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注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「ストラテラ」発売

日本イーライリリー株式会社は19日、AD/HD治療薬「ストラテラ(一般名アトモキセチン塩酸塩)」を販売を開始した。ストラテラは従来のAD/HD治療薬とは作用機序が異なり、脳内の前頭前野でのノルアドレナリンの再取り込みを阻害する非中枢神経刺激薬で、小児(6歳以上~18歳未満)のAD/HD治療の新たな選択肢となる。2003年1月の米国での発売以来、現在84ヵ国で承認されている。また、一部の国では成人のAD/HDに対しても承認されており、現在までに約700万人が服用しているという(2009年2月時点)。詳細はプレスリリースへhttp://www.lilly.co.jp/CACHE/news_2009_14.cfm

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非ステロイド性消炎・鎮痛剤「セレコックス錠」追加適応取得

アステラス製薬株式会社とファイザー株式会社は、非ステロイド性消炎・鎮痛剤(COX-2選択的阻害剤)「セレコックス錠」」(一般名:セレコキシブ)に関し、「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎」の追加適応症について6月17日付けで承認を取得したと発表した。セレコキシブは、国内においてはアステラス製薬とファイザーが共同開発を行い、2007年6月に「関節リウマチ、変形性関節症の消炎・鎮痛」を適応症として発売した。なお、「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群、腱・腱鞘炎」の適応については、2007年2月にその追加適応に関する承認申請をし、今回、承認を取得した。詳細はプレスリリースへhttp://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/post-51.html(アステラス製薬)http://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2009/2009_06_17.html(ファイザー)

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Web版メルクマニュアルがリニューアル

万有製薬株式会社は17日、「Web版メルクマニュアル(http://merckmanual.jp)」を更新した。新版では、動画や写真、音声ファイルなどインターネットの特性を生かした工夫が凝らされている。また、これまでのフリーワード検索のほか、用語索引、疾患分野(セクション)からの検索も可能になった。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2009/corporate_0617.html

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ヒト成長ホルモン製剤ノルディトロピン適応拡大-「骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症」の承認を取得

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は17日、ヒト成長ホルモン製剤ノルディトロピン(一般名:ソマトロピン)について、「骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症」の適応追加の承認を取得したと発表した。成長ホルモン治療の対象となる「SGA性低身長症」は、出生身長および体重が同じ在胎期間の平均よりも10パーセンタイル1未満で、かつ体重または身長のどちらかが、-2SD2スコア未満で生まれた場合をいう(日本における人数は年間約3,000名と推測)。その中でも年齢が3歳以上で身長が同性、同年齢に比べ-2.5SD未満で、治療開始前1年間の成長率SDスコア3が0未満の子供が成長ホルモン治療の対象となる。早期発見、適切な治療により、SGA性低身長症の子供の身長を伸ばすことは可能であり、ノルディトロピンは、国内の臨床試験においてSGA性低身長症の身長SDスコア、成長速度SDスコアを有意に改善を示したという。なお、患者向けの成長ホルモン治療の情報サイト「Nordicare.jp(ノルディケア)」にて、今後SGA性低身長症に関する情報も随時追加していく予定とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_09_21.asp

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進行卵巣がん患者の再発性の症候性性腹水がafliberceptで改善

サノフィ・アベンティス株式会社は17日、仏サノフィ・アベンティス社と米Regeneron社が行った、プラセボ対照無作為化第II相試験でaflibercept(VEGF Trap)の投与を受けた再発性の症候性性腹水(SMA)を伴う進行卵巣がん患者において、試験の主要エンドポイントである初回の再穿刺(腹腔内からの液体の除去)までの期間の中央値に関し、プラセボ対照群と比較して統計的有意な改善が見られたことを発表した。症候性性腹水は、進行がん患者さんの腹腔内に液体が異常に溜まる病気。afliberceptは、特徴的な作用機序を持つ血管新生阻害剤。この融合タンパク質は、あらゆる形態の血管内皮細胞増殖因子A(VEGF-A)、VEGF-B、および胎盤増殖因子(PIGF)(腫瘍血管新生および炎症において重要な役割を果たすと考えられる別の血管新生増殖因子)に結合する。afliberceptは、本来の受容体よりも高い親和力でVEGF-AおよびPlGFと結合する。基本処置後の初回再穿刺までの期間の中央値は、プラセボ投与群では23日であったのに対し、aflibercept 投与群では55日であった(p=0.0019)。初回再穿刺までの期間は、試験の無作為化から無作為化後の初回穿刺までの期間(再穿刺が行われない場合は、治療中止、死亡、または無作為化後6ヵ月間)と定義された。死亡率は、どちらの治療群でも同等であった(統計的有意差なし、ハザード比1.02)。多くの前治療(平均4クールの化学療法)を経験している進行卵巣がんの末期患者群において、4件の致死的な有害事象(腸穿孔、呼吸困難、肺炎、および原因不明の事象がそれぞれ1件ずつ)が治験医師によってafliberceptの治療に関連していると判定されたという。この試験でafliberceptに関して報告された有害事象の種類および頻度は、進行卵巣がん患者における他の抗VEGF療法に関する臨床試験で報告されたものとおおむね一致しているとのこと。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/35B0C5EC-6C9E-4020-91ED-451D2207A505.pdf

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内視鏡検査による結腸直腸がんリスク低下の効果、7年後時点では確認できず

内視鏡検査が結腸直腸がんを、前悪性腺腫の段階で検出・除去でき予防に寄与することは確認されている。しかし、腺腫の自然退縮の期限についてはほとんどわかっていないため、この内視鏡検査による効果は過大評価されているのではとも言われている。そこで、ノルウェーのGeir Hoff氏らの研究グループは、大規模コホートを対象とする、軟性S状結腸鏡検査後被験者の追跡調査を行っている。その7年時点の結果が、BMJ誌2009年6月6日号(オンライン版2009年5月31日号)にて掲載された。検査群と対照群、男女計約5万5,000例を追跡軟性S状結腸鏡によるスクリーニングを受けた群の、その後の結腸直腸がんリスクの評価を目的とする無作為化試験は、ノルウェーのオスロ市とTelemark郡の2地域(都市部と、都市と農村の混合)での集団スクリーニングをベースとする。参加者は55~64歳の男女計5万5,736例で、2群に分けられ追跡。一方は、軟性S状結腸鏡スクリーニング群(内視鏡検査群)で1万3,823例(内視鏡検査単独群と、便潜血検査を併せて実施した群から成る)。もう一方は、内視鏡検査を受けなかった群(対照群)4万1,913例だった。主要評価項目は、5年、10年、15年後の結腸直腸がんの累積罹患率および死亡率となっている。本論は本研究の第一報として、追跡調査7年時点の累積罹患率と、6年時点の死亡率(ハザード比)が報告された。死亡率は低下も、累積罹患率では有意差見られず結腸直腸がんの7年累積罹患率は、内視鏡検査群と対照群で有意差は見られなかったが(100,000人年につき134.5例対131.9例)、死亡率は、内視鏡検査群で低下の傾向が見られた(ハザード比:0.73、95%信頼区間:0.47~1.13、P=0.16)。対照群との傾向比較で、結腸直腸がん(0.41、0.21~0.82、P=0.011)、直腸S字結腸がん(0.24、0.08~0.76、P=0.016)の死亡率で、有意な低下が確認された。研究グループは、「内視鏡検査を行ったことによる結腸直腸がんの累積罹患率の低下は、追跡7年時点の調査では認められなかった。しかし、死亡については、有意な低下は認められなかったものの低下傾向にあることは認められた。バイアスを考慮する必要はあるが、プロトコル解析で結腸直腸がん59%低下、直腸S字結腸がん76%の死亡率の低下が認められた」とまとめている。

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認知症患者のビデオを見せながらのIC

患者が自ら選択した治療を尊重することは、人生の終末期の質を高める重要な鍵となる。その選択に際し医師は伝統的に、言葉だけでインフォームド・コンセント(IC)を行ってきた。米国マサチューセッツ総合病院内科のAngelo E Volandes氏らは、実際の末期患者を撮影したビデオを見せながらのICが、患者が望むケアの選択に寄与すると提唱する。ビデオを見せることが、患者が望むケア選択を形作ることができるのか。高齢者を対象に、認知症が進行した場合の治療選択について、ビデオを見せた群と口頭のみの群との選択肢の違いに関する無作為化試験を行った。BMJ誌2009年6月6日号(オンライン版2009年5月28日号)より。認知症患者のビデオを見せ、65歳以上高齢者200例の治療選択を検討試験は2007年9月1日~2008年5月30日の間に、ボストンにある4つの診療所(2つは老人医学専門、2つは成人医学)で、65歳以上200例が参加し行われた。被験者は、認知症になったときの健康ステータスを、口頭のみで説明を受け治療の選択肢を決める群(口頭IC群、106例)と、ビデオ(認知症が進んだ80歳女性が、2人の娘、看護師とともに自宅で撮影されているビデオ)も見て決める群(ビデオIC群、94例)に無作為化された。主要評価項目は、どのようなゴールのケアが選択されたか。すなわち、「延命ケア選択」(心肺蘇生、人工呼吸器装着)、「限定的ケア選択」(入院、抗生剤投与は受け入れるが心肺蘇生は望まない)、「安楽ケア選択」(緩和ケアのみ)のいずれであったかが検討された。また、6週間後にもう一度インタビューを行い、意思の変化も調べられた。ビデオIC群のほうが安楽ケアを選択、時間経過による意思のぶれも小さい結果、口頭のみIC群の選択は、安楽ケア選択68例(64%)、限定的ケア選択20例(19%)、延命ケア選択15例(14%)、不明3例(3%)だった。ビデオIC群はそれぞれ、81例(86%)、8例(9%)、4例(4%)、1例(1%)だった(χ2乗=13.0、df=3、P=0.003)。多変量解析で、口頭IC群よりもビデオIC群のほうが、安楽ケアをより選択する傾向であることが確認されている(補正オッズ比:3.9、95%信頼区間:1.8~8.6)。また全被験者の解析から、安楽ケアを選択する可能性がより大きくなる因子として、「学士(またはそれ以上の学位)を有した者」「健康状態が良好(またはそれ以上)」「健康に関する教養が高い」「白人」および無作為化によるバイアスが確認された。6週間後の再調査では、口頭IC群(94/106例、89%から回答)で意見を変えた人は27例(29%)に上ったが、ビデオIC群(84/94例、89%から回答)では5例(6%)だった(違いのP

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99%の中学校に心の健康状態に問題を持つ生徒がいる

こころの病気を学ぶ授業(うつ病編)の開発」に関する共同研究を行っている国立大学法人東京学芸大学と日本イーライリリー株式会社は、研究結果から、「こころの健康状態に問題を持つ生徒がいると回答した中学校は全体の98.7%である」ことを報告した。同社らは共同研究の一貫として、思春期から青年期に発症することが多いといわれる「うつ病」などの精神疾患に関し、中学生のメンタルヘルスの現状と課題、および学校現場でのメンタルヘルス教育の現状と課題を把握することを目的に、2008年11月~12月、首都圏の公立中学校を対象に、「こころの病気を学ぶ授業プログラムの開発に関する調査研究」を実施した(調査対象507校、うち有効回答163校)。また、精神医療専門機関を受診する生徒がいる学校は83.9%、うつ病の生徒がいる学校は37.3%あった。半数以上(53.1%)の学校で、心の健康状態に問題を持つ生徒が増えており、半数近く(46.5%)の回答者が「過去3年間に自殺の悩みを相談された経験がある」と回答している。調査の結果から、調査に回答したほぼすべての中学校に心の健康状態に何らかの問題を持つ生徒がおり、そのような生徒が増えている傾向があるということがわかったという。また、このような状況のなか、多くの教師がメンタルヘルス教育の必要性を認識しているにも関わらず、教える知識や情報、ノウハウの不足などから、メンタルヘルス教育を実施している学校は約3割にとどまることも明らかになったという。詳細はプレスリリースへhttp://www.lilly.co.jp/CACHE/news_2009_13.cfm

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機能性ディスペプシア治療剤Z-338の臨床薬理試験結果がDDW2009で発表される

6月に米国シカゴで開催された米国消化器病週間2009(DDW2009)において、世界で初めての機能性ディスペプシア(Functional Dyspepsia:FD)治療剤として開発中のZ-338(一般名:アコチアミド塩酸塩水和物)のオーストラリアで実施されたFD患者と健常人を対象とした臨床薬理試験結果が発表された。ゼリア新薬工業株式会社が15日に報告した。この試験は、FD患者30名、健常人27名(評価症例数各26名)を対象にした、アコチアミド投与群(1回100mg、1日3回投与)およびプラセボ投与群のクロスオーバー二重盲検比較試験で、ドリンクテスト(アイソトープを含有する粘性のある栄養液剤を摂取し、撮像する試験)時に誘発される症状および胃排出能を検討したもの。FD患者においてアコチアミド投与群の被験者の印象は、有意差は認められなかったものの、プラセボ投与群に対して約11%の改善が認められ、アコチアミド投与群は、ドリンクテスト時の上部消化管における不快感、痛み、膨満感、悪心および胃内容物の逆流等に、プラセボ投与群に対する有意な改善が認められたとのこと。また、FD患者の胃排出能に関しては、アコチアミド投与群とプラセボ投与群に有意差は認められなかったものの、アコチアミド投与群では、遅延していた胃排出能がほぼ健常人と同等レベルにまで改善されたという。最近の調査では、国内の成人、4分の1にFDの症状が見られ、発現頻度の高い疾患であると報告されているが、これまでにFDを対象患者として有効性を証明し承認された医薬品はなく、アコチアミドは世界で初めてのFD治療剤となるのではと期待されているという。詳細はプレスリリースへhttp://www.zeria.co.jp/image/upimg/mv12450476241.pdf

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インスリンペン型注入器ノボペン4発売

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社は15日、新しいインスリンペン型注入器ノボペン4を発売した。ノボペン4は、ペンフィル(カートリッジ製剤)との組み合わせで使用できる。ノボペン4は、3種類のインスリンアナログ製剤(ノボラピッド注 ペンフィル、レベミル注 ペンフィル、ノボラピッド30ミックス注 ペンフィル)が使用できることに加えて、ノボペン300と同程度の高い注入精度を維持しながらも操作性が向上されている。注入完了を患者自身で確認できる機能もついている。3種類のインスリンアナログ製剤(ノボラピッド注 ペンフィル、レベミル注 ペンフィル、ノボラピッド30ミックス注 ペンフィル)が使用でき、同社の従来品と比較して単位設定や単位修正が容易になった。単位数を多く設定しすぎた場合でも、反対に回して戻すだけで簡単に単位数が修正できるという。インスリンカートリッジも簡単に交換でき、また、カートリッジホルダーをワンタッチで外せ、ピストンを戻すときも円盤を押すだけで戻せる。最後まで注入するとカチッと音がして、注入完了を耳で確認できる。注入抵抗はノボペン300と比べて約半分になったとのこと。色はブルーとシルバーの2色。ノボペン4は2005年に欧州で発売されて以来、世界で22の国と地域の患者に使用されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_09_19.asp

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早期関節リウマチへのエンブレルとメトトレキサートの併用による抑制効果について

ワイス・ヨーロッパは12日、デンマーク・コペンハーゲンで開催された欧州リウマチ学会(EULAR)にて、早期活動性関節リウマチ患者を対象としたエタネルセプト(商品名:エンブレル)とメトトレキサートの併用に関する臨床試験(COMET試験)の結果が発表されたと報告した。同試験結果では、活動性が中等度から重度の早期関節リウマチ患者において、エンブレルとメトトレキサートの併用により、関節破壊の進行抑制が2年目も継続していることが明らかになったとのこと。COMET(COmbination of Methotrexate and ETanercept in early rheumatoid arthritis)試験は、早期活動性関節リウマチ患者の疾患活動性および関節破壊の進行に関して、エンブレル(ETN)とメトトレキサート(MTX)併用療法の臨床上の有効性と安全性を、メトトレキサート単独投与と比較し「臨床的寛解」を主要評価項目として用いて公表された初の臨床試験。COMET試験の2年目のデータ結果は主に以下の通り。● 1年目の終わりから2年目の終わりまでの間で、臨床的寛解を達成した患者の割合は、M/M患者群では35%であったのに対し、EM/E患者群では50%に到達した。● 臨床的寛解を達成した患者の割合をみると、ETNを含む治療を受けた患者群(EM/EM患者群、EM/E患者群、およびM/EM患者群)のほうがメトトレキサート単独投与患者群(M/M)より有意に高くなった。(LOCFおよびNRIを使用)● 関節破壊の進行抑制を達成した患者の割合は、併用投与を継続したEM/EM患者群が、他の患者群より有意に高くなった。(P

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4価HPVワクチンは24~45歳の未感染女性にも有効

ヒトパピローマウイルス(HPV)に対する遺伝子組換え4価(HPV-6、-11、-16、-18)ワクチンは、HPV未感染の24~45歳の女性にも有効であることが、コロンビア国立がん研究所(ボゴタ市)のNubia Munoz氏らが実施した無作為化試験で明らかとなった。4価ワクチンは、すでに16~26歳の女性における有効性が確認されている。女性のHPV感染は初回性体験から5~10年以内(おおよそ15~25歳)にピークを迎えるが、30~40歳代あるいは閉経後に第2のピークが見られるとする報告もある。この第2のピークが潜伏感染の再活性化あるいはコホート効果なのか、それとも新たなHPV感染によるものなのかは不明だが、同氏らの以前の検討では新規感染による可能性が高いという。Lancet誌2009年6月6日号(オンライン版2009年6月2日号)掲載の報告。38施設が参加した国際的なプラセボ対照比較試験研究グループは、24~45歳の女性を対象に4価HPVワクチンの安全性、免疫原性、有効性を評価するための多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験を実施した。2004年6月~2005年4月までに、コロンビア、フランス、ドイツ、フィリピン、スペイン、タイ、アメリカの38施設から陰部疣贅や子宮頸部疾患の既往歴のない24~45歳の女性3,819人が登録された。これらの女性は、第1日、2ヵ月、6ヵ月に4価ワクチンを接種する群(1,911人)あるいはプラセボを接種する群(1,908人)に無作為に割り付けられた。全施設の研究者、参加者、調整員および中央検査室の検査員には割り当てられた治療内容は知らされなかった。有効性に関する主要複合エンドポイントは、6ヵ月以降におけるHPV-6、-11、-16、-18およびHPV-16、-18のみによる感染、もしくは子宮頸部、外陰部の疾患の発現とした。ワクチン群のうち少なくとも1回の接種を受けたのは1,910人、プラセボ群は1,907人であった。感染予防効果を確認、24~45歳の女性全般に一般化が可能per-protocol解析では、6ヵ月以降におけるHPV-6、-11、-16、-18の感染もしくは疾患発現は、ワクチン群が0.25%(4/1,615人)とプラセボ群の2.6%(41/1,607人)に比べ有意に優れた(プラセボ群に対するワクチン群の有効率:90.5%、p<0.0001)。HPV-16、-18のみの感染もしくは疾患発現も、ワクチン群は0.25%(4/1,601人)、プラセボ群は1.5%(23/1,579人)と有意な差が認められた(有効率:83.1%、p=0.0001)。intention-to-treat解析では、6ヵ月以降におけるHPV-6、-11、-16、-18の感染もしくは疾患発現はワクチン群が5.7%(108/1,886人)、プラセボ群は8.2%(154/1,883人)であった(プラセボ群に対するワクチン群の有効率:30.9%)。HPV-16、-18のみの感染もしくは疾患発現はそれぞれ4.8%(90/1,886人)、プラセボ群6.1%(115/1,883人)であった(有効率:22.6%)。著者は、「登録時にHPV-6、-11、-16、-18に感染していなかった24~45歳の女性において、4価ワクチンはこれらの感染の予防効果を有することが確認された」と結論し、「標準的なスクリーニング法や治療法が有効なこと、また性的パートナー数は選択基準にも除外基準にもならないという事実に基づけば、今回の知見は子宮頸部疾患や外陰部疾患の既往歴のない24~45歳の女性全般に適用が可能である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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段階的弾性ストッキングは脳卒中後の深部静脈血栓を予防しない

大腿部までの長さの段階的弾性ストッキング(GCS)の着用は、脳卒中後の深部静脈血栓(DVT)のリスクを低減しないことが、イギリスEdinburgh大学臨床神経科学部のMartin Dennis氏らが実施した無作為化試験(CLOTS 1)によって明らかとなった。脳卒中後は一般にDVTや肺塞栓症が見られるが、手術を受けた患者を対象とした小規模な試験においてGCSによるDVTリスクの低減効果が確認されている。エビデンスとしては十分でないにもかかわらず、脳卒中ガイドラインはこれらの知見を外挿して脳卒中患者に対するGCSの使用を推奨している。Lancet誌2009年6月6日号(オンライン版2009年5月27日号)掲載の報告。GCSのDVT低減効果を検証する無作為化対照比較試験CLOTS(Clots in Legs Or sTockings after Stroke)1の研究グループは、大腿部までの長さのGCSによる脳卒中後のDVTの低減効果について評価するための無作為化対照比較試験を行った。2001年3月~2008年11月までに、イギリス、イタリア、オーストラリアの64施設から急性脳卒中発症後1週間以内に入院し、活動不能な状態の患者2,518例が登録された。これらの患者は、中央無作為化システムによってルーチン治療と大腿部までのGCSを着用する群(1,256例)あるいはルーチン治療のみを施行しGCSは使用しない群(1,262例)に割り付けられた。登録後7~10日および25~30日に、治療の割り付けを知らされていない技師によって両足の圧迫Doppler超音波検査が施行された。主要評価項目は、膝窩静脈あるいは大腿静脈の症候性、無症候性のDVTの発現とした。DVT予防効果はなく、皮膚有害事象が有意に多いすべての患者が解析の対象となった。主要評価項目の発現率は、GCS使用群が10.0%(126/1,256例)、GCS非使用群は10.5%(133/1,262例)であり、絶対リスク低減率は0.5%と有意な差は認めなかった。皮膚の裂傷、潰瘍、水疱や皮膚壊死の頻度は、GCS非使用群の1.3%(16/1,256例)に対しGCS使用群は5.1%(64/1,262例)と有意に高かった(オッズ比:4.18、95%信頼区間:2.40~7.27)。これらの結果により、著者は「急性脳卒中による入院患者に対して、DVTの予防を目的とした大腿部までの長さのGCSの着用は支持されない」と結論し、「脳卒中ガイドラインは、本試験の知見に基づいて改訂を検討すべきであろう」としている。(菅野守:医学ライター)

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タシグナが初発の慢性骨髄性白血病の治療に優れた効果を発揮

ノバルティス ファーマ株式会社は16日、「タシグナ」(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)の投与を受けた初発の慢性骨髄性白血病(CML)の患者において、治療開始から12ヵ月の時点で速やかな効果が見られ、CMLの原因となる異常なタンパクの発現が大幅に減少することが、GIMEMA (Gruppo Italiano Malattie Ematologiche dell’Adulto)グループが実施する試験からの新たなデータで示されと発表した。今回の研究では、フィラデルフィア染色体陽性の慢性骨髄性白血病(Ph+CML)患者を対象に、タシグナと「グリベック」(一般名:イマチニブメシル酸塩)のこれまでのデータを比較している。この結果は、ドイツ・ベルリンで開かれた第14回欧州血液学会(14th annual European Hematology Association congress)にて発表された。グリベック治療に関してはこれまで、細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)の達成もしくは患者の骨髄中にフィラデルフィア染色体細胞が検出されないこと、という観点から有効性が評価されていた。しかし、より高感度の測定方法を用いた分子遺伝学的寛解(MMR)が有効性の重要な評価基準として重要視されつつあり、今後、MMRが長期的無増悪生存に対する最良の予測因子となる可能性があるという。タシグナは、白血病細胞の過剰生成に関与する異常なBcr-Ablタンパクとその変異体をグリベックより効果的に阻害する目的で開発された。今回の第II相試験では、エンドポイントとしてMMR達成までの時間も評価している。データによると、タシグナの治療開始から12ヵ月の時点で、96%の患者がCCyRを、85%の患者がMMRを達成したという。これらのデータとグリベックのこれまでのデータとを比較すると、タシグナは、疾病による負担をより迅速に軽減し得るという。現時点でタシグナは、グリベックなどの前治療に抵抗性または不耐容の慢性期または移行期のCML成人患者に対する治療薬として65ヵ国以上で承認されている。また、初発慢性期のCML患者を対象としたタシグナとグリベックを比較する第III相試験も現在進行中であり、その結果は2010年前半に得られる予定とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2009/pr20090616.html

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大腸がん治療における国際標準と日本の現状・・・米国のOptimized chemotherapyと今後の展望

 2009年6月11日、コンラッド東京にて「大腸がん治療における国際標準と日本の現状」と題して開催された、株式会社ヤクルト本社によるプレスセミナーの第2報をお届けする。 臨床の第一線で活躍する腫瘍内科医である米国メイヨークリニック腫瘍学部内科腫瘍学科教授のA.Grothey氏(写真)は、今後の治療戦略として分子標的薬の現状について述べた。また、肝転移時の集学的治療、米国における標準的な術後補助化学療法について紹介した。 Grothey氏はまず、進行大腸がんに対する化学療法やさらに分子標的薬を上乗せした治療のエビデンスが蓄積されてきていると述べ、新たな分子標的薬であるセツキシマブやパニツムマブを併用した臨床試験結果やKRASとの関連にも言及した。 続いて、大腸がん肝転移の集学的管理として、ネオアジュバント化学療法、Conversion chemotherapy(転換化学療法)、術後補助化学療法について紹介した。 まず、切除可能な肝転移が対象となるネオアジュバント化学療法の有用性について、EORTC 40983試験において術前/術後にFOLFOXを実施した群の3年無病生存率(DFS)が、術後にのみFOLFOXを実施したMOSAIC試験のStageIII群と比較して7.2%高かったことを紹介した。また、切除不可能な肝転移例が対象となるConversion chemotherapyでは、その臨床上の管理について、(1)あくまで切除を可能にするための治療なので療法期間は短く、肝毒性を低くするべきである、(2)分子標的薬ではベバシズマブは術前6週間で投与中止とする、(3)KRAS野生型ではセツキシマブ併用が最善かもしれない、と考察した。 最後にGrothey氏は、米国における結腸がんにおける標準的な術後補助化学療法について、FOLFOXはStageIIIおよび高リスクStageII結腸がんの標準であるが、オキサリプラチン療法の候補でない、またはミスマッチ修復遺伝子欠損患者にはカペシタビンまたは5FU/LVが適しているとまとめた。なお、現在、XELOXや分子標的薬の臨床試験が実施されておりその結果が待たれるが、ベバシズマブについては、mFOLFOX6への上乗せ効果を検討したNSABP C-08試験で、3年DFSに有意な延長が認められなかったことが、今年のASCOで発表されたことも紹介し、講演を締めくくった。 講演後に行われた質疑応答では、Grothey氏から紹介されたFOLFOXとベバシズマブの併用に関する結果を受け、この併用による術後補助化学療法の臨床試験の継続について質問が出された。これに対して大津氏は、ベバシズマブは微小転移には効果がないかもしれないこと、2010年に結果が出る予定であること、さらにStageII結腸がんにおけるこのレジメン実施の是非が議論となっていることを述べた。

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新規素材「中分子キトサン」を開発 実験モデルにて、「プリン体」を吸着、尿酸値の上昇防止を確認

 ロート製薬株式会社は16日、機能性素材の探索を重点研究テーマに掲げる研究拠点「ロートリサーチビレッジ京都」において、血中尿酸値の上昇原因の一つであるプリン体を吸着する新素材「中分子キトサン」を開発したと発表した。研究の結果、「中分子キトサン」は動物モデルにおいて、プリン体の過剰摂取に起因する尿酸値の上昇を抑制する作用があることを確認。「中分子キトサン」は、従来の高分子キトサンよりも溶解性に優れることから、飲料形態での利用も可能であり、機能性食品素材としての応用範囲が広がるものだという。「中分子キトサン」は同社で開発したキトサン素材。高分子キトサンと同等の生理機能を残したまま、高い溶解性を付与することに成功。分子量は4万~7万の範囲にあり、高分子キトサンや低分子キトサンとは異なる新しい仕様のキトサンとのこと。 研究は、中分子キトサンのプリン体吸着作用と血中尿酸値に対する中分子キトサンの上昇抑制作用について行われた。詳細はプレスリリースへhttp://www.rohto.co.jp/comp/news/?n=r090616_1

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大腸がん治療における国際標準と日本の現状・・・日本における術後補助化学療法のcontroversy

 2009年6月11日、コンラッド東京にて「大腸がん治療における国際標準と日本の現状」と題して開催された株式会社ヤクルト本社によるプレスセミナーについて、2回に分けてお届けする。 国立がんセンター東病院臨床開発センターの大津敦氏(写真)は、StageIII大腸がんに対するFOLFOXによる術後補助化学療法(わが国では申請中)について、主に内科医と外科医の間で議論のあるところと述べる一方、自施設ではStageIIIbとStageIV(肝または肺切除後)については、ほとんどの症例でFOLFOXによる術後補助化学療法を実施していることを紹介した。 大津氏は、まず、切除不能進行大腸がんに対する薬物療法について、有効薬剤の増加により生存期間が大幅に延長され、かつては0~1%程度であった5年生存率(OS)がFOLFOX4では9.8%になっていることや、初回治療としてはFOLFOX/FOLFIRI+ベバシズマブが一般的であること、さらにドラッグラグは消失しつつあることを述べた。また、最も多く実施されているFOLFOXレジメンについて、自施設の消化器内科においてFOLFOXとFOLFOX+ベバシズマブで2,198件と約4割を占めていること、さらにSAE(副作用による緊急入院)の発生が1件もないことを紹介した。 次に、大腸がん術後補助化学療法の現状について、欧米ではFOLFOXによる術後補助化学療法がStageIIIおよび高リスクのStageII結腸がんに対し一般的になっているのに対し、日本では、StageIII大腸がん補助化学療法の実施について、2つの考えに分かれて議論されていると述べた。 大津氏は、その議論の背景として、日本では結腸がんにおける術後補助化学療法におけるFOLFOXの位置付けを示した試験がなく、ヨーロッパで実施されたMOSAIC試験(FOLFOX vs 5FU/LV 、StageII/IIIを対象)での6年OSの4%の差をどう考えるか、また、欧米に比べて日本の手術成績のほうが10%程度良好であるが、その理由には様々な要素があることから一概に手術成績が良いかどうかは不明であり、また、国内でも全がん協加盟施設のなかでさえ施設間にバラつきがあることを紹介した。 これらの背景から、主に外科医による「日本の手術成績は欧米より良好であり、海外の術後補助化学療法の試験結果は受け入れられない、4%のOS延長のベネフィットより約10%のGrade2の神経毒性を重視する」という意見と、主に内科医による「10%程度の手術成績の差は国別成績を出せば存在する範囲であり、海外の試験結果を積極的に受け入れるべきである、約10%のGrade2の神経毒性より4%のOSのベネフィットのほうを優先すべき」という意見に分かれて議論されているとのことである。 なお、約10%というFOLFOXの神経毒性については、アジア人での耐容性を確認するために実施された多施設共同オープン試験(MASCOT試験、StageII/III結腸がんを対象)において、Grade3以上の末梢神経障害はMOSAIC試験の12.4%に比べ0.8%と低く、欧米人に比較してアジア人では軽度であることが報告されている。 最後に、自施設のFOLFOXによる術後補助化学療法の適応における基本コンセンサスについて、「当院では術後補助化学療法をすべて内科で実施しているということもあるが、手術成績が70%以下であるStageIIIbとStageIV(肝または肺切除後)については、あくまで患者さんに毒性と効果を伝えて希望に沿って決定することを前提として、ほとんどの症例で実施している」と紹介し、講演を終えた。

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注射用ニューキノロン系抗菌製剤「パズフロキサシンメシル酸塩注射液 1000mg」製造販売承認申請

富山化学工業株式会社と田辺三菱製薬株式会社は15日、国内で共同開発を進めてきた注射用ニューキノロン系抗菌製剤「パズフロキサシンメシル酸塩注射液1000㎎」の製造販売承認申請を、11日に行ったことを発表した。「パズフロキサシンメシル酸塩注射液」は、2002年9月より1物2銘柄(製品名:富山化学「パシル点滴静注液」、田辺三菱製薬「パズクロス」)で並売をしていて、「パズフロキサシン」として300㎎、500㎎含量した2規格を販売している。近年、医療現場で問題となっている重症・難治性感染症に対して、本剤を増量して使用したいとの学会からの要望を受け、臨床試験を実施。今回、試験成績がまとまり、通常は「パズフロキサシン」として1日1000㎎を2回に分けて点滴静注する現在の用法・用量に加え、重症・難治性感染症等では1日2000mgを2回に分けて点滴静注するという用法・用量の取得を目指しているとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.toyama-chemical.co.jp/news/detail/090615.html(富山化学工業株式会社)http://www.mt-pharma.co.jp/shared/show.php?url=../release/nr/2009/MTPC090615_P.html(田辺三菱製薬株式会社)

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アルコール性急性膵炎の治療に有効なターゲットを特定

独立行政法人理化学研究所は16日、英国・リバプール大学と共同で、アルコール誘発性の急性膵臓炎(膵炎)の発症初期に「イノシトール三リン酸受容体(IP3レセプター)」がかかわっていることを発見したと発表した。急性膵炎の主な発症原因として、アルコール依存症の患者に多く見られるアルコールの多量摂取が挙げられる。膵臓を構成する細胞内で消化酵素が異常に活性化すると、膵臓を部分的に消化してしまい、その損傷によって炎症を起こして、急性膵炎を発症させる。これまでの研究から、膵臓内の酸素濃度が低下する際にアルコールと脂質を材料として脂肪酸エチルエステル(FAEE)という化合物が作られることが知られている。この時、FAEEは膵臓細胞内のカルシウム濃度を過剰に上昇させ、トリプシンなどの消化酵素を活性化させると考えられている。膵炎発症のきっかけとなる細胞内のカルシウム濃度上昇の第一段階は、アルコールの刺激によって、細胞内のカルシウム貯蔵庫に貯蔵されているカルシウムが細胞質へと放出されることで始まる。研究グループは、FAEE量が増大すると、カルシウムが特異的なカルシウム貯蔵庫から2型、3型IP3レセプターを通って細胞質に放出されることを見いだした。さらに、理研グループが作製した2型、3型IP3レセプターを欠損するノックアウトマウスの膵臓細胞でFAEEによる毒性の減少が認められたことから、アルコールによる過剰なカルシウム上昇と消化酵素の活性化に、2型、3型IP3レセプターが重要な役割を果たすことが決定的となったという。本研究は、米国の科学雑誌『Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America』6月15日の週にオンライン掲載される。詳細はプレスリリースへhttp://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2009/090616/detail.html

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新しい抗結核薬TMC207、多剤耐性肺結核の治療薬として有効:第II相第1段階試験

新たな抗結核薬として開発が進められているdiarylquinoline(TMC207)の第II相試験第1段階の結果、多剤耐性肺結核の治療薬として有効であることが確認された。南アフリカUniversity of Stellenboschヘルスサイエンス学部のAndreas H. Diacon氏らによる報告で、NEJM誌2009年6月4日号で発表された。TMC207は、結核菌のATP合成酵素を阻害するというこれまでにない作用機序を有する。in vitroで、薬剤感受性・薬剤耐性結核菌を強力に阻害すること、薬剤感受性の肺結核患者で殺菌作用を示すことが明らかになっていた。多剤耐性肺結核47例を、TMC207群とプラセボ群に無作為化第II相試験は、無作為化プラセボ対照試験が、試験ステージ(8週間)と検証ステージ(24週間)の2ステージにて行われた。本論は、8週間の試験ステージの報告。 試験は、新たに多剤耐性肺結核と診断された47例を、TMC207群(400mg/日を2週間投与、続く6週間は週に3回200mgを投与、23例)と、プラセボ群(24例)に無作為に割り付け行われた。なお全患者に対してセカンドレジメンとして、標準的な5種類の抗結核薬の治療が合わせて行われた。エンドポイントは、液体ブロスでの喀痰培養による、陽性から陰性への転換とされた。有効性を確認結果、TMC207群はプラセボ群に比べ、陰性へ転換するまでの期間が短く(ハザード比:11.8、95%信頼区間:2.3~61.3、COX回帰分析によるP=0.003)、また、陰性に転換した患者の割合が大きかった(48%対9%)。喀痰培養におけるコロニー形成単位の平均値は、TMC207群のほうがプラセボ群に比べ迅速に減じた。TMC207の平均血中濃度は陰性に転換しなかった患者と転換した患者とで有意な差は見られなかった。有害事象の大半は軽度~中等度であったが、吐き気のみTMC207群で有意に頻度が高かった(26%対4%、P=0.04)。(武藤まき:医療ライター)

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