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喫煙は世界的な結核症例を増大し、死亡を増大する

喫煙は、将来的な結核症例数および死亡例を相当に増大することが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSanjay Basu氏らが行った数理モデル解析の結果、報告された。現在、喫煙者は世界で約20%だが、その割合は多くの貧困国で上昇すると予測されている。喫煙が喫煙者自身の結核感染および死亡のリスク増大と結びついているが、これらリスクが集団へ及ぼす影響については明らかにされていなかった。BMJ誌2011年10月8日号(オンライン版2011年10月4日号)掲載報告より。現在の傾向で喫煙者が増えていけば2050年までに結核1,800万人、死亡4,000万人過剰に発生研究グループは、2010年から2050年までのWHO加盟国における結核の発生率、有病率、死亡率を算出し、喫煙傾向、症例の検出、治療の成功、HIV有病率により推定値がどう変化するかを推計した。結果、もし現在の趨勢で喫煙者が増えていけば、2010~2050年の間に、結核症例は1,800万症例(標準誤差:1,600万~2,000万)過剰に発生し、結核による死亡は4,000万人(同:3,900万~4,100万)過剰に生じることが予測された。積極的喫煙コントロールで、結核死亡例を2,700万例回避し得る喫煙による結核症例は、喫煙を原因としなかった場合と比べて7%上昇(2億7,400万vs. 2億5,600万)、同比較の死亡は66%上昇(1億100万vs. 6,100万)することが推計された。また喫煙は、1990年から2015年までに結核死亡率を半減するという国連のミレニアム開発目標を遅らせることも予測された。一方で推計モデルから、積極的な喫煙コントロールの介入(喫煙が根絶するまで1%/年ずつ喫煙有病者の割合を減らしていく)が、2050年までの喫煙を起因とする結核による死亡を、2,700万例回避し得ることが示された。しかし、もし喫煙者成人の割合が50%まで増大したら(喫煙率の高い国で認められたとして)、2050年までの結核による死亡はさらに3,400万例起こり得ると推計された。

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麻酔記録と投与エラーを減らす新システムの有用性

麻酔薬に関する記録と投与エラーを減らすために開発された、マルチモードシステム「SAFERSleep」は、臨床でのエラー改善に有用なことが前向き非盲検無作為化臨床試験による評価の結果、報告された。記録の改善が主であったという。ニュージーランドのオークランド大学麻酔学部門のAlan F Merry氏らが、BMJ誌2011年10月8日号(オンライン版2011年10月4日号)で発表した。SAFERSleepは、ニュージーランド、英国のいくつかの病院で使用中で、特にオークランドの市立病院では2005年以来ほとんどの麻酔薬を対象として使用しているという。作業効率と無菌性を促進する新システム試験は、主要な第3次の高度機能紹介病院の5つの手術室で、同意を得た麻酔医89人が管理していた1万764例の薬剤投与があった1,075の症例について、新しいシステムと従来の手動記録による管理との比較が行われた。新しいシステムには、作業効率と無菌性を促進するため特注の薬品トレイと用途に見合ってデザインされたワゴンから構成され、一般的に使用される麻酔薬はあらかじめ充填されており、大きく読みやすいカラーコードラベルが貼付されている。バーコードリーダーはコンピュータ、スピーカー、タッチパネルとリンクしており、投与の直前に耳と目で選んだ麻酔薬を確認することができ、麻酔記録が自動的に編集され、もし投与開始15分以内に抗菌薬が投薬されない場合、また特定の手順、特に投薬前にラベルのスキャンニングがされていない場合、スクリーンと音声で警告が発せられる仕組みとなっていた。主要評価項目は、静脈注射の記録と投与のエラーの複合(直接観察、記録とバイアル中身との不一致の複合と断続的な視覚刺激への反応とした。副次評価項目には、患者のアウトカム、麻酔医の作業と作業負荷評価の解析、麻酔記録の読みやすさの評価、新システムの手順遵守の評価、参加者へのそれぞれのシステムのアンケート評価などが含まれた。読みやすい記録編集機能が麻酔医に好評、患者アウトカムと作業負荷は従来どおり投与エラーの全体平均は、100投与につき、新システムは9.1件(95%信頼区間:6.9~11.4)に対し、従来法は11.6件(同:9.3~13.9、9投与に1件)だった(格差のP=0.045)。新システムで最も多かったのは記録のエラーで、投与エラーはわずかだった。しかし、従来法と比較するとその差は有意ではなかった。投与エラーの割合は、麻酔医が新システムの2つの鍵となる原理(投与前バーコードスキャニング、音声喚起)を活用しなかった場合と比べて、常に活用した場合はより低かった。エラー平均は100投与につき、6.0件(同:3.1~8.8)vs. 9.7件(8.4~11.1)だった(P=0.004)。断続的な視覚刺激への反応は、新システムでは12%(58/471)、従来法では9%(40/473)だった(P=0.052)。新システムの記録はより読みやすく、麻酔医に好まれた。特に、長期、複雑、緊急の症例について評価が高かった。患者アウトカムや、麻酔医の作業負荷については新システムと従来法とに差は認められなかった。

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喫煙の冠動脈心疾患リスクへの影響、女性のほうが大きい

喫煙が冠動脈心疾患リスクの上昇に及ぼす影響は男性よりも女性で大きいことが、米国・ミネソタ大学のRachel R Huxley氏らの検討で示された。現在、世界の喫煙者数は11億人にのぼり、その5分の1が女性である。たばこを直接的原因とする死亡数は、毎年、500万人以上に達し、そのうち150万人が女性だという。この状況を放置すれば、2030年までにたばこで死亡する女性は250万にまで増加すると予想されている。喫煙は冠動脈心疾患のリスク因子だが、女性における喫煙の影響が男性と同じかは不明であった。Lancet誌2011年10月8日号(オンライン版2011年8月11日号)掲載の報告。前向きコホート試験のメタ解析研究グループは、喫煙が女性の冠動脈心疾患のリスクに及ぼす影響を男性との比較において検討することを目的に、文献を系統的にレビューしメタ解析を行った。1966年1月1日~2010年12月31日までに発表され、冠動脈心疾患や喫煙の相対リスクを男女別に検討したプロスペクティブなコホート試験を対象とした。データはinverse variance weightingによる変量効果モデルを用いて統合し、男女間の相対リスク比を推算した。若年女性の喫煙率が高い国は対策を86試験(391万2、809人、冠動脈心疾患イベント6万7、075件)に関する26論文が抽出された。冠動脈心疾患以外の冠動脈リスク因子で調整した75コホート(240万人)について総合解析を行ったところ、非喫煙者との比較における喫煙者の冠動脈心疾患リスクは、男性よりも女性で有意に高かった(相対リスク比:1.25、95%信頼区間:1.12~1.39、p<0.0001)。このアウトカムは出版バイアスで調整後も変化せず、試験間の大きな不均一性も確認されなかった(p=0.21)。追跡期間が1年長くなるごとに、相対リスク比は2%ずつ大きくなり、これは有意な変化であった(p=0.03)。53試験の統合データでは、喫煙経験者と非喫煙者の相対リスクに男女差は認めなかった(相対リスク比:0.96、95%信頼区間:0.86~1.08、p=0.53)。著者は、「冠動脈心疾患リスクにおける性差の基本的なメカニズムが、生物学的な要因によるのか、喫煙行動の男女差に関連するものなのかは不明」とし、「特に若年女性の喫煙率が上昇している国では、女性を対象とする喫煙管理プログラムの実施を考慮すべき」と提言している。(菅野守:医学ライター)

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急性躁病の薬物療法、抗精神病薬が気分安定薬よりも高い効果

成人の急性躁病の薬物療法では、全般的に、抗精神病薬は気分安定薬に比べ有意に良好な効果をもたらすことが、イタリアVerona大学のAndrea Cipriani氏らの検討で示された。躁病は気分が過度に高揚した病態で、通常はうつ病エピソードを伴い、双極性障害の診断の根拠となる。急性躁病の薬物療法では、主に抗精神病薬や気分安定薬が用いられてきたが、これまでの有効性に関するメタ解析では相反する結果が得られているという。Lancet誌2011年10月8日号(オンライン版2011年8月17日号)掲載の報告。約30年間に発表された68試験のメタ解析研究グループは、すべての抗躁病薬の効果を評価するために、複数の治療法を直接的、間接的に比較した試験のメタ解析を行った。1980年1月1日~2010年11月25日までに発表され、躁病の成人患者を対象に治療用量の13薬剤を比較した68件の無作為化対照比較試験(1万6,073例)について系統的なレビューを行った。対象となった薬剤は、アリピプラゾール(商品名:エビリファイ)、asenapine、カルバマゼピン(同:テグレトールなど)、バルプロエート(同:デパケンなど)、ガバペンチン(同:ガバペン)、ハロペリドール(同:セレネースなど)、ラモトリギン(同:ラミクタール)、リチウム(同:リーマス)、オランザピン(同:ジプレキサ)、クエチアピン(同:セロクエル)、リスペリドン(同:リスパダール)、トピラマート(同:トピナ)、ziprasidone。主要評価項目は、治療3週間における躁病評価スケールの変化の平均値および治療中止患者数とした。診療ガイドラインの策定時に考慮すべき知見プラセボに比べハロペリドール、リスペリドン、オランザピン、リチウム、クエチアピン、アリピプラゾール、カルバマゼピン、asenapine、バルプロエート、ziprasidoneは高い有効性を示したのに対し、ガバペンチン、ラモトリギン、トピラマート、ガバペンチンの効果はプラセボに比し高くはなかった。ハロペリドールの効果が最も高く、リチウム、クエチアピン、アリピプラゾール、カルバマゼピン、asenapine、バルプロエート、ziprasidone、ラモトリギン、トピラマートとの間には有意差が認められた。リスペリドンとオランザピンの有効性プロフィールはきわめて類似しており、いずれもバルプロエート、ziprasidone、ラモトリギン、トピラマート、ガバペンチンに比べ高い有効性を示した。オランザピン、リスペリドン、クエチアピンの治療中止例数は、リチウム、ラモトリギン、プラセボ、トピラマート、ガバペンチンよりも有意に少なかった。著者は、「全般的に、抗精神病薬は気分安定薬に比べ有意に良好な効果を示した。リスペリドン、オランザピン、ハロペリドールは、躁病エピソードの治療において最も有効な選択肢である」と結論し、「これらの結果は、診療ガイドラインの策定の際に考慮すべきと考えられる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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HER陽性乳がんへのトラスツズマブ併用について新たなレジメン検討

HER陽性乳がんの補助療法として生存率改善が認められているトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)について、非アントラサイクリンベースレジメンへの併用の有効性と安全性が検討された。これまで、トラスツズマブのアントラサイクリンベースレジメンへの併用では心毒性が認められていた。試験・報告は、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のDennis Slamon氏ら乳がん国際研究グループ(BCIRG)による。NEJM誌2011年10月6日号掲載報告より。AC-T群、AC-T+トラスツズマブ群、TCH群に無作為化し検討研究グループは2001年4月~2004年3月の間に、41ヵ国からHER2陽性で早期乳がん(ステージT1、T2、T3)の女性3,222例を対象に試験を行った。被験者は無作為に、(1)3週ごとに、ドキソルビシンとシクロホスファミド投与後にドセタキセルを投与する(AC-T)群、(2)(1)+トラスツズマブを52週併用投与する(AC-T+トラスツズマブ)群、または(3)ドセタキセルとカルボプラチンに、トラスツズマブを52週併用投与する(TCH)群に割り付けられ、無病生存率を主要エンドポイントに、副次エンドポイントは全生存率と安全性として検討された。無病生存率はAC-T群75%、AC-T+トラスツズマブ群84%、TCH群81%追跡期間中央値は65ヵ月だった。その間、事前特定されていたイベントの発生は656例だった。5年推定無病生存率は、AC-T群75%、AC-T+トラスツズマブ群84%、TCH群81%であった。推定全生存率はそれぞれ、87%、92%、91%であった。有効性(無病生存率と全生存率)について、2つのトラスツズマブ併用療法群の間に有意差は認められなかったが、いずれもAC-T群より優れていた。リスクベネフィットの観点からはTCH療法が優れるうっ血性心不全と心機能不全の発生率は、TCH群よりもAC-T+トラスツズマブ群で有意に高かった(P<0.001)。また急性白血病は8例報告された。そのうち7例はアントラサイクリンベースレジメンでの発生例だった。TCH群での1例の発生は、本試験後にアントラサイクリン投与を受けたことに起因していた。以上を踏まえて研究グループは、「トラスツズマブ併用レジメンの1年間施行は、HER2陽性乳がん患者の無病生存率と全生存率を有意に改善した」と述べた上で、「有効性は同等だが、急性毒性作用が少なく、心毒性や白血病のリスクも低いというリスクベネフィットの観点から、AC-T+トラスツズマブよりも非アントラサイクリンベースレジメンのTCH療法が支持される」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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新生児単純ヘルペスウイルス感染症への経口アシクロビルによる抑制療法

病変が中枢神経系に及んだ新生児単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症に対して、経口アシクロビル(商品名:ゾビラックスほか)の6ヵ月間にわたる抑制療法が、神経発達アウトカムを改善することが報告された。新生児単純HSV感染症の生存例では、神経発達のアウトカム不良や皮膚病変の再発が、容認できないほど高頻度にみられることから、米国・アラバマ大学小児学部門のDavid W. Kimberlin氏らが、経口アシクロビルによる抑制療法のアウトカムへの効果を検討した。NEJM誌2011年10月6日号掲載報告より。中枢神経系型と表在型それぞれに同一治療を行い有効性と長期安全性を評価試験は、治療は同一ながら対象を異にした2つの二重盲検プラセボ対照試験を並行して行う方法で検討された。HSV感染症が中枢神経系に及んだ新生児は第1試験に、皮膚・目・口腔のみの表在型発症の新生児は第2試験にそれぞれ登録された。治療は、まず非経口アシクロビルを中枢神経系型群は21日間、表在型群は14日間それぞれ投与完了後、ただちに、経口アシクロビル抑制療法(300mg/m2体表面積の経口投与を1日3回×6ヵ月間)を開始する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けられ、有効性と長期使用の安全性について評価が行われた。なお皮膚病変再発時には、オープンラベルで治療が行われた。中枢神経系群では、アシクロビル抑制療法群はプラセボ群より有意にスコア上昇登録された新生児は、中枢神経系型群45例、表在型群29例の合計74例だった。中枢神経系型群45例中28例(62%)について、生後12ヵ月時点での新生児発達スコアのベイリー・スケール神経発達指数(スコア範囲:50~150、平均値100、それ以上のスコアは良好な神経発達アウトカムを示す)を評価した。共変量補正後の同指数は、アシクロビル抑制療法を受けるよう無作為に割り付けられた群は88.24で、プラセボに割り付けられた群68.12よりも有意にスコアが高かった(P=0.046)。なお全体的に、アシクロビル群のほうが、プラセボ群よりも好中球減少症を呈する傾向が認められた(P=0.09)。(武藤まき:医療ライター)

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リビング・ウィルが終末期医療費を抑制、院内死亡を低下、ホスピス利用を増大:米国

終末期の医療行為を特定のものに制限する事前指示書「リビング・ウィル」と米国終末期医療費、治療内容との関連を調べた結果、同費用が高い地域において同指示書があることは費用の有意な低下と関連していることが報告された。また、同費用が中程度~高い地域における院内死亡率の低下やホスピス利用の増大も認められたという。米国・ミシガン大学のLauren Hersch Nicholas氏らが、約3,300人について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2011年10月5日号で発表した。終末期医療費が高い地域で、リビング・ウィルにより約5,600ドル有意に低下研究グループは、1998~2007年に死亡した65歳以上のメディケア加入者で、前向きに調査データが収集されていたHealth and Retirement Study被験者3,302人について、メディケア保険請求データと全米死亡統計(National Death Index)に基づき分析を行った。死亡者の入院先地域で照会したメディケア支払額ごとに、リビング・ウィルと終末期医療費、治療内容との関連について多変量回帰モデルを用いて解析した。主要評価項目は、死亡前半年間のメディケア医療費、延命治療、ホスピス・ケア、病院死亡率とされた。結果、終末期医療費が高い地域では、リビング・ウィルのない人の1人当たり終末期医療費の予測平均値が3万9,518ドルだったのに対し、リビング・ウィルのある人の同医療費の補正後予測平均値は3万3,933ドルと、5,585ドル低かった(95%信頼区間:-1万903~-267、p=0.04)。一方、終末期医療費が低い地域と中程度の地域では、リビング・ウィルの有無による終末期医療費の補正後予測平均値に有意差は認められなかった。終末期医療費が中程度~高い地域、院内死亡が低下、ホスピス入所が増大またリビング・ウィルは、終末期医療費が中程度~高い地域において、補正後院内死亡率予測値の低下と関連していた。同医療費中程度の地域は-5.3ポイント低下(95%信頼区間:-10~-0.4)、高い地域では-9.8ポイント低下していた(同:-16~-3)。さらにリビング・ウィルは、終末期医療費が中程度~高い地域において、補正後ホスピス入所率予測値の増大と関連していた。同医療費中程度の地域で11ポイント増(同:6~16)、高い地域で17ポイント増(同:11~23)だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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米国小児喘息治療指標CACの遵守率、入院中は高率、退院後は中程度

米国小児病院において用いられている小児喘息治療指標「Children’s Asthma Care 」(CAC)は、米国病院認定合同委員会(JCAHO)が入院中の小児に対する医療の質を評価する唯一の指標となっている。フェニックス小児病院のRustin B. Morse氏らは、CAC遵守率とアウトカムとの関連について評価を行った。CACは大きく入院中の指標(CAC-1、CAC-2)と退院後家庭で用いる指標(CAC-3)に分けられる。結果、CAC-1、CAC-2の遵守率は高率だが、CAC-3は中程度であることが明らかになった。しかしCAC-3と、退院後の救急室利用率や再入院率等に有意な関連は認められなかったという。JAMA誌2011年10月5日号掲載より。退院後ケアプラン作成の遵守率、当初41%から73%に改善研究グループは、2008年1月1日~2010年9月30日にかけて、米国内30ヵ所の小児病院を対象に、喘息で入院した3万7,267人を対象に試験を行った。追跡期間は、2010年12月末までで、その間の入院件数は4万5,499件だった。病院ごとのCAC遵守率と、退院後の救急室利用、喘息による再入院について、調査した。結果、入院中の発作治療薬の処方指標(CAC-1)と全身性コルチコステロイドの処方指標(CAC-2)に関する四半期ごとにみた病院ごとの遵守率最低値は、それぞれ97.1%と89.5%と、いずれも高率だった。退院後の家庭におけるケアプラン作成のための指標(CAC-3)の遵守率は、試験期間中の最初の3回の四半期平均40.6%、最後の3回の四半期の平均値は72.9%で、増加傾向が認められた。ケアプラン作成の遵守率と退院後救急室利用率、再入院率に関連なし退院7日、30日、90日後の救急室利用率平均値は、それぞれ1.5%、4.3%、11.1%だった。四半期ごとの退院7日、30日、90日後の再入院率平均値は、それぞれ1.4%、3.1%、7.6%だった。CAC-3遵守率と退院後の救急室利用率には、有意な関連は認められなかった(遵守率5%増加ごとのオッズ比、7日:1.00;95%信頼区間:0.98~1.02、30日:0.97;同:0.90~1.04、90日:0.96;同:0.77~1.18)。またCAC-3遵守率と再入院率にも、有意な関連は認められなかった(遵守率5%増加ごとのオッズ比、7日:1.00;95%信頼区間:0.99~1.02、30日:0.99;同:0.96~1.02、90日:1.01;同:0.90~1.12)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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チョコレート高摂取による心血管代謝障害の抑制効果が明らかに

チョコレートの摂取量と心血管代謝障害(cardiometabolic disorder)の発生リスクには実質的な関連が認められることが、英国・ケンブリッジ大学のAdriana Buitrago-Lopez氏らの検討で示された。WHOによれば2030年までに約2,360万人が心血管疾患で死亡するとされ、現在、世界の成人の約5分の1が、糖尿病や心血管疾患の増加をもたらすメタボリック症候群に罹患しているとの研究結果もある。近年、心血管代謝障害が世界的に増加しているが、その多くは予防可能と考えられており、ココアやチョコレートは降圧、抗炎症、抗動脈硬化、抗血栓作用を有することが示唆されている。BMJ誌2011年10月1日号(オンライン版2011年8月29日号)掲載の報告。心血管代謝障害の発生リスクに及ぼす影響をメタ解析で評価研究グループは、チョコレートの摂取と心血管代謝障害のリスクの関連を評価するために、無作為化対照比較試験および観察試験の系統的レビューを行い、メタ解析を実施した。2010年10月までに発表された文献のデータベース(Medline、Embase、Cochrane Library、PubMed、CINAHL、IPA、Web of Science、Scopus、Pascal)を検索し、関連論文の文献リストを参照した。抽出された論文の著者に電子メールで連絡をとった。主要評価項目は、心血管疾患(冠動脈心疾患、脳卒中)、糖尿病、メタボリック症候群を含む心血管代謝障害とした。メタ解析では、チョコレートの摂取量が最も多い群と少ない群を比較することで、心血管代謝障害の発生リスクを評価した。最大摂取量群で、心血管疾患リスクが37%、脳卒中リスクが29%低下選択基準を満たした7試験(11万4,009人)のうち6つがコホート試験(日本の1試験[Oba S、et al. Br J Nutr 2010;103:453-9]を含む)、1つは横断的試験であり、無作為化試験は含まれなかった。これらの研究には、チョコレート摂取量の測定法、試験方法、アウトカムの評価法に大きな差異が認められた。5つの試験では、チョコレート摂取量が多いほど心血管代謝障害のリスクが低下していた。摂取量が最も多い群では、最も少ない群に比べ心血管疾患リスクが37%低下(相対リスク:0.63、95%信頼区間:0.44~0.90)し、脳卒中リスクが29%低下(同:0.71、0.52~0.98)した。心不全の抑制効果はみられなかった(相対リスク:0.95、95%信頼区間:0.61~1.48)。日本の試験では、男性で糖尿病の抑制効果が認められた(男性:ハザード比0.65、95%信頼区間0.43~0.97、女性: 同0.73、0.48~1.93)。著者は、「観察試験のエビデンスに基づけば、チョコレートの摂取量と心血管代謝障害のリスク低下には実質的な関連が認められた」と結論し、「チョコレート摂取のベネフィットを確定するには、さらなる検討が必要である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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研究助成の決定、無作為性が十分ではなく申込者にコスト負荷

オーストラリアにおける保健・医療研究の助成金決定作業における無作為性と費用について検討した結果、無作為性は十分ではなく、申込者のコストがかさんでいる実態が報告された。オーストリア・クイーンズランド工科大学公衆衛生校&ヘルスバイオメディカル研究所のNicholas Graves氏らによる。研究助成に対する申し込みの成功率は世界的に低下しており、たとえば英国では2000年43%から2008年26%、オーストラリアでは2000年30%から2010年23%となっているという。Graves氏らは、本研究を行った目的について、申込不成功でキャリアへの打撃とさらなる参加コストを要することになる研究者に役立つ情報提供をすることだとしている。BMJ誌2011年10月1日号(オンライン版2011年9月27日号)掲載報告より。2009年にオーストラリアNHMRCに申し込みがあった2,705件を後ろ向きに解析研究は、オーストラリアのNational Health and Medical Research Council(NHMRC)の助成金事業に、2009年に申し込みのあった全2,983件のうち2,705件を対象に後ろ向きに解析した。NHMRC助成金委員会委員のスコアについても評価した。主要評価項目は、資金獲得について「常に」「時々」「一度もない」それぞれの助成申込研究の割合だった。評価は、各委員のスコアに起因する無作為変化を加味してから行われた。また、委員会規模(7名、9名、11名)の違いによる費用対効果についても評価が行われた。助成金獲得「一度もない」61%、「時々」29%解析対象だった2,705件の助成申込研究のうち、620件が助成金対象として選定された。そのうち資金獲得が「時々」だったのは、無作為変化を考慮後で、59%だった。全体(2,705件)をみたところ、資金獲得が「常に」だったのは9%(255件)だけで、「一度もない」は61%(1,662件)、「時々」は29%(788件)だった。研究者の大半は助成申請準備に、中央値22日間を要していた。先導研究者の2人は申し込みに65日以上を費やしていた。主任研究者の5人が費やしたのは15日未満だった。資金獲得運動の費用は総額4,787万豪ドルで、85%は申込者の負担となっていた。委員会規模が大きいほうがシステムは良好であった。最も効果的なシステムで資金提供するためにかかる追加コストは、1万8,541豪ドルであった。

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プライマリ・ケアにおける高血圧診断、ABPMが費用対効果に優れる

24時間自由行動下血圧測定(ABPM)は、診察室(CBPM)や家庭(HBPM)での血圧測定よりも費用対効果が優れ、高血圧の診断戦略として最も有用であることが、イギリス内科医師会(Royal College of Physicians)のKate Lovibond氏らによる調査で示された。従来、プライマリ・ケアにおける高血圧の診断はCBPMに基づいて行われるが、HBPMやABPMのほうが心血管アウトカムとよく相関し、ABPMはCBPMやHBPMに比べ高血圧の診断精度が高いことが示されている。Lancet誌2011年10月1日号(オンライン版2011年8月24日号)掲載の報告。高血圧診断戦略としての費用対効果をMarkovモデルで解析研究グループは、Markovモデルを用いて、高血圧の診断戦略としてのCBPM、HBPM、ABPMの費用対効果を比較するために、基本ケース解析(base-case analysis)を行った。スクリーニング時の血圧が140/90mmHg以上で一般集団と同等のリスク因子を有する40歳以上の仮説的なプライマリ・ケア受診集団を対象とした。CBPM(月1回、3ヵ月)、HBPM(週1回)、ABPM(24時間)について、生涯コスト、質調整生存年(QALY)、費用対効果の評価を行った。ABPMは全年齢でコストが削減、50歳以上でQALYが延長ABPMはCBPMやHBPMに比べ全年齢の男女において費用対効果が優れていた。ABPMは全年齢の男女でコストが削減され(CBPMとの比較、範囲:75歳男性の56ポンド削減から40歳女性の323ポンド削減まで)、50歳以上の男女ではQALYが延長した(CBPMとの比較、範囲:60歳女性の0.006年から70歳男性の0.022年まで)。HBPMも同様に、全年齢の男女でコストが削減され(CBPMとの比較、範囲:75歳男性の16ポンド削減から40歳女性の68ポンド削減まで)、50歳以上の男女でQALYが延長した(CBPMとの比較、範囲:60歳女性の0.001年から70歳男性の0.005年まで)が、ABPMに比べて費用対効果は低かった。著者は、「診察室での初回血圧測定値が高値を示した集団における高血圧の診断戦略として、ABPMは誤診を減らし、コストを削減する優れた方法である」と結論し、「ABPMで新たに生じるコストは、より対象を絞り込んだ高血圧治療の実現によるコストの削減で相殺された。降圧薬治療開始前の患者の診断には、ABPMが推奨される」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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推奨量より少ない運動でも、平均寿命が延長

余暇時間における身体活動(leisure-time physical activity; LTPA)は、たとえそれが推奨運動量より少なくても、健康状態を改善し平均寿命の延長をもたらすことが、台湾・国立健康研究所のChi Pang Wen氏と国立体育大学のJackson Pui Man Wai氏らの調査で示された。LTPAが健康状態を改善することはよく知られており、アメリカ(2008年)やWHO(2010年)の身体活動ガイドラインでは平均150分/週以上のLTPAが推奨されている。アメリカの成人の3分の1がこの推奨運動量を実行しているのに対し、東アジア人(中国、日本、台湾)の達成率は5分の1以下にすぎないが、推奨量より少ない運動が平均寿命に及ぼす影響は明らかではないという。Lancet誌2011年10月1日号(オンライン版2011年8月16日号)掲載の報告。41万人以上の成人を8年以上追跡した前向きコホート試験研究グループは、台湾の地域住民において身体活動量が健康に及ぼす影響を評価するプロスペクティブなコホート試験を実施した。1996~2008年までに、台湾の標準的な検診プログラムに参加した20歳以上の41万6、175人(女性:21万6,910人、男性:19万9,265人)について、平均8.05(SD 4.21)年の追跡調査を行った。参加者は、自己記入式質問票に記述した1週間の運動量に基づき、5つのカテゴリー(AinsworthらのMET[metabolic equivalent]の定義で運動強度を判定して1週間の運動量を算出。身体活動なし[非運動群]、少ない[low群]、普通[medium群]、多い[high群]、たいへん多い[very high群])のうちの1つに分類された。非運動群との比較における4つの群の死亡リスクのハザード比を算出し、平均寿命を推算した。推奨される150分/週よりも運動量が少ない場合の生存ベネフィットの評価を行った。low群で全死因死亡、平均余命が改善92分/週(95%信頼区間:71~112)あるいは15分/日(SD 1.8)の運動群(low群)では、非運動群に比べて全死因死亡率が14%低下し、平均寿命が3年延長した。最低でも15分/日以上の運動量の集団では、運動量がさらに15分/日増加するごとに全死因死亡率が4%(95%信頼区間:2.5~7.0)ずつ低下し、がんによる死亡率が1%(同:0.3~4.5)ずつ減少した。これらのベネフィットは全年齢の男女および心血管疾患リスクを有する集団でも認められた。非運動群は、low群に比べ死亡リスクが17%(ハザード比:1.17、95%信頼区間:1.10~1.24)増加していた。著者は、「15分/日、90分/週という推奨される運動量よりも少ないlow群および心血管疾患リスクのある群で生存ベネフィットが確認された」と結論し、「少ない運動量であっても、非伝染性疾患との世界的な戦いにおいて重要な役割を担っており、医療コストや医療格差の低減に寄与する可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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旧社会主義国生まれの禁煙補助薬シチシンの有効性と安全性

1964年にブルガリアで発売され、40年以上にわたり旧社会主義国で商品名Tabexとして流通してきた禁煙補助薬シチシンについて、英国・ロンドン大学のRobert West氏らが、有効性と安全性に関する単施設無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った。一部の禁煙補助薬には寿命保持への費用対効果が認められるが、国によってはその治療コストが喫煙コストよりも非常に高くつく(たとえば中国では、8週間課程ニコチン補充療法230ドルに対しタバコ20本約73セント、15セントのものもあるという)。シチシンは、2004年にEU加入後も発売を続けるポーランドでは15ドル、またロシアではOTC薬として6ドルほどで入手でき、研究グループはその低コストに着目した。NEJM誌2011年9月29日号掲載報告より。25日間治療終了後、12ヵ月の継続禁煙を評価シチシンは、α4β2ニコチンアセチルコリン受容体と高親和性に結合する部分的作動薬で、至適用量についての検討をはじめ現在標準に適合した治験は行われていない。研究グループは、比較的短期治療(25日間)および最低限の医療専門家との接触でとの設定で、ポーランドのワルシャワにあるSklodowska-Curie記念がんセンターで被験者を募り行った。1,542例がスクリーニングを受け、740例が登録され、シチシン投与群(370例)とプラセボ投与群(370例)に無作為化に割り付けられた。シチシン投与は、2004年にEUに加盟した国で許可されている方法に従い、1~3日は1日6錠(2時間ごとに1錠服用)、4~12日は同5錠、13~16日は同4錠、17~20日は同3錠、21~25日は同2錠のスケジュールで行われた。両群被験者は治療期間中4回のカウンセリング[0、0~7(電話)、7、28日目]を受け、投与終了後6ヵ月の間に2回、さらにその後6ヵ月の間に2回のフォローアップを受けた。主要評価項目は、投与終了後12ヵ月間の化学的に確認された継続禁煙とされた。世界的な禁煙促進の安価な治療薬と成りえる被験者登録は2007年12月10日に開始され、フォローアップ最終は2010年9月2日だった。結果、投与終了後12ヵ月継続禁煙の割合は、シチシン群8.4%(31例)、プラセボ群2.4%(9例)だった(格差:6.0ポイント、95%信頼区間:2.7~9.2、P=0.001)。最終12ヵ月時点フォローアップ前週の禁煙達成者は、シチシン群13.2%、プラセボ群7.3%だった(P=0.01)。両群計10例以上が報告された消化器系、精神医学的、神経系、皮膚・皮下組織の4区分の有害事象のうち、シチシン群の頻度が最も高かったのは消化器系イベントで、プラセボ群との格差は5.7ポイント(95%信頼区間:1.2~10.2)だった。研究グループは、「この単施設試験において、シチシンはプラセボより有効だった。他の禁煙療法と比べて安価であるシチシンは、禁煙を世界的に促進させるために手に入れやすい治療と成りえる」と結論している。(武藤まき:医療ライター)

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新生児敗血症への免疫グロブリン静注療法、転帰を改善せず

新生児敗血症に対する免疫グロブリン静注療法は、転帰に対する効果がないことが明らかにされた。国際新生児免疫療法試験(INIS)共同研究グループは、9ヵ国113施設で約3,500例の被験児を対象に行った結果による。新生児の主要な死因であり合併症をもたらす敗血症は、抗菌薬治療に加えた有効な治療が必要とされる。そうした患児に対して免疫グロブリン静注療法は全死因死亡を減らすことがメタ解析の結果、示されていた。しかし解析対象であった試験は小規模で、試験の質もバラバラであったことから、INIS共同研究グループが、国際化多施設共同二重盲検無作為化試験を行った。NEJM誌2011年9月29日号掲載報告より。9ヵ国113施設3,493例を対象に二重盲検無作為化試験試験は、2001年10月~2007年9月に、イギリス、オーストラリア、アルゼンチンなど9ヵ国113施設から、重度感染症が疑われるか、または認められ抗菌薬治療を受けていた新生児合計3,493例が登録され行われた。被験児は無作為に、多価IgG免疫グロブリン静注投与(投与量500mg/kg体重)群(1,759例)か、プラセボ群(1,734例)に割り付けられ追跡された。投与は2回ずつ行われ、1回目と2回目の間隔は48時間だった。主要アウトカムは、2歳時点の死亡または重度障害とした。2歳時点の死亡または重度障害、両群に有意差認められず結果、主要アウトカムの発生率について、両群に有意な差は認められなかった。免疫グロブリン静注群は39.0%(686/1,759例)、プラセボ群は39.0%(677/1,734例)で、相対リスク1.00(95%信頼区間:0.92~1.08)だった。その後の敗血症エピソードの発生率など、副次アウトカムの発生率についても同様に有意差は認められなかった。2歳児フォローアップにおいても、重度・非重度障害または有害事象の発生率に有意差は認められなかった。(武藤まき:医療ライター)

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高齢者の頸動脈ステント留置術、施術者の経験がアウトカムに有意に影響

高齢者に対する頸動脈ステント留置術は、施術者の年間手術件数が少ないと、多い場合に比べ、30日死亡リスクが約2倍に増大することが明らかにされた。通算手術数が少ない施術者の同リスクは1.7倍であったという。米国・ミシガン大学ヘルスケアアウトカム・政策センターのBrahmajee K. Nallamothu氏らが、頸動脈ステント留置術を行った高齢者、約2万5,000人について行った観察研究の結果明らかにしたもので、JAMA誌2011年9月28日号で発表した。これまで、ステント術の有効性については臨床試験で検証がされているが、施術者の経験がアウトカムに及ぼす影響について臨床ベースで検討されていなかった。施術者を年間手術件数と通算手術件数で分類、30日死亡率を比較研究グループは、65歳以上のメディケア出来高払い制プラン加入者で、2005~2007年に頸動脈ステント留置術を行った人と施術者について調査を行った。頸動脈ステント留置術に対する、メディケアおよびメディケイド(Centers for Medicare & Medicaid Services:CMS)での支払いカバーは、2005年3月から導入されている。調査は、施術者を年間の頸動脈ステント留置術実施件数によって、「6件未満」「6~11件」「12~23件」「24件以上」の4区分に分類して検討。また、CMSが導入後に初めて手術を行った施術者について、手術経験が「1~11件」までと浅かった場合と、「12件以上」の場合とを比較した。主要アウトカムは、術後30日死亡率だった。結果、調査対象期間中の頸動脈ステント留置術は2万4,701件、施術者数は2,339人だった。そのうち、CMSが導入後に初めて施術した医師は1,792人で、それらの実施件数は1万1,846件だった。年間手術件数が少ないと死亡率は1.9倍に、経験が浅いと同1.7倍に術後30日死亡率は、被験者全体では1.9%(461人)だった。塞栓防止用デバイスを用いての手術失敗率は4.8%(1,173人)だった。メディケア加入者に対する年間施術数の中央値は、3.0(四分位範囲:1.4~6.5)だった。調査期間中、年間12件以上施術をしていたのは、施術者の11.6%だった。30日死亡率は、年間手術件数が少ないほど高く(p<0.001)、「6件未満」2.5%、「6~11件」1.9%、「12~23件」1.6%、「24件以上」1.4%だった。また、手術経験が11件以下の人の同率は2.3%で、12件以上の1.4%に比べ、有意に高率だった(p<0.001)。多変量解析の結果、年間6件未満の施術者の、同24件以上施術者に対する30日死亡補正後オッズ比は、1.9(95%信頼区間:1.4~2.7、p<0.001)だった。また、CMS導入後の施術者の経験別にみた、年間11件以下の施術者の、同12件以上施術者に対する30日死亡補正後オッズ比は、1.7(同:1.2~2.4、p=0.001)だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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腺腫、進行腺腫、大腸がんの有病率や必要検査数、男女間で格差

腺腫、進行腺腫、大腸がんの有病率は、同年齢層でみるといずれも男性で高率であり、検診で1人の疾病を検出するための必要検査数(NNS)も性別によって異なることが明らかにされた。オーストリア胃腸・肝臓学会のMonika Ferlitsch氏らが、約4万4,000人について行ったコホート試験で明らかにしたもので、JAMA誌2011年9月28日号で発表した。腺腫、進行腺腫、大腸がんの有病率はいずれも男性が女性の約2倍研究グループは、2007~2010年に、全オーストリアの大腸内視鏡検査によるスクリーニング・プログラムを受けた4万4,350人について解析を行い、腺腫、進行腺腫、大腸がんの有病率とNNSについて、男女の年齢層別における格差を調べた。被験者は、女性が51.0%、年齢中央値は女性60.7歳、男性60.6歳だった。結果、腺腫が検出されたのは全体の19.7%(8,743人)、進行腺腫は6.3%(2,781人)、大腸がんは1.1%(491人)だった。NNSは、腺腫5.1、進行腺腫15.9、大腸がん90.9だった。男女別にみた、腺腫の有病率は男性24.9%、女性14.8%(補正前オッズ比:1.9、p<0.001)、進行線種は同8.0%、4.7%(同:1.8、p<0.001)、大腸がんは同1.5%、0.7%(同:2.1、p<0.001)であり、いずれも男性で高率だった。進行腺腫有病率と必要検査数、45~49歳男性と55~59歳女性で同等年齢別では、男性50~54歳の進行腺腫有病率は5.0%に対し、同年齢層の女性では2.9%と低く、必要検査数も男性20に対し女性34だった(いずれも補正後p=0.001)。一方で、同有病率について男性45~49歳(3.8%)と、それより高齢層の女性55~59歳(3.9%)とで同等であることが認められ、同年齢層比較では、必要検査数も同等だった(男性:26.1、女性26)(p=0.99)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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2009年イギリスのA/H1N1型インフルエンザ流行は軽度のパンデミックだった

2009年のイギリスにおけるA/H1N1型インフルエンザの流行は軽度のパンデミックであり、従来のサーベイランスシステムではパンデミックの程度を正確に推定するには不十分なことが、イギリスCambridge University Forvie SiteのA M Presanis氏らの調査で示された。2009年のA/H1N1型インフルエンザの流行が当初どの程度と推定されたかは不明であり、後に比較的軽度だが感染の年齢分布が季節性のインフルエンザとは異なることが示唆されている。パンデミックの程度に関する以前の研究では、バイアスの説明が不十分で、不確実性の定量化に関連するエビデンスが包括的に援用されておらず、パンデミックの程度の変化や定期的なサーベイランスシステムの妥当性の評価が含まれていないなどの問題があるという。BMJ誌2011年9月24日号(オンライン版2011年9月8日号)掲載の報告。2009年のパンデミックの影響を、Bayesian evidence synthesisで評価研究グループは、2009年のA/H1N1型インフルエンザのパンデミックの影響を評価するために、2010年2月下旬までの2回の流行期における重症化の確率や感染率を推定した。パンデミックの程度の推定には、2009年6月~2010年2月までにイギリスで実施されたサーベイランスのデータを用い、ベイズ法によるエビデンスの統合解析(Bayesian evidence synthesis)を行った。イギリス国民全体の感染率は11.2%、5~14歳は29.5%A/H1N1型インフルエンザの夏の流行期には、推定60万6,100人(95%信頼区間:41万9,300~88万6,300)の症候性の患者のうち3,200人(同:2,300~4,700、0.54%[同:0.33~0.82])が入院し、310人(同:200~480、0.05%[同:0.03~0.08])が集中治療室(ICU)に収容され、90人(同:80~110、0.015%[同:0.010~0.022])が死亡した。2回目の流行期には、推定135万2,000人(95%信頼区間:82万9,900~280万6,000)の症候性の患者のうち7,500人(同:5,900~9,700、0.55%[同:0.28~0.89])が入院し、1,340人(同:1,030~1,790、0.10%[同:0.05~0.16])がICUに収容され、240人(同:310~380、0.025%[同:0.013~0.040])が死亡した。感染者の3分の1以上(35%[95%信頼区間:26~45])が症候性であったと推定された。夏の流行期には入院患者の30%(95%信頼区間:20~43)がサーベイランスシステムによって検出されたのに対し、2回目の流行期では20%(同:15~25)にとどまった。2回の流行期を通じて、イギリス国民の11.2%(95%信頼区間:7.4~18.9)がA/H1N1型インフルエンザに感染したと推定され、5~14歳の推定感染率は29.5%(同:16.9~64.1)に上昇していた。感度分析による感染率は5.9(同:4.2~8.7)~28.4(同:26.0~30.8)%と推算され、2回目の流行期の感染死亡率は0.0027(同:0.0024~0.0031)~0.017(同:0.011~0.024)%と推算された。著者は、「2009年のA/H1N1型インフルエンザの流行は軽度のパンデミックであったと推察され、就学年齢の子どもの感染率が高かった。特に重症例の把握が不十分であり、現在のサーベイランスシステムの限界が明らかとなった」と結論し、「特に2010~2011年のインフルエンザ流行期における2009年のA/H1N1株の明らかな再流行をふまえると、適切な保健医療施策の情報を伝えるには、パンデミックの程度を早期に確実に推定するシステムの確立が重要なことが浮き彫りとなった」とまとめている。(菅野守:医学ライター)

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統合失調症/双極性障害患者は一般人よりも若くして自然死する傾向に

統合失調症および双極性障害の患者は、一般人に比べて実質的に若くして自然死していることが、イギリス・オックスフォード大学のUy Hoang氏らの調査で示された。統合失調症/双極性障害患者は、自然死、不自然死の割合がともに一般人よりも高い。イギリスでは精神疾患患者の自殺や不自然死は安定化しつつあるとされ、最近の政府のメンタルヘルス戦略では「早死にする精神障害者は減少するだろう」と明言しているという。BMJ誌2011年9月24日号(オンライン版2011年9月13日号)掲載の報告。統合失調症/双極性障害患者の死亡率を評価するレトロスペクティブな記録調査研究研究グループは、統合失調症/双極性障害患者と一般住民の死亡率の差を評価するために、レトロスペクティブな記録調査研究を行った。1999~2006年までの病院統計データと退院患者の死亡登録データを用い、統合失調症あるいは双極性障害の診断で入院治療を受けた患者について、退院後1年間追跡調査を行った。1999年と2006年の統合失調症/双極性障害患者と一般人の死亡率を比較するために、年齢標準化死亡比を算出した。経時的な傾向の評価にはPoisson分布検定を用いた。標準化死亡比:統合失調症は1.6から2.2へ、双極性障害は1.3から1.9へ2006年までに、統合失調症/双極性障害患者の標準化死亡比は一般人の約2倍に達し、死亡率の差は経時的に広がる傾向がみられた。すなわち、統合失調症の退院患者の標準化死亡比は1999年が1.6(95%信頼区間:1.5~1.8)、2006年は2.2(同:2.0~2.4)であり、双極性障害ではそれぞれ1.3(同:1.1~1.6)、1.9(同:1.6~2.2)であった。標準化死亡比は自然死よりも不自然死で高かったが、全死亡の約4分の3は自然死として認定されており、全死因死亡の増大の主な原因は、循環器および呼吸器疾患による自然死の増加であった。著者は、「統合失調症および双極性障害の患者は、一般人に比べて実質的に若くして自然死していることがわかった」と結論し、「退院後の精神疾患患者と一般人の死亡率の差が持続的に増大している原因を解明し、これらの患者の自然死、不自然死双方のリスク因子をターゲットとした継続的な調査を進める必要がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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大気汚染による心肺死亡率上昇、心筋梗塞リスク以外の影響が大きい

心筋梗塞のリスクは、典型的な交通関連の大気汚染物質である直径10μm未満の大気粒子(PM10)と二酸化窒素(NO2)への曝露によって一過性に上昇するものの、時間の経過とともに低下しており、大気汚染による心肺死亡率の上昇には他のメカニズムの影響が大きいことが、英国・ロンドン大学公衆衛生学熱帯医学大学院のKrishnan Bhaskaran氏らの検討によって示唆された。いくつかの大気汚染物質については、日常的な高レベル状態が死亡率の上昇に関連することが示されている。大気汚染が心筋梗塞のリスクに及ぼす影響に関するエビデンスは存在するが、曝露後数時間における短期的な影響を評価した研究はほとんどないという。BMJ誌2011年9月24日号(オンライン版2011年9月20日号)掲載の報告。大気汚染と心筋梗塞の短期的な関連を評価する地域住民ベースの研究研究グループは、イングランドとウェールズの15の大都市圏において、大気汚染と心筋梗塞の関連を1時間単位のデータを用いて短期的に評価する地域住民ベースの研究を行った。Myocardial Ischaemia National Audit Project(MINAP)の臨床データと、UK National Air Quality ArchiveのPM10、オゾン、一酸化炭素(CO)、NO2、二酸化硫黄(SO2)のデータを用い、汚染時間を1~6、7~12、13~18、19~24、25~72時間に分けて解析した。2003~2006年に心筋梗塞と診断された7万9,288例のデータに基づき、汚染レベルが10μg/m3増加するごとの心筋梗塞リスクの増分を評価した。PM10、NO2への曝露により、1~6時間後の短期的な心筋梗塞リスクが上昇単一の汚染物質に関する解析では、PM10およびNO2への曝露により、1~6時間後の短期的な心筋梗塞のリスクが上昇した(10μg/m3増加ごとのリスクの上昇:PM10 1.2%[95%信頼区間:0.3~2.1]、NO2 1.1%[同:0.3~1.8])。この影響は複数汚染物質の解析でも一貫して認められたが、PM10の影響に関するエビデンスはごく弱いものであった(p=0.05)。中等度の心筋梗塞リスク上昇がみられた汚染物質も、時間の経過とともにそのリスクが低下した。5つの汚染物質のうち、72時間以上にわたって心筋梗塞のリスクを上昇させるものは確認されなかった。著者は、「PM10とNO2という典型的な交通関連汚染物質による一過性の心筋梗塞リスクの上昇がみられたが、時間の経過とともにリスクは低下していることから、大気汚染によって全体的なリスクが上昇するというよりも、イベントの発生が時間的に前倒しされる(イベント発生の短期的な置き換え)ことが考えられる」とまとめ、「大気汚染が心肺死亡率に及ぼす確固たる影響は、心筋梗塞の急性のリスク上昇によるものではなく、他のメカニズムが関与している可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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肺炎予防推進プロジェクト「シニアの備え」普及運動を開始 新大使に加賀まりこ氏

「肺炎予防推進プロジェクト」が9月14日、65歳以上のシニア層のライフスタイルの包括的なサポートを目指す「シニアの備え」普及運動のキックオフ記者発表会を開催した。また、肺炎予防大使には2009年の発足時から大使を務める中尾彬氏に続き、新たに加賀まりこ氏が就任した。2011年9月に発足した「肺炎予防推進プロジェクト」では、7つの賛同企業と団体が引き続き参画し、従来の肺炎予防啓発活動をさらに発展させ、シニアのライフスタイルの包括的なサポートを目指す「シニアの備え」普及運動を開始するという。特に今年度は、シニアの方々の声や実像に基づいて、食事、運動、趣味や生きがいなどの社会活動、そして予防医療の4つのテーマで「シニアの備え」を実践するための情報や様々なプログラムを提供していく予定とのこと。同プロジェクトでは2009年9月の発足時より、急性肺炎を患った経験を持つ俳優の中尾氏が大使となり65歳以上の肺炎予防の重要性と予防法の啓発活動を展開してきた。その後、肺炎球菌ワクチンの接種者数は約2倍に増加したという。しかし、全国平均の推定接種率はいまだ約11.8%と少ないのが現状だ。記者発表会当日は、同プロジェクト顧問である日本医科大学特任教授、日本医科大学呼吸ケアクリニック所長の木田厚瑞氏による「高齢者の肺炎予防」に関するレクチャーのほか、新肺炎予防大使に加賀まりこ氏を迎え、就任式も同時に行われた。また、大使3年目の中尾彬氏、新大使の加賀氏と、NPO法人シニアわーくすRyoma 21理事長の松本すみ子氏の3名による「シニアの備え」トークショーも開催された。トークショーでは、それぞれが自身の体験談を交えながら、65歳以上の方々が日々いきいきとアクティブに暮らすためにも、食事や運動に気を使うのと同じように予防医療を暮らしの中に取り入れていくなど、「シニアの備え」が重要であるという話で締めくくられた。同社は今回新たに「シニアの備え」の普及運動と意識調査、情報やプログラムの提供を開始するが、今後も継続して、テレビコマーシャル放映と新聞広告の全国展開、また、Webサイトによる情報提供 (http://www.haienyobo.com/)、ポスターの掲示・情報冊子の提供などの活動を行っていくという。「肺炎予防促進プロジェクト」サイトはこちらhttp://www.haienyobo.com/

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