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〔CLEAR! ジャーナル四天王(8)〕 結果は正しいが・・・

無作為化試験のメタ解析で得られたエビデンスのレベルは最も高いとされるが、どの試験を解析対象とするかといった点に解析者の作為が入る余地があることからより注意深い批判的吟味(Critical Appraisal)が必要である。しかしCTT Collaborationは公平、中立な解析を行うグループであり、その点では安心してよい(高血圧領域ではBPLTTCが有名)。 CTT Collaborationは、2010年にもメタ解析を行っており(Cholesterol Treatment Trialists’ (CTT) Collaboration, et al. Lancet. 2010; 376: 1670-1681.)、スタチンでLDL-Cを1mmol/L低下させることによりMVEが22%減少し、その減少効果は、冠動脈疾患の既往、糖尿病、高血圧治療、年齢、性別、肥満、喫煙習慣、CKDといった患者背景の影響を受けないこと、また試験開始時のLDL-C値にも影響されないことを明確に示している。したがって今回のメタ解析の結果は予想された結果である。 MVEを減少させるベネフィットが有害性を上回る治療はすべて行うべきであろうか?スタチンの1日の単価を100円とする。5年間1,000人に使用すると100×365×5×1,000=1億8,250万円かかり、これでMVEの5年発症リスクが10%未満の低リスク群では11人の血管イベントを予防するのだから約1,660万円で1人の血管イベントを減らすことになる。高リスク群と低リスク群の相対リスク減少効果がほぼ同じということは、絶対リスク減少効果は高リスク群の方が大きいことになり高リスク群で1人の血管イベントを減らすために必要な費用は少なくて済む。無尽蔵に医療費を使ってよいのならこういった医療経済評価は不要かもしれないが、限られた費用で最大幸福を得るためにはスタチン服用の優先順位を決める必要があろう。実は、改訂された「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版」はこういった絶対リスクを考慮する姿勢を強く打ち出している。

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糖尿病発症時に正常体重の人、過体重・肥満の人に比べ死亡リスクが約2倍

 2型糖尿病発症時の体重が正常範囲(BMI 25未満)の人は、過体重や肥満の人に比べ、長期死亡リスクは約2倍に増大することが示された。米国・ノースウェスタン大学のMercedes R. Carnethon氏らが、5つのコホート試験を基に分析を行い明らかにしたもので、JAMA誌2012年8月8日号で発表した。2型糖尿病発症時に正常体重の人は、いわゆる「隠れ肥満(metabolically obese normal-weight)」の代表と考えられている。しかしこれまで2型糖尿病発症時の体重と死亡との関連に関して、心不全や慢性腎臓病、高血圧などの慢性疾患でみられた「肥満パラドックス(obesity paradox:BMIが大きいほうが予後が良好)」が認められるかどうか、明らかでなかった。糖尿病発症の2,625人について、延べ2万7,125人・年追跡研究グループは、「Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)study」(1990~2006)、「Cardiovascular Health Study(CHS)」(1992~2008)、「Coronary Artery Risk Development in Young Adults(CARDIA)」(1987~2011)、「Framingham Offspring Study(FOS)」(1979~2007)、「Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA)」(2002~2011)の5つのコホート試験についてプール解析を行い、糖尿病患者の死亡と体重の関連を調べた。被験者のうち、40歳超で2型糖尿病を発症したのは2,625人で、追跡期間は延べ2万7,125人・年だった。被験者を、BMIが18.5~24.99を正常体重、BMIが25以上を過体重・肥満にそれぞれ分類し検討。主要アウトカムは、全死亡、心血管死、非心血管死だった。全死亡リスク2.08倍、心血管死1.52倍、非心血管死2.32倍2型糖尿病発症時に正常体重だった人の割合は、9%(ARIC)から21%(CHS)にわたった(全体では12%)。追跡期間中に死亡したのは449人で、そのうち原因が明らかだった人の中で心血管死は178人、非心血管死は253人だった。全死亡、心血管死、非心血管死の発症率は、いずれも、正常体重群が過体重・肥満群より高率だった。正常体重群の全死亡率は1万人・年当たり284.8、心血管死亡率は同99.8、非心血管死亡率は198.1だったのに対し、過体重・肥満群はそれぞれ、152.1、67.8、87.9だった。人口統計的特性や血圧、脂質値、喫煙などについて補正を行った後、過体重・肥満群に対する正常体重群の死亡に関するハザード比は、全死亡が2.08(95%信頼区間:1.52~2.85)、心血管死が1.52(同:0.89~2.58)、非心血管死が2.32(同:1.55~3.48)だった。著者は、今回の分析では、なぜ2型糖尿病発症時に正常体重の人の死亡率が高いのかは解明できなかったとしたうえで、先行研究で報告されている、2型糖尿病患者で正常体重の人と過体重・肥満の人との遺伝子プロファイルの違いに言及した。仮に、2型糖尿病患者で正常体重の遺伝子プロファイルが、糖尿病以外の疾患リスク増大を促すとすれば、そうした人の死亡率は遺伝的に高くなるのかもしれない、と考察している。そのため今後の研究では、そうした遺伝的素因による死亡率増大の可能性についても追究すべきだとした。そのうえで今回の結果は、米国民のうち、正常体重で2型糖尿病になりやすい、高齢者や非白人(アジア人、黒人など)といった人々にとって、重要な知見であるとまとめている。

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長期の睡眠薬服用、依存形成しない?!

 常用している睡眠薬を急激に減量・中断すると、睡眠薬の服用前よりも強い不眠が出現することがある。このような症状を「反跳性不眠」という。反跳性不眠や退薬症候は睡眠薬の投与を中止する上での弊害となり、漫然と投与を継続する要因となりうる。Roehrs氏らは、慢性的な睡眠薬の投与が反跳性不眠・退薬症候に与える影響を前向きプラセボ対照試験にて検討した。J Psychopharmacol 誌2012年8月号の報告。 対象は、精神疾患・薬物依存・アルコール依存患者を除く原発性不眠症患者33例(年齢:32~65歳、男女比=15:18)。ゾルピデム群(ゾルピデム10㎎投与)17例、プラセボ群(プラセボ投与)16例にランダムに割り付け、12ヵ月間就寝前投与を継続した。それぞれの群は、1、4、12ヵ月目に7日間連続でプラセボ群に切り替えを行った。評価には終夜睡眠ポリグラフィー(NPSG)を実施し、プラセボ切り替え後、第1、2夜目の退薬症候をベンゾジアゼピン退薬症候質問票(BWSQ:Tyrer Bezodiazepine Withdrawal Symptom Questionnaires)にて評価した。主な結果は以下のとおり。・ゾルピデム投与中止後、第1、2、7夜目での反跳性不眠は認められなかった。・ゾルピデムを12ヵ月間継続した場合でも、反跳性不眠の発現が増加する可能性はなかった。・約30~40%の患者では反跳性不眠が認められたが、「リバウンダー」率はプラセボ群とゾルピデム群で差がなく、ゾルピデムを12ヵ月継続した場合でも増加しなかった。・原発性不眠症の治療における慢性的な睡眠薬の使用は、反跳性不眠や退薬症候につながらなかった。関連医療ニュース ・がん患者のせん妄治療に有効な抗精神病薬は… ・がん患者の悪夢に有効な治療法は?  ・“ヨガ”で精神症状とQOLが改善

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南相馬市立総合病院“初”初期研修医として

亀田総合病院・南相馬市立総合病院初期研修医木村 和秀2012年8月23日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。7月1日から8月3日まで、南相馬市立総合病院で、相双地区で初めて初期研修医として1ヶ月間研修を行った。そこで体験したこと、出会った人々、考察した事を、この後に続く研修医のためにまとめると共に、山積した問題を解決し得る知恵を持った方々と共有するために、ここに発表したい。まず南相馬市立総合病院で研修を行うに至った経緯を簡潔にまとめる。私が研修を行なっている亀田総合病院では、研修医に1ヶ月間の海外研修が許可されている。亀田総合病院で研修を行った先輩であり、相双地区で被曝診療を続けている坪倉正治先生とお話する機会を頂き、触発され、なんとか南相馬市で研修を行いたいと考えた私は、その枠を使用して南相馬市で研修を行えないか卒後研修センター長片多史明先生に打診を行った。片多先生のご尽力により、理事長亀田?明先生、院長亀田信介先生、副院長小松秀樹先生の全面的なご協力を得られる事となった。そして南相馬市立総合病院金澤幸夫院長、及川友好副院長に快諾頂き、亀田総合病院より南相馬市立総合病院在宅診療部に出向されている原澤慶太郎先生に具体的なプログラムを組んで頂きこの研修が実現に至った。各先生方にはこの場をお借りし、深く御礼申し上げたい。研修にあたって実際に行った事は、病棟業務の傍ら南相馬市の全仮設を回って熱中症対策の広報を行い、人々のお話をお聞きし、また病院内外、医療関係者か否かを問わず様々な会合に参加することで、実際にどのような問題があり、どのような解決法が模索されているか学ぶ事だった。一方で在宅診療科として往診に同行し、自宅でのお看取りがどんなものなのか体験する事もできた。そのような研修で見えてきた事について、述べて行きたいと思う。まずは南相馬市立総合病院(以下MGH)の地域での位置づけ、現状と問題点について。MGHは、原発から23kmの地点にある地域の中核病院である。震災前は230床が稼働していたが、現在活用できているのは140床のみ。主な理由は看護師の数の減少。南相馬市では20歳代から40歳代の人口は震災前の半分以下となっており、子育て世代の人口減少がそのまま看護師数の減少につながっている。また、震災後地元にはいるが、看護職に復帰できていない方もいる。医師数自体は震災後4名まで減少したが、現在は着実に増え、期間限定でMGHに来られた方が多いものの、震災前と変わらない16名となっている。ただし、婦人科医師は1名しかおらず、小児科医師は不在である。上位胎盤早期剥離などの重症産科疾患に関しては陸路で1時間半程離れた福島市、いわき市に搬送するしかない。当院唯一の産婦人科医師であり南相馬出身者である安部先生はいつか搬送中に事故が起こるのではないかと危惧しながら、この地の産婦人科医療を支え続けている。放射線技師は6名で、当直体制がとれていないため、夜間は当番の技師に外線連絡をし、病院に到着するのを待つ必要がある。その間約30分程度。実際自分で救急当直をしていて、激しい腹痛で顔色が青くなっていく患者を前にじっと技師の到着を待っている事もあった。そのようなギリギリの状態ではあるが、この地域の住民の命綱として24時間断らない救急外来を行い続けている。中規模の病院が乱立し、貴重なマンパワーが分散しているためこのような医療体制となっているが、大病院を作るとなると相双地区として相馬と南相馬でどちらに作るかという問題になり、お互いの微妙な関係から議論は平行線をたどっている。また、地域の問題も深刻である。冒頭で述べた通り、熱中症予防の談話という形で全仮設の集会所を訪問させて頂き、この地域の問題を少しずつとらえる事が出来た。65歳以上の高齢者の割合は34%を超え、一方で彼らを支える福祉従事者は圧倒的に不足している。そもそも福祉の担い手である若い人達の人口が激減している。壮年男子は農地や漁場を奪われた上で持て余す程の補償金が手渡されたため、やることもなく酒量が増え、パチンコに通う生活となっている。パチンコは今南相馬で最も儲かっている産業で、今年に入って新店舗が3店増えた。農業・漁業を行わなくなった事で運動する機会が減った事は、生活習慣病の悪化という形に直接現れてきている。地域の帰属意識が強い人々は津波や被曝により分断され、仮設に入った場合は地元から離れた土地(小高の住民にとっては、鹿島、原町は宮城県ぐらい遠い土地だそうだ。)に住み、隣に音が筒抜けの薄い壁に囲まれてトイレを流すのにも気を使う生活を送っている。サロンに集まり、笑顔で談笑していても、住環境の話になるととたんに人々の顔は曇る。仮設を出て借り上げ住宅に入った方々は、周囲に友達がいない環境の中、日々おしゃべりをする場所もない生活を送っている。社会福祉協議会の方々が彼ら用のサロンを立ち上げ、周知をしているが、借り上げ住宅はバラバラに点在しており、なかなか浸透は進んでいない。立ち入り禁止区域が解除された小高地区は、中途半端な解除のため電気は通るが水道は通っていない状態で、ゴミを出す事もできない。掃除は遅々として進まないので、震災後の状況が未だにそのまま残っている部分が多い。かえって地震そのものや空き巣・動物の侵入によって荒れた自宅を見て、片付ける気力を失う方が多数であった。下水道も開通していないため、トイレに行かないように水分摂取を我慢していた女性も複数人おり、熱中症の観点からも危険な状態である。これらの現状は、サロンに参加出来ている比較的元気な方々から伺ったものであり、参加できていない方々の現状はもっと深刻だと推察される。このような多くの問題を抱える地域・病院であるが、震災を機に大きく変化が起こった。次々と挙がってくる問題に対して、座して見る事が一切なくなったのだ。震災後の情報が錯綜する中、病院内の情報をまとめ意思決定を行う全体会議は必須であった。その全体会議は週1回、毎週月曜日にすべての職員が参加する形で継続されている。職員の意見を吸い上げ、情報を共有する幹部会議が毎週開かれ、決定された方針がその場で共有される。小さい病院ならではの、実行力を持った意見共有システムが機能している。そして、医師達は何もしなければこの地域はなくなってしまう、という明確な危機感をもち、それまでの枠組みを越え、時には病院を飛び出して活動を始めた。副院長の及川先生は、仮設での生活で生活習慣病が悪化している現状を鑑み、「脳梗塞になる人を減らさなければこの福祉のマンパワーが不足している南相馬では守れない」と、仮設の集会所に血圧計と体重計を置き、先頭に立って広報を行った。在宅診療部部長の根本剛先生は、元々外科として第一線でこの地域を支える方だった。外科として手術、抗がん剤治療を行ってきたが、それでも治せない方と向き合い続けてきた。震災直後は避難所を練り歩き、医療相談や診療を行っていた。MGHの病棟業務再開と共に一旦は外科に復帰したが、南相馬市全体で病床数が減り、在宅診療を行っていかなければ医療が立ち行かない、という状況になった時、我先にと声を挙げ、現在も地域の方と向き合い続けている。坪倉先生の診療については、今更私が述べる点はないが、先生の活動を支え、談話会の運営を行っていたのが、南相馬出身で学習塾を運営されている番場さち子さん及び彼女の立ち上げたベテランママの会であった、というのは非常に驚きであった。南相馬の診療が地域と密接に結びついている事の現れである。新たにこちらに赴任した元獨協医大准教授の小鷹昌明先生は、神経内科専門医として神経難病の患者を看てこられた経験を生かし、療養型保健施設と合同でのヘルパー養成事業を実行に移している。中の方々だけでなく、外部の方からの革新的な提言についても非常に柔軟に受け入れ、実行に移し続けている。東大医科研の先生方を含め、問題解決能力を持った素晴らしい方々の目が南相馬に向いており、共同で物事を行う事ができる、というのは研修としても非常に魅力であった。これらは部下にやりたいようにやらせ、責任は持つという院長である金澤先生の資質でもあるのだろう。それを端的に示すいい例がある。私はこの病院に来て初めて、MGHが慢性的な医師不足を解決するため臨床研修指定病院と認可されるように動き始めた事、そのために24ヶ月の臨床初期研修実地の実績が必要であり、自分がその1ヶ月目に当たることを知った。何かフィードバック出来ないか考えながら研修を行ううち、感染管理の徹底が病院として必要であると共に、研修医を育てる環境を作るために、疾患として病棟患者の6割を占め、患者をGeneralに捉える視点を学ぶ事ができる感染症診療を病院としてより充実させるべきだ、と考えた。ちょうど赴任1週間目に金澤先生と2人で救急当直に入る機会があり、その際に感染症診療の必要性についてお伝えした所、ただの研修医が1週間で感じた意見にも関わらず熱心にお聞き下さり、良い人がいれば教えて欲しい、との言葉を頂いた。そこで所用にて私の出身校である神戸大学に行った際、感染症内科教授である岩田健太郎先生に心当たりがあるかお声かけさせて頂いた所、なんと岩田先生本人のMGH視察が決定してしまった。岩田健太郎先生がMGHの感染症診療をマネジメントするというインパクトの大きさは、医師の方々にはご理解頂けると思うが、臨床初期研修実地に向けた、非常に大きな一歩であると考えている。岩田先生の懐の深さもさることながら、金澤先生の柔軟な姿勢がなければまず実現していない事である。このようなトップの下、問題の解決策を病院の枠を飛び越えて練りだし、実行に移していく事を学べ、自分もその一部に関わる事ができる研修は、他になかなかないと考えている。当初の予定の倍の長さになってしまったのでここで終わりにするが、地域の方と協力して立ち上げたMGH主導のラジオ体操について書けなかった事は非常に残念である。ここに書ききれない程南相馬での1ヶ月は充実した内容の濃いものであった。問題の把握、改善策の議論、実行とフィードバックをこれ程地域の中で実際に現場の人と話し合い、問題解決能力を持った素晴らしい外部の方々と意見を交えながら行える研修は他にないと自負している。南相馬市立総合病院が初期研修医を受け入れるには、受け入れ体制や医療面でも改善しなければならない部分は多々あるだろう。しかし、ここの病院の持つ、医師を育てる事に対するポテンシャルは非常に高いと考えている。私自身、これほど病院の外に医者の行うべき、行う事の出来る仕事がある事に気づいていなかった。今後の医師人生にぜひ生かしていきたいと考えている。最後にはなるが、このような素晴らしい研修をマネジメントして下さった原澤先生には、改めて御礼申し上げたい。

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成人T細胞白血病リンパ腫におけるモガムリズマブ欧米第2相臨床試験開始

協和発酵キリン株式会社は23日、治療経験のある成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)を対象としたモガムリズマブ(一般名、開発コード: KW-0761)の欧米第2相臨床試験を開始したことを発表した。モガムリズマブは、ATLを対象疾病とした希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を、米国食品医薬品局および欧州委員会から受けている。モガムリズマブは、ATL細胞など、様々な悪性T細胞に過剰発現しているCCR4に対するヒト化モノクローナル抗体。同剤は、同社独自の強活性抗体作製技術「POTELLIGENT(ポテリジェント)」を応用した抗体で、ADCC活性による抗腫瘍効果を示すという。国内では、「ポテリジオ点滴静注20mg」という製品名で、再発又は難治性のCCR4陽性のATLの治療薬として、2012年5月29日から販売されている。同剤は、当社初の抗体医薬で、ポテリジェント技術を応用した抗体医薬としては、世界初である。今回の欧米第2相臨床試験の対象疾患は、治療経験のあるATL患者で、多施設ランダム化オープン比較試験(被験者をモガリズムマブ群と治験担当医師選択的治療群にランダムに割り付け、非盲検で比較を行う試験)を実施するという。予定試験期間 は、2012年7月~2015年6月。実施場所は米国、イギリス、フランス、ベルギーおよびその他の国で、目標症例数は70。主要評価項目は、全奏効率。詳細はプレスリリースへhttp://www.kyowa-kirin.co.jp/news/2012/20120823_01.html

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抗インフルエンザウイルス薬イナビルの第3相臨床試験結果が発表

第一三共株式会社は22日、抗インフルエンザウイルス薬イナビル(一般名:ラニナミビルオクタン酸エステル水和物)のインフルエンザウイルス感染症予防に対する効果を検証するための第3相臨床試験の結果を発表した。今回の試験では、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症患者と同居する家族または共同生活者を対象に、プラセボを対照とした無作為化二重盲検比較試験を実施された。その結果、有効性の主要な評価指標である臨床的インフルエンザウイルス感染症の発症割合において、イナビル投与群はプラセボ投与群と比較して統計学的に有意に低く、本薬によるインフルエンザウイルス感染症の発症抑制効果が検証されたという。また、安全性についても問題は認められなかったとのこと。実際の症例数や効果に関連する具体的な数値など、試験結果の詳細については、今後関連学術雑誌または学会にて発表する予定とのこと。イナビルは、同社が創製した純国産の長時間作用型ノイラミニダーゼ阻害剤であり、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療を効能・効果として、2010年9月10日に製造販売承認を取得し、同年10月19日に発売されている。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(7)〕 はたして運動療法は慢性心不全患者に潜む「うつ症状」を改善しえるのか?

慢性心不全はその病態が重症になれば心拍出量の低下から「労作時の息切れ」や「全身倦怠感」など、うつ病とよく似た症状が出現する。また慢性心不全の治療は根治することがなく長期にわたり、患者は塩分コントロールによる食事制限や飲水量制限が厳しく科せられることが多く、抑うつ状態となる場合も少なくない。実際、慢性心不全患者の20~40%にうつ病が合併するという報告がなされている。 左室収縮障害をもつ慢性心不全患者を対象とした最近の研究では、急性増悪時の症状の32%が「全身倦怠感」であり、その患者の25%にうつ病に対する薬物治療がなされており、その他の症状を主訴とする患者よりもその割合が有意に高いことが報告されている1)。 さらに、この「全身倦怠感」は心不全の病態悪化のみならず、うつ症状による影響があるという報告もある2)。つまり「全身倦怠感」を主訴に入院する心不全患者には少なからず「うつ症状」の関与があり、心不全の病態のみならず「うつ病」の有無の確認やそのケアも必要となる。 それを受けて、これまで慢性心不全治療によるうつ症状の改善効果を検証するべく、いくつもの臨床試験がなされてきたが、エビデンスレベルの高い研究では、残念ながらよい結果は報告されていない。その意味で、慢性心不全患者、約2300人を対象とした、多施設参加のRandomized研究「The HF-ACTION」3)のテーマである「慢性心不全患者に対する有酸素運動療法が、うつ症状を改善するか否か?」は、臨床的に大変興味のある研究であった。 結果は、有酸素運動群において、運動開始から3ヵ月後および12ヵ月後におけるうつ症状の改善については統計学的な有為差は得られたものの、残念ながら臨床的に「有酸素運動療法が心不全患者のうつ症状を改善した」とはいえなかった。さらに心不全関連の死亡については有酸素運動群で成績が良かったが、再入院については有酸素運動群でより悪い成績となっている。慢性心不全に対する有酸素運動療法の予後改善効果については一定のエビデンスが得られているため、それを差し引いて考えると、(1)有酸素運動のうつ症状改善効果、および、(2)うつ症状を有する心不全患者の予後改善効果、は、ともに否定的であった。 ただ、本試験のInclusion criteriaはEFが35%以下の慢性心不全患者すべてを対象にしており、その主訴や病態ごとの細かい層別解析は、今回は報告されていない。先に述べた通り「全身倦怠感を主訴として訴える慢性心不全患者のみ」を対象として解析を行った場合に、どのような結果が得られるのか、大変興味のあるところである。

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エキスパートに聞きました!「痛みの治療」に関する素朴なギモン Part1

CareNet.comでは8月の1ヵ月間を通し、痛み、特に神経障害性疼痛にフォーカスして様々な情報をお届けしてきました。そんな中で視聴者から寄せられた痛みの治療に関する質問に対し、小川 節郎 先生にご回答いただきます。神経障害性疼痛の鑑別診断は?一番重要なのは問診と簡単な神経学的検査です。たとえば、『1年前に帯状疱疹に罹患、原疾患は治癒したものの痛みが残っている』、『昨年脚を骨折、治癒したものの折った部位に痛みが残る』、などのケースでは炎症はすでになくなっているわけです。そのようなケースでは神経障害性疼痛の要素があると考えられます。また、『腰痛を有するが足の先まで痺れる』、『触ってみると痺れている部分の感覚が落ちている』など簡単な神経学的な所見が糸口になりえます。特に、触れただけで痛い、風があたっただけでも痛いなどアロディニア症状を呈する例では神経障害性疼痛の要素が強いといえます。神経障害性疼痛診療ガイドブック(南山堂)http://www.nanzando.com/books/30881.phpに掲載されている神経障害性疼痛の簡易調査票もご活用いただければと思います。肩手症候群、肩こり、頭痛、視床痛は神経障害性疼痛に含まれるのか?これらご質問の痛みにはすべて神経障害性の要素があるといえます。肩手症候群=神経障害性疼痛というわけではなく、肩手症候群の中に神経障害性疼痛の要素が含まれている患者さんがいるということです。頭痛も種類によっては神経障害性疼痛の要素が高いものがあります。頸性頭痛では頸椎から出る神経を傷害していることが多く、ビーンとした痛みを呈する場合などは神経障害性の要素が強いといえます。視床痛はほとんどが神経障害性疼痛といってよいでしょう。痺れと痛み、同じ認識で治療しても良いか?痺れ自体が十分解明されているとはいえないものの、神経繊維も違うようですし、最近は痺れと痛みは別のものであろうという認識になっています。もう少し時間が経過すると興味深い結果がでてくると思いますが、今のところは同じ認識で治療せざるを得ないというのが現状です。ペインクリニック専門医への紹介のタイミングは?オピオイド処方時は、「経口モルヒネ換算120mg/日でコントロールできないとき」というのも一つの目安だといえます。しかしながら、先生方ができる通常の治療経過で改善しない場合は、いつでも相談していただきたいです。慢性的に薬剤を出しているという状況は避けた方がよいでしょう。

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乳房温存術を受けた女性の5人に1人が再手術

 英国では乳房温存術(BCS)を施行された女性の5人に1人が再手術を受けており、非浸潤性乳がんの再手術率は浸潤性病変の約2倍に達することが、英国王立外科医師会のR Jeevan氏らの調査で示された。英国では毎年約4万5,000人の女性が乳がんと診断され、その半数以上がBCSを施行されるという。とくに非浸潤性乳がんは術前に病変を局在化するのが困難なため、BCSでは腫瘍を完全に切除できない可能性があり、その場合は再度BCSを行うか、乳房切除術が施行される。BCS施行後の再手術に関する研究は少なく、施行率は17~68%とされ大きなばらつきがみられる。BMJ誌2012年8月11日号(オンライン版2012年7月12日号)掲載の報告。BCS施行後の再手術率を後ろ向きコホート試験で検討研究グループは、BCS施行後の再手術と背景因子の関連を評価し、英国の国民保健サービス(NHS)トラストにおける再手術率をレトロスペクティブに検討するコホート試験を実施した。2005年4月1日~2008年3月31日までに、浸潤性または非浸潤性乳がんと診断され、一側の乳房に対しBCSを施行された16歳以上の女性が対象となった。初回BCS施行後3ヵ月以内の再手術率を調査した。ロジスティック回帰分析を用いて、腫瘍のタイプ、年齢、併存疾患、社会経済的貧困で調整した。初回手術時に非浸潤性病変の有無でグループ分けを行った。再手術率:全体20.0%、浸潤性乳がん18.0%、非浸潤性乳がん29.5%3年間に、NHSトラストの156施設で5万5,297例(浸潤性乳がん:4万5,793例[82.8%]、非浸潤性乳がん:9,504例[17.2%])の女性に初回BCSが施行されていた。 そのうち、1万1,032例(20.0%)が1回以上の再手術を受けていた。再手術が1回のみであったのは1万212例(18.5%)で、そのうち5,943例(10.7%)がBCSを、4,269例(7.7%)は乳房切除術を施行されていた。浸潤性乳がんの4万5,793例中8,229例(18.0%)が1回以上の再手術を受けていたのに対し、非浸潤性乳がんの9,504例中、1回以上の再手術が行われたのは2,803例(29.5%)だった(調整オッズ比:1.9)。調整再手術率には実質的な施設間差が認められた。著者は、「英国ではBCSを施行された女性の5人に1人が再手術を受けていた。非浸潤性病変の再手術率は浸潤性病変の約2倍であった」とまとめ、「手術法を決める際は、患者に再手術のリスクに関する情報を伝えるべきである」と指摘している。

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うつ病の予測因子は青年期の「腹痛」?

 うつ病患者の多くは身体症状を訴える。しかし、この身体症状がうつ病によって発現するのか、それとも身体症状のためにうつ病を発症するのか、ほとんどわかっていない。また、従来の研究において、機能的・物理的な身体症状に関する住民ベースの長期縦断研究が不足しているとの指摘がある。Bohman氏らは15年にわたる調査により、うつと身体症状の関係を明らかにし、うつ病の発症の危険因子を検討した。BMC Psychiatry誌オンライン版2012年7月27日号の報告。  対象は、スウェーデンのウプサラ在住の16-17歳の青年。身体症状の有無にかかわらず、1991~1993年にうつ病のスクリーニングを実施、うつ病患者と同数のコントロール群を選定し、それぞれ半構造化面接を行った。身体症状は21の異なる自己評価にて評価した。15年間の面接によるフォローアップ完遂率は64%であった。主な結果は以下のとおり。・青年期うつ病患者における身体症状合併数から、段階的な方法により成人期メンタルヘルス上のアウトカムが予測された。・5つ以上の身体症状を合併した青年期うつ病患者の1/4において、その後の転帰は、うつ病の再発68%、パニック障害44%、慢性うつ病30%、身体表現性障害26%、双極性障害22%、自殺企図16%、精神病性障害8% であった。・腹痛がうつ病、不安の強力で独立した危険因子であった。また、身体症状はうつ病でない青年において将来の精神障害を予測した。関連医療ニュース ・ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?! ・増加する青年期うつ病 、早期発見へ ・検証!「痛み」と「うつ」関係は?

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高血圧患者さんの食塩摂取量への意識を高めるiPhone アプリ

 食塩の過剰摂取が血圧上昇と関連していることは古くから知られており、減塩による降圧効果も証明されている。メタアナリシスの結果によると、1gの減塩によって収縮期血圧1mmHgの降圧が期待できる。しかし、6g/日前半まで食塩摂取量を落とさなければ有意な降圧は達成できていない。このことを根拠にわが国では高血圧患者の減塩目標として6g/日未満を推奨している。 しかし、健康増進法に基づく食品の栄養成分表示のうち、塩分については現在、ナトリウム量で表示することになっている。食塩はナトリウムと塩素が結合したもので、ナトリウムの原子量は23、塩素の原子量は35.5である。すなわちがナトリウム1gは、食塩2.54gに相当する。日本高血圧学会は2011年に、食塩量での表示を義務化するよう、消費者庁などに要望書を提出している。 さて、昨今、iPhoneなどいわゆるスマートフォンが普及し、iPhoneを持っている高血圧患者さんも珍しくはない。そんな患者さんにオススメしたいのが『塩分とりすぎ計算機』というアプリ。栄養成分表示の中のナトリウムを入力するだけで、食塩に換算すると何グラム摂取したのかを簡単に計算してくれる。計算結果は一般成人の一日目標摂取量に対する割合として、円グラフで分かりやすく表示される。 ただ、前述の目標摂取量はWHOが一般成人に推奨している「5g」に対する割合であり、日欧米で高血圧患者の目標として推奨されている「6g」に対する割合ではない。さらに個々の食品における食塩量を計算するだけで、1日の累積食選摂取量が記録されていくわけではないのが残念。常にナトリウム量が明らかなものを食しているわけではないから食べたメニューを選択すると標準的な含有食塩量が記録されるなどの機能があると利用機会が増えるのでは。 まだまだ実践的ではないが、高血圧患者さんの食塩摂取量への意識を高める方法の一つとしては検討してみてもよいかも。塩分摂り過ぎ計算機 (App Store)http://itunes.apple.com/jp/app/yan-fentorisugi-ji-suan-ji/id544655976?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(6)〕 女性の急性腎盂腎炎、抗菌薬の7日間投与が有効

急性腎盂腎炎の治療は、原因菌に感受性のある抗生物質を10~14日間投与するプロトコールが、本邦で長らく用いられてきた方法であろう。第一選択の薬剤は培養検査の結果が判明するまで、βラクタムあるいはニューキノロンが選択されるが、院内感染症対策部門の意向も取り入れて選ばれることと思う。 女性の単純性腎盂腎炎に関する診療ガイドラインには、Infectious Disease Society of AmericaおよびEuropean Society for Microbiology and Infectious Diseaseによる2010年版ガイドラインがある1)。これによると、フルオロキノロン耐性菌検出率が10%を超えない地域で入院の必要がない症例に対しては、シプロフロキサシン(500mg ×2回/日)を7日間投与というプロトコールが推奨されている。ただしその根拠となる研究は、シプロフロキサシン7日間とST合剤14日間との比較であり、対象症例は平均25歳、血液培養陽性症例は3%と、若年の軽症患者が主体であった2)。本研究はシプロフロキサシンの7日間と14日間投与との比較、しかも中高年症例(平均年齢46歳)、血液培養陽性症例27%と、ある程度対照症例に幅をもたせた研究であったが、7日間投与は14日間投与に劣らない結果となった。治療期間の短縮は患者さんにとって福音だし、医療経済的にもメリットがある。ただし、7日間投与の優良性はほかの抗菌薬にはかならずしも当てはまらないとしている。 この文章を執筆中、1週間程度の急性腎盂腎炎の治療を受け改善したのち、再発して筆者の外来を訪れた患者さんを拝見した。関節リウマチで少量ステロイド投与中の方だった。 今回はしっかり14日間の治療を行い、元気に退院された。シプロフロキサシンではなかったが、discussionの内容に合致していたので印象に残っている。

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「痛み」の診療に関する緊急アンケート その2 ~「痛み」の評価、どうしてますか?~

対象ケアネット会員の内科医師244名方法インターネット調査実施期間2012年8月7日~8月13日Q1.痛みの強さに関して、客観的な指標を用いて評価していますか?Q2.帯状疱疹を発症し、皮膚科で抗ウィルス薬を処方されていた患者さん(60代、女性)が、発症後4日目で痛みを訴えて受診してきました。この患者さんの痛みに対し、どのような治療を行いますか?Q3.2011年7月に発刊された神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン(日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン作成ワーキンググループ編集)をご存じですか?

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スタチンによるLDL-C低下療法、低リスク集団でも血管イベントを低減

 スタチンによるLDLコレステロール(LDL-C)低下療法は、血管イベントの低リスク集団においても主要血管イベント(MVE)の抑制効果を発揮することが、Cholesterol Treatment Trialists’(CTT)Collaboratorsによる検討で示された。スタチンはLDL-Cを低下させることで血管イベントを予防するが、血管イベントのリスクが低い集団における効果は、これまで明らかにされていなかった。血管疾患の既往歴のない集団は血管イベントの絶対リスクが低いものの、血管イベントの半数以上はこの集団で発生しているため、とくにスタチン治療の1次予防効果は解明すべき重要な課題とされる。Lancet誌2012年8月11日号(オンライン版2012年5月17日号)掲載の報告。低リスク集団におけるスタチンの効果をメタ解析で評価研究グループは、血管イベントの低リスク集団におけるスタチンの効果を評価するために、27件の無作為化試験のメタ解析を行った。27試験のうち、22件は標準用量のスタチンと対照を比較し[13万4,537例、ベースラインの平均LDL-C値:3.70mmol/L(≒143mg/dL)、1年後のLDL-C値の差:1.08mmol/L(≒41.8mg/dL)、追跡期間中央値:4.8年]、5件は強化スタチン療法と低強化スタチン療法の比較試験[3万9,612例、2.53mmol/L(≒97.8mg/dL)、0.51mmol/L(≒19.7mg/dL)、5.1年)であった。MVEは、主要冠動脈イベント(非致死的心筋梗塞、冠動脈死)、脳卒中、冠動脈血行再建術の施行とした。ベースラインにおける血管イベントの5年発生リスクで5つの群(<5%群、5~<10%群、10~<20%群、20~<30%群、≧30%群)に分け、LDL-C値1.0mmol/L(≒38.67mg/dL)低下当たりのMVE発生リスクの率比(RR)を算出した。<5%群と5~<10%群を低リスク群とした。ガイドラインの再考が必要スタチンのLDL-C低下効果により、年齢、性別、ベースラインのLDL-C値や血管疾患の既往歴にかかわらず、MVEのリスクが有意に低下した[LDL-C値1.0mmol/L低下当たりのMVE発生リスクのRR(以下、単にRRと表記):0.79、99%信頼区間(CI):0.77~0.81、p<0.0001]。スタチンによるMVEの低下効果は、低リスク群(RR:<5%群0.62、5~<10%群0.69)と高リスク群(同:10~<20%群0.79、20~<30%群0.81、≧30%群0.79)でほぼ同等だった(傾向性検定:p=0.04)。これは、主に低リスク群における主要冠動脈イベント(RR:<5%群0.57、p=0.0012、5~<10%群0.61、p<0.0001)および冠動脈血行再建術(同:<5%群0.52、p<0.0001、5~<10%群0.63、p<0.0001)のリスクの有意な低減を反映するものであった。10%未満の2つの低リスク群を合わせた集団における脳卒中の発生リスクのPRは0.76(p=0.0012)と良好だったが、10%以上の集団も同様に良好であったため差は認めなかった(傾向性検定:p=0.3)。血管疾患の既往歴のない集団では、スタチン治療によりMVE(RR:0.85、95%CI:0.77~0.95)および全死因死亡(RR:0.91、95%CI:0.85~0.97)のリスクが有意に低下した。スタチンによるLDL-C低下療法が、がんの発生率(RR:1.00、95%CI:0.96~1.04)やがん死亡率(RR:0.99、95%CI:0.93~1.06)、その他の非血管死亡率を増加させるとのエビデンスは認めなかった。著者は、「MVEの5年発生リスクが10%未満の低リスク群では、LDL-C値が1.0mmol/L低下するごとに、絶対値で5年間に1,000人当たり約11人の血管イベントを抑制することが示された。このベネフィットは、既知のスタチン治療の有害性を大きく上回るものである」と結論し、「現行のガイドラインでは、このような低リスク集団はスタチン治療の適応ではない。今回の知見は、ガイドラインの再考の必要性を示唆するもの」と指摘している。

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血漿HDL-C高値、心筋梗塞のリスクを低下させない可能性が

 血漿HDLコレステロール(HDL-C)値の上昇が、必ずしも心筋梗塞のリスクを低減しない可能性があることが、米国・ペンシルバニア大学のBenjamin F Voight氏らの検討で明らかとなった。血漿HDL-C高値は心筋梗塞のリスク低減と関連するとされるが、その因果関係は不明である。遺伝子型は、減数分裂時にランダムに決定され、非遺伝子的な交絡因子の影響を受けず、疾患過程の修飾も受けないことから、バイオマーカーと疾患の因果関係の検証にはメンデル無作為化(mendelian randomization)解析が有用だという。Lancet誌2012年8月11日号(オンライン版5月17日号)掲載の報告。因果関係を2つのメンデル無作為化解析で評価研究グループは、血漿HDL-C高値と心筋梗塞のリスク低下の因果関係を検証するために、2つのメンデル無作為化解析を実施した。まず、20試験(心筋梗塞2万913例、対照9万5,407例)のデータを用いて、内皮リパーゼ遺伝子(LIPG Asn396Ser)の一塩基多型(SNP)の評価を行った。次いで、心筋梗塞1万2,482例および対照4万1,331例のデータを使用し、HDL-Cと関連する14の頻度の高いSNPから成る遺伝子型スコアについて検討した。また、陽性対照(positive control)として、LDLコレステロール(LDL-C)に関連する13のSNPの遺伝子型スコアの評価も行った。遺伝子型スコアによるHDL-C値上昇はリスクと関連なしLIPG 396Ser対立遺伝子の保有率は2.6%であった。LIPG 396Ser対立遺伝子保有群は、非保有群に比べHDL-C値が0.14mmol/L(≒5.4mg/dL)有意に高かった[p=8×10(-13)]が、心筋梗塞リスクに関連するその他の脂質および非脂質因子は両群間に差を認めなかった。このHDL-C値の差により、LIPG 396Ser対立遺伝子保有群では心筋梗塞のリスクが13%低下すると予測された[オッズ比(OR):0.87、95%信頼区間(CI):0.84~0.91]。しかし、対立遺伝子保有群における心筋梗塞のリスク低下は有意ではなかった(OR:0.99、95%CI:0.88~1.11、p=0.85)。観察疫学試験では、HDL-C値の1 SDの上昇により心筋梗塞リスクが有意に低下した(OR:0.62、95%CI:0.58~0.66)。しかし、遺伝子型スコアに基づくHDL-C値の1 SDの上昇は心筋梗塞のリスクとは関連しなかった(OR:0.93、95%CI:0.68~1.26、p=0.63)。一方、観察疫学試験におけるLDL-C値の1 SDの上昇により心筋梗塞リスクが有意に上昇し(OR:1.54、95%CI:1.45~1.63)、遺伝子型スコアによるLDL-C値の1 SDの上昇も心筋梗塞リスクの有意な上昇と有意な関連を示した[OR:2.13、95%CI:1.69~2.69、p=2×10(-10)]。著者は、「血漿HDL-C値の上昇をもたらす遺伝子的メカニズムが、必ずしも心筋梗塞のリスクを低減しない可能性が示唆される」と結論し、「これらの知見は、血漿HDL-C値の上昇が一律に心筋梗塞のリスク低下をもたらすとのコンセプトに疑問を呈するもの」としている。

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結腸がん補助化学療法におけるFOLFOXの有効性:Stage IIと高齢者におけるサブ解析

 オキサリプラチンをフッ化ピリミジンに追加した補助化学療法はStage IIIの結腸がん患者の生存率を改善するが、Stage IIおよび高齢患者における補助化学療法にオキサリプラチンを追加することの有用性については意見が分かれている。Christophe Tournigand氏らは、結腸がんの補助化学療法におけるオキサリプラチン/フルオロウラシル/LVの多施設国際共同試験において、フルオロウラシル+LV(FL)とFL+オキサリプラチン(FOLFOX4)に無作為に割り付けられた患者のうち、Stage IIおよび高齢(70~75歳)患者のサブグループ解析を実施。その結果、どちらの患者でも全生存率(OS)と無病生存率(DFS)にはオキサリプラチン追加による有意なベネフィットは認められなかったことを、Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2012年8月20日号に報告した。 FL群とFOLFOX4群に無作為に割り付けられた2,246例のうち、Stage IIの患者が899例(低リスク330例、高リスク569例)、高齢(70~75歳)の患者が315例であった。主な結果は以下のとおり。・Stage IIの患者においてFLと比較したFOLFOX4のハザード比(HR)は、DFSでは0.84(95%CI:0.62~1.14)、再発までの期間(TTR)では0.70(95%CI:0.49~0.99)、OSでは1.00(95%CI:0.70〜1.41)であった。・低リスクStage IIの患者においては、オキサリプラチン追加による有意なベネフィットは認められなかった。・高リスクStage IIの患者におけるHRは、DFSでは0.72(95%CI:0.51~1.01)、TTRでは0.62(95%CI:0.41~0.92)、OSでは0.91(95%CI:0.61~1.36)であった。・高齢の患者におけるHRは、DFSでは0.93(95%CI:0.64~1.35)、TTRでは0.72(95%CI:0.47〜1.11)、OSでは1.10(95%CI:0.73〜1.65)であった。

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デポ剤使用で寛解率が向上!?

 統合失調症治療における最終ゴールである寛解。寛解を目指すため、さまざまな取り組みが行われている。近年、統合失調症治療薬は経口剤だけでなく、持効性注射製剤(LAI)も承認され、多くの患者に使用されるようになってきた。このLAIが寛解にどのような影響を与えるかについて、BMC Psychiatry誌オンライン版2012年8月10日号で報告された。 今日では、統合失調症患者の治療目標は臨床的寛解だけでなく、心理社会的寛解が重要であるとされており、従来の症状データに定量化可能な心理社会的変数を組み入れることが求められている。Barak氏らは抗精神病薬の投与や投与方法が寛解にどのような影響を与えるかを、大規模コホート研究により臨床的および心理社会的に評価し、統合失調症患者の寛解に持効性注射剤が好影響をもたらす可能性があることを報告した。 対象は、6ヵ月以上の治療期間を有する統合失調症患者とし、性別、年齢、薬物治療状況のテータを収集した。心理社会的寛解の評価にはPSRS(PsychoSocial Remission Scale)、臨床的寛解の評価にはRSWG(Remission in Schizophrenia Working Group symptomatic remission criteria)を用いた。主な結果は以下のとおり。・調査対象患者数は445例(平均年齢:43.4±13.1歳、男女比:61%:39%)。評価者別内訳は、精神科医268例(60%)、看護師161例(36%)、ソーシャルワーカー16例(4%)であった。・抗精神病薬別の内訳は、経口抗精神病薬(PO群)243例(55%)、定型抗精神病薬の持効性注射剤(LAT群)102例(23%)、リスペリドン持効性注射剤(RLAI群)100例(22%)であった。・全体としての臨床的寛解率は37%、心理社会的寛解率は31%であった。・臨床的寛解率は、PO群と比較しLAT群およびRLAI群で有意に高かった(それぞれ51% , 48% vs 29%、p=0.0003)。・心理社会的寛解率も、PO群と比較しLAT群およびRLAI群で有意に高かった(それぞれ43% , 41% vs 24%、p=0.003)。本研究では、統合失調症患者の1/3が寛解に至っていた。また、経口剤と比較し、持効性注射剤を使用した患者の方が、臨床的および心理社会的寛解率が高かった。関連医療ニュース ・「第二世代抗精神病薬」長期投与の課題は… ・厚労省も新制度義務化:精神疾患患者の「社会復帰」へ ・リスペリドン vs パリペリドン【安全性プロファイル】

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