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検索結果 合計:36499件 表示位置:34061 - 34080

34061.

抗精神病薬は静脈血栓塞栓症リスクを増大

抗精神病薬の中には静脈血栓塞栓症リスクを高めるものがあることが知られているが、新しいタイプの非定型抗精神病薬についてのリスクは明らかになっていない。イギリス・ハックネル医療センターのChris Parker氏らの研究グループが、大規模なプライマリ・ケア集団ベースで、抗精神病薬と静脈血栓塞栓症リスク増加との関連を評価するとともに、抗精神病薬の種類、効力、投与量との関連を調査した結果、リスク関連が認められ、リスク増加は、新規服薬者、非定型抗精神病薬服用者で特徴的だったと報告した。BMJ誌2010年9月25日(オンライン版2010年9月21日号)掲載より。2万5,532例を対象に症例対照研究を実施Parker氏らは、イギリスの「UK QResearch primary care database」を利用し、抗精神病薬と静脈血栓塞栓症との関連について、ネステッド・ケースコントロール研究を行った。対象となったのは、1996年1月1日~2007年7月1日に初発の静脈血栓塞栓症の記録があった患者(症例群)で、年齢、病歴、性、治療内容により1:4でマッチングを図った対照群とで検討した。症例群の適格症例は2万5,532例(深部静脈血栓症15,975例、肺動脈塞栓症9,557例)、対照群はスタディ母集団726万7,673例から8万9,491例が同定された。主要評価項目は、共存症(併用薬に伴う症状)補正後の、抗精神病薬の静脈血栓塞栓症に対するオッズ比とした。3ヵ月以内新規服薬者のリスクは約2倍に試験前24ヵ月以内に抗精神病薬を処方された人は、可能性があるリスク因子補正にもかかわらず、静脈血栓塞栓症のリスクが非服用者より32%高かった(オッズ比:1.32、95%信頼区間:1.23~1.42)。また、試験前3ヵ月に新たに処方された患者は、リスクが約2倍だった(同:1.97、1.66~2.33)。薬剤の種類別にみた結果は、非定型タイプのリスクが、従来タイプよりも、より大きかった。非定型タイプの補正オッズ比は1.73(95%信頼区間:1.37~2.17)、従来タイプは同1.28(1.18~1.38)だった。効力の違いでは、低いタイプの方が、強いタイプのものよりもリスクが大きい傾向が認められた。オッズ比は、低いタイプが1.99(1.52~2.62)、高いタイプが1.28(1.18~1.38)だった。1年以上治療を続けた患者1万例につき静脈血栓塞栓症の余剰症例数は全年齢を通して4例(95%信頼区間:3~5)、65歳以上で10例(7~13)と推定された。これらの結果から研究グループは、「抗精神病薬服用と静脈血栓塞栓症リスクとの関連が大規模なプライマリ・ケア集団で確認できた。また、リスク増加は『新規服薬者』『非定型抗精神病薬を処方された患者』で特徴づけられた」と結論している。

34062.

身体能力測定で、死亡リスクの高い高齢者がわかる?

握力、歩行速度、座位からの起立、立位時間が、地域に住まう高齢者のあらゆる死亡要因の予測因子となり得るとの報告が、イギリス・ロンドン大学のRachel Cooper氏らによるメタ解析の結果、発表された。「そうした身体能力の客観的評価が、死亡リスクの高い高齢者を同定するのに役立つだろう」とまとめている。BMJ誌2010年9月25日号(オンライン版2010年9月9日号)より。握力、歩行速度、座位からの起立、立位時間と死亡率の関連を調査Cooper氏らは、公表・未公表を含む試験データを対象に、個人の身体機能(握力、歩行速度、座位からの起立、立位時間)の測定値と地域住民ベースでの死亡率との関連を評価する定量的システマティックレビューを行った。データ・ソースは、2009年5月までに公表されたEmbase(1980年以降)、Medline(1950年以降)で検索し、未発表結果は研究調査者から入手した。適格な観察研究とし選択したのは、全年齢層のコミュニティ居住者を対象とし、指定した身体能力測定(握力、歩行速度、座位からの起立、立位バランス)を一つ以上実行しており、死亡率との関連が検討されていたものとされた。得られた推定効果量は、研究間の不均一性を伴いつつランダム効果メタ解析モデルを用いてプールされた。身体能力は死亡率の予測因子となり得る不均一性は検出されたが、身体能力の4項目の計測結果と死亡率との関連には一貫したエビデンスが認められた。すなわち、測定結果があまりよくなかった人ほど、全死因死亡のリスクがより高かった。たとえば、握力の最も弱い四分位範囲群と最も強い四分位範囲群を比較した場合の、年齢・性・体格補正後の死亡ハザード比は、1.67(95%信頼区間:1.45~1.93)だった(14研究・被験者5万3,476人)。歩行速度が最も遅い四分位範囲群と最も速い四分位範囲群の同死亡ハザード比は、2.87(2.22~3.72)だった(5研究・被験者1万4,692人)。なお、歩行速度、座位からの起立、立位時間と死亡率の関連は、平均年齢70歳以上の高齢者でのみ確認された。握力と死亡率の関連についてはより若い集団でも認められた(5研究・平均年齢60歳未満)。

34063.

外科治療にも地域格差:WHO調査

世界の手術室の数は地域によって大きな差があり、手術室の約2割に、外科治療の医療資源の指標であるパルス酸素濃度計が装備されていないことが、アメリカ・ハーバード大学公衆衛生大学院のLuke M Funk氏らが行ったWHOの調査で明らかとなった。外科治療を要する疾患は疾病負担の多くを占め、低く見積もっても世界全体の障害調整生存年(disability-adjusted life years)の11%が手術の対象となる疾患に帰せられるという。しかし、外科治療の供給を保証する医療資源は、特に低所得国で不十分なのが現状である。Lancet誌2010年9月25日号(オンライン版2010年7月1日号)掲載の報告。WHO加盟国の手術室数、選択された72ヵ国のパルス酸素濃度計数を推算研究グループは手術室の世界的な分布を推定し、必需の術中モニタリング装置であり手術室の医療資源の指標と考えられるパルス酸素濃度計の供給量を調査した。WHOの「safe surgery saves lives initiative」に参加する92ヵ国769施設のデータに基づき、世界7地域の病院ベッド数に対する手術室数の割合を算出した。世界21地域における10万人当たりの手術室数を、WHO加盟190ヵ国の病院ベッド数から推算した。パルス酸素濃度計の供給状況は、地理的、人口統計学的に多様なサンプルを確保するために72ヵ国を選択し、各国の麻酔医334名に調査票を送付して調べた。データのない国のパルス酸素濃度計の必要量は予測回帰モデルで推算した。格差是正には公衆衛生学的戦略および監視体制の改善が必要10万人当たりの推定手術室数は、アフリカのサハラ砂漠以南の西部地域の1.0(95%信頼区間:0.9~1.2)から東欧の25.1(同:20.9~30.1)まで大きな差がみられた。高所得地域全体の推定手術室数の平均が10万人当たり14以上であったのに対し、低所得地域(人口22億人)では2に満たなかった。54ヵ国172名の麻酔科医から得られたパルス酸素濃度計のデータからは、世界で7万7,700(95%信頼区間:6万3,195~9万5,533)の手術室[19.2%(同:15.2~23.9)]にパルス酸素濃度計が装備されていないと推定された。著者は、「十分な外科治療を受けられない20億人以上の人々が置かれている格差を是正するには、公衆衛生学的戦略および監視体制の改善が必要とされる」と結論している。(菅野守:医学ライター)

34064.

無症候性頸動脈狭窄症に対する即時的頸動脈内膜剥離術、長期的な予後改善効果が明らかに

無症候性頸動脈狭窄症に対する即時的な頸動脈内膜剥離術(CEA)の施行は、遅延的にCEAを行う場合に比べその後10年間の脳卒中リスクを有意に抑制することが、イギリスJohn Radcliffe病院のAlison Halliday氏らが行った無作為化試験で示された。CEAは頸動脈の狭窄を除去するものの、脳卒中や死亡のリスクを引き起こす可能性もある。一方、直近の脳卒中症状やその他の神経学的症状がみられない無症候性の頸動脈狭窄症に対するCEAは脳卒中の発症を数年にわたり抑制することが示されているが、長期的な予後を検討した試験はないという。Lancet誌2010年9月25日号掲載の報告。10年間に30ヵ国126施設から3,120例を登録ACST-1の研究グループは、無症候性の頸動脈狭窄症に対する即時的CEAの長期的な脳卒中予防効果を評価する二重盲検無作為化試験を実施した。1993~2003年までに30ヵ国126施設から無症候性頸動脈狭窄症患者3,120例が登録され、即時的にCEAを施行する群(施行までの期間中央値1ヵ月)あるいは遅延的に施行する群(93%が1年以内には施行されなかった)に無作為に割り付けられた。フォローアップは、患者が死亡するか、生存期間中央値が9年に達するまで継続された。主要評価項目は、周術期の死亡率/罹病率(30日以内の死亡、脳卒中の発症)および非周術期の脳卒中の発症率とした。脳卒中リスクが即時的施行群で46%低下CEA即時的施行群に1,560例、遅延的施行群にも1,560例が割り付けられた。1年後も無症候であった症例は、即時的施行群が89.7%、遅延的施行群は4.8%であり、5年後はそれぞれ92.1%、16.5%であった。全体の30日以内の周術期脳卒中/死亡リスクは3.0%(95%信頼区間:2.4~3.9%、CEA 1,979件中、非障害性脳卒中26例+障害性/致死的イベント34例)であり、両群間に差はみられなかった。周術期イベントおよび脳卒中以外の原因による死亡を除外すると、5年後の脳卒中リスクは即時的施行群が4.1%、遅延的施行群は10.0%、10年後はそれぞれ10.8%、16.9%であり、脳卒中発症率比は0.54(95%信頼区間:0.43~0.68、p<0.0001)と即時施行群で有意に低下した。障害性/致死的脳卒中は即時的施行群が62件、遅延的施行群は104件、非障害性脳卒中はそれぞれ37件、84件であった。周術期イベントと脳卒中を合わせると、5年後のリスクはそれぞれ6.9%、10.9%、10年後のリスクは13.4%、17.9%であった。試験期間を通じてほとんどの症例が抗血栓療法や降圧療法を受けており、薬物療法の施行状況は同等であった。脂質低下療法の有無にかかわらず、また75歳未満では男女ともに即時的施行群でリスクが有意に低下したが、75歳以上では有意差を認めなかった。著者は、「75歳以下の無症候性頸動脈狭窄症に対する即時的CEAは施行後10年間の脳卒中リスクを有意に抑制し、その半数は障害性あるいは致死的脳卒中リスクの低減であった」と結論し、「将来的なベネフィットはCEAが施行されなかった病変のリスク(薬物療法で治療可能)、今後の手術リスク(本試験のCEAとは異なる可能性あり)、平均余命が10年を超えるか否かに依存する」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

34065.

下肢表在性静脈血栓症にフォンダパリヌクスが有効

深部静脈血栓症や肺動脈塞栓症を併発していない、急性の症候性下肢表在性静脈血栓症患者への、抗凝固薬治療の有効性と安全性は確立していない。フランスINSERMのHerve Decousus氏ら研究グループは、フォンダパリヌクス(商品名:アリクストラ)の有効性と安全性について、約3,000例を対象とするプラセボ対照無作為化二重盲検試験「CALISTO」を行った。結果、1日1回2.5mg、45日間投与の有効性および安全性が認められたと報告している。NEJM誌2010年9月23日号より。3,002例をフォンダパリヌクス群とプラセボ群に無作為に割り付けCALISTO(Comparison of Arixtra in Lower Limb Superficial Vein Thrombosis with Placebo)試験では、3,002例の患者(18歳以上、所見5cm以上)を対象に、フォンダパリヌクス2.5mgを1日1回皮下注、もしくはプラセボを、45日間投与するよう無作為に割り付け行われた。主要有効性アウトカムは、47日時点での複合アウトカム(全死因死亡・症候性肺動脈塞栓症・症候性深部静脈血栓症・症候性大伏在静脈-大腿静脈接合部への進展・症候性表在性静脈血栓症の再発)で、また主要な安全性アウトカムは、大出血とし検討された。被験者は、77日目まで追跡された。死亡率以外はフォンダパリヌクス群で有意に減少主要有効性アウトカムの発生は、フォンダパリヌクス群(1,502例)13例(0.9%)、プラセボ群(1500例)88例(5.9%)で、フォンダパリヌクス群の相対リスク減少率は85%(95%信頼区間:74~92、P

34066.

経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)、全死因死亡率が有意に減少

大動脈弁置換術が適応とされない、重度大動脈弁狭窄症および合併症を有する患者に対する、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の、従来標準治療との転帰を比較した多施設共同無作為化比較試験「PARTNER」の結果、TAVI群の方が重大な脳卒中、重大な血管イベントの高率の発生にもかかわらず、全死因死亡率、複合エンドポイント(全死因死亡率・再入院率)が有意に低かったことが、NEJMオンライン版2010年9月22日号で発表された。報告は、米国コロンビア大学メディカルセンターのMartin B. Leon氏らによる。TAVIは、2002年に第1例が行われて以降、ハイリスクの大動脈弁狭窄症患者に対し、低侵襲医療をもたらす治療として注目されている。358例の重度大動脈弁狭窄症患者をTAVI群か標準治療群に無作為化TAVIで用いられるデバイスは、ウシ心嚢膜弁とバルーン拡張可能なステンレスフレームから成るデバイス「Edwards SAPIEN heart-valve system」。PARTNER(Placement of Aortic Transcatheter Valves)試験は、21施設(うち米国17施設)から358例の、手術不適応とみなされた重度大動脈弁狭窄症患者を登録し行われ、TAVI群(179例)もしくは標準治療(バルーン大動脈弁形成術を含む)群(179例)に無作為化し、全死因死亡率を主要エンドポイントに追跡された。1年時点の全死因死亡率のTAVI群ハザード比は0.55結果、1年時点の全死因死亡率(Kaplan-Meier解析による)は、TAVI群が30.7%、標準治療群50.7%で、TAVI群のハザード比は0.55(95%信頼区間:0.40~0.74、P<0.001)だった。複合エンドポイント(全死因死亡率・再入院率)の発生は、TAVI群が42.5%、標準治療群71.6%で、同ハザード比は0.46(同:0.35~0.59、P<0.001)だった。1年時点の生存者で、心症状(NYHA分類IIIまたはIV)を呈した患者の割合は、標準治療群に比べてTAVI群で有意に低かった(25.2%対58.0%、P<0.001)。一方30日時点で、TAVI群の方が標準治療群に比べて、重大脳卒中(5.0%対1.1%、P=0.06)、重大血管イベント(16.2%対1.1%、P<0.001)について高率の発生が認められた。なお1年時点までTAVI群において生体弁機能(心エコーで狭窄症または弁閉鎖不全を評価)悪化は認められなかった。(武藤まき:医療ライター)

34067.

心不全患者への自己管理カウンセリング、死亡率や入院率の低下につながらず

心不全患者に対し、服薬や塩分摂取制限などに関する自己管理について、カウンセリング・プログラムを強化しても、死亡率や入院率の低下にはつながらないことが報告された。米国ラッシュ大学メディカルセンター(シカゴ)予防医療部門のLynda H. Powell氏らが、約900人の患者を対象に行った無作為化比較対照試験「HART」(Heart Failure Adherence and Retention Trial)で明らかにしたもので、JAMA誌2010年9月22/29日号で発表した。2時間のグループセッションを1年間に18回実施単一施設複数病院一部盲検で行われたHARTでは、2001年10月~2004年10月にかけて、軽度~中等度の心不全患者902人について試験を開始した。被験者の心臓収縮機能は、減少・維持の両者が含まれた。研究グループは、被験者を無作為に2群に分け、一方の群には、服薬遵守や塩分摂取制限、適度な運動やストレス管理といった自己管理について、1回2時間、約10人でのグループカウンセリングを、1年間にわたり18回行った。その際、心不全の自己管理に関するパンフレット(18シートからなるものを毎回1シートずつ)も配布した。もう一方の群には、同様の18シートからなるパンフレットを郵送し、電話によるフォローアップを行った。被験者の平均年齢は63.6歳、うち女性は47%で、人種/民族を申告した人が40%、年間世帯所得が3万ドル未満が52%を占めた。収縮機能の維持が認められたのは23%だった。追跡期間の中央値は2.56年。主要評価項目は、追跡期間中央値2.56年間の死亡および心不全による入院とした。死亡または心不全による入院の発生率は低下せず結果、追跡期間の死亡または心不全による入院は、自己管理介入群の163件(40.1%)に対し、対照群171件(41.2%)と、両群に有意差はみられなかった(オッズ比:0.95、95%信頼区間:0.72~1.26)。また、副次エンドポイントとした、死亡、心不全による入院、理由を問わない入院、QOLのいずれについても、両群で有意差は認められなかった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

34068.

外来で心血管イベントハイリスク患者を見抜くには?:REACH試験

外来で様々な初期徴候を示す安定したアテローム血栓症患者のうち、心血管イベント発生リスクは、糖尿病があると約1.4倍、前年に虚血イベントがあった場合には約1.7倍に増大することが明らかにされた。多血管病(polyvascular disease)がある場合には、同リスクは約2倍になるという。米国VA Boston Healthcare SystemのDeepak L. Bhatt氏らが、臨床所見からハイリスク群を特定する簡便な方法について検討するため行った、約4万5,000人を4年間追跡した「Reduction of Atherothrombosis for Continued Health」(REACH)試験の結果、明らかにされたもので、JAMA誌2010年9月22/29日号で発表した。心血管イベント発生は5,481人REACHでは、2003~2004年にかけて、29ヵ国、3,647ヵ所の医療機関を通じて、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患、アテローム血栓症の複数のリスク因子を持つ患者、合わせて4万5,227人について試験を開始し、2008年(最終データは2009年4月)まで4年にわたる追跡が行われた。主要評価項目は、心血管疾患死、心筋梗塞、脳卒中のいずれかだった。その結果、追跡期間中にいずれかのアウトカムに達した被験者は、5,481人だった。そのうち、心血管疾患死は2,315人、心筋梗塞は1,228人、脳卒中は1,898人で、40人は心筋梗塞と脳卒中を同日に発症した。心血管イベント発生ハザード、多血管病1.99、前年虚血イベント1.71、糖尿病1.44アテローム血栓症が認められた被験者のうち、同アウトカム発生リスクが最も高かったのは、試験開始時点で虚血イベントの既往歴があった人(2万1,890人)で、発生率は18.3%(95%信頼区間:17.4~19.1)だった。安定した冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患の人(1万5,264人)は同発生リスクがより低く、12.2%(同:11.4~12.9)だった。また、アテローム血栓症は認められずリスク因子のみを有する人(8,073人)は同発生リスクが最も低く、9.1%(同:8.3~9.9)だった(それぞれの比較に関するp

34069.

60歳時のPSA値で、前立腺がん死亡・転移の生涯リスクが予測できる

60歳時の前立腺特異抗原(PSA)値から、転移と前立腺がん死の生涯リスクが予測できるとの報告が、米国Sloan-Kettering記念がんセンター(ニューヨーク)のAndrew J Vickers氏らにより発表された。また、その際のPSA値が中央値(≦1 ng/mL)以下の場合、前立腺がんが潜んでいる可能性はあるものの、生命を脅かすようなことはないとも述べ、「それら男性はさらなるスクリーニングは免除されるべきで、それよりもPSA値がより高い群に照準を合わせるべき」と結論づけている。PSAスクリーニングは、前立腺がんの早期発見のため広く行われるようになっているが、過剰診断を招いていることが無作為化試験で示されたり、70歳男性の40%近くが前立腺がんを有していると推定されており、研究グループは「前立腺がんの有無ではなく、症状を引き起こすのか生命を縮めるのかが重要」として、検査値とその後の臨床転帰との関連を調べた。BMJ誌2010年9月18日号(オンライン版2010年9月14日号)より。スクリーニングと化学的予防のリスク層別化が課題研究グループは、60歳時にPSAスクリーニングを受けその後はスクリーニングを受けていない集団で、PSA値とその後の前立腺がん臨床症状との関連を評価すること、スクリーニングと前立腺がんに対する化学的予防療法がリスク層別化をできたのかどうかを評価するため、ケースコントロール研究を行った。本研究は、一般集団をベースに症例1対対照3の割合でマッチングを図ったネステッドケースコントロール研究で、Malmo Preventive Projectに参加するスウェーデン人男性を対象とした。1981年の60歳時に血液サンプルを採取され、National Board of Health and Welfareにがん登録された1,167例で、85歳まで追跡された。主要評価項目は、転移または前立腺がんによる死亡とした。>2ng/mL群が前立腺がん死の90%を占める本研究期間中のスクリーニング実施率は低かった。転移は43例、前立腺がん死は35例だった。60歳時点のPSA濃度は、前立腺がん転移(曲線下面積0.86、95%信頼区間:0.79~0.92、P

34070.

前立腺がんのルーチンスクリーニングは支持できない:メタ解析から

前立腺がんスクリーニングは、診療ガイドラインで推奨されているが、スクリーニングが全体としての死亡率や、患者にとって最も重要なアウトカムである疾患特異的な死亡率を改善するかどうか、さらにスクリーニングの有益性ががんの過剰検出や過剰診療が招く有害およびコストを上回るかどうかについては明らかにされていない。米国フロリダ大学泌尿器・前立腺センターのMia Djulbegovic氏らの研究グループは、前立腺がんスクリーニングの有益性と有害さのエビデンスを検討するため、これまでに発表されている前立腺がんスクリーニングに関する無作為化試験のシステマティックレビューとメタ解析を試みた。BMJ誌2010年9月18日号(オンライン版2010年9月14日号)より。6件の無作為化試験データを解析Djulbegovic氏らは、Medline、Embase、CENTRALなどの電子データベースで2010年7月までにリストアップされた中から、前立腺特異抗原(PSA)スクリーニング(直腸診の有無にかかわらず)群と非スクリーニング群との比較した無作為化試験を選び検討した。データ抽象化と方法論的な質の評価はGRADEアプローチ法を用い、2人の独立したレビュアーによって評価し、主たる研究者によって検証が行われた。マンテル‐ヘンツェル検定法とランダム効果モデル下での相対リスクと95%信頼区間検定が行われた。計6件の無作為化試験の、基準を満たした38万7,286例が解析対象となった。スクリーニングの有意な効果認められずスクリーニングは、前立腺がんと診断される可能性の増大(相対リスク:1.46、95%信頼区間:1.21~1.77、 P

34071.

女性への教育の増加により、子どもの死亡率が改善

過去40年間に女性の教育期間が著しく増加し、多くの国では男性を凌駕しており、子どもの死亡率の低下に大きく寄与している可能性があることが、アメリカ・ワシントン大学(シアトル)のEmmanuela Gakidou氏らが行った系統的な解析で明らかとなった。教育は、経済発展において根本的な役割を担い、健康にも強い影響を及ぼすことが示されており、母親の教育レベルと子どもの死亡率の関連を強く示唆する報告もある。これまでに、一定期間の教育の影響を評価した研究はあるものの、低所得国において性別、年齢別に、経時的に行われた検討はないという。Lancet誌2010年9月18日号掲載の報告。子どもの死亡率の低下と、女性の教育の改善の関連を評価研究グループは、以前に実施した教育の影響に関する系統的な評価について最新データを用いて再検討を行い、過去40年間(1970~2009年)の子どもの死亡率の低下に対し、女性の教育の改善がどの程度貢献したかを推算した。175ヵ国から915の国勢調査および国が実施した調査を収集し、年齢別および性別の平均教育年数を算出した。first-differencesモデルを用いて、子どもの死亡率と女性の教育期間の関連を解析し、一人当たりの所得および血清HIV陽性率で調整した。さらに、1970~2009年における各国の子どもの死亡率の反事実的予測値(counterfactual estimate)を年ごとに算出した。女性への教育が実質的に増加、半数の国でジェンダー・ギャップが逆転1970年から2009年までに、平均教育年数は、男性(25歳以上)が4.7年(95%不確かさ区間:4.4~5.1年)から8.3年(同:8.0~8.6年)に、女性(25歳以上)は3.5年(同:3.2~3.9年)から7.1年(6.7~7.5年)に増大した。開発途上国の出産可能年齢(15~44歳)の女性の学校教育年数は、2.2年(同:2.0~2.4年)から7.2年(同:6.8~7.6年)に増加した。2009年までに、87ヵ国で男性(25~34歳)よりも女性(25~34歳)の方が、教育期間が長くなった。1970年から2009年までに、5歳未満の子どもの死亡数は820万人減少しており、このうち420万人(51.2%)は出産可能年齢女性の教育期間の増加による可能性が示された。著者は、「特に女性における教育の実質的な増加と、教育におけるジェンダー・ギャップの逆転が、健康のみならず女性の社会的地位や役割に対し重要な意義を持つことが示された」と結論し、「最貧国であっても、教育期間の持続的な増加によって『ミレニアム開発目標4(2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減する)』の迅速な進展がもたらされる可能性が示唆される」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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妊娠中の体重増加、子の出生時体重増加に関連:妊婦51万人と子116万児の解析

妊娠中の妊婦体重の増加が、遺伝素因とは無関係に子どもの出生時体重を増加させることが、アメリカ・ボストン小児病院のDavid S Ludwig氏らが行ったコホート試験で示された。近年、生活習慣病の胎生期起源に関する研究が盛んに行われ、妊娠中の低栄養状態や低出生時体重が、子どもが成人期に達した際の糖尿病や心血管疾患のリスクを増大させるとの仮説を支持する有力なエビデンスが存在する。一方、妊娠中の過度の体重増加が子どもの出生時体重や後年の肥満リスクを増大させることが観測されているが、これは遺伝素因など他の交絡因子が原因の可能性もあるという。Lancet誌2010年9月18日(オンライン版2010年8月5日号)掲載の報告。同一女性の複数妊娠中の体重増加の差と出生時体重の違いを評価研究グループは、州ベースの出生レジストリー(一人の母親の個々の妊娠状況が比較可能)を用いて妊娠中の体重増加と出生時体重の関連を評価する地域住民ベースのコホート試験を行った。人口動態統計の出生記録を用いて、1989年1月1日~2003年12月31日までのミシガン州とニュージャージー州の全出生について検討を行った。データベースから単胎以上の分娩の初期サンプルを抽出し、次いで妊娠期間37週未満および41週以上、妊婦が糖尿病、子どもの出生時体重が500g未満および7,000g以上、妊娠中の体重増加のデータがない場合を除外した。交絡を最小化するために被験者内デザイン(within-subject design)を使用し、2回以上の妊娠を経験した女性の各妊娠中の体重増加の差から子どもの出生時体重を推定した。妊婦の体重増加が、子どもの肥満予防策のターゲットに51万3,501人の妊婦とその子ども116万4,750児が解析の対象となった。固定効果モデルによる評価では、妊娠中の体重増加と出生時体重の間には一貫した関連が認められた(β:7.35、95%信頼区間:7.10~7.59、p<0.0001)。すなわち、妊娠中に24kg以上の体重増加がみられた女性の子どもは、体重増加が8~10kgの女性(対照)の子どもに比べ出生時体重が148.9g重かった。条件付きロジットモデルによる解析では、出生時体重が4,000g以上の子どもが生まれる頻度は、妊娠中の体重増加が24kg以上の女性が、8~10kgの女性の2倍以上であった(オッズ比:2.26、95%信頼区間:2.09~2.44)。著者は、「遺伝素因とは無関係に、妊娠中の体重増加は子どもの出生時体重を増加させる」と結論し、「出生時体重と成人体重の明白な関連を考慮すると、妊娠中の女性をターゲットとした肥満予防策が、将来的に子どもにベネフィットをもたらす可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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重症ARDS患者への筋弛緩薬早期投与、90日生存率を改善

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)で人工呼吸器を装着した患者に対する、新しい筋弛緩薬である神経筋遮断薬cisatracurium besylateの早期投与が、臨床転帰を改善したことが、フランスUniversite de la Mediterranee Aix-MarseilleのLaurent Papazian氏ら「ACURASYS」研究グループにより報告された。神経筋遮断薬投与は酸素化を改善し、人工呼吸器によって誘発された肺損傷を改善する可能性の一方、筋力低下を招く可能性が懸念されていたが、Papazian氏らによる多施設共同プラセボ対照二重盲検無作為化試験の結果、筋力低下を招くことなく90日生存率が改善したことが認められたという。NEJM誌2010年9月16日号より。340例をプラセボ対照で無作為割り付け試験は、2006年3月~2008年3月にフランス国内20施設のICUに、48時間以内に収容された重症ARDS患者340例を、神経筋遮断薬cisatracurium besylate(178例)またはプラセボ(162例)のいずれかを、48時間にわたって投与するよう無作為に割り付けられた。重症ARDSの定義は、動脈血酸素分圧(PaO2)/吸入酸素濃度(FiO2)150未満、呼気終末陽圧5cmH2O以上、1回換気量6~8mL/kg予測体重とされた。主要評価項目は、退院前または試験登録後90日以内に死亡した患者の割合(90日院内死亡率)とした。あらかじめ定義された共変量とベースラインの群間差はCoxモデルを用いて補正された。90日生存率を改善、呼吸器を外す時間も増加プラセボ群との比較によるcisatracurium群の90日死亡のハザード比は、PaO2/FiO2・呼気プラトー圧・重症度スコア(Simplified Acute Physiology II score)をベースラインで補正後、0.68(95%信頼区間:0.48~0.98、P=0.04)だった。90日粗死亡率は、cisatracurium群が31.6%(95%信頼区間:25.2~38.8)、プラセボ群が40.7%(同:33.5~48.4)(P=0.08)。28日死亡率は、cisatracurium群23.7%(同:18.1~30.5)、プラセボ群33.3%(同:26.5~40.9)(P=0.05)だった。ICUでの後天性の不全麻痺の発生率は、2群間で有意差は認められなかった。これらの結果から研究グループは、重症ARDS患者への神経筋遮断薬による早期投与は、筋力低下を招くことなく、補正後90日生存率を改善し、人工呼吸器を外す時間が増したと結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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禁煙法施行で小児喘息入院が著明に減少:スコットランド

スコットランドでは2006年3月に禁煙法が施行され、公共の場における喫煙が全面的に禁止された。これまでの研究では、施行後、パブで働く従業員における呼吸器症状が減少したとの報告がなされている。本論は、英国グラスゴー大学公衆衛生部門のDaniel Mackay氏らによる、職場などに限定することなく受動喫煙曝露のなくなった集団において呼吸器疾患が減少したかどうかを調査した初の報告で、小児喘息による入院率減少を評価した結果、関連が認められたと報告している。NEJM誌2010年9月16日号より。禁煙法は小児喘息による入院を減らしたかを評価Mackay氏らは、人口510万人のスコットランドの急性期病院で普及している入院診療データ記録SMR01から、2000年1月~2009年10月までの15歳以下の小児喘息による全入院記録を収集した。データは、年齢群、性別、社会経済水準五分位群、居住地域(都市部か地方か)、月、年別で補正後、負の二項回帰モデルを適合し、小児喘息による入院率の検討が行われた。喘息による入院は年5.2%増から18.2%減と著明に減少禁煙法施行前、喘息による入院は1年につき平均5.2%(95%信頼区間:3.9~6.6)の割合で増加していた。一方、禁煙法が施行された2006年3月26日時点の入院率と比較して、法施行後は1年につき平均18.2%減少した(同:14.7~21.8、P

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研修医時代の自己犠牲の思い出が、メーカーからの金品受理を寛容に

医師の、医薬品・医療機器業界からの金品受理に対する許容度は、研修医時代に費やした自己犠牲を思い出すと増大するという。この傾向は、自己犠牲について思い出させた上で、それが金品受理の根拠になるとの合理的理由を提示すると、さらに強まるという。米国Carnegie Mellon大学のSunita Sah氏らが、米国レジデント医約300人について行った無作為化比較対照試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2010年9月15日号で発表した。小児科医と家庭医のレジデントを3群に分け調査Sah氏らは、2009年3~7月にかけて、小児科と家庭医のレジデント医、合わせて301人を無作為に3群に分け、企業からの金品受理に関して調査を行った。一群には、研修医時代に払った自己犠牲を再確認してもらうような質問をした上で、企業からの金品受理に関する許容度の質問をした(自己犠牲群:120人)。別の一群には、同様に自己犠牲に関する質問をした上で、それが企業からの金品受理の合理的理由付けになると示唆する質問を行い、金品受理に関する許容度の質問をした(合理性群:121人)。さらに対照群として、企業からの金品受理に関する許容度の質問のみを行った(対照群:60人)。金品受理の寛容さ、自己犠牲再確認で1.8倍、合理性提示でさらに1.5倍にその結果、自己犠牲群では、企業からの金品を許容するとした医師の割合が47.5%(57人)と、対照群の21.7%(13人)に比べ有意に大きかった(オッズ比:1.81、95%信頼区間:1.27~2.58、p=0.001)。さらに金品受理の合理性を示した合理性群では、医師の多くが質問項目に示された合理性の理由には同意しなかったものの、自己犠牲群よりも金品を許容するとした割合は大きく、60.3%(73人)だった(自己犠牲群に対するオッズ比:1.45、同:1.22~1.72、p

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MCATスコアが低いほど、医師資格試験は初回不合格の確率大

米国で医学部を卒業しながら医師資格試験に初回受験で不合格である確率は、「MCAT(Medical College Admission Test)スコアが低い」「白人に比べ非白人の方が」「学費の借金が5万ドル以上ある」で、増大する傾向があるという。米国ワシントン大学のDorothy A. Andriole氏らが、医学部に入学した10万人弱について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2010年9月15日号で発表した。卒業生の88.7%が初回で医師試験に合格、成績理由で退学は入学生の1.2%Andriole氏らは、1994~1999年にかけて米国の医学部に入学した9万7,445人について、2009年3月まで、後ろ向きに追跡調査を行った。その結果、データが得られた8万4,018人(86.2%)のうち、医学部を卒業したのは、96.7%にあたる8万1,237人で、成績が理由で医学部を退学したのは1,049人(1.2%)、成績以外の理由による退学は1,732人(2.1%)だった。卒業生のうち、初回受験で米国医師資格試験(ステップ1・2)に合格したのは7万4,494人(88.7%)で、不合格は6,743人(8.0%)だった。MCATスコアが18~20だと、初回不合格の確率13倍、成績不振で退学の確率11倍米国医科大学入学のための共通テスト「MCAT」のスコアと、初回受験で米国医師資格試験に不合格となる補正後オッズ比についてみたところ、同スコアが18~20(被験者の2.9%)の群では、同スコア29超の群に比べ、補正後オッズ比は13.06(95%信頼区間:11.56~14.76)だった。また、同スコアが21~23(5.6%)の同オッズ比は7.52(同:6.79~8.33)、24~26(13.9%)の同オッズ比は4.27(同:3.92~4.65)だった。MCATスコアと、成績理由による退学との関係は、同スコアが18~20の群では、29超の群に比べ、補正後オッズ比が11.08であり、同スコアが21~23の同オッズ比は5.97、24~26の同オッズ比は3.56だった。人種別では、アジア・環太平洋人の、白人に対する初回受験で米国医師資格試験に不合格となる補正後オッズ比は2.15、成績理由による退学に関する補正後オッズ比は1.69だった。また医学部進学のための借金が5万ドル以上ある場合も、同補正後オッズ比はそれぞれ1.68、2.33と高かった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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「聞いたことがない」70%以上 双極性障害に対する認知・理解いまだ不十分 〈市民インターネット調査結果〉

9月17日、日本イーライリリー株式会社は、双極性障害の一般市民における認知調査の結果を発表した。調査は10歳代から70歳代の一般市民に行われ、有効回答1294のうち1270サンプルを解析している。セミナーの中で、長崎大学名誉教授であり出島診療所所長の中根允文氏は下記のように解説した。まず、双極性障害について知っているかという質問に対し、対象者の72.9%が「聞いたことがない」と回答した。それに対し、うつ病は87.8%が「病気あるいは治療法まで知っている」と回答しており認知度の差が大きいことがわかる。疾患の特徴については、双極性障害を「自殺の可能性が高い」「再発しやすい」と回答したのは、それぞれ19.7%、8.1%に留まり、疾患に対する正しい情報が浸透していない事がわかる。さらに、「双極性障害の患者さんが隣に引っ越しても良い」「結婚して家族の一員なっても良い」については、それぞれ59%、54.7%が否定的な回答を示しており、市民が患者に対して社会的距離を置く傾向にあることがわかった。疾患に対する誤解と社会的距離の拡大を引き起こす大きな要因は、情報の不足と考えられる。さらに中途半端な情報は、誤解と社会的距離の更なる拡大を示す。市民に対し、早急に適切かつ十分な啓発が必要であると考えられる。また、精神科医に対しても双極性障害治療の難易度に対応できるトレーニングが必要である。そして、日本双極性障害団体連合会(NPO法人として16日認可)代表であり、自らも双極性障害患者でもある佐藤諦吉氏は、患者同士のPeerコンサルティングの有用性を述べるとともに、精神科医に対する双極性障害診療の啓発を要望した。双極性障害の生涯有病率は、0.6%であり稀有な疾患とはいえない。一方、この疾患の再発率は90%以上といわれ、生涯にわたる薬物療法等の治療が必要である。さらに、25~50%の患者が自殺を試みたとの報告もあり、そのリスクはうつ病を超えるといわれる。しかし、現在、日本で使用できる薬剤は、躁病治療薬である炭酸リチウム(リーマス)、気分安定薬のバルプロ酸ナトリウム(デパケンほか)とカルバマゼピン(テグレトール)だけであり、その選択肢は狭い。有望な新薬の登場が今後待ち望まれている。詳細はプレスリリースへhttps://www.lilly.co.jp/pressrelease/2010/news_2010_23.aspx(ケアネット 細田 雅之)

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葉物野菜を摂るほど2型糖尿病リスクは有意に低下

世界の糖尿病有病率は現在、6.4%と推定されており、なかでも新規2型糖尿病患者はこの20年間で激増しているという。糖尿病において食事は、重要かつ潜在的に修正可能なリスク因子とされ、これまで炭水化物や食物繊維の役割に関する研究はされてきたが、果物や野菜の摂取量と2型糖尿病発症率との因果関係は十分には解明されていなかった。そこで、英国レスター大学のPatrice Carter氏らの研究グループは、システマティックレビューとメタ解析を行い両者の因果関係について検討した。BMJ誌2010年9月11日号(オンライン版2010年8月19日号)より。果物、野菜、果物+野菜の摂取量と2型糖尿病の発症率Carter氏らは、Medline、Embase、CINAHL、British Nursing Index(BNI)、コクラン・ライブラリをデータソースとして、「糖尿病」「糖尿病前症(prediabetes)」「果物」「野菜」を用いて論文タイトルおよびキーワード検索を行い、専門家による見解と、関連する論文の参照リストが調べられた。本研究の対象となったのは、「果物」「野菜」「果物と野菜」の摂取量と2型糖尿病の発症率に関して行われた前向きコホート研究が選択された。結果、検索ヒットした3,446研究のうち6つが本研究に適格と判断された。葉物野菜の摂取量増加が2型糖尿病リスクを低下6つの研究のうちの4つは、葉物野菜の摂取に関して個別に結果(キャベツ、レタス、ほうれんそう別になど)を提供するものだった。研究グループは、「果物」「野菜」「果物と野菜」「葉物野菜」のそれぞれの多量摂取群と少量摂取群に着目し分析を行った。結果、「葉物野菜」について、多量群の方が少量群に比べて2型糖尿病リスクが14%低下する関連が示された(ハザード比:0.86、95%信頼区間0.77~0.97、P=0.01)。「果物」「野菜」「果物と野菜」の摂取量と2型糖尿病の発症率低下については、有意な関連は認められず、多量に摂取することの有益性も有意ではなかった。これらの結果から研究グループは、「葉物野菜の1日の摂取量の増加は2型糖尿病のリスクを有意に低下させることができる。さらなる検討が必要だ」と結論している。

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経口ビスホスホネート製剤と食道がんリスクとの関係

 骨粗鬆症の予防や治療に用いられる経口ビスホスホネート製剤を服用する患者には、消化不良、吐き気、腹痛、びらん性食道炎、さらに食道潰瘍といった副作用が一般にみられることは報告されている。さらに最近の症例報告では、食道がんリスクの増加が示唆されている。英国オックスフォード大学のJane Green氏らのグループは、「経口ビスホスホネート製剤服用者において食道がん(胃・大腸ではない)リスクは増加する」との仮説検証を目的に、UK General Practice Research Databaseを用いたコホート内ケース・コントロール解析を行った。BMJ誌2010年9月11日号(オンライン版2010年9月1日号)より。英国40歳以上住民を対象にケース・コントロール解析を実施 解析に用いられたデータベースは、英国のプライマリ・ケア対象住民約600万人を擁する。その中から、ビスホスホネート製剤の処方記録のあった40歳以上男女で、1995~2005年に、食道がん(2,954例)、胃がん(2,018例)、大腸がん(1万641例)と診断された人をケース群とし、ケース群1症例につき、年齢、性、一般医療、観察期間で合致した各5例を対照群とし検証が行われた。 主要評価項目は、喫煙、飲酒、BMIで補正後の、食道・胃・大腸がん発生の相対リスクとした。「10回以上」「5年以上」服用者の食道がん発病率は、非服用者の倍と推計 経口ビスホスホネート製剤を過去に1回以上処方されたケースでは、処方されたことのないケースと比較して食道がんの発病率は高まった(相対リスク:1.30、95%信頼区間:1.02~1.66、P=0.02)。 食道がんリスクは、1~9回処方されたケース(同:0.93、0.66~1.31)と比べて10回以上処方されたケース(同:1.93、1.37~2.70、不均一性P=0.002)で、また3年以上服用していたケースで有意に高かった(平均5年、処方なしのケースに対する相対リスク:2.24、95%信頼区間:1.47~3.43)。 食道がんリスクは、ビスホスホネート製剤のタイプによる有意な違いはなかった。 10回以上処方された場合のリスクは、年齢、性、喫煙、アルコール摂取、BMIによる変動はなかった。また、骨粗鬆症、骨折、上部消化器疾患、さらに制酸薬、NSAIDsやステロイドの処方による変動もなかった。 胃がんと大腸がんは、ビスホスホネート製剤処方との関連は認められなかった。「1回以上処方」対「処方なし」の相対リスクは、0.87(95%信頼区間:0.64~1.19)、0.87(同:0.77~1.00)だった。 研究グループは、「食道がんに関する特異性は試験の方法論的な限界の反証となる」としつつ、「食道がんリスクは、経口ビスホスホネート製剤の10回以上の処方、または5年以上にわたる処方によって増加する」と結論し、「ヨーロッパと北米の60~79歳の食道がん発病率は、非服用者は5年で人口1,000対1だが、服用者では1,000対2に倍増することが見込まれる」と述べている。

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洞結節抑制薬ivabradine、心拍数低下により心不全の予後を改善:SHIFT試験

 選択的洞結節抑制薬ivabradineの心拍数低下効果により、心不全の臨床予後が有意に改善されることが、スウェーデン・Gothenburg大学のKarl Swedberg氏らが実施した無作為化試験(SHIFT試験)で明らかとなった。この20年で、既存の心不全治療法の効果は確立されているが、依然として予後は極めて不良なことから、新たな治療法の開発が最重要課題とされている。SHIFT試験では安静時心拍数の上昇は心不全における不良な予後のリスク因子であることが示されており、ivabradineは洞結節のIf電流を特異的に阻害することで心拍数を低下させ、β遮断薬とは異なり収縮能が低下した患者でも心筋収縮や心臓内伝導に影響を与えないという。Lancet誌2010年9月11日号(オンライン版2010年8月29日号)掲載の報告。左室駆出率≦35%の症候性心不全患者の心拍数低下の効果を評価 SHIFT試験の研究グループは、選択的洞結節抑制薬ivabradineの心拍数低下作用が心不全のアウトカムに及ぼす効果を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験を実施した。 心不全の症状がみられる左室駆出率≦35%の患者で、心拍数≧70/分の洞調律を保持し、過去1年以内に心不全による入院歴があり、忍容可能な場合はβ遮断薬などによる治療で病態が安定している者を対象とした。これらの患者が、ivabradine(最大で7.5mg×2回/日まで漸増)を投与する群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、心血管死および心不全の増悪による入院の複合エンドポイントとし、intention-to-treat解析を行った。心不全の病態生理における心拍数の重要性を確認 6,558例(ivabradine群:3,268例、プラセボ群:3,290例)が対象となり、そのうち6,505例(3,241例、3,264例)が解析可能であった。フォローアップ期間中央値は22.9ヵ月(四分位範囲:18~28ヵ月)であった。複合エンドポイントのイベント発生率は、ivabradine群が24%(793/3,241例)と、プラセボ群の29%(937/3,264例)に比べ有意に低かった(ハザード比:0.82、95%信頼区間:0.75~0.90、p<0.0001)。 イベントの多くが、心不全の増悪による入院[ivabradine群:16%(514/3,241例)、プラセボ群:21%(672/3,264例)、ハザード比:0.74、95%信頼区間:0.66~0.83、p<0.0001]および心不全による死亡[3%(113/3,241例)、5%(151/3,264例)、0.74、0.58~0.94、p=0.014]であった。 重篤な有害事象は、ivabradine群が3,388件と、プラセボ群の3,847件よりも有意に少なかった(p=0.025)。症候性徐脈はivabradine群の5%(150/3,241例)にみられ、プラセボ群の1%(32/3,264例)に比べ有意に高頻度であった(p<0.0001)。視覚異常(眼内閃光)はivabradine群の3%(89/3,241例)に認め、プラセボ群の1%(17/3,264例)よりも有意に多かった(p<0.0001)。 著者は、「これらの知見は、ivabradineによる心拍数の低下効果が心不全の臨床的予後の改善に寄与することを示唆しており、心不全の病態生理における心拍数の重要性が確認された」と結論している。

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