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実臨床における片頭痛予防薬フレマネズマブの有用性評価

 片頭痛は、社会的、経済的、機能的な負担を伴う疾患である。とくに慢性片頭痛(CM)または高頻度発作性片頭痛(HFEM)の患者において、その負担は顕著となる。イタリア・ローマ大学のFabrizio Vernieri氏らは、PEARL試験に登録されたイタリア人CMおよびHFEM患者を対象とした第2回中間サブ解析の結果として、イタリアの臨床現場における抗CGRPモノクローナル抗体フレマネズマブの使用に関する、最長12ヵ月間の治療期間における最新の実臨床データを報告した。Neurological Sciences誌オンライン版2025年10月17日号の報告。 第2回中間サブ解析では、PEARL試験に登録され、イタリアの頭痛専門施設で治療を受け、12ヵ月間のフレマネズマブ治療を完了した片頭痛患者のサブグループからデータを収集した(データカットオフ日:2023年6月15日)。主要エンドポイントは、フレマネズマブ投与開始後6ヵ月間における1ヵ月当たりの片頭痛日数(MMD)が50%以上減少した患者の割合とした。副次エンドポイントには、12ヵ月目まで評価されたベースラインからの平均MMDの変化量などを含めた。安全性の評価は、報告された有害事象に基づき行った。 主な結果は以下のとおり。・イタリアの頭痛専門施設に登録された片頭痛患者354例のうち、343例(CM:63.8%、HFEM:36.2%)を有効性解析対象に含めた。・データが利用可能な対象患者のうち、フレマネズマブ投与開始後6ヵ月間で平均MMDが50%以上減少した患者の割合は、61.2%であった。・ベースラインからの平均MMDの変化量は、1ヵ月目で-8.2±7.4、12ヵ月目で-8.9±6.9であった。・本試験において、新たな安全性に関する懸念は認められなかった。 著者らは「イタリアの片頭痛治療における臨床現場において、フレマネズマブは有効かつ忍容性が良好な治療選択肢であることが示された。この結果は、フレマネズマブに関するこれまでの実臨床における結果と一致している」としている。

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へき地の在宅医療の利用実態が判明/頴田病院・横浜市立大

 わが国では、急激な高齢化と地方での医療者の不足により医療の地域偏在が問題となって久しい。では、実際にこの偏在、とくに在宅医療の利用について、地域格差はどの程度あるのであろうか。この問題について、柴田 真志氏(頴田病院)と金子 惇氏(横浜市立大学大学院データサイエンス研究科)の研究グループは、レセプトデータを用いて、在宅医療利用の地域格差を調査した。その結果、日本全国で在宅医療の利用率に数十倍の地域格差が存在することがわかった。この結果は、Journal of General Internal Medicine誌オンライン版2025年10月30日号で公開された。 研究グループは、2019~20年度のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)から全国335の二次医療圏の在宅医療利用の実態を分析した。分析では、「訪問診療、緊急往診、死亡診断書、終末期ケア」の4指標を設定し、年齢・性別を調整した標準化レセプト出現比(SCR)を算出し、「へき地度」を表す尺度である「Rurality Index for Japan」(RIJ)との相関を分析した。 主な結果は以下のとおり。・SCRの最大値と最小値の比率は、訪問診療で82.0、緊急往診で210.3、死亡診断書で33.2、終末期ケアで29.5と顕著な地域格差が確認された。・SCRとRIJのスピアマンの順位相関係数は、訪問診療で-0.619、緊急往診で-0.518、死亡診断書で0.225、終末期ケアで-0.541だった(すべてp<0.001)。 研究グループは、この結果から「全国で在宅医療の利用率に数十倍の地域格差が存在し、へき地ほどほとんどのサービス利用率が低い。これらの結果は、地理的障壁が在宅医療へのアクセスに重大な影響を与えることを示唆し、RIJがこうした医療格差を特定・是正する有効な指標として有用であることを示している。わが国のへき地における在宅医療への公平なアクセス改善に向け、対象を絞った政策介入の指針となる」と結論付けている。

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75歳以上のNSCLC、術前ICI+化学療法は安全に実施可能?(CReGYT-04 Neo-Venus副次解析)/日本肺学会

 StageII~IIIの切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、ニボルマブ+化学療法による術前補助療法が2023年3月より使用可能となった。そこで、実臨床におけるニボルマブ+プラチナ併用化学療法による術前補助療法の安全性・有効性を検討する多施設共同後ろ向き観察研究「CReGYT-04 Neo-Venus」が実施された。本研究では、第III相試験「CheckMate-816試験」と一貫した安全性が示され、実行可能であることが報告された1)。 ただし、実臨床における肺がん手術例の約半数は75歳以上の高齢者である。また、高齢者を対象に、免疫チェックポイント阻害薬+化学療法による術前補助療法の安全性・有効性を検討した報告はない。そこでCReGYT-04 Neo-Venusの副次解析として、75歳以上の高齢者における安全性・有効性に関する解析が実施された。本解析結果を松原 太一氏(九州大学病院 呼吸器外科)が、第66回日本肺学会学術集会で発表した。 対象は、ニボルマブ+プラチナ併用化学療法による術前補助療法を1サイクル以上受けた切除可能StageII~III NSCLC患者131例。このうち、登録時に術前補助療法を実施中であった1例を除外した130例を解析対象とした。解析対象患者を年齢で2群(75歳以上:28例/75歳未満:102例)に分類し、患者背景や治療成績を比較した。 主な結果は以下のとおり。・患者背景について、75歳以上の高齢群は非高齢群と比較して、男性が少ない(67.9%vs.87.3%)、他がんの既往ありが多い(32.1%vs.11.8%)という特徴があった。糖尿病や冠動脈疾患などの合併症については、2群間で差はみられなかった。臨床的StageやPD-L1発現状況についても2群間で差はみられなかった。・化学療法の種類について、高齢群はカルボプラチンベースのレジメンが多かった(96.4%vs.75.5%)。・術前補助療法の完遂割合は高齢群92.9%、非高齢群84.3%であった。・術前補助療法の奏効割合は高齢群68%、非高齢群66%であり、病勢コントロール割合はそれぞれ100%、96%であった。・術前補助療法におけるGrade3以上の治療関連有害事象は高齢群35.7%、非高齢群27.5%に発現した。全Gradeの免疫関連有害事象は高齢群7.1%、非高齢群25.5%に発現し、高齢群のほうが少なかった(p=0.0393)。・手術実施割合は高齢群92.9%(予定症例3.6%を含む)、非高齢群91.5%(同2.9%を含む)であった。非実施割合はそれぞれ7.1%(病勢進行1例、AE 1例)、8.8%(病勢進行4例、患者拒否2例、AE 1例、その他2例)であった。・手術実施例におけるR0切除割合は高齢群96.0%、非高齢群98.9%であった。・病理学的完全奏効(pCR)割合は高齢群20.8%、非高齢群39.3%であり、病理学的奏効(MPR)割合はそれぞれ54.2%、60.7%であった。 本結果について、松原氏は「pCR、MPR割合は非高齢群と比較するとやや低いものの、臨床試験の結果と比較しても全体的に良好な結果であった」と考察し「高齢者に対するニボルマブ+化学療法による術前補助療法は忍容性があり、病理学的奏効も期待できる治療であると考えられる。今後は長期フォローアップでの有効性の検討や、他の術前・術後補助療法の忍容性・有効性の検討も必要である」とまとめた。

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成人期発症ネフローゼ症候群、リツキシマブで再発抑制/JAMA

 成人期発症の頻回再発型ネフローゼ症候群(FRNS)またはステロイド依存性ネフローゼ症候群(SDNS)患者において、リツキシマブはプラセボと比較し49週時の再発率を有意に改善し、再発予防にリツキシマブが有用であることが示された。大阪大学大学院医学系研究科の猪阪 善隆氏らが、国内13施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果を報告した。FRNSまたはSDNSの成人患者におけるネフローゼ症候群再発に対するリツキシマブの有効性は不明であった。JAMA誌オンライン版2025年11月5日号掲載の報告。リツキシマブまたはプラセボを、1週時、2週時、25週時に投与、1年間追跡 研究グループは、2020年9月1日~2022年6月28日に、直近の再発に対するステロイド治療開始後の尿検査で尿蛋白<0.3g/gCrを2回以上認めたFRNS(6ヵ月間に2回以上再発するネフローゼ症候群)またはSDNS(ステロイド薬を減量・中止後に再発を2回以上繰り返し、ステロイド薬を中止できないネフローゼ症候群)の成人患者を登録した。適格患者をリツキシマブ群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、375mg/m2/回を1週時、2週時および25週時に静脈内投与し、49週間追跡した(最終追跡調査日2024年3月15日)。 主要アウトカムは、49週時点でネフローゼ症候群の再発が認められなかった患者の割合とした。再発は、尿蛋白1g/gCr以上を連続2回測定した場合と定義した。49週時の無再発率はリツキシマブ群87.4%、プラセボ群38.0% 計72例がリツキシマブ群(36例)とプラセボ群(36例)に無作為化された。患者背景は、平均年齢47.9歳、女性56.1%であった。このうち、66例(92%)が少なくとも1回試験薬を投与され、解析対象集団に含まれた。 49週時の無再発率は、リツキシマブ群で87.4%(95%信頼区間[CI]:69.8~95.1)、プラセボ群で38.0%(95%CI:22.1~53.8)であった(p<0.001、片側log-rank検定)。層別Coxモデルでは、リツキシマブ群のプラセボ群に対する再発のハザード比は0.16(95%CI:0.05~0.46;p<0.001)であった。 無再発期間中央値は、リツキシマブ群で>49.0週(範囲:4~≧50)、プラセボ群で30.8週(2~≧51)であった。 最も発現頻度が高い有害事象はインフュージョンリアクション(リツキシマブ群13例[40.6%]、プラセボ群1例[2.9%])であった。Grade3の有害事象は、リツキシマブ群で15.6%(5/32例)、プラセボ群で5.9%(2/34例)に認められた。

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女性のがん、39ヵ国の診断時期・治療を比較/Lancet

 英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のClaudia Allemani氏らVENUSCANCER Working Groupは、女性に多い3種類のがん(乳がん、子宮頸がん、卵巣がん)の治療提供状況について初めて世界規模で評価した「VENUSCANCERプロジェクト」の解析結果を報告した。低・中所得国では、早期がんと診断された女性がガイドラインに準拠した治療を受けやすくなってはいたが、早期診断される女性の割合は依然として非常に低いままであることを示した。著者は、「解析で得られた知見は、WHOの世界乳がんイニシアチブや子宮頸がん撲滅イニシアチブといった、がん対策への国際的な取り組みの実施とモニタリングを支援する重要なリアルワールドエビデンスである」としている。Lancet誌2025年11月15日号掲載の報告。ガイドライン準拠、診断~治療開始の期間中央値を評価、高所得国と低・中所得国の受療確率を分析 研究グループは、CONCORDプログラムに乳がん・卵巣がん・子宮頸がんのデータを提供した全322のがん登録に対して、VENUSCANCERプロジェクトへのデータ提供を要請し、世界39の国と地域における103のがん登録から得られた2015~18年のいずれかの1年間に乳がん、子宮頸がん、または卵巣がんと診断された女性の高精度データを解析した。高精度データには、診断時Stage、Stage分類手順、腫瘍グレード、バイオマーカー(ER、PR、HER2)、各治療法(手術、放射線療法、化学療法、内分泌療法、抗HER2療法)の初回治療コースおよび関連する日付が含まれた。 国または地域別に予後因子、国際臨床ガイドライン(ESMO、ASCO、NCCN)との整合性を示す主要な指標、および診断から治療開始までの期間中央値を評価した。年齢と腫瘍のサブタイプを調整し、高所得国と低・中所得国におけるガイドラインに沿った治療を受けられる確率を分析した。低・中所得国では、早期診断される女性の割合が依然として非常に低い 解析には、3種類のいずれか1つのがんと診断された女性計27万5,792例が包含された。乳がん診断者21万4,111例(77.6%)、子宮頸がん(上皮内がんを含む)診断者4万4,468例(16.1%)、卵巣がん診断者1万7,213例(6.2%)であった。 高所得国では、早期・リンパ節陰性のがんは乳がん診断者および子宮頸がん診断者の40%超を占めていたが、卵巣がん診断者では20%未満であった。一方、低・中所得国では、これらの割合は3つのがんすべてでおおむね20%未満であった。ただしキューバ(乳がん30%)、ロシア(子宮頸がん36%、卵巣がん27%)では高かった。 国際ガイドラインとの整合性には大きなばらつきが認められ、とくに早期乳がんに対する手術・放射線療法(ジョージア13%~フランス82%)、進行子宮頸がんに対する化学療法(モンゴル18%~カナダ90%)、転移のある卵巣がんに対する手術+化学療法併用(キューバ9%~米国53%)で顕著であった。 何らかの手術が提供されたのは、高所得国では78%、低・中所得国では56%であり、早期がんに対する初期治療(臨床ガイドラインに準拠した)は、乳がんと比べて子宮頸がんと卵巣がんのほうがより均一に行われていた。高所得国と低・中所得国のいずれにおいても、高齢女性(70~99歳)は50~69歳の女性との比較において臨床ガイドラインに準拠した初期治療を受ける確率が低かった。 早期がんの診断から治療までの期間中央値は、複数の高所得国では1ヵ月未満であったが、モンゴルの子宮頸がんおよびエクアドルの卵巣がんでは最大4ヵ月、モンゴルの乳がんでは最大1年であった。

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フィリピン先生の無茶振り【Dr. 中島の 新・徒然草】(607)

六百七の段 フィリピン先生の無茶振りなんだか寒くなったと思ったら、もう立冬ですよ。そろそろ年賀状の準備をする時期ですが、今年はどうしようかと迷っています。郵便料金も大幅に上がったことだし。そろそろ止め時かも。さて、オンライン英会話では、しばしば初対面のフィリピン人講師に当たります。こちらは自己紹介をしたら、さっさと本日のテーマに移りたいと思っているのですが「職業:医師」というところに食いつかれがち。「なんでドクターになろうと思ったの?」「これまでで一番長い手術は?」「日本でもドクターはお金持ちなの?」あれこれと質問攻めにされてしまいます。時には、これ幸いとばかり健康相談をされることも。「ちょっと医学的なことでアドバイスしてほしいんだけど」確か今日の講師は22歳とか言っていたはず。一体どんな病気があるというのでしょう!でも念のために聞いてみましょう。「何か病気があるんですか?」「私はいたって健康よ」呆れた。じゃあ診断もクソもないじゃないですか。「今の私の健康を保つ方法を教えて欲しいの。ドクターなら知っているでしょ?」そりゃアアタ、無茶振りってもんすよ。本気で言ってるんですか?でも、こちらもダテに何十年もこの仕事をやってきたわけではありません。適当に聞いて適当に答えるテクニックこそが外来診療の真骨頂。だから、健康な人に対してもちゃんとアドバイスは準備してあります。ただね、英語で説明しようとすると難しいんですよ、これが。Since you inherit your parents’ genes, you might develop similar diseases.(先生はご両親の体質を引き継いでいるはずですから、同じような病気になる可能性がありますよ)ここで genes というのは「遺伝子」の複数形。衣服の jeans と同じ発音だそうです。If your mother has diabetes mellitus, you might develop the same condition, so you’d better keep an eye on your blood sugar from a young age.(もしお母さんが糖尿病なら先生も糖尿病になる可能性がありますから、若い時から血糖値には注意しておいたほうがいいですよ)われながら説得力のある回答。もちろん血圧や血糖値に注意しろ、などというのは素人でも使える万能アドバイスです。だから医師ならではの説得力を付け加えたいところ。確か脳卒中や心筋梗塞などの発症は、その半分くらいしかリスクファクターで説明できなかったんじゃなかったかな。ここでいうリスクファクターとは、喫煙とか飲酒とかですね。もう少し範囲を広げて、高血圧や脂質異常症まで入れてもいいかもしれないけど。いくら清く正しい生活を送ったとしても、いわゆる生活習慣病になってしまう人がたくさんいるのは、読者の皆さんがご承知のとおり。だから、リスクファクター以外の多くは体質なのだと私は思っています。たしか百何歳まで生きた女性がこう言ったのだとか。「長生きの秘訣はタバコじゃ。私に禁煙を勧めてきた医者は、どいつもこいつも先に死によった」喫煙しながら百歳以上生きたのであれば、よほど優れた遺伝子を親から引き継いだに違いありません。だから祖父母や親の病気をよく見ておいて、自分がかからないように、あるいはかかったとしても先手を打って治療すべきだと思います。問題は……こういった話をどうやって英語でフィリピン人講師に説明したらいいのか、ですね。果てしなき英語修業は続きます。最後に1句 立冬や 健康相談 聞き流す

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映画「エクソシスト」【その2】だから憑依は「ある」んだ!-進化精神医学から迫る憑依トランス症の起源

今回のキーワード演技性退行同調性ストックホルム症候群被暗示性祈祷性精神病[目次]1.なんで憑依は「ある」の?2.憑依とは?前回(その1)、憑依するメカニズムを、脳科学の視点から仮説を使って解き明かしました。しかし、暗示の影響程度で特定のニューラルネットワークが分離する根本的な原因については説明していませんでした。つまり、そもそもなぜ憑依は「ある」のかということです。この謎の答えに迫るために、今回も引き続き、映画「エクソシスト」を踏まえて、進化精神医学の視点から、憑依の起源に迫ります。なお、憑依の正式名称は憑依トランス症です。ただ、この記事では、わかりやすさを優先して、そのまま「憑依」で表記します。なんで憑依は「ある」の?ここで、進化精神医学の視点から、3つの心理の進化に注目して、憑依の起源を掘り下げてみましょう。(1)演じる心理-演技性約700万年前に人類が誕生し、約300万年前に部族集団をつくるようになりました。まだ言葉を話せないなか、けがをして動けないから運んでほしいことなどを何とか身振り手振りや表情などの非言語的コミュニケーションで演じて伝えていたでしょう。そして、大げさに演じたほうが、より助けてもらえたでしょう。1つ目は、演じる心理、演技性です。これは、相手にどう見られるかを想像する能力(心の理論)によって、「困ったふり」で生き延びることです。なお、演じる心理の起源の詳細については、関連記事1をご覧ください。この「困ったふり」を無意識に演じるように進化した心理現象としては、いわゆる「幼児返り」「赤ちゃん返り」(退行)、そして拘禁反応(ガンザー症候群)が挙げられます。拘禁反応とは、刑務所の独房や精神科病院の隔離室に長時間閉じ込められたり縛られたりした結果、まるでふざけたように的外れな返事をするようになること(的はずれ応答)です。両方とも小さな子供のように振る舞っており、一見奇妙な現象であると思われますが、この「困ったふり」という解離のメカニズムから説明することができます。ちなみに、「困ったふり」は、米国ドラマ「24」を題材として説明した腰抜け(解離性神経学的症状症の脱力発作)と同じ生存戦略であると考えることができます。この起源の詳細については、関連記事2をご覧ください。(2)合わせる心理―同調性約300万年前以降、人類は部族集団を維持するために、周りとうまくやっていこうとする心理が進化しました(社会脳)。そのために、周りと同じような見た目や動きをすると、心地良くなるようになったでしょう。また、相手が強ければ従い、弱ければ従えていたでしょう。2つ目は、周りに合わせる心理、同調性です。これは、先ほどの「困ったふり」で生き延びるのとは対照的に、「合わせるふり」で生き延びることです。なお、この同調によって、従う心理が極端になってしまったのがストックホルム症候群とマインドコントロール、従える心理が極端になったのがモラルハラスメントです。ちなみに、ストックホルム症候群とマインドコントロールは、解離症のその他として分類されていますが、モラルハラスメントは解離症を含め精神障害には分類されていません。進化精神医学的に考えれば、ストックホルム症候群やマインドコントロールと相互作用するモラルハラスメントも同じく解離症に分類されても良さそうなのにです。そのわけは、モラルハラスメントを病気として認定してしまうと法的にある程度許容しなければならなくなるからです。いくら病的な要素があっても、病気認定をしてしまうと被害者感情を逆なでしたり、犯罪抑止の観点からは逆効果になる可能性があります。このようなことから病的な要素を考慮しない(考慮するべきではない?)という社会的な「事情」が影響していることがうかがえます。ストックホルム症候群とモラルハラスメントの起源の詳細については、関連記事3をご覧ください。ちなみに、いわゆる「こっくりさん遊び」も、集団で無意識に同じ答えを導いてしまうなどの一見奇妙な現象に思われます。また、いわゆる「後追い自殺」(ウェルテル効果)も、生物としての生存本能に反していて不自然に思われます。しかしこれらも、この「合わせるふり」という解離のメカニズムから説明することができます。(3)なりきる心理―被暗示性約20万年前に、現在の人類(ホモサピエンス)が誕生してから、言葉を話すようになりました。そして、10万年前に、抽象的思考(概念化)ができるようになりました。この時、ようやく神の存在や死後の世界を想像できるようになったでしょう。そして、そのような超越的な存在を説明する人が必要になったでしょう。そんななか、神の声が聞こえる人は崇められたでしょう。これは、統合失調症の起源であると考えられます。この詳細については、関連記事4をご覧ください。統合失調症の人によって原始宗教が誕生したわけですが、統合失調症ほど継続して神の声を聞くことはできなくても、宗教儀式によって一時的にでも神の声を聞いたり、神や死者の霊になりきることができれば、その人も尊ばれたでしょう。しかし同時に、周りの人たちの思い入れや思い込みの影響で、悪魔にもなりきってしまったでしょう。3つ目は、周りが暗示したものになりきる心理、被暗示性です。これは、先ほどの「困ったふり」「合わせるふり」で生き延びるのと同じように、「なりきるふり」で生き延びることです。そして、これが憑依の起源と考えられます。その後、しばらくは、統合失調症と同じく、憑依はシャーマンや霊媒師という宗教的職能者として社会に溶け込んでいたでしょう。一方で、悪魔になってしまう憑依については、まさにこの映画のようなエクソシスト(祈祷師)たちが、悪霊は退散しろという暗示を再びかけて憑依を解くなどして活躍したでしょう。しかし、約200年前の産業革命以降、人格は1つであり変わらないという合理主義や個人主義の価値観が広がり、憑依は非科学的とされ、病気として認識(病理化)されるようになったのでした。なお、現在の精神医学の診断基準(ICD-11)において、「文化、宗教的な体験として受容されるトランス状態には、これらの診断を下すべきではない」「集団的文化や宗教の一部として受容されず、個人や社会にとって著しい苦痛や不利益を生じるときに診断の対象となる」と明記されており、現在でもトラブルを起こさなければ、病気認定しないという配慮がなされています。ちなみに、祈祷などの宗教的な影響(暗示)によって、憑依を含め、神の声を聴く(幻聴)、罰当たりを確信する(被害妄想)などの症状がある場合は、従来から祈祷性精神病と呼ばれていました1)。また、そのような症状がある人の影響(暗示)によって、近しい人が同じ幻聴や被害妄想などの症状が出てくる場合は、従来から感応精神病と呼ばれていました2)。これらは、「なりきるふり」という解離のメカニズムから説明することができます。憑依とは?「困ったふり」(演技性)、「合わせるふり」(同調性)、そして「なりきるふり」(被暗示性)という憑依の心理の進化を俯瞰すると、憑依とは神や死者の霊、時に悪魔になりきることで、周りの人々に超越的な存在を実感させて、まとまって助け合う気持ちを促したでしょう。預言者としてリーダーを担っていた統合失調症ほどではないにしても、憑依は、宗教的職能者の1人としてサブリーダー的な役割があったのではないでしょうか? そして、統合失調症と並んで、憑依は、人類が助け合って生き残るための、壮大なフィクションを演出する機能であったと言えるのではないでしょうか? 1) 祈祷性精神病 憑依研究の成立と展開、p7:大宮司信、日本評論社、2022 2) ICD-10 精神および行動の障害、p114:医学書院、2003 ■関連記事NHKドラマ「心の傷を癒すということ」【その2】地震ごっこは人類進化の産物だったの!? だから楽しむのがいいんだ!-プレイセラピー米国ドラマ「24」【その2】なんで腰抜けや記憶喪失は「ある」の?-進化精神医学から迫る解離症の起源美女と野獣【実はモラハラしていた!?なぜされるの?どうすれば?(従う心理)】映画「ミスト」 ドラマ「ザ・ミスト」(後編・その2)【なんで統合失調症は「ある」の?(統合失調症の機能)】

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身寄りのない患者を看取る【非専門医のための緩和ケアTips】第112回

身寄りのない患者を看取る今回は「身寄りのない患者さんのお看取り」に関する質問をいただきました。都市でも地方でも、こういった難しい状況に直面することが増えてきているのでしょう。医療者として、どのようなことを理解しておく必要があるでしょうか?今回の質問急性期病院から一人暮らしで身寄りのない患者の訪問診療を依頼されました。当面は穏やかに自宅で過ごせそうで、当院で訪問診療を行う予定です。ただ、将来のお看取りの際にどのように対応すれば良いかと考えています。このような患者さんをお看取りする際には、どのような注意点があるのでしょうか?一人暮らしの高齢者は今後ますます増えることが予想されており、非常に大切なテーマだと思います。その中でも頼れる家族や親族がいない場合、医療者としては、いくつか考えておくべきことがあります。1)介護サポートをどうするか家族の介護が期待できない分、どうしても自宅での療養が難しくなる場合があります。もちろん、介護保険の介護サービスを使いながら住まいと介護のサポートをする形が一般的です。費用面で問題がなければ、施設入所も現実的な選択肢となるでしょう。2)意思決定をどうするか本人の意思決定能力が低下している場合、家族と医療者が話し合い、本人の意思を推定しながら医療とケアの方針を話し合います。しかし、身寄りがない場合はこういった方法を採ることができません。本人に意思決定能力がある状態であれば、事前の話し合いがより重要になります。また、医療や介護の関係者が本人にとっての最善を検討することが必要で、場合によっては成年後見制度を活用することも検討します。3)身寄りがない背景に注意する「身寄りがない」という場合、本当に天涯孤独のケースもありますが、さまざまな事情で家族・親族と縁が切れてしまっているケースもあります。私の経験でも、過去に飲酒、借金、暴力の問題があった患者さんでは、子供から「もう関係ないので、連絡しないでほしい」と言われたことがあります。医療者が解決できる問題ではないことが大半ですが、「身寄りがない」状況の背景にある因子を確認しておくことが、無用なトラブルを防ぐことにつながります。4)関係者を適切に増やし、情報共有をする身寄りがない患者さんのお看取りは、医療機関と医療者だけではできないことが大半であり、さまざまな関係者の力を借りながら対応することが求められます。医療や介護の専門職だけでなく、生活支援をするNPOのような地域のリソースや大家さんのような立場の方にも状況を擦り合わせる必要があるかもしれません。「地域で看取る」ためには医療者以外の力も合わせて取り組んでいく必要があり、適切な情報共有が求められます。もっとたくさんの論点があるのですが、まずは上記の点を確認し、経験のある方に相談しながら取り組みましょう。無理のない範囲で、患者さんの人生の最終段階を支えていただければと思います。今回のTips今回のTips身寄りのない患者さんの看取りは関係者と情報共有をしながら、準備することが大切です。

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第37回 「これは偽薬です」と伝えても効く? 「正直なプラセボ」が切り開く医療の未来

「プラセボ(偽薬)」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか。おそらく多くの人が、新薬の臨床試験で使われる「効果のないニセモノの薬」といったイメージを持つでしょう。そして、「プラセボ効果」は、患者さんが「本物の薬だ」と信じ込むことで生じる、つまり、「騙すこと」がその効果の前提条件だと、長年考えられてきました。しかし、もし医師が患者さんに「これは砂糖玉で、薬としての成分は一切入っていません」と正直に伝えたうえで投与したら?この素朴でありながら常識破りの疑問に挑んだのが、米国・ハーバード大学医学部のTed J. Kaptchuk氏です。彼が15年前に行った研究は、医療界の常識を揺るがす驚くべき結果を示しました。なんと、偽薬だと知らされて飲んだ患者さんでさえ、症状の改善が見られたのです。この「正直なプラセボ(オープンラベル・プラセボ)」と呼ばれるアプローチは今、慢性的な痛みやうつ症状の治療において、従来の医療を補完する新たな可能性として、大きな注目を集めています1)。「秘密」は不要だった? 「正直なプラセボ」の衝撃Kaptchuk氏が2010年に発表した画期的な研究は、過敏性腸症候群(IBS)の患者さんを対象に行われました。一方のグループには何も治療を行わず、もう一方のグループには「これはプラセボ(ただの砂糖玉)です」と正直に説明したうえで、偽薬を処方しました2)。常識的に考えれば、効果があるはずがありません。しかし結果は予想を裏切るものでした。偽薬だと知らされたうえで飲んだグループは、何も治療を受けなかったグループに比べて、IBSの症状が有意に改善したのです。この研究は、「プラセボ効果に『騙す』というプロセスは必ずしも必要ではない」という衝撃の事実を明らかにしました。もちろん、1つの研究だけで結論は出せません。しかし、この研究を皮切りに、世界中で「正直なプラセボ」の研究が進められました。ドイツ・フライブルク大学のStefan Schmidt氏らによる最新のメタ分析(複数の研究データを統合して分析する手法)では、60件の研究、4,500例以上のデータを分析した結果、「正直なプラセボ」の効果は確かにあり、とくに慢性的な痛み、うつ、不安、疲労感といった「患者さん自身が感じる症状(自己申告の症状)」で見られ、その効果は幻想ではないと結論付けられています3)。なぜ「偽薬」と知っても効くのか? 脳内の“薬局”と“儀式”では、なぜ「ニセモノ」だとわかっていても私たちの身体は反応するのでしょうか。その完全なメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、いくつかの有力な説が浮上しています。Kaptchuk氏は、この現象を「身体の中には“薬局”が備わっている」と比喩表現しています。つまり、プラセボは、脳内にもともと備わったエンドルフィンやカンナビノイドといった「脳内鎮痛物質」の放出を促すと考えられています。言い換えれば、プラセボはそれ自体が効くのではなく、自分自身の脳が持つ鎮痛システム(薬局)を作動させるスイッチの役割を果たしているのです。このスイッチを押すために、とくに重要だとKaptchuk氏が強調するのが、「思いやりのある医師と患者の関係性」です。単に砂糖玉を渡すのではなく、医師が患者さんの苦しみに耳を傾け、「この治療があなたの自然治癒力を助けるかもしれません」と丁寧に説明し、信頼関係の中で行われること自体が、治療的な効果を生むというのです。Schmidt氏はこれを「治癒の儀式」という言葉で説明しています。「薬を飲む」という行為自体が、強力な「儀式」だというわけです。たとえ中身が砂糖だと知っていても、専門家である医師から処方され、期待を込めて服用するという「儀式」そのものが、脳にポジティブな変化をもたらすのではないか、と考えられています。この仮説を裏付ける強力な証拠もあります。イタリアの神経科学者Fabrizio Benedetti氏の研究では、プラセボで鎮痛効果が得られた人に、オピオイド拮抗薬(モルヒネなどの鎮痛効果を打ち消す薬)であるナロキソンを注射すると、その鎮痛効果が消えてしまうことが示されました。これは、プラセボが、実際に脳内のオピオイドシステム(脳内の薬局)を働かせていたことを意味します。Benedetti氏は、この現象を「ホラー映画」に例えます4)。私たちは映画に出てくる怪物が作り物だと知っていても、恐怖を感じ、心拍数が上がります。それと同じように、たとえ偽薬だとわかっていても、私たちの脳と身体は、治療という文脈や儀式に対して、無意識に反応してしまうのです。期待と倫理的ジレンマ:本当に医療に使えるのか?プラセボの研究が進むにつれ、これを実際の臨床現場で使おうという動きも出てきています。たとえば、米国ではオピオイド(医療用麻薬)の依存症が深刻な社会問題となっていますが、慢性的な痛みに苦しむ患者さんへの新たな選択肢として期待されています。米国・ノースウェスタン病院の医師らは、脊柱側弯症の術後という強い痛みを伴う青少年の患者に対し、オピオイドとプラセボを併用することで、オピオイドの使用量を減らせないかという臨床試験を計画しています。副作用や依存リスクのない治療として、その応用に期待が集まります。しかし、この「正直なプラセボ」の臨床応用には、大きな倫理的ジレンマが伴います。最大の懸念は、Benedetti氏らが指摘するように、プラセボが「エセ医療」を正当化する口実として悪用されるリスクです。科学的根拠のない治療法を提供する人々が、「これはプラセボ効果だから安全で効果がある」と主張し始めるかもしれません。スイス・バーゼル大学のMelina Richard氏が行った倫理的なレビューでも、この懸念が最も大きな問題として挙げられています5)。さらに、治療において「ポジティブシンキング(前向きな思考)」が過大評価されることで、医学的に証明された有効な治療法を患者さんが避けてしまう危険性も指摘されています。また、Richard氏は、この分野の研究者がまだ特定のグループに限られており、エコーチェンバーに陥っているリスクも指摘しています。彼女は、より多様な視点からの議論が必要であり、「プラセボの臨床応用は時期尚早である」というのが、現時点での一般的な科学的コンセンサスだと述べています。この慎重論に対し、Kaptchuk氏は「インチキ療法師は自らの治療をプラセボとは言わない。彼らは『気』や『未知のエネルギー』が効くと言うのだ」と反論します(皮肉にも「正直なプラセボ」の効果は、エセ医療の効果すら裏づけているとも言えなくもありませんが)。そして、米国でオピオイド危機により何百万人もの人々が苦しんでいる現実を前に、「時期尚早だと言っている人々は、その苦しみを知らないのか? 決めるのは患者自身であるべきだ」と強く訴えています。「正直なプラセボ」の研究は、まだ始まったばかりです。しかし、その効果が本物であるならば、それは単に「偽薬が効いた」という話にとどまりません。医師と患者の信頼関係、治療という行為自体が持つ「意味」、そして私たち自身が持つ「治癒力」の重要性を、科学が改めて解き明かそうとしているのかもしれません。 参考文献・参考サイト 1) Webster P. The mind-bending power of placebo. Nat Med. 2025;31:3575-3578. 2) Kaptchuk TJ, et al. Placebos without deception: a randomized controlled trial in irritable bowel syndrome. PLoS One. 2010;5:e15591. 3) Fendel JC, et al. Effects of open-label placebos across populations and outcomes: an updated systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. Sci Rep. 2025;15:29940. 4) Benedetti F, et al. Placebos and Movies: What Do They Have in Common? Curr Dir Psychol Sci. 2021 Jun;30(3):202-210. 5) Richard M, et al. A systematic qualitative review of ethical issues in open label placebo in published research. Sci Rep. 2025;15:12268.

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意外な所に潜む血栓症のリスク/日本血液学会

 2025年10月10~12日に第87回日本血液学会学術集会が兵庫県にて開催された。10月12日、井上 克枝氏(山梨大学 臨床検査医学)、野上 恵嗣氏(奈良県立医科大学 小児科)を座長に、シンポジウム6「意外な所に潜む血栓症のリスク」が行われた。Nan Wang氏(米国・Columbia University Irving Medical Center)、Hanny Al-Samkari氏(米国・The Peggy S. Blitz Endowed Chair in Hematology/Oncology, Massachusetts General Hospital/Harvard Medical School)、長尾 梓氏(関西医科大学附属病院 血液腫瘍内科)、成田 朋子氏(名古屋市立大学大学院医学研究科 血液・腫瘍内科学)。JAK2V617Fクローン性造血とアテローム血栓症との関連 JAK2V617F(Jak2VF)クローン性造血は、アテローム血栓性の心血管疾患(CVD)との関連が指摘されている。Wang氏は、本シンポジウムにおいて、Jak2VFクローン性造血が動脈血栓症に及ぼす影響とそのメカニズムを評価した研究結果を報告した。 まず、3つのコホート研究を用いたメタ解析により、Jak2VFとCVD、血小板数、補正平均血小板容積との関連が確認された。また、マウスモデルでは20%または1.5%のJak2VFクローン性造血が動脈血栓症を促進し、血小板活性化を増加させることが示された。 Jak2VFクローン性造血は、前血小板形成および放出を促進し、血栓形成促進性の網状血小板数を増加させると考えられている。Gp1ba-Creを介して血小板におけるJak2VFを発現させたモデル(VFGp1ba)は、血小板数が増加した一方、白血球数には影響が見られなかった。このことから、VFGp1baは、血小板活性化と動脈血栓症を促進する可能性が示唆された。 また、Jak2VFクローン性造血では、変異型血小板と野生型(WT)血小板のいずれもが活性化しており、両者の間にクロストークが存在することが示唆された。Jak2VF血小板では、COX-1およびCOX-2が2~3倍に増加し、cPLA2の活性化とトロンボキサンA2産生の増加が認められた。一方、WT血小板は、活性化Jak2VF血小板由来の培養液に曝されるとさらに活性化し、この反応はトロンボキサン受容体拮抗薬により抑制された。さらに、低用量アスピリンは、VFGp1baマウスおよびJak2VFクローン性造血マウスで頸動脈血栓症を改善したが、WT対照マウスでは改善が見られなかった。 これらの結果を踏まえてWang氏は「Jak2VFクローン性造血によるアテローム性動脈硬化症の進行メカニズムにおいて、網状血小板の増加とトロンボキサンを介したクロストークが重要な役割を果たしており、アスピリンの潜在的な効果が期待される」と結論づけた。ITPにおける血栓症リスクとその管理 続いて、Al-Samkari氏が免疫性血小板減少症(ITP)における血栓症の重要なトピックスを紹介した。 ITPは、血小板破壊の増加と血小板産生の低下により生じる後天性自己免疫疾患である。さまざまな仮説に基づくメカニズムから、ITPは静脈血栓症および動脈血栓症のリスクを上昇させる可能性が指摘されている。実際、ITP患者の静脈血栓塞栓症のリスクは、一般集団の10~30倍と推定されている。また、トロンボポエチン受容体作動薬などの特定のITP治療薬は、血栓塞栓症リスクを上昇させる一方、脾臓チロシンキナーゼ阻害薬などの他の治療薬はリスクを低下させるとされている。 ITPにおける血栓症のリスク因子は、一般的な血栓症リスク因子に加え、年齢、脾臓摘出、複数回のITPの治療歴、免疫グロブリン静脈(IVIG)療法などが挙げられる。脾臓摘出後の生涯静脈血栓症リスクは3〜5倍に増加し、その発症率は7〜12%と報告されている。IVIG治療患者における血栓症リスクは約1%であり、血栓イベントの60%以上が注入後24時間以内に発生すると報告されている。とくに、45歳以上の患者や血栓イベントの既往歴を有する患者では、リスクがより高いと考えられる。 ITPにおける血栓症の治療について、Al-Samkari氏は次のように述べた。「出血がない場合であっても、血小板数が5万/μLを超える患者では抗凝固療法または抗血小板療法が通常適応となる。また、血小板数が3万/μL以上の場合には、年齢やその他のリスク因子を考慮しつつ、治療用量の抗凝固療法と抗血小板薬2剤併用療法を選択する必要がある」。日本人血友病患者のCVD管理のポイント 先天性血友病患者が胸痛を呈し、心エコー検査でST上昇が認められる場合には、緊急冠動脈インターベンションが必要となる。このような症例は、血友病患者の高齢化に伴い今後増加する可能性がある。 先天性血友病は、第VIII因子(血友病A)または第IX因子(血友病B)の欠乏によって引き起こされるX連鎖性出血性疾患であり、その重症度は重症(活性1%未満)、中等症(1~5%)、軽症(5~40%)に分類される。2024年度の日本における血液凝固異常症全国調査によると、血友病Aは5,956例、血友病Bは1,345例であると報告されている。血友病患者は関節内出血などの深部出血を呈し、血友病性関節症の発症やQOL低下につながる可能性があることから、予防的な因子補充療法は依然として治療の基本である。 近年、血友病治療は目覚ましい進歩を遂げており、半減期を延長した凝固因子濃縮製剤、第VIII因子模倣二重特異性抗体、抗凝固経路を標的としたリバランス療法、そして海外でも利用可能となった遺伝子治療など、新たな治療選択肢が登場している。一方、日本では高齢の血友病患者が比較的少なかったことから、CVDなどの血栓性合併症はまれで、その管理のための確立したガイドラインや十分なデータが存在しなかった。しかし、非因子療法の普及や包括的ケアシステムの拡充に伴い、血友病患者の長期予後は改善しつつある。2024年の全国調査では、日本の血友病Aおよび血友病B患者の平均年齢は約40.2歳であり、患者集団の高齢化が進んでいることが明らかにされた。 2019年以降に40歳以上であった血友病患者599例をフォローアップしたADVANCEコホート研究では、5年間で17例の死亡が観察され、死亡時の平均年齢は62.4歳(中央値:58.0歳)であったことが報告されている。70〜90代まで生存した患者も報告されており、血友病患者の寿命が延長していることも示されている。日本人男性の平均寿命(約81歳)との差は依然としてあるものの、日本人血友病患者の平均寿命が延びていることを明確に示す結果となった。 重要なポイントとして、長尾氏は「日本人は欧米人よりも出血傾向が高いと考えられるため、日本人患者に合わせた個別化かつバランスの取れたCVD管理戦略が不可欠である」と指摘した。さらに「血友病患者のCVD管理のための、日本人特有のエビデンスに基づく臨床ガイドラインを早急に策定する必要がある」と述べ、講演を締めくくった。多発性骨髄腫における血栓症リスク がん患者は健康な人と比較して血栓イベントの発生リスクが4~7倍高いことが報告されている。多発性骨髄腫はその中でも血栓イベントの発生率が高い疾患の1つであり、患者の約10%において臨床経過中に血栓イベントが生じるとされている。 血栓イベントのリスク因子は多岐にわたり、患者関連因子、疾患関連因子、治療関連因子の3つに大別される。たとえば治療関連リスクとしては、レナリドミドなどの免疫調節薬とデキサメタゾンの併用が挙げられる。 多発性骨髄腫患者における血栓イベントの発生は、治療に影響を及ぼし、アウトカム不良につながるため、適切な予防と評価が重要となる。成田氏は「診断時および定期的な血栓症のスクリーニングが有益であり、免疫調節薬を併用療法で使用する場合には、血栓症の予防およびモニタリングがとくに重要となる」と指摘した。 現在、日本における多発性骨髄腫患者の血栓症に関する調査が進行中であり、その結果が待ち望まれている。

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日本人EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ、PD-L1高発現の影響は?(WJOG20724L)/日本肺学会

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の標準治療の1つとして、オシメルチニブが用いられている。しかし、1次治療でオシメルチニブ単剤を用いた進行NSCLC患者を対象とした後ろ向き観察研究(OSI-FACT)において、PD-L1高値の集団は無増悪生存期間(PFS)が不良であったことが報告された1)。ただし、OSI-FACTはPD-L1発現状況の影響を検討することを目的とした研究ではなかった。そこで、StageIVの肺がん患者6,751例の大規模コホート研究(REAL-WIND/WJOG1512L)のデータを用いて、初回治療としてオシメルチニブ単剤を用いたNSCLC患者の治療効果と、PD-L1発現状況の関係を検討する研究(WJOG20724L)が実施された。本研究の結果を坂田 能彦氏(済生会熊本病院)が第66回日本肺学会学術集会で報告した。 対象は、2016年1月~2020年12月にREAL-WINDへ登録されたStageIVの肺がん患者6,751例のうち、初回治療でオシメルチニブ単剤が投与されたEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者486例。このうちPD-L1不明例(101例)を除いた385例(コホートB)、およびコホートBからOSI-FACTの重複症例を除いた200例(コホートA)が解析対象となった。対象患者をPD-L1発現状況で2群(TPS≧50%、TPS<50%)に分類し、治療成績を比較した。主要評価項目はPFS、副次評価項目は全生存期間(OS)、PFS率、OS率などとした。未調整の解析に加えて、逆確率重み付け法(IPTW)や傾向スコアマッチング法(PSM)を用いて背景因子を調整した解析も実施した。 主な結果は以下のとおり。・PD-L1発現状況(TPS≧50%/TPS<50%)は、コホートAが48例(24%)/152例(76%)、コホートBが83例(22%)/302例(78%)であった。・PD-L1高発現群(TPS≧50%)は低発現/陰性群(TPS<50%)と比較して、男性、PS1以上、喫煙歴あり、EGFR uncommon変異が多かった。・コホートAにおけるPFSは、未調整解析でPD-L1高発現群が低発現/陰性群と比較して有意に不良であり、PSM、IPTWを用いた解析でも同様の傾向であった。詳細は以下のとおり。<未調整>PFS中央値:10.8ヵ月vs.20.1ヵ月(ハザード比[HR]:1.95、95%信頼区間[CI]:1.30~2.92、p=0.001)1/2年PFS率:45.6%/24.8%vs.76.2%/41.6%<PSM>PFS中央値:10.5ヵ月vs.19.7ヵ月(HR:1.74、95%CI:0.97~3.11、p=0.061)1/2年PFS率:43.7%/26.2%vs.78.0%/34.2%<IPTW>PFS中央値:10.8ヵ月vs.19.8ヵ月(HR:1.91、95%CI:1.13~3.23、p=0.016)1/2年PFS率:45.6%/24.8%vs.79.2%/36.6%・コホートAにおけるOSも、未調整解析でPD-L1高発現群が低発現/陰性群と比較して有意に不良であり、PSM、IPTWを用いた解析でも同様の傾向であった。詳細は以下のとおり。<未調整>OS中央値:26.7ヵ月vs.32.8ヵ月(HR:1.77、95%CI:1.02~3.09、p=0.044)1/2年OS率:80.2%/57.9%vs.91.5%/80.5%<PSM>OS中央値:23.7ヵ月vs.32.8ヵ月(HR:1.68、95%CI:0.81~3.52、p=0.17)1/2年OS率:80.2%/48.9%vs.91.5%/69.7%<IPTW>OS中央値:26.7ヵ月vs.32.8ヵ月(HR:1.69、95%CI:0.82~3.48、p=0.15)1/2年OS率:80.2%/57.9%vs.94.1%/81.9%・コホートBにおいても、PFS、OSはいずれの解析もコホートAと同様の結果であった。 本結果について、坂田氏は「いずれの患者集団においても、PD-L1高発現は初回治療でオシメルチニブ単剤が投与された患者の有効性に、負の影響を及ぼすことが追認された。EGFR遺伝子変異陽性例において、PD-L1高発現は治療戦略を検討するうえで考慮するべき因子である」と述べた。

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MCIからアルツハイマー病に移行する修正可能なリスク因子とは

 軽度認知障害(MCI)は、アルツハイマー病の前段階に当たる前認知症期である。MCIからアルツハイマー病へ移行するリスク因子を検討した研究は、これまで数多くあるが、その結果は一貫していない。韓国・高麗大学のKyoungwon Baik氏らは、韓国のMCI患者におけるMCIからアルツハイマー病への移行率およびそれに寄与するリスク因子を調査するため、本研究を実施した。Scientific Reports誌2025年10月10日号の報告。 韓国において12年間の全国規模のレトロスペクティブコホート研究を実施した。2009〜15年の間に40歳以上のMCI患者を登録し、2020年までフォローアップ調査を行った。MCI診断時の年齢に基づき、アルツハイマー病への移行率およびそのリスク因子を分析した。解析には、Cox比例ハザード回帰分析を用いた。 主な内容は以下のとおり。・MCI患者におけるアルツハイマー病への移行率は70〜90歳にかけて増加し、100歳近くでプラトーに達した。・アルツハイマー病への移行リスク上昇と関連していた因子は、低体重(ハザード比[HR]:1.279、95%信頼区間[CI]:1.223〜1.338)であった。・心血管代謝疾患の中で、糖尿病(HR:1.373、95%CI:1.342〜1.406)、冠動脈疾患(HR:1.047、95%CI:1.015〜1.079)、出血性脳卒中(HR:1.342、95%CI:1.296〜1.390)はアルツハイマー病への移行リスクを増加させたが、高血圧、虚血性脳卒中、脂質異常症との関連は認められなかった。・うつ病(HR:1.736、95%CI:1.700〜1.773)および身体活動不足(HR:1.193、95%CI:1.161〜1.227)はリスク上昇と関連していた。・軽度(HR:0.860、95%CI:0.830〜0.891)から中等度(HR:0.880、95%CI:0.837〜0.926)のアルコール摂取、高所得(HR:0.947、95%CI:0.925〜0.970)、都市部居住(HR:0.889、95%CI:0.872〜0.907)は、アルツハイマー病への移行リスクの低下と関連が認められた。 著者らは「いくつかの修正可能なリスク因子は、MCIからアルツハイマー病への移行リスクの増加と密接に関連していることが明らかとなった。本研究の結果は、MCI患者におけるアルツハイマー病への移行リスクを軽減するための予防戦略の策定に役立つ可能性がある」としている。

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前立腺がん、PSA検診で死亡率低下:ERSPC長期追跡23年の評価/NEJM

 European Randomized Study of Screening for Prostate Cancer(ERSPC)試験は、PSA検査が前立腺がん死に及ぼす影響を評価するために、1993年から順次欧州8ヵ国が参加して行われた多施設共同無作為化試験。オランダ・ロッテルダム大学医療センターのMonique J. Roobol氏らERSPC Investigatorsは、その長期アウトカムの最新解析を行い、追跡期間中央値23年において、PSA検査勧奨を繰り返し受けているスクリーニング群は非勧奨(対照)群と比べて、前立腺がん死が持続的に減少し、harm-benefit比は改善していることを示した。NEJM誌2025年10月30日号掲載の報告。前立腺がん死への影響を非勧奨群と比較 ERSPC試験は1993年にオランダとベルギーで開始され、その後1994~98年にスウェーデン、フィンランド、イタリア、スペイン、スイスの医療施設が、2000年と2003年にフランスの2施設が加わった。試験対象は、全施設において事前に定義したコア年齢層(55~69歳)の参加者が含まれており、研究グループはこの年齢層に焦点を当て長期アウトカムの解析を行った。 コア年齢層の被験者はスクリーニング群(勧奨は最少2回、最多8回。勧奨間隔はほとんどの施設が4年に1回[スウェーデンとフランスは2年に1回、ベルギーは7年に1回])または対照群に1対1(フィンランドのみ1対1.5)の割合で無作為に割り付けられた。PSA検査陽性のカットオフ値は、ほとんどの施設で3.0ng/mLが用いられ(フィンランドとイタリアは4.0ng/mL)、陽性の場合には経直腸的超音波ガイド下生検を受けた。 主要アウトカムは、前立腺がん死であった。副次アウトカムは、診断時のEuropean Association for Urologyリスク分類により層別化された前立腺がんで、リンパ節/骨転移あり、またはPSA値100ng/mL超の場合は進行前立腺がんと定義した。 主要解析は、追跡が2020年12月31日または無作為化後23年のいずれか先に到達した時点で評価した。経年にスクリーニング群で前立腺がん死亡率低下、harm-benefitプロファイル向上 解析にはフランスの被験者(プロトコール順守率50%未満のため)と非コア年齢層を除外した計16万2,236例が包含された(スクリーニング群7万2,888例、対照群8万9,348例)。無作為化時の年齢中央値は60歳(四分位範囲:57~64)。生存被験者の追跡期間中央値は23年(四分位範囲:22~23)であった。スクリーニング群は検査を平均2回受けており、6万259例(83%)が少なくとも1回受け、うち1万7,077例(28%)が少なくとも1回陽性となり、生検順守率は89%であった。 追跡期間中央値23年時点の前立腺がん累積死亡率は、スクリーニング群1.4%、対照群1.6%であり、スクリーニング群が対照群より相対的に13%低かった(率比:0.87、95%信頼区間[CI]:0.80~0.95)。前立腺がん死の絶対リスク減少は0.22%(95%CI:0.10~0.34)で、前立腺がん死1例の予防に要するスクリーニングへの勧奨者数(number needed to invite:NNI)は456例(95%CI:306~943)、前立腺がんの診断者数(number needed to diagnose:NND)は12例(8~26)であった。これに対して追跡16年時点では、NNIは628例(95%CI:419~1,481)、NNDは18例(12~45)であった。 前立腺がんの累積発生率は、スクリーニング群(14%)が対照群(12%)より高率であり(率比:1.30、95%CI:1.26~1.33)、前立腺がんの絶対過剰発生率は、1,000人当たり27例(95%CI:23~30)であった。 これらの結果を踏まえて著者は、「PSAベースのスクリーニングは、前立腺がん死亡率の低下と良好なharm-benefitプロファイルの向上に資することが示されたが、過剰診断および不必要な介入という関連リスクの懸念は依然として残っている」とし、「今後のスクリーニング戦略は、ベネフィットを維持しつつそれらの有害事象を最小限に抑えるリスクベースのアプローチに重点を置くべきであろう」とまとめている。

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コーヒー1日1杯vs.非摂取、心房細動再発が減るのは?/JAMA

 コーヒー摂取習慣のある心房細動(AF)または心房粗動患者を対象とした臨床試験において、電気的除細動後にカフェイン入りコーヒーを1日1杯飲む群に割り付けられた被験者のほうが、コーヒーやカフェイン含有製品の摂取を禁止された群に割り付けられた被験者よりも、AFまたは心房粗動の再発率が低いことが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のChristopher X. Wong氏らが無作為化試験「Does Eliminating Coffee Avoid Fibrillation?:DECAF試験」の結果を報告した。世間一般には「カフェイン入りコーヒーは不整脈を誘発する」とされているが、これまでAF患者を対象にカフェイン入りコーヒーの摂取を評価する無作為化試験は行われていなかった。JAMA誌オンライン版2025年11月9日号掲載の報告。コーヒー摂取習慣のある患者を対象に電気的除細動後に無作為化し6ヵ月間追跡 DECAF試験は、研究者主導の前向き非盲検国際多施設共同無作為化試験であり、米国、オーストラリア、カナダの5つの3次医療機関で被験者を募り行われた。対象は、21歳以上、持続性のAF(またはAFの既往歴がある心房粗動)を有し電気的除細動が予定されていた患者で、過去5年間に1日1杯以上のコーヒー摂取、コーヒー摂取をやめる/継続する意思と能力がある、少なくとも6ヵ月の余命を適格条件とした。 電気的除細動に成功した被験者を、定期的にカフェイン入りコーヒーを飲む(コーヒー摂取)群またはコーヒーおよびカフェイン含有製品の摂取を禁止とする(コーヒー禁止)群に、1対1の割合で無作為に割り付け6ヵ月間追跡した。コーヒー摂取群は、カフェイン入りコーヒーを少なくとも1日1杯飲むことが推奨され、コーヒー禁止群は、カフェイン入りおよびカフェインレスのコーヒーいずれもとその他のカフェイン含有製品を完全にやめることが推奨された。 主要エンドポイントは、6ヵ月間に臨床的に検出されたAFまたは心房粗動の再発(time-to-event解析で評価した30秒以上継続例)であった。事前規定の副次エンドポイントは、AFと心房粗動の各再発、有害事象(心筋梗塞、脳卒中、心不全の増悪、救急部門受診、入院、死亡)であった。再発はコーヒー摂取群(47%)がコーヒー禁止群(64%)より少ない 2021年11月~2024年12月に200例が登録された。最終追跡評価日は2025年6月5日。 200例は平均年齢69歳(SD 11)、男性が71%で、ベースラインのコーヒー摂取量は両群とも週に7杯(四分位範囲[IQR]:7~18)であった。 追跡期間中、コーヒー摂取量はコーヒー摂取群が週に7杯(IQR:6~11)、コーヒー禁止群は週に0杯(0~2)で、両群間の差は週に7杯(95%信頼区間[CI]:7~7)であった。 主要解析で、AFまたは心房粗動の再発は、コーヒー摂取群(47%)がコーヒー禁止群(64%)よりも少なく、再発リスクは39%低かった(ハザード比[HR]:0.61、95%CI:0.42~0.89、p=0.01)。コーヒー摂取の有益性は、副次エンドポイントであるAF再発のみにおいても観察された(HR:0.62、95%CI:0.43~0.91、p=0.01)。 有害事象の有意差はみられなかった。

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生後1年以内の家族構成の変化は乾癬リスクを高める

 生後1年以内に親の離婚や家族との別居などの家族構成の変化を経験した子どもは、将来、乾癬を発症するリスクが高まる傾向にあることが、新たな研究で示された。乾癬は自己免疫疾患の一種で、皮膚の角化細胞のターンオーバーが異常に早くなることでかゆみを伴う鱗状の発疹が生じる。家庭内の混乱によって生じる強いストレスが乾癬発症の一因と考えられるという。リンショーピング大学(スウェーデン)のJohnny Ludvigsson氏とDebojyoti Das氏によるこの研究の詳細は、「Journal of Investigative Dermatology」に9月2日掲載された。 Ludvigsson氏は、「この研究結果は、人生の早期段階で経験する非常にストレスの多い生活要因が免疫系に影響を及ぼし、乾癬などの自己免疫疾患のリスクを高める可能性を初めて示したものである。こうした要因を避けるための簡単なアドバイスはないが、幼い子どもの安全とメンタルヘルスを脅かすストレスの多い生活要因から彼らを守るために、可能な限りの対策を講じるべきだ」とニュースリリースで述べている。 この研究でLudvigsson氏らは、All Babies in Southeast Swedenの前向き出生コホート(1万6,145人)のデータを追跡し、幼少期のストレスがその後の乾癬リスクに影響するのかを検討した。対象児の親は、子どもが1歳、3歳、5歳、8歳のときに行われた調査を通じて、子どもが経験したストレスの多い生活要因について報告した。ストレスの多い生活要因は、「(親/親戚の)死/病気」「新しい家族構成(離婚/別居、新しい大人との同居、新しい兄弟/継兄弟の誕生)」「家庭内紛争(家庭内暴力、心理的虐待など)」の3つに分類された。 1歳時の追跡調査では、単変量解析により、新しい家族構成によるストレスを経験した子どもでは、経験していない子どもと比べて乾癬発症リスクが約4倍に高まることが示された(オッズ比 4.19、95%信頼区間1.01〜11.48)。多変量解析でも、同様の結果が確認された。1・3・5・8歳時の追跡調査データを統合して解析でも、単変量解析では、新しい家族構成によるストレスを経験した子どもで乾癬発症リスクが3倍以上に上昇した(同3.40、1.06〜9.42)。多変量解析では、統計学的に有意ではなかったが、リスクの上昇傾向は認められた。 Ludvigsson氏は、「親の離婚、別居、死は幼い子どもに不安や恐怖を与える可能性があり、生後1年以内にこうした経験をした子どもは、特に影響を受けやすいようだ。これは、非常に幼い子どもは、より年長の子どもや成人よりもストレスの多い生活要因による免疫調節効果の影響を受けやすいという知見と一致している。これらの要因がストレスホルモンであるコルチゾール濃度の上昇を含む防御反応を引き起こし、それが免疫系に影響を与え、乾癬リスクの上昇につながっている可能性があると考えられる」と説明している。 本研究には関与していないサン・ラファエーレ大学(イタリア)医学部細胞組織生物学教授のLuigi Naldini氏は、「ストレスが免疫系に早期にどのような影響を及ぼすのかを解明することは、乾癬の発生メカニズムを解明する上で研究者の助けになる可能性がある。本研究は、乾癬の原因が遺伝子と免疫回路だけで決まるわけではなく、人生の早期段階の経験により形成される可能性もあることを示唆している」と述べている。

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脳内の老廃物を排出する機能の障害が認知症に関連

 脳内の老廃物の排出機能の不具合が、認知症の一因となっている可能性のあることが、新たな研究で示された。脳の保護と洗浄の役割を果たしている透明な液体である脳脊髄液(CSF)の流れの障害が、将来的な認知症リスクを予測する指標となることが示されたという。英ケンブリッジ大学のYutong Chen氏らによるこの研究結果は、「Alzheimer’s & Dementia」に10月23日掲載された。Chen氏らは、「このような老廃物の排出機能の問題は、脳内の血管に損傷を与える心血管のリスク因子と関連している可能性がある」と指摘している。 Chen氏らが今回の研究で着目したのは、「グリンパティックシステム」と呼ばれる仕組みだ。グリンパティックシステムは、脳内の小血管を取り囲む微細な経路を通してCSFを循環させ、脳内から毒素や老廃物を排出して洗浄するシステムである。排出される老廃物の中には、アルツハイマー病の特徴的な要素と考えられているアミロイドβやタウタンパク質なども含まれている。 研究では、UKバイオバンク参加者4万4,384人の成人のMRI画像を分析した。その結果、グリンパティックシステムの機能低下に関連する以下の3つのマーカー(指標)に、その後10年間の認知症リスクの予測能があることが明らかになった。1)DTI-ALPSの低下:DTI-ALPSはMRIの一種である拡散テンソル画像(DTI)から計算される指標で、グリンパティックシステムの微細な経路に沿った水分子の動きを表す。2)脈絡叢の拡大:脈絡叢はCSFを産生する脳領域であり、その拡大はCSF産生および老廃物除去量の減少と関連している。3)血中酸素濃度依存(BOLD)信号とCSFの同期低下:BOLD信号とCSFの同期が強いほど、CSFの流れが良好であることを意味する。 さらにChen氏らは、高血圧や糖尿病、喫煙、飲酒といった心血管リスク因子がグリンパティックシステムの機能を低下させ、その結果として認知症リスクを高めることも突き止めた。心血管リスク因子は脳内の血管に損傷を与え、その血管の周囲のグリンパティックシステムにも影響が及ぶとChen氏らは説明している。 Chen氏は、「極めて大規模な集団を対象にした今回の研究から、グリンパティックシステムの障害が認知症の発症に関与しているという有力なエビデンスが得られた。これは、このシステムの障害をどう改善できるのかという新たな疑問につながるため、素晴らしいことである」とニュースリリースの中で述べている。 一方、論文の上席著者であるケンブリッジ大学脳卒中研究グループ長のHugh Markus氏は、「認知症リスクのうち、少なくとも4分の1は高血圧や喫煙などの一般的なリスク因子によって説明できる。もし、これらがグリンパティックシステムの機能を低下させるのであれば、介入が可能だ。高血圧を治療したり禁煙を促したりすることは、グリンパティックシステムの働きを改善する達成可能な方法になるだろう」と指摘している。 研究グループは、グリンパティックシステムの働きには睡眠が重要であるため、良質な睡眠が老廃物の排出を促進する可能性があるとの見方を示している。また、薬剤によってこのシステムの効率を高められる可能性も考えられるとしている。研究グループはさらに、心血管リスク因子への対策が、グリンパティックシステムの機能に保護的に働く可能性にも言及している。これまでに報告されている臨床試験では、血圧を厳格にコントロールすることで認知機能低下や認知症のリスクが20%低下することが示されている。

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歯を失うと寿命にも影響?80歳女性で“咬合支持”の重要性が明らかに

 高齢になると「歯が抜けても仕方ない」と思われがちだが、噛み合わせの力が寿命にまで影響する可能性がありそうだ。今回、地域在住の80歳高齢者を10年間追跡した研究で、咬合支持(噛み合わせの支え)を失った女性は、そうでない女性に比べて死亡リスクが有意に高いことが示唆された。研究は新潟大学大学院医歯学総合研究科口腔健康科学講座予防歯科学分野の田村浩平氏、濃野要氏、小川祐司氏によるもので、詳細は9月23日付けで「International Dental Journal」に掲載された。 咀嚼は全身の健康と長寿に重要であり、歯や義歯による安定した咬合支持が不可欠である。咬合支持の低下は咀嚼の満足度や効率を損ない、栄養不足や運動機能低下にも関連することが報告されている。また、フレイルは高齢者の死亡リスク因子として注目され、歯の喪失や咬合力低下などの口腔要因も関連する。日本では高齢者の歯の保存が重要視されているが、健康な高齢者を対象に残存歯数や咬合力と死亡率の関係を検証した研究は少ない。咬合と死亡率については、最大咬合力や機能歯の数が全死因死亡率の有力な予測因子であり、Eichner Index(アイヒナー指数:EI)がこれらの指標の代替になり得ると考えられる。このような背景を踏まえ、著者らは新潟市の高齢者を対象とした25年間のコホート研究の一環として、咬合支持の喪失が死亡リスク因子であるという仮説を検証した。具体的には、フレイルのない健康な地域在住の80歳高齢者において、EIで評価した咬合支持と10年間の死亡率との関連を調査した。 本研究の解析対象は、新潟市在住のフレイルのない80歳の高齢者360人であり、追跡調査は2008年6月~2018年6月まで実施された。ベースライン時に、歯牙および歯周検査、唾液分泌量測定(ガム試験)、血液検査、および自記式アンケート(喫煙・飲酒習慣、運動習慣、既往歴など)が実施された。口腔検査票から、咬合支持はEIクラスA/B群(咬合支持あり/部分的にあり)およびC群(咬合支持なし)に分類され、歯周炎症表面積も算出された。生存解析にはKaplan-Meier法とログランク検定が用いられ、多変量解析にはCox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)が算出された。 最終的な解析対象には297人(男性155人、女性142人)が含まれた。ベースライン時のEIクラスはA/B群が203人、C群が94人だった。10年間の累積生存率はA/B群とC群でそれぞれ79.8%および66.0%であり、有意な差が認められた(P=0.038)。 多変量Cox比例ハザードモデルでは、「EIクラスC」および「男性」が全死因死亡の有意な独立リスク因子であった。性別、BMI、喫煙状況、既往歴などの交絡因子で調整後のHRは、EIクラスCで1.88(95%信頼区間 [CI] 1.08~3.36、P<0.05)、男性で2.28(CI 1.23~4.26、P<0.05)であった。 男女別の層別解析では、EIクラスCは女性のみで有意な独立リスク因子となり、歯周炎症表面積、唾液分泌量、BMI、喫煙状況、既往歴などで調整後のHRは4.17(95%CI 4.17~11.79、P<0.05)であった。その一方、男性では統計的に有意な差は認められなかった。 著者らは、「地域在住の健康な80歳高齢者において、咬合支持の喪失は、特に女性で全死因死亡の独立したリスク因子であった。この結果は、咬合支持の維持が咀嚼機能や十分な栄養摂取を支えることで、長寿の促進に重要な役割を果たす可能性を示している。今後の研究では、咬合支持の喪失が死亡に至るまでの間接的な経路をさらに検討する必要がある」と述べている。 なお、結果に性差が出た理由として、男性は一般的に筋肉量や咀嚼筋力が大きく、咬合支持を失っても咀嚼機能や栄養摂取への影響が相対的に小さいこと、また、心理社会的要因(抑うつや孤立)の影響は女性でより顕著に現れやすいことが指摘されており、歯の喪失による審美的な変化が心理的に与える影響が、女性でより大きい可能性などが考察された。

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敗血症性ショックへの新たな蘇生戦略の提案:CRTに基づく多角的介入(解説:栗原宏氏)

Strong point・CRTという簡単な指標をフックに、その裏にある心機能や血管機能の評価を促し、治療の質を構造的に高めている点がユニーク・19ヵ国86施設、対象者1,500例でランダム化比較しており信頼性が高い・主要評価項目が実臨床に即しているWeak point・プロトコルの性質上、盲検化できない・評価項目のうち、28日死亡率単独ではCRT-PHR群と通常ケア群で有意差なし・CRTは容易に評価できるが、CRT-PHRプロトコルの実施には熟練スタッフが必要 敗血症性ショックは日本国内では年間約6.5万例程度発生し、そのうち3例に1例が死亡する重篤な疾患である。血液循環不全と肝機能を反映して乳酸値は上昇するため、乳酸クリアランスは敗血症性ショックの治療において最も重要な指標の1つとなっている。 2019年に発表された先行研究(ANDROMEDA-SHOCK試験)では、敗血症性ショックの患者を対象として、治療目標をCRTとした群は従来の乳酸クリアランスとした群に対して非劣性が示されていた。CRTという簡便な指標が、血液ガス分析や頻回の検査を必要とする乳酸クリアランスという複雑な指標に劣らないことが示された意義は大きい。 今回の研究(ANDROMEDA-SHOCK-2試験)では、先行研究を踏まえて、多角的かつ体系的な循環動態の改善介入、すなわちCRTが改善しない場合に、脈圧や心エコーなどの他の生理学的指標に基づいて血行動態の弱点を特定し、輸液、昇圧薬、強心薬投与で対応する介入(CRT-PHRプロトコル)と従来の慣習的治療(=医師の裁量や施設慣習に基づく従来の治療)との比較を行っている。 本研究の弱みとして、CRT-PHRプロトコルは生命維持療法(昇圧薬、人工呼吸器、腎代替療法)実施期間を短縮したものの、28日死亡率の有意な改善は示されなかった点が挙げられる。習慣的治療に対する優越性が「死亡を回避した」という決定的な成果ではなく、「臓器の回復を早めた」ことに大きく依存しているため、その臨床的インパクトに関しては議論の余地がある。さらに、このプロトコルの個別化の要素は熟練度を要求するため、実際に実施するとなると教育プログラムの整備が必要になると思われる。 CRTの測定は、指の腹部を10秒間圧迫し、圧迫解除後に血色が3秒以内に戻るかどうかを確認する簡便な手法で行われる。この手軽さから、本プロトコルは、今後発展次第では集中治療室だけでなく、救急外来や一般病棟などでも非常に有用なツールとなる可能性を秘めている。 本研究は、致死的な疾患に対し、より低侵襲な指標で予後改善を目指すという点で、高齢化が進む日本の医療現場での蘇生戦略の選択肢を広げる可能性がある。

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心不全に伴う体液貯留管理(3):症例1(97歳女性)【Dr.わへいのポケットエコーのいろは】第9回

心不全に伴う体液貯留管理(3):症例1(97歳女性)前回、下大静脈の見かたとVMTスコアの出し方について解説しました。今回は、VMTスコアを用いて管理を行った症例を紹介します。息切れの症状が強い97歳女性【今回の症例】97歳女性主訴室内歩行時の息切れが困る現病歴タクシー運転手の息子と2人暮らし。室内での転倒が多いものの、息子のために家事をしたいという希望が強く、台所に立つ。5分おきに椅子に座りながら、洗い物・料理などを行っている。内服薬(服薬管理者:息子)カンデサルタン8mg 2×、アムロジピン2.5mg 1×、ミラベグロン25mg 1×、エペリゾン50mg 1×、酸化マグネシウム1,320mg 2×、ゾルピデム10mg 1×併存症高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、不眠症、過活動性膀胱、便秘症バイタル体温36.6℃、血圧174/97mmHg、脈拍68回/分 整、安静時SpO2 97%(room air)今回は、室内で歩く時に息切れの症状が強い97歳女性を例に考えます。会話をすると「先生、ぜえぜえ、病院? いや、絶対行かない。家にいたい」と言います。このように途切れ途切れで喋るのですが、息子のために家事がしたいと主張します。家事は5分おきに椅子に座ってやっているとのこと。内服薬を見ていただくとわかると思うのですが、心不全の指摘はありませんでした。そのような場合、息切れの要素を考えると心不全だけではなく、肺気腫や間質性肺炎もチェックしていく必要があります。それを踏まえて、エコーの所見を見ていきたいと思います。このような方は、意外に安静時のSpO2は高いことがあり、この患者も97%でした。治療経過初回の心エコーを見てみましょう。下大静脈(IVC)を見ると20mmです。呼吸性変動があるので推定右房圧は8mmHgとなります(図1)。これだけではなんとも言えないですね。図1 IVCのエコー像画像を拡大する続いて、VMTを見ていきましょう。こちらは僧帽弁が先に開いています(図2)。そのため、点数としては2点となります。また、胸水の有無を確認すると、胸水はありませんでした(図3)。図2 三尖弁と僧帽弁のエコー像画像を拡大する図3 胸水の有無画像を拡大するどうでしょうか。もしVMTスコアがなければ、IVCが20mmというだけで心不全として治療するかどうか、結構迷いどころですよね。もちろんこの2つの指標に限らず、余裕があれば心エコーをしっかり行っても問題ありません。それでは短い動画を見てみましょう。治療介入前の心エコー像心エコー検査を行うと、駆出率(EF)は45%程度、大動脈弁口面積(AVA)は1.5cm2程度、そして弁の石灰化は強いことがわかります。つまり、慢性心不全の中等度の大動脈弁狭窄症(AS)があって、徐々に悪くなっていったのだろうということで、クリニカルシナリオ(CS)分類はCS2。そして、ステージ分類ではステージC、NYHA分類は3と判断できました。この患者の治療介入として、フロセミド20mgを投与してみました。すると、1ヵ月後の評価では、下腿のむくみは少し減ったようですが、まだ少し残っている印象でした。VMTでは三尖弁と僧帽弁が開くタイミングがほぼ同時になり、IVCの拡張もやや改善がみられました。治療開始1ヵ月後の三尖弁と僧帽弁のエコー像まだまだこれだけでは評価が難しいため、16週後までの経過を見ていきました。すると、どうでしょうか。心エコーの動画を見てみてください。治療開始16週後の三尖弁と僧帽弁のエコー像体重は2kgしか減っていませんでしたが、エコーの所見としては三尖弁のほうが先に開いていて、VMTスコアが1~0程度になっていたのです(図4)。図4 治療開始16週後のNT-proBNP・症状・VMTスコア画像を拡大する今回の症例をまとめます。治療介入から4ヵ月後には、何かにつかまらなくても立って夕飯の支度ができるようになりました。そして、ふらつきが減って室内を動き回って、30分連続して台所に立つことができたとのことです。高齢のため家族のサポートも重要ですが、治療介入が在宅の患者さん自身の「やりがい」の回復に繋がったケースでした(図5)。図5 治療介入16週後の患者の状態画像を拡大する

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