18例報告されたが(介入群12例[1%]、通常ケア群6例[0.5%])、介入に関連すると判断されるものはなかった。

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高血圧合併妊娠または妊娠高血圧症の妊婦、自己血圧測定は有用か?/JAMA

 高血圧合併妊娠または妊娠高血圧症の妊婦において、遠隔モニタリングによる自己血圧測定は通常ケアと比較して、臨床的高血圧の有意な改善をもたらすことはなかった。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのLucy C. Chappell氏らが、無作為化非盲検臨床試験「Blood PressureMonitoring in High Risk Pregnancy to Improve the Detection and Monitoring of Hypertension 2 trial:BUMP 2試験」の結果を報告した。高血圧の不十分な管理は、妊産婦死亡の重要な要因であるが、妊婦および乳児の臨床転帰改善に対する妊娠中の自己血圧測定の役割は不明であった。JAMA誌2022年5月3日号掲載の報告。高血圧合併妊娠/妊娠高血圧症の妊婦850例、自己血圧測定+通常ケアvs.通常ケア 研究グループは2018年11月~2019年9月の期間に、英国の2次医療機関15施設の産科病棟において、18歳以上で、高血圧合併妊娠(登録時または妊娠20週以前から認められる持続性の収縮期血圧140mmHg以上および/または拡張期血圧90mmHg以上、または降圧治療中と定義)の妊娠37週未満の妊婦、または妊娠高血圧症候群(妊娠20週以降に認められる持続性の収縮期血圧140mmHg以上および/または拡張期血圧90mmHg以上と定義)の妊娠20~37週の妊婦を、遠隔モニタリングによる自己血圧測定+通常ケア(介入群)、または通常ケアのみ(通常ケア群)のいずれかの群に無作為に割り付けた(追跡期間終了2020年5月)。 主要評価項目は、医療従事者が測定した収縮期血圧の平均値(無作為化1日後~出産日前日までの平均値)の群間差である。 BUMP 2試験に直接登録された600例、ならびにBUMP 1試験で高血圧を発症しBUMP 2試験に移行した250例、計850例が介入群(430例)または通常ケア群(420例)に割り付けられた。臨床的に測定した無作為化から出産までの平均収縮期血圧、両群で有意差なし 無作為化された850例の内訳は、高血圧合併妊娠が454例(平均年齢36歳、登録時平均妊娠20週)、妊娠高血圧症が396例(平均年齢34歳、登録時平均妊娠33週)で、主要評価項目の評価を完遂したのはそれぞれ444例(97.8%)および377例(95.2%)であった。 高血圧合併妊娠コホートにおいて、主要評価項目の平均収縮期血圧は介入群133.8mmHg、通常ケア群133.6mmHgであり、両群間に有意差は認められなかった(補正後平均差:0.03mmHg、95%信頼区間[CI]:-1.73~1.79)。妊娠高血圧症コホートでも同様の結果であった(137.6mmHg vs.137.2mmHg、補正後平均差:-0.03mmHg、95%CI:-2.29~2.24)。 重篤な有害事象は、介入群で8例(各コホート4例)、通常ケア群で3例(高血圧合併妊娠コホート2例、妊娠高血圧症コホート1例)に認められた。

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ニコニコ仮面は15枚限定【Dr. 中島の 新・徒然草】(426)

四百二十六の段 ニコニコ仮面は15枚限定連休は過ぎましたが、暑からず寒からずいい季節ですね。心なしか、花粉もちょっと減っているような気がします。さて、私はいつも研修医やレジデントに「病院にいる間はニコニコ仮面をつけておけ」と言ってます。もちろんそんな仮面が本当にあるわけではなく、あくまでも想像上の物。心の中では泣いたり怒ったりしていても、意識してニコニコした表情を保ち、患者さんや同僚から上機嫌に見えるよう努力しろ、という意味で言っているわけです。家で何があろうが、体調が悪かろうが、職場ではプロとして振る舞わなくてはなりません。そしてプロたるもの、患者さんの前では常にニコニコしておく必要があります。たとえ心の中で何を考えていたとしても、ですね。だから、出勤して1歩病院に入ったら、ニコニコ仮面の装着です。ところが、私のニコニコ仮面はディスポーザブル。とくに外来中は、仮面の消耗が激しいのが現実です。だから1人の患者さんあたり、1枚の仮面を使ってしまいます。今日の外来予約が15人とすれば、15枚分を準備しておかなくてはなりません。しか~し。医療現場では、常に予定外の事が起こります。予約外の新患の来院。他科からの想定外のコンサル。突然の急患。ドカン!とドアが開いたと思ったら、いきなりのストレッチャーの搬入。「僕、聞いてないんですけど」と言いかけた途端、患者さんの全身痙攣が始まったりします。それでもニコニコしながら「大丈夫ですよ、心配要りませんからね」などと言いながら、処置しなければなりません。予定外の仮面1枚を消費する瞬間です。ようやく嵐の外来が終了。そんなときに限って、別の患者さんの診察を頼まれたりするわけです。本来の担当医は病棟で急変があって、隣の診察室を飛び出していった後。もう仮面の予備は1枚も残っていません。仕方なしに、床に落ちていた仮面を拾って装着します。でも、あちこち破れていて……そもそも使い物になるのか?患者「会社の上司が一度ちゃんと調べてもらって来いって」えっ?カルテを見る限り、担当医は真面目に診ているようですが。中島「ちゃんと診るというのは、具体的にどのような事を仰っているのでしょうか?」患者「何だかこの先生、怖い!」ぬぬぬ。ついイラッとしたのがバレてしまったか?中島「怖がらせるような事は何も言ってませんけど!」患者「でも、目が怒ってる」ボロボロの仮面の裂け目から、素の表情が見えていたのかもしれません。すみません。そもそも私は、予定外の事に弱いです。にもかかわらず、予定外が多すぎます。1日に何度も予定外が降ってきます。下手したら休日まで。また、私はマルチタスクができません。にもかかわらず、右からも左からも話しかけられます。追い込まれた時に怒った表情を見せないために、ニコニコ仮面を準備しているというのに。全部使い切った私はどうしたらいいんでしょうか……嗚呼最後に1句初夏の午後 捨てた仮面を また使う

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医師免許を存分に活かして!安全地帯から起業というゲームに参加する【医師のためのお金の話】第56回

「起業」って何だかカッコいい響きですよね! アップルのスティーブ・ジョブズ氏やテスラのイーロン・マスク氏、日本ではサイバーエージェントの藤田 晋氏などなど。皆さんキラキラしています。医者がそんな大起業家になるのはムリでしょ、と思ってしまいますが、われらが医療業界でもスタートアップは目白押し。メドレーやメドピアのように、現役の臨床医が立ち上げた会社が株式上場した例もいくつかあります。さすがに上場のハードルは高いかもしれません。しかし、医師を続けながら立ち上げた企業がいい感じになっている例は、あなたの身近にもあるのではないでしょうか。やり方次第では、起業家の一員になれるかも!?医師にお勧めの起業パターン医師の起業には、どのようなパターンがあるのでしょうか。起業というからには、すべてを投げ打って事業を立ち上げるパターンを思い浮かべる人が多いでしょう。もちろん上場を目指すスタートアップでは、このようなパターンが多いのは事実です。国内スタートアップの代表例として、AI事業のプリファード・ネットワークスやクラウド会計ソフトウエアのfreeeが挙げられます。こうしたスタートアップは、ベンチャーキャピタル(VC)から出資してもらい、事業を拡大していきます。VCが出資する条件として、「経営者が専業である」はいうまでもないことです。このため、上場を目指すスタートアップを起業するのであれば、医師を辞めて事業に取り組む必要があります。でもこれって、かなりハードルが高いですよね。医師の最大の強みは、「個人で稼ぐ力」です。常勤ではなくアルバイト医師であっても、食うに困る状況にはなりません。極論すると「片手間」で医師を続けても、十分に生活していけます。一般の会社員では望むべくもない、破格の好条件といえるでしょう。医師ならこれを利用しない手はありません。つまり臨床を続けながら、面白そうな領域で起業してみるのです。起業するために医師を辞めるなんて、そんなもったいないことしてはいけません。生活基盤はきっちり確保しましょう。私の起業体験起業は背水の陣で臨まないと成功しないのではないか、と思う人がいるかもしれません。確かにそれも一理ありそうです。しかし、私自身の経験からは、実際に起業してみると、生活基盤の安定性が経営者マインドに与える好影響の大きさを実感しています。私はこれまで10近い事業を立ち上げてきました。そのほとんどは廃業してしまいましたが、これだけの数をチャレンジできたのは医師としての安定収入があったからです。事業継続が困難になっても、さほど追い詰められることなく冷静に対処できます。また、廃業するにも資金が必要であり、精神的な負荷のかかり方はハンパないものがあります。ありがちなのは、廃業する決断ができずにズルズルと引っ張ってしまい、さらに傷口を拡大させてしまうパターン…。事業以外に何も収入がなければ苦しい立場に追い込まれますが、医師を続けていれば「ちょっとやらかした」程度に過ぎません。これって天と地ほどの差がありますよね。医師を続けてさえいれば、安全地帯から起業というゲームに参加できるのです。気軽に起業してみよう!起業といっても、多額の借り入れをして最初から大風呂敷を広げる必要はありません。むしろ少額かつ自己資金だけで事業を立ち上げる方法を考えてみましょう。自己資金だけでは大したことはできなさそう…と思いますが、実際には全然そんなことはありません。デジタル化の進展で、事業で必須のツールを無料もしくは極めて安価に使えるようになりました。たとえば、SlackやChatworkなどのビジネスチャットツールの登場でリモートワークが広がり、オフィスの必要性は低下しました。またfreeeなどのクラウド会計ソフトによって、会計業務を劇的に軽減することができます。ウェブ広告の活用で、営業部隊の必要性も低下しました。モノやヒトの固定費が低下したおかげで、昔と比べて起業は容易になったのです。しかし、たった1つだけ残る高いハードル…。それが、あなたの心の中に潜む「起業は怖い」という気持ちです。起業に対する恐怖心を打ち砕く決定打はありません。解決策は「とにかくやってみる」、だけです。どんな小さな事業でもいいので、一度でも立ち上げてみると起業に対する恐怖心は氷解します。幸いにも医療業界は参入障壁が高く、起業ネタがゴロゴロ転がっています。もちろん医療とまったく異なる分野での起業でも問題ありません。しかし、せっかく医師になったのですから「おいしい」業界で起業しない手はないでしょう。日常臨床のちょっとした気付きが起業のネタかもしれません。起業も念頭に置いて、臨床に取り組もうではありませんか。

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第109回 日医会長選に執行部から相次ぐ立候補、再選目指す中川氏は防戦に

日本医師会(日医)の会長選は6月4日に立候補を締め切り、25日の定例代議員会で投開票される。再選を目指す中川 俊男会長には頭の痛い状況になってきた。中川執行部の副会長と常任理事が出馬するうえ、真偽は不明だが週刊誌のネットニュースで、中川氏に関する記事が掲載されたのだ。医療人からは「1期目を終えた段階で執行部から立候補の動きがあることは、内部に問題があるのでは?」との疑念の声が上がったり、ニュースに対してSNS上で批判のコメントが殺到したりしている。松原副会長と松本常任理事が立候補へ出馬の動きが出ているのは松原 謙二副会長(大阪)と松本 吉郎常任理事(埼玉)だ。松原氏は2022年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋の廃止を求めると共に、導入経緯を巡って中川氏の対応を批判する文書を、地元の大阪府医師会役員宛てに出している。文書では「厚生労働省幹部から伝え聞いた話では、財務省と厚労省から5つの医療費抑制の提案がなされ、日医会長は表面上のプラス改定のためにリフィル処方を選び、財務・厚生労働両大臣の合意に至ったそうだ」と記し、「わずかな見かけだけのプラス改定のために禁じ手を用いるなど言語道断」と中川氏の対応を批判した。リフィル処方箋の導入に関しては、松原氏が副会長を務めた大阪府医師会の茂松 茂人会長も3月の日医臨時代議員会で、診療報酬のプラス改定との交換条件だったとの報道があると指摘し、懸念を表明していた。松原氏の文書に対して、中川氏は4月27日の記者会見で、「日医に容認の同意を求めて導入されたわけではない」と否定。松原氏との考え方の違いについて「残念だ」と述べた。松原氏は当初、同日の記者会見の出席者として名前が記されていたが、欠席した。現職の副会長が会長を批判する文書は異例。松原氏は5月11日、医療業界紙の取材に対し、会長選への立候補を表明した。一方、松本氏は日医で総務、医療保険、医療政策などを担当。中央社会保険医療協議会(中医協)委員を務め、日医の定例記者会見にたびたび登場している。いわば中川氏の側近のような人物だ。松本氏も立候補の意思を固め、都道府県医師会の地方ブロックに推薦依頼などをしていることが、医療業界紙の5月17日の報道で明らかになっている。尾崎東京都医師会会長は懸念を表明こうした動きに対し、東京都医師会会長の尾崎 治夫氏は5月10日の定例記者会見で「医師会が団結してこれからポストコロナに当たらなければいけない時期に入っているにもかかわらず、まとまりを欠くような流れができてしまったことは残念」と懸念を表明。また、「中川さんを2年前に応援した立場から言えば、こういう風になってしまったのはなぜかと責任を感じている」と述べた。7月に参議院選挙、2年後には診療報酬や介護報酬などのトリプル改定が控えていることから、「選挙なんてやっている暇はないと思うし、自見 はなこ議員(日本医師連盟の組織内候補)を応援して、それなりの成績で当選させることがわれわれの任務だ」との見解を明らかにした。また、中川氏の信頼をさらに揺るがすような記事を、「デイリー新潮」が5月13日に報じた。中川氏が“反社疑惑”の男とやり取りがあったという内容だ。同誌の取材に対し、中川氏は「その人物が反社会的勢力との認識はなかった」と否定しているが、SNSでは中川氏だけでなく、日医に対する批判も起きている。医療人、医療界に対して国民の不信が起きることを懸念せざるを得ない。

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統合失調症患者の入院率減少に対するセンサー付き錠剤の可能性

 統合失調症患者の精神科病棟への入院は、経済的な負担を引き起こす。そのため、服薬アドヒアランスは重要な因子であるが、依然として難しい問題である。米国・Hassman Research InstituteのElan A. Cohen氏らは、センサー付きアリピプラゾール錠(システムに摂取可能なセンサー、シグナル検出用パッチ、スマートフォンアプリを含む)が、標準的な経口抗精神病薬と比較し、精神科入院数の減少に寄与するかを評価した。その結果、センサー付きアリピプラゾール錠は、標準的な経口抗精神病薬と比較し、軽度から中等度の成人統合失調症患者の精神科入院率を低下させることが示された。本システムにより、統合失調症患者の薬物摂取の支援および症状改善を通じて、急性期治療の必要性を減少させることが期待される。The Journal of Clinical Psychiatry誌2022年4月11日号の報告。 本試験は、6ヵ月間の標準的な経口抗精神病薬治療期間(レトロスペクティブ期)があり、過去48ヵ月間に1回以上の入院を経験した成人統合失調症患者を対象とした、第IIIb相ミラーイメージ臨床試験(実施期間2019年4月29日~2020年8月11日)である。すべての対象患者に対し、3~6ヵ月間のセンサー付きアリピプラゾール錠による治療を行った。主要評価項目は、レトロスペクティブ期と比較した1~3ヵ月目の修正ITT集団(mITT:113例)における精神科入院率とした。副次評価項目は、投与対象となる日数の割合とした。安全性の評価には、服薬またはパッチと自殺傾向に関連する有害事象を含めた。 主な結果は以下のとおり。・センサー付きアリピプラゾール錠は、対応するレトロスペクティブ期と比較し、mITT集団の1~3ヵ月目(-9.7%、p≦0.001)および1~6ヵ月目(-21.3%、p≦0.001)の入院を有意に減少させた。・センサー付きアリピプラゾール錠の使用により、確認された薬物摂取が1~3ヵ月目で26.5ポイント改善され(p≦0.001)、PANSSスコアは低下した。・パッチは忍容性が高く、試験参加者の報告による自殺リスクの変化は認められなかった。

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片頭痛と胃腸疾患との関係

 片頭痛は世界中に蔓延している疾患であり、最近の研究によると、胃腸疾患患者において片頭痛の発症率が増加しているとされている。また、前臨床でのエビデンスでは、消化管神経系と脳腸軸などの中枢神経系との双方向性の関係が示唆されている。韓国・同徳女子大学校のJemin Kim氏らは、主要な胃腸疾患と片頭痛との関連を明らかにするため、検討を行った。その結果、胃腸疾患と片頭痛との間に統計学的に有意な関連が認められ、この関連は胃腸疾患の数が多い患者や、片頭痛の予防と急性期治療の両方で片頭痛治療薬を使用している患者において、強い相関が認められることが報告された。International Journal of Environmental Research and Public Health誌2022年3月28日号の報告。片頭痛の有病率、消化不良など複数の胃腸疾患を有する患者で3.5倍 対象は、片頭痛または胃腸疾患の診断が年に2回以上認められた患者。胃腸疾患には、消化性潰瘍、消化不良、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、胃食道疾患を含めた。 主要な胃腸疾患と片頭痛との関連を明らかにするために行った調査の主な結果は以下のとおり。・HIRAデータセットより、78万1,115例が研究に含まれた。・片頭痛の有病率は、年齢、性別、保険の種類で調整した後、複数の胃腸疾患を有する患者において、約3.5倍高かった(調整オッズ比:3.46、95%CI:3.30~3.63、p<0.001)。・胃腸疾患の数が増加するほど、片頭痛の有病率も高かった。・胃腸疾患の有病率は、急性予防または急性治療のいずれかの患者と比較し、予防と急性期治療の両方のために片頭痛治療薬を使用していた患者のほうが高かった。

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妊婦の新型コロナ感染は早産リスク増、入院リスク2.65倍/JAMA

 カナダで行われた探索的サーベイランススタディで、妊娠中の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染は、母体の有害アウトカムおよび早産のリスク増大と有意に関連していることが示された。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のElisabeth McClymont氏らが、妊娠中にSARS-CoV-2感染が認められた妊婦6,012人について、2つのコントロール群を対照に行った検討の結果を報告した。これまで妊婦へのSARS-CoV-2感染の影響について、対照比較コホートを用いた質の高い住民ベースの検証データは限定的であった。JAMA誌オンライン版2022年5月2日号掲載の報告。母体・周産期アウトカムや重症化リスクを検証 研究グループは2020年3月1日~2021年10月31日に、カナダの6州でSARS-CoV-2感染が認められた妊婦を対象とした観察的サーベイランスプログラム「CANCOVID-Preg」で、探索的データ解析を行った。パンデミック期間の妊娠期間中(時期は特定せず)に、主として症状の発症でPCR検査を受けSARS-CoV-2陽性が確認された6,012人を、年齢をマッチングしたSARS-CoV-2感染の女性、非感染妊婦の2つの対照群と比較した。妊娠期間中の感染は、参加している州/郡からCANCOVID-Pregに報告された。 主要アウトカムは、SARS-CoV-2感染に関連する母体・周産期アウトカムと、重症化(入院やICU/CCUへの入室、および/または酸素療法など)リスクとの関連だった。早産リスク、SARS-CoV-2感染妊婦は11% 6, 012人の年齢中央値は31歳(IQR:28~35)、最も多かった症例(35.7%)が妊娠28~37週での感染だった。人種/民族性は白人が37.8%で、それ以外は南アジア系が18.4%、アフリカ系・黒人種・カリブ系が12.1%、中東系7.1%などばらつきが大きかった。 SARS-CoV-2感染の妊婦は、カナダの20~49歳の女性感染者と比べ、入院リスクが有意に高かった(入院率7.75% vs.2.93%、相対リスク[RR]:2.65[95%信頼区間[CI]:2.41~2.88])。また、ICU/CCUへの入室リスクも有意に高かった(2.01% vs.0.37%、5.46[4.50~6.53])。 母体有害アウトカムは、高年齢、高血圧症あり、および診断時の在胎週数値が大きいほど有意に関連していた。 早産リスクも、感染妊婦で非感染妊婦(妊娠期間が同時期)と比べて有意に高く(11.05% vs.6.76%、RR:1.63[95%CI:1.52~1.76])、この傾向は入院を要さない軽症例でも認められた。

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非都市部の脳卒中治療、ヘリでのドクター派遣が有益/JAMA

 ドイツ非都市部の脳卒中医療センターネットワークにおいて、急性虚血性脳卒中患者への脳血管内血栓除去術(EVT)実施の決定から施行までの経過時間を検討したところ、ヘリコプターで医師らを現地に派遣するほうが、患者を別の医療機関に移送するよりも約1時間半、短縮できることが示され、3ヵ月後の機能性アウトカムに有意差はなかったという。ドイツ・ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのGordian J. Hubert氏らが、約160例の患者を対象に行った非盲検非無作為化比較試験の結果を報告した。急性虚血性脳卒中へのEVTの有益性は時間に依存しており、遠隔地患者への治療推進は困難とされている。今回の結果を踏まえて著者は、「長期的な転帰を確認し、地理的条件への適用を明らかにするさらなる検討は必要だが、脳卒中治療システムにフライング治療チームを取り入れる検討をすべきことが示された」と述べている。JAMA誌2022年5月5日号掲載の報告。3ヵ月後の修正Rankinスケールも比較 検討は2018年2月1日~2019年10月24日に、隔週で2つの治療システムを比較する非盲検非無作為化対照介入試験にて行われた。遠隔脳卒中ネットワーク内で遠隔医療サポートを受けるドイツ非都市部の脳卒中センター13ヵ所で、急性虚血性脳卒中に対しEVTを実施する際、ヘリコプターで医師らを現地に派遣する方法(フライング群)と、患者を別の医療機関に移送する方法(移送群)で、アウトカムを比較。最終フォローアップは2020年1月31日だった。 主要アウトカムは、EVT実施の決定から施行までの経過時間(分)。副次アウトカムは、3ヵ月後の修正Rankinスケールスコア(機能性スコア範囲:0[障害なし]~6[死亡])で評価した機能性アウトカムなどだった。EVT決定から施行の所要時間、フライング群58分vs.移送群148分 被験者は157例(年齢中央値75歳[IQR:66~80]、女性80例[51%])で、フライング群は72例、移送群は85例だった。このうちEVTを実施したのは、フライング群60例(83%)、移送群57例(67%)だった。 EVT決定から施行までの経過時間中央値は、フライング群が58分(IQR:51~71)に対し、移送群は148分(同:124~177)と、フライング群で有意に短かった(群間差:90分、95%信頼区間[CI]:75~103、p<0.001)。 一方で3ヵ月後の修正Rankinスケールスコア中央値は、フライング群が3(IQR:2~6)に対し移送群も3(2~5)と、両群で同等だった(障害の程度が低い状態に関する補正後共通オッズ比:1.91、95%CI:0.96~3.88、p=0.07)。

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フォシーガ、左室駆出率にかかわらず慢性心不全への有効性が明らかに/AZ

 アストラゼネカは5月12日付のプレスリリースで、第III相DELIVER試験の結果を発表した。本試験では、アストラゼネカのフォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)が心血管死または心不全悪化の主要複合評価項目に関して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある抑制を達成したことが示された。本試験は、左室駆出率が軽度低下した、または保持された心不全患者(左室駆出率が40%超と定義)を対象に実施された。フォシーガは左室駆出率が軽度低下または保持された心不全で主要評価項目を達成 心不全は、左室駆出率低下を伴う心不全(左室駆出率が40%以下)、左室駆出率が軽度低下した心不全(左室駆出率が41~49%)、左室駆出率が保持された心不全(左室駆出率が50%以上)といった複数のカテゴリーに分類される。 このうち、左室駆出率が軽度低下した、または保持された心不全患者は、全体の約半数を占めているが、このカテゴリーに分類される患者では、治療可能な選択肢がないのが現状である。 ハーバード大学医学部およびブリガム・アンド・ウィメンズ病院の内科学教授で、第III相DELIVER試験の主任治験責任医師を務めるScott Solomon氏は次のように述べている。「DELIVER試験は、左室駆出率が軽度低下した、または保持された心不全患者を対象に現在まで実施された試験の中で、最大規模かつ最も幅広い患者を対象とした試験である。治療の選択肢がほとんどない患者集団で主要評価項目を達成できたことに、大きな喜びを感じている。あらゆる種類の心不全の治療にフォシーガが活躍するだろう」。 本試験の詳細結果は、今後開催される学術集会で発表され、今後数ヵ月以内に規制当局へフォシーガが承認申請される予定。

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オミクロン株とデルタ株の流行時期における、COVID-19に伴う症状の違いや入院リスク、症状持続時間について(解説:寺田教彦氏)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、流行株の種類により感染力や重症化率、ワクチンの効果が変化していることはニュースでも取り上げられている。これらのほかに、流行株により臨床症状が変わってきたことも医療現場では感じることがあるのではないだろうか? 例えば、2020年にイタリアから報告されたCOVID-19に伴う症状では、味覚・嗅覚障害が新型コロナウイルス感染症の50%以上に認められ、特徴的な症状の1つと考えられていたが、それに比して咽頭痛や鼻汁などの上気道症状は少なかった(Carfi A, et.al. JAMA 2020;324:603-605.)。ところが、2022年4月現在の臨床現場の感覚としては、COVID-19に伴う症状は咽頭痛や声の変化を訴える患者が増えてきており、味覚・嗅覚障害を理由に検査を新型コロナウイルスのPCR検査を受ける人はほとんどいなくなったように思われる。 本研究は、英国において、新型コロナウイルス感染症の検査結果や症状を報告するアプリ「ZOE COVID」の使用者を対象に、オミクロン株とデルタ株の流行時期のデータを比較している。 オミクロン株の症状の特徴としては、下気道症状や嗅覚異常が少なく、咽頭痛がデルタ株より多いことが報告されている(オミクロン株患者の症状報告、喉の痛みや嗅覚障害の割合は?/Lancet)。そして、Supplementary appendixのTbale S2に個々の症状についてワクチン2回接種後と3回接種後(ブースター接種済み)の患者による症状の違いもまとめられている。 デルタ株、オミクロン株の症状を比較すると、発熱は2回接種後で(44.1% vs.36.7%、[OR]:0.82、95%信頼区間[CI]:0.75~0.9)、3回接種後で(25.8% vs.39.2%、OR:1.09、95%CI:0.9~1.33)。 嗅覚障害は2回接種後で(41.9% vs.22.3%、OR:0.53、95%CI:0.48~0.58)、3回接種後で(32.4% vs.27.7%、OR:0.6、95%CI:0.49~0.73)。味覚障害は2回接種後で(56.7% vs.17.6%、OR:0.16、95%CI:0.14~0.18)、3回接種後で(38% vs.13.2%、OR:0.24、95%CI:0.2~0.3)と味覚・嗅覚症状はオミクロン株で減少傾向。鼻水は2回接種後で(80.9% vs.82.6%、OR:0.66、95%CI:0.59~0.74)、3回接種後で(81.8% vs.74.9%、OR:1.11、95%CI:0.89~1.39)。 嗄声は2回接種後で(39.6% vs.42.8%、OR:1.15、95%CI:1.05~1.26)、3回接種後で(31.1% vs.42%、OR:1.62、95%CI:1.35~1.94)。咽頭痛は2回接種後で(63.4% vs.71%、OR:1.42、95%CI:1.29~1.57)、3回接種後で(51% vs.68.4%、OR:2.11、95%CI:1.76~2.53)と咽頭痛や嗄声はオミクロン株で増加傾向だった。 もちろん、デルタ株とオミクロン株を比較することも重要ではあるが、本邦の患者さんやCOVID-19を診療する機会の少ない医療従事者の中には2020年ごろにニュースで取り上げられていた症状をCOVID-19の典型的な症状と捉えている方もおり、昨今の新型コロナウイルス感染症は、いわゆる風邪(急性ウイルス性上気道炎)の症状に合致し、検査を実施する以外に鑑別は困難であることも理解しておく必要があると考える。今回の報告は、オミクロン株では2020年ごろよりも発熱や味覚・嗅覚障害の症状は減少してきており、咽頭痛や鼻水などの上気道症状が多いことを実感することのできるデータであると考える。 急性期症状の持続日数についてもまとめられているが、デルタ株では平均値が8.89で中央値が8.0、95%CI:8.61~9.17に比して、オミクロン株では平均値が6.87、中央値が5.0、95%CI:6.58~7.16とオミクロン株で短縮が認められていた。本邦でも増えてきている3回接種後(ブースター接種済み)の場合では、デルタ株感染で平均7.71日、オミクロン株では4.40日が症状持続期間であった。 入院率はオミクロン変異株流行中の入院率(1.9%)のほうが、デルタ変異株流行中の入院率(2.6%)よりも有意に低下したことを指摘されているが、これも過去の報告や現場の臨床感覚に合致する内容だろう。 本論文は、全体を通して現場の臨床感覚に一致した内容だったと考える。 今回の論文では、オミクロン株では、とくにワクチン接種後では症状持続期間が短くなっていることが確認されている。適切な感染管理を行うために現場と調整する際、新型コロナウイルス感染症で難しさを感じる点に濃厚接触者となった場合や、感染した場合に一定の休業期間を要する点がある。症状持続期間が短くなっていることからは、場合によっては、感染力を有する期間も短くなっているかもしれない。 新型コロナウイルス感染症と診断された場合や、濃厚接触者となった場合でも、感染力を有する期間も短くなっていることが明らかになれば、今後の感染対策が変わりうるだろう。他に、この論文のLimitationsの4つ目に、年齢やワクチン接種状況、性別は一致させたが、他の交絡因子は一致していないことが指摘されている。流行株も変化したが、抗ウイルス薬も臨床現場で使用されることが増えている。これらの抗ウイルス薬による、症状改善時間の短縮や、感染力期間が短縮されることが明らかになれば、新型コロナウイルス感染症に対する公衆衛生上の方針にも影響を及ぼしてゆくかもしれない。

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061)便利さの裏返し? 外来ナースの憂鬱【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第61回 便利さの裏返し? 外来ナースの憂鬱ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆私の勤めるクリニックは訪問診療も行っており、在宅や施設の患者さんの皮疹について訪問診療担当の看護師さんから相談を受けることがあります。(以前、漫画でも取り上げましたね!)同じクリニックで働く者同士だからでしょうか、カルテに記載するほどでもないくらいの小さな相談を受けることもたびたびあります。話を聞くと、どうやら「地域とクリニックをつなぐ連携ツール」が存在するらしく、専用アプリを使用して地域スタッフとのやりとりを行っている様子。訪問看護や施設のスタッフからしてみれば、「受診せずにオンラインでクリニックと連絡が取れる便利なツール」ということになります。深く考えず「便利ですね!」とコメントしたところ、担当の外来看護師さんから、意外な本音がポロリ。「相談件数が増えて、毎回の対応が大変なんです~!」とのこと。なるほど、対応するスタッフからしてみれば、逆に仕事が増えてしまうというわけです。「まあ、いいんですけどね~」と笑っていましたが、思わず「お疲れさまです…」と手を合わせてしまうのでした。オンラインツールは便利だけれど、どこまで対応すべきかは迷う部分もあるようです。それでは、また~!

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学術雑誌は紙から電子ジャーナルへ、知的空腹感を満たす饂飩のように長い時間【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第48回

第48回 学術雑誌は紙から電子ジャーナルへ、知的空腹感を満たす饂飩のように長い時間医師が患者を治療することは、同時に医学の進歩のために研究活動に参加することともいえます。研究成果を発表することは、研究者としてのキャリアを進めるうえで大きな役割を果たします。学術雑誌(ジャーナル)は、学術的知見を広く伝えるための重要な手段です。Philosophical Transactions(フィロソフィカル・トランザクションズ)という学術雑誌をご存じでしょうか。これは英国王立協会が1665年3月6日に英語圏最古に創刊し、現在でも刊行が続く最長寿の学術雑誌です。雑誌名にフィロソフィカルとありますが、狭義の哲学を意味するのではなく、自然哲学、現在でいう科学を意味しています。やはり、英国は敬意を表すべき学術的な伝統をもつ素晴らしい国です。紙で作られた雑誌は、定期購入のうえ所蔵している図書館で閲覧するか、あるいは個人的に購読することになります。図書館の蔵書数にも限りがあり複数の人が同時に閲覧することは困難です。個人で高額な学術雑誌を複数購読することも困難です。出版社から図書館や購読者に郵送されてくるため、閲覧までに時間を要します。このように紙媒体の雑誌には多くの課題がありました。学術雑誌と同等の内容を電子メディアで出版したものを、電子ジャーナルと呼びます。電子ジャーナルはオンライン上に公開されれば即時に閲覧が可能となる速報性があります。24時間いつでも、図書館外からでも、複数の読者が同時にアクセスできる利便性もあります。関連する参考文献にリンクがあるので、同じディスプレイ上で瞬時に他の情報を確認することができます。内容に関する動画などのマルチメディア情報の同時提供などの機能性もあります。電子ジャーナルには定期購読型とオープンアクセス型があります。定期購読型は、学術出版界で従来からある方式で、購読料を支払う研究機関や個人だけが論文を読むことができます。定期購読者でなければ、個々の論文ごとに費用を支払って初めて閲覧することが可能になります。オープンアクセス型は、読者は料金を支払う必要はありません。誰でも自由にオンライン上の論文に無料でアクセスし閲覧することができます。購読費を取らない代わりに、運営費を安定的に確保するために掲載料を著者に課すことが普通です。論文へのアクセスが容易であることから、オープンアクセス型の雑誌に掲載された論文は、他の研究者の目に触れることが多くなり引用されることが増えます。被引用が多いということは、その雑誌のインパクトファクターが上昇します。これは、著者の研究者としての評価を高めることにつながります。そのため従前からの定期購読型の中にも、雑誌の内容の一部オープン化や出版から一定の期間を経てのオープン化など、 オープンアクセス型のメリットを取り入れていこうとする傾向が見られます。メリットの一方、論文出版料金の収入を目当てに詐欺的な行為を行う悪徳なオープンアクセス出版社が出現しているデメリットがあります。いわゆるハゲタカジャーナルです。電子ジャーナル化した現在でも、多くの学術雑誌では、論文の仕分けをするために、ページ数や公開年に加えて「巻」と「号」を用いています。いくつかの論文をまとめて印刷して綴じたものが1つの号となります。保存するために1年ごとに複数の号を製本したものが巻となります。逐次オンラインで公開する場合には号という概念は不要です。紙媒体がなく製本しないならば巻という概念も成立しません。まるで、巻と号の表記は紙媒体時代の遺物のようです。オープンアクセス化された新興医学雑誌では、巻と号を棄ててシンプルな表記に移行する動きがあります。Philosophical Transactions誌では、発刊から10年間が通しページ数で表記され、7,000ページを超えるまで至ったそうです。知識が継続的に蓄積されていってこそ哲学・科学であるとのコンセプトを具現化しているそうですが、「巻」と「号」と決別する日を見越したかにも思われます。おそるべし英国王立協会です。これまで、学術出版の世界が大きな変革期にあることを紹介しました。350年以上の歴史を持つPhilosophical Transactions誌も、電子ジャーナルへと移行し、さらにオープンアクセス化を進めています。このように柔軟な対応ができることが長寿の秘訣なのでしょう。この学術雑誌が誕生した西暦1665年が、和暦では何時になるのかを調べてみると、寛文5年でした。寛文5年は、何か聞き覚えのある年号です。「稲庭うどん」の老舗の一つに「寛文5年堂」があることを思い起こしました。秋田県名産のうどんで手延べの平たい乾麺が特徴です。なめらかな舌ざわりと、つるつるとしたのどごしの稲庭うどんは上品な食感です。小腹がすいたときに最高の癒しになります。流石にロングセラーの一品は、商品の形状までもロングです。妙に真面目に電子ジャーナルについて考えていると、今日は猫も近寄ってきません。うどんでも食べて寝ることにします。

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第109回 高血圧治療用アプリの薬事承認取得で考えた、「デジタル薬」が効く人・効かない人の微妙な線引き(前編)

官民こぞってデジタル、デジタルこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。世の中、デジタル流行りです。デジタル庁発足の前後くらいから、官民こぞってデジタル、デジタル(あるいはDX)と言い始めた印象があります。デジタル化はまるで世の中の不便や非効率をすべて解決できる“魔法の薬”のように(とくにデジタルに弱い人々=政治家などから)捉えられているようです。スマートフォンやインターネットの世界の相当な部分をGAFAにやられてしまってから、デジタル化推進に力を入れ出す国もどうかと思いますが、さすがにこの流れに乗っておかないとまずい、と国も企業も考えているのでしょう。医療の世界も例外ではありません。国だけではなくコンサルタントやICT関連メーカーなどが、さかんに「医療DX推進」を喧伝しています。自民党の社会保障制度調査会・デジタル社会椎進本部「健康・医療情報システム推進合同プロジェクトチーム」は5月13日、 全国医療情報プラットフォームの創設、 電子カルデ情報の標準化、 診療報酬改定DXを柱とする提言を取りまとめました。これらを椎進する方針を「医療DX令和ビジョン2030」と名付け、首相を本部長とする「医療DX椎進本部(仮称)」を設置するよう求めたとのことです。「電子的保健医療情報活用加算」を新設で患者負担増えるしかし、これまでの状況を見ても、その前途は多難としか言いようがありません。デジタル化の一環として、国は「マイナ保険証」を推進しようとしていますが、普及を目的として今年4月の診療報酬改定で「電子的保健医療情報活用加算」を新設したところ、この保険証をわざわざつくった患者の自己負担が増える事態となり反発を招いています。医療機関の設備投資や手間を考えての報酬設定でしたが、肝心の患者は二の次にされた格好です。マイナンバーカードを取得し、保険証利用の登録もした、という奇特な人の医療費の自己負担を逆に増やすとは……。気が遠くなるようなマイナンバーカード取得の手続きの面倒さを思うと、考えられない“仕打ち”です。4月13日に成立した改正薬機等法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)によって、電子処方箋システムの整備も始まりますが、こちらも今から相当な混乱が予想されます。おそらく政治家のほとんどは自分でマイナーバーカードの取得や、マイナポイントの登録申請などやったことないのでしょう。現場の煩雑さ、大変さも知らないで、安易なポンチ絵で説明される政策の普及・定着が覚束ないのは当然です。デジタル化以前の問題と言えます。さて今回は、デジタルつながりということで、最近流行りのスマホアプリなどで病気の治療を行う「デジタル薬」について書いてみたいと思います。「CureApp HT 高血圧症治療補助アプリ」薬事承認を取得連休直前の4月27日、株式会社CureAppはメディア向けのオンラインセミナーで、高血圧治療用の「CureApp HT 高血圧症治療補助アプリ」の製造販売承認(薬事承認)を4月26日に取得したことを明らかにしました。高血圧治療の領域で医師が処方する「デジタル薬」の薬事承認取得は世界初とのことです。同社は2022年中の保険適用と上市を目指すとしています。「デジタル薬」とは、スマホアプリやゲーム、デジタル機器など、ソフトウェアを活用して治療を行うデジタル療法のことです。日本では2014年の薬機法改正で、医療用ソフトウェアが薬事承認規制の対象となったことを契機として開発が本格化しました。日本においては販売に当たって薬事承認が必要となるものは「プログラム医療機器(Software as a Medical Device:SaMD(サムディ)」、それ以外は「Non-Software as a Medical Device:Non-SaMD (ノンサムディ)」に分類されます。薬事承認が必要なSaMDのうち、治療用アプリなど、疾患の治療を目的としたものは「デジタル治療(Digital Therapeutics:DTx)」と呼ばれており、このDTxがいわゆるデジタル薬です(SaMDにはこの他に診断機器もあります)。ということで、CureAppの治療用アプリ「高血圧症治療補助プログラム」は、正式には「SaMDの中のDTx」という分類になります。ニコチン依存症の治療用アプリに次ぐ国内2番目のDTx国内で初めて実用化されたDTxは皆さんご存知のCureAppのニコチン依存症の治療用アプリ「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」です。2020年12月に保険適用されて販売が開始されました。ただ、同アプリに併用することになっている禁煙補助薬のバレニクリン(国内商品名:チャンピックス)の一部製品から、発がん性のリスクを高める可能性があるとされるN-ニトロソバレニクリンが社内基準を超えて検出されたため、2021年6月から出荷停止となり、同アプリの使用は難しくなっているようです(ファイザーは2021年11月に「出荷再開は早くても2022年後半以降」と発表)。これに続く国内2番目のDTxが、今回薬事承認を取得した高血圧治療用の「CureApp HT 高血圧症治療補助アプリ」というわけです。生活習慣の行動変容を促し、正しい生活習慣の獲得をサポート同アプリは、スマートフォンを介して患者に生活習慣の行動変容を促し、正しい生活習慣の獲得をサポートすることで、継続的な生活習慣の修正を実現、減塩や減量などを通じて血圧の低下という治療効果を得る、とされています。具体的には、医師が患者に同アプリにログインするための「処方コード」を提供。患者がアプリにログインすると、血圧計と連動させて血圧を記録したり、生活習慣を質問形式やアプリ内のキャラクターとの会話などでモニタリングしたりなど、さまざまなサービスを利用できるようになります。そして、個別化された治療ガイダンス(患者が入力した情報に応じた食事、運動、睡眠、飲酒などに関する知識や行動改善を働きかける情報)をスマートフォンを介して直接患者に提供することで、行動変容を促す仕組みです。処方した医師の側も、医師用アプリを使うことで患者の日々の生活習慣の修正状況が確認できるため、診療の効率化にもつながるとされています。主要評価項目はABPMによる24時間の収縮期血圧今回の薬事承認は、360人程度の患者を対象とした臨床第III相試験の結果に某づくとしています。欧州心臓病学会で発表されたデータや、PMDAで公開された添付文書1)等によれば、治験の対象者は20歳以上65歳未満の男女で本態性高血圧症の患者。ABPM(24時間自由行動下血圧測定)による24時間収縮期血圧が130mmHg以上で、直近3ヵ月以上降圧薬治療を受けていないことが条件となっています。主要評価項目はABPMによる24時間のSBP(収縮期血圧)で、高血圧治療ガイドラインに準拠した生活習慣の修正に同アプリを併用した「介入群」と、同ガイドラインに準拠した生活習慣の修正を指導するだけの「対照群」を比較評価。介入群の方が有意な改善を示したとのことです。添付文書によれば、介入群の血圧はベースライン時と12週または中止時点の比較で144.3 ± 10.43mmHgが137.4 ± 11.58mmHgに下がり、変化量は-6.9 ± 10.70(n=178)。一方、対照群の血圧は144.9 ± 10.44mmHgが139.5 ± 12.31mmHgに下がり変化量は-4.7 ± 10.32(n=170)。群間差は-2.4[-4.5〜-0.3]となっています。なお、今回の薬事承認の了承に当たっては、「承認後1年経過するごとに、市販後の有効性に関する情報を収集し、有効性が維持されていることを医薬品医療機器総合機構(PMDA)宛てに報告すること」という条件が付けられています。DTxに対する素朴な疑問さて、「有意な改善」とは言うものの、血圧の変化量を見ると、劇的というほどではなく微妙な感じもします。この数字を見て、素朴な疑問が頭をもたげました。それは、こうしたスマホアプリに順応して素直に行動を変えられる人ならよいが、頑固でアプリのアドバイスになかなか従わない人に果たして効果があるのだろうか、ということです。おそらく臨床試験では、対照群も含めてアプリに順応し、アドバイスも受け入れ易い人を選んでいると思われます。それでこの成績だとしたら、本態性高血圧全体の患者で考えると、治療効果は相当低くなってしまうのではないでしょうか。こうした疑問をデジタル薬の開発に詳しい知人の記者にぶつけてみたところ、「そのとおり。行動変容を促すDTxは、アプリを使用するだけでなく、アプリの提案を基に患者自身が行動を起こす必要がある。通常の薬剤の“服用”よりもアドヒアランスのハードルがとても高く、臨床試験で目に見える効果を出すのが難しいと言われている」との答えでした。実際、調べてみると、DTxの臨床試験は、国内外でなかなか難しい状況にあるようです。「これからはDTxの時代だ!」「治療用アプリは普及期に入る」といった声も聞こえてきますが、国が進めようとしている医療DX同様、こちらの前途も洋々とは言えないようです。(この項続く)参考1)CureApp HT 高血圧治療補助アプリ/PMDA

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長期的な体重変化とその後の認知症リスク

 中高年期の体重減少は、その後の認知症リスクの上昇と関連しているといわれている。しかし、多くの研究では、身体的フレイル(PF)の潜在的な影響について検討が不十分であり、フォローアップ期間が限られているか、対照が最適化されていないなどの問題がある。中国・浙江大学のJie Shen氏らは、米国の中年期成人および高齢者の体重変化と認知症リスクとの長期的および時間的な関係を調査するため、検討を行った。その結果、中年期成人および高齢者の認知症リスクと体重減少との関連が認められた。この関連は、PFの状態とは無関係であり、最近の体重減少だけでなく、10年以上前の体重減少との関連が確認された。The Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism誌オンライン版2022年4月14日号の報告。 米国の健康と退職に関する研究(Health and Retirement Study:HRS)より、50歳以上の5,985人を対象とした。長期的な体重変化の推移は、1992~2008年の期間に9回のBMI測定を繰り返し実施し算出した。その後、2008~18年に認知症の発症状況をフォローアップした。分析には、多変量Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中(平均7.54年)における認知症の発症は682例(11.39%)であった。・基本的な人口統計学的およびライフスタイルのデータで調整した後、体重減少が認められた群(中央値:-0.23kg/m2/年)は、体重が安定していた群(中央値:0.11kg/m2/年)と比較し、認知症リスクが有意に高かった(HR:1.60、95%CI:1.33~1.92)。・さらにPFで調整した後、これらの関連性は弱まったが、強力かつ有意なままであった(HR:1.57、95%CI:1.30~1.89)。・認知症と診断される約14~18年前に評価された体重減少においても、有意な関連が観察され(HR:1.30、95%CI:1.07~1.58)、その後も同様の関連が認められた。

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コロナ既感染の高齢者、ワクチン接種後に強力な抗体反応を獲得/日本感染症学会

 高齢者介護施設の入所者と職員に対して、ファイザー製新型コロナワクチン(BNT162b2)接種後の抗体反応を検討した結果、高齢者であっても、新型コロナ既感染者であれば、ワクチン接種後に強力な抗体反応を獲得できることが示された。4月22~23日にオンラインで開催された第96回日本感染症学会総会・学術講演会で、九州大学の鄭 湧氏が発表した。本結果はJournal of Infection誌2022年3月1日号1)にも掲載されている。 本研究では、高齢入所者60例(平均年齢84.0歳、未感染者43例、既感染者17例)、施設職員66例(平均年齢46.7歳、未感染者34例、既感染者32例)の計126例を対象とし、2021年5~7月にファイザー製ワクチンを2回接種し、接種前後の検体を用いて、SARS-CoV-2スパイク蛋白特異的IgG抗体価を測定した。感染防御水準は、ワクチン製造元の指示に基づき、抗体価4,160 AU/mLとした。 研究によると、ワクチン2回接種後、ほとんどすべての未感染職員では、感染防御水準以上の抗体価を獲得したのに対し、未感染高齢入所者の約60%は獲得しておらず、抗体価が有意に低かった。一方、すべての既感染高齢入所者は、ワクチン1回目接種後の時点で、感染防御水準を超える抗体価を獲得していた。 未感染の職員および入所者では、接種1回後と2回後とも、加齢と共に抗体価は減少傾向にあった。一方、既感染の職員および入所者では、加齢による抗体価の減少も認められなかった。 さらに、既感染の職員および入所者では、コロナ感染後3~4ヵ月よりも、感染後13~15ヵ月経過してワクチン接種したほうが、接種後の抗体価が高い傾向が見られ、感染後1年以上でも、新型コロナの特異免疫を維持していることが示された。 本研究により、未感染の高齢者は、ワクチン2回接種後でも新型コロナに対し十分な抗体反応を獲得できない可能性がある一方で、既感染者では高齢であっても、感染後1年以上経過しても、ワクチン接種により迅速かつ強力な抗体反応を獲得できる可能性が示唆された。

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HR+/HER2-乳がんへの術前ニボルマブ+パルボシクリブ+アナストロゾール、安全性データを発表(CheckMate 7A8)/ESMO BREAST 2022

 ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2−)乳がん患者に対する術前療法としての、ニボルマブ+パルボシクリブ+アナストロゾールの3剤併用は、主に肝毒性による安全性上の懸念から組み入れが停止され、無作為化試験には進まないことが報告された。前臨床試験では免疫チェックポイント阻害薬とCDK4/6阻害薬の相乗効果の可能性が示唆されていた。米国・ダナファーバーがん研究所のSara M. Tolaney氏が、欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2022、2022年5月3~5日)で第Ib/II相CheckMate 7A8試験の安全性確認期間における安全性データおよび予備的有効性データを報告した。[CheckMate 7A8試験]・対象:新たにHR+/HER2−乳がんと診断された閉経後女性あるいは男性(腫瘍径≧2cm、ECOG PS 0~1)・試験群1(9例):ニボルマブ480mgを4週間間隔で静脈内投与+パルボシクリブ125mgを1日1回経口投与(3週間)後1週間休薬+アナストロゾール1mgを1日1回経口投与×5サイクル・試験群2(12例):ニボルマブ480mgを4週間間隔で静脈内投与+パルボシクリブ100mgを1日1回経口投与(3週間)後1週間休薬+アナストロゾール1mgを1日1回経口投与×5サイクル・評価項目:[主要評価項目]用量制限毒性(DLT:治療開始後最初の4週間に発生した治療に起因する有害事象)[副次評価項目]安全性、病理学的完全奏効(pCR)、奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・主なGrade≧3の治療関連AE(TRAE)は、試験群1ではALT上昇(33.3%)、AST上昇(33.3%)、好中球減少症(22.2%)、白血球数減少(22.2%)、試験群2では好中球数減少(41.7%)、好中球減少症(16.7%)だった。両群で治療関連の死亡は報告されていない。・DLTは、試験群1では9例中2例で報告され(22.2%)、1例は肝炎、もう1例は発熱性好中球減少症だった。試験群2では報告されていない。・両群の全21例中9例で毒性により治療が中止された。6例(29%)はGrade≧3の肝臓のAE(ALT上昇とAST上昇:2例、ALT上昇:1例、トランスアミナーゼ上昇:2例、高トランスアミナーゼ血症:1例)、Grade≧3の発疹とGrade2の免疫介在性肺障害、Grade1の肺臓炎、Grade3の発熱性好中球減少症が1例ずつだった。・pCRが得られたのは試験群2の1例で、全体としてpCR率は4.8%。CRは1例、PRは14例で、放射線画像評価によるORRは、71.4%だった。 Tolaney氏は、今回の結果と文献上の他データに基づくと、抗PD-1薬とCDK4/6阻害薬の併用は、肝毒性および肺毒性のリスク増加のため、安全な使用は難しい可能性があるとまとめている。

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血栓回収脳卒中センターと地方脳卒中センター、死亡率に有意差なし/JAMA

 大血管閉塞による脳卒中が疑われる患者を、地方脳卒中センターに搬送した場合と血栓回収脳卒中センターへ搬送した場合を比較した結果、90日神経学的アウトカムについて有意な差は示されなかった。スペイン・Hospital Universitari Germans Trias i PujolのNatalia Perez de la Ossa氏らが、同国カタルーニャ州で行った住民ベースの多施設共同クラスター無作為化試験の結果を報告した。地方では血栓回収脳卒中センターへのアクセスが制限されており、大血管閉塞による脳卒中が疑われる患者の最適な搬送先病院の戦略は明らかになっていなかった。JAMA誌2022年5月10日号掲載の報告。血栓回収脳卒中センター搬送群vs.地元の脳卒中センター搬送群で評価 試験は2017年3月~2020年6月に、スペインのカタルーニャ州で、血栓摘出術が提供できない地方の脳卒中センターに近在する救急医療サービスを利用した、急性大血管閉塞による脳卒中が疑われる患者1,401例を対象に行われた。 被験者は、血栓回収脳卒中センターへと搬送された群(688例)と近接の地方脳卒中センターに搬送された群(713例)に無作為化され、追跡評価を受けた。最終フォローアップは2020年9月。 主要アウトカムは、虚血性脳卒中患者(標的集団)の90日時点の機能障害で、修正Rankinスケール(mRS)スコア(範囲:0[症状なし]~6[死亡])に基づき評価した。副次アウトカムは11項目で、標的集団におけるt-PA静脈内投与率および血栓摘出の割合、全無作為化集団(安全性評価集団)における90日死亡率などであった。 被験者登録は、2回目の中間解析後に無益性を理由に中止となった。90日時点のmRSスコア、死亡率とも有意差みられず 1,401例が安全性解析に登録された。うち1,369例(98%)から試験参加の承諾を得ており無作為化解析に包含された(男性56%、年齢中央値75歳[IQR:65~83]、National Institutes of Health Stroke Scale[NIH脳卒中スケール]スコア17[IQR:11~21])。主要解析には、標的虚血性脳卒中集団の949例が含まれた。 標的集団における主要アウトカムのmRSスコア中央値は、血栓回収脳卒中センター搬送群3(IQR:2~5)vs.地方脳卒中センター搬送群3(IQR:2~5)であった(補正後共通オッズ比[OR]:1.03[95%信頼区間[CI]:0.82~1.29])。報告された11の副次アウトカムのうち、8つで有意差が認められなかった。 標的集団において、一次搬送が地方脳卒中センターであった患者群と比較して、最初から血栓回収脳卒中センターに搬送された患者群は、t-PA静脈内投与を受けたオッズ比は有意に低く(229/482例[47.5%]vs.282/467例[60.4%]、OR:0.59[95%CI:0.45~0.76])、血栓摘出を受けたオッズ比は有意に高かった(235/482例[48.8%]vs.184/467例[39.4%]、OR:1.46[95%CI:1.13~1.89]。 安全性集団における90日死亡率は、両群で有意な差はみられなかった(188/688例[27.3%]vs.194/713例[27.2%]、補正後ハザード比:0.97[95%CI:0.79~1.18])。 著者は、「今回示された所見が、他の設定集団でも観察されるのか確認する必要がある」とまとめている。

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RBDダイマーベースの新規コロナワクチン、有効性を確認:第III相試験/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「ZF2001」について、大規模な成人集団において、完全接種後6ヵ月以上にわたり症候性COVID-19の発症および重症化に対する安全性と有効性が確認されたことを、中国科学院のLianpan Dai氏らが発表した。ZF2001は、武漢-Hu-1株からの重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の二量体タンデム-リピートスパイクタンパク質RBDを用いて開発されたワクチン。第I相および第II相の臨床試験で成人における安全性、忍容性および免疫原性があることが示されていた。NEJM誌オンライン版2022年5月4日号掲載の報告。ウズベキスタン、インドネシア、パキスタン、エクアドルで大規模無作為化試験 研究グループは、ZF2001の有効性および安全性を確認する第III相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験を実施した。試験は、ウズベキスタン、インドネシア、パキスタン、エクアドルの31臨床センターで行われ、18歳以上の被験者を無作為に、25μg量のZF2001を30日間隔で3回接種する群またはプラセボ群に割り付けて追跡評価した。さらに安全性の解析が、中国の施設のみで行われた。 主要エンドポイントは、症候性COVID-19の発症(3回接種後7日以上経過しておりPCR検査で確認されたものと定義)とした。主要副次エンドポイントは、3回接種後7日以上経過時点でのCOVID-19の重症化(COVID-19関連死も含む)であった。発症に対するワクチン有効率は75.7%、重症化への有効率は87.6% 2020年12月12日~2021年12月15日に、計2万8,873例がZF2001またはプラセボの1回以上の接種を受け、安全性解析に組み込まれた。2回目のデータカットオフ(2021年12月15日)の時点で、3回接種を完了しており、約6ヵ月間の追跡評価データが得られた2万5,193例を対象に主要有効性解析のアップデートを行った。 アップデータ解析において、主要エンドポイントの発症例は、ZF2001群158/1万2,625例、プラセボ群580/1万2,568例であり、ワクチン有効率は75.7%(95%信頼区間[CI]:71.0~79.8)であった。COVID-19重症化は、ZF2001群6例、プラセボ群43例であり、ワクチン有効率は87.6%(95%CI:70.6~95.7)。COVID-19関連死はそれぞれ2例、12例であり、ワクチン有効率は86.5%(95%CI:38.9~98.5)であった。 有害事象および重篤な有害事象の発現頻度は、両群間でバランスがとれていた。またワクチン関連死は報告されなかった。ZF2001群のほとんどの副反応(98.5%)はグレード1または2であった。

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