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サノフィ・アベンティスと米国Merrimack社、MM-121に関してグローバル提携およびライセンス契約を締結

フランスのサノフィ・アベンティス社とMerrimackPharmaceuticals社は7日、固形悪性腫瘍の治療を目的として、ErbB3(HER3)受容体のシグナル伝達を阻害するように設計されたファースト・イン・クラスの完全ヒトモノクローナル抗体MM-121に関して、グローバル提携およびライセンス契約を締結したことを発表した。MM-121は現在臨床試験の第I相段階にあるという。この両社の契約を基に、サノフィ・アベンティス社はMM-121を開発・製造・商業化する独占的なグローバル・ライセンスを取得することになる。Merrimack社は引き続き米国における共同販促権を保持するという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/7B97185C-98F6-4A84-8280-3AC7E5711603.pdf

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テルモが磁気浮上型左心補助人工心臓を日本で製造販売承認申請

テルモ株式会社は8日、左心補助人工心臓の製造販売承認の申請を9月17日に厚生労働省に行ったと発表した。同社の左心補助人工心臓は、遠心ポンプ内部で、磁気で浮いた状態の羽根車を回転させて血液を押し出す「磁気浮上方式」を採用している。日本では、2008年4月に臨床試験を開始し、10月には第1症例目の埋め込み手術が行われた。なお、欧州では2007年に販売を開始し、米国でも2008年7月より臨床試験を開始している。詳細はプレスリリースへhttp://www.terumo.co.jp/press/2009/030.html

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三和化学研究所と富士薬品が高尿酸血症・痛風治療薬「FYX-051」に関するライセンス契約を締結

株式会社三和化学研究所は8日、株式会社富士薬品と、高尿酸血症・痛風治療薬「FYX-051」について、日本国内での共同開発・商業化に係るライセンス契約を締結したと発表した。現在販売されている高尿酸血症・痛風治療薬には、尿酸の生成を抑制して血清尿酸低下効果を示す尿酸生成抑制薬と、尿酸の排泄を促進して血清尿酸低下効果を示す尿酸排泄促進薬がある。FYX-051は、尿酸生成に関与するキサンチンオキシダーゼを阻害して尿酸生成を抑制することにより、血清尿酸値低下作用を示す尿酸生成抑制薬。本剤は、既存の高尿酸血症・痛風治療薬とは異なり肝クリアランス型のため、腎機能が低下している患者に対しても使用しやすいという。なお、国内においては、株式会社富士薬品が第II相臨床試験を実施しており、今後は両社共同で開発を進めていくとのこと。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.skk-net.com/new/data/news091008.pdf

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診療所向け医事会計システム廉価版を販売開始

富士通株式会社は8日、レセプトオンライン請求に対応した診療所向け医事会計システムの廉価版「HOPE/SX-J 基本パック V13」を販売開始した。2012年4月以降にはレセプトのオンライン請求が原則義務付けられるが、日々の診療件数が少なく医事会計システム未導入の小規模医療施設は、レセプトオンライン請求用システムである医事会計への新規投資が難しいという背景がある。この製品は、レセプトのオンライン提出に対応し、レセプト請求用の医事会計システム未導入の医療機関に向けて販売される。詳細はプレスリリースへhttp://pr.fujitsu.com/jp/news/2009/10/8.html

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生薬製剤「レスフィーナ細粒「分包」」を発売

塩野義製薬株式会社は8日、生薬製剤『レスフィーナ 細粒「分包」』を新発売した。レスフィーナ 細粒「分包」は、日東薬品工業株式会社から導入した生薬製剤。抑肝散(ヨクカンサン)を構成する7種類の生薬に、芍薬(シャクヤク)と黄連(オウレン)を加えた合計9種類の生薬から得た乾燥エキスを配合し、神経がたかぶったり、気分がふさいで、不眠傾向にある人への諸症状に効果があるとのこと。服用しやすい細粒で、1日3回の服用により、気分を落ち着かせ、不眠傾向にある人の睡眠の質を改善するという。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.shionogi.co.jp/ir/news/detail/091008.pdf

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社会的貧困と死亡率との関連は100年経っても変わっていない

英国ランカスター大学人文社会科学学部のIan N Gregory氏は、イギリスおよびウェールズの中で、社会的に貧困状態にある人々に焦点をあてた死亡率の、20世紀初頭と21世紀初頭における変化を調査した。イギリスおよびウェールズは、20世紀において死亡率パターンに劇的な改善が見られた。乳幼児死亡率が激減し、男女とも寿命は30歳以上延び、死因についてもかつては約2割を感染症や寄生虫症が占めていたが、現在は替わって、がん・虚血性心疾患・脳卒中が主因を占める。一方でこの1世紀の間に、貧困は一部地域(行政区)に住まう人々だけのものとなった。そうした人々に焦点をあてた死亡率の変化を見たような国家的研究はほとんどないという。BMJ誌2009年9月19日号(オンライン版2009年9月10日号)より。1世紀の間に、貧困が死亡率に与える影響は変化したのかを調査同様の研究として、ロンドンを対象とした1890年代と1990年代との死亡率を比較した調査があり、一部エリアの結果で貧困状態と死亡率との関連を示す報告があるという。今回のGregory氏の調査も、貧困状態と死亡率との地域的関連を調べることを目的に行われた。1世紀の間に、その関連の度合いが強まったのか弱まったのか、前世紀と現在の、死亡率と貧困状態とを行政区単位で、国勢調査のデータをもとに調べ検討した。貧困は、現代の死因にも主要な影響を与えている各地区の貧困度合いは、Carstairs scoresによって割り出された。1900年代と2001年の貧困指数と死亡率のデータが揃ったのは、614の行政区分だった。分析の結果、20世紀初頭と終わりでは、貧困状態と死亡率との関連の強さに有意な変化があったことが証明された。前世紀に貧困状態および死亡率が最も高かったのはロンドン中心部、南ウェールズなど工業都市だった。一方で、国全体としては豊かではなく貧困状態だったが、イギリス南東部を中心とする地方で死亡率が低い傾向が見て取れた。そして貧困状態と死亡率のパターンは、現代においても1世紀前のパターンと変わっていなかった。現代における社会的貧困要因で補正後も、死亡率と死亡要因との関連は1900年代の標準的な死亡率パターンと有意に変わらなかった。工業都市での死亡率は高く、一方で大きく変わっていたのは高い死亡率を有する農村部が見られるようになったこと、イギリス南東部地方に見られた死亡率が低い傾向は見られなくなっていた。Gregory氏は、「医療、公衆衛生、社会・経済・政治的な変化にもかかわらず、貧困状態と死亡率との関連は、世紀が変わっても根強く残ったままである。そして貧困がなお現代の死因の主要な要因を占めていることを示している」と結論している。

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身体測定と大腿周囲測定で、患者の心疾患リスク、早死にリスクが把握できる?

BMI値低値と除脂肪体重低値が早死にと関連していること、また、BMI値、腹囲、腹囲臀部周囲比率の各値が高値で、臀部周囲が低値であることも同じく早死にと関連していることは知られている。さらに最近の研究では、大腿周囲が低値ほど心血管疾患と全死因死亡リスクが大きくなるとの指摘があり、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のBerit L Heitmann氏らは、検証のため、前向き観察によるコホート研究を行った。BMJ誌2009年9月26号(オンライン版2009年9月3日号)より。大腿周囲長は心血管系死亡リスクの独立したリスク因子心血管疾患、冠疾患インシデントならびに全体死亡率と大腿周囲の間の関連性を検討する調査は、MONICAプロジェクト(1987~1988年にかけて身長、体重、大腿・臀部・腹囲、インピーダンス法による身体組成を調査)に参加したデンマークの成人男性1,436人と成人女性1,380人。主要評価項目は心血管および冠疾患の10年間の発生率と、12.5年の追跡期間内の全死因死亡とした。調査の結果、男女とも大腿周囲が細いほど、心血管および冠疾患による死亡リスクが大きいことが明らかになった。大腿周囲が約60cmを下回る場合に、早死にリスクが非常に増加していた。一方、男女とも、大腿周囲が60cmより大きいことについての付加的利点は確認されず、腹部および身体全体の肥満、生活習慣、心血管のリスク因子(例えば血圧や脂質濃度)とは独立した因子であることが確認された。身体測定が早死にリスク者を判別する材料になる可能性もそして大腿周囲が細いことは、心臓病や早死にの原因となるなど、リスク増加と関連していると思われた。大腿周囲が細いのには、同部位の筋肉量が少なすぎることと関連している可能性がある。これらからHeitmann氏は、身体測定とあわせて大腿周囲を測定することによって、開業医が心疾患罹患率と早死にリスクを早期に見極めるのに役立つ可能性があると報告している。

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エキセナチドからリラグルチドへの切り替えにより、2型糖尿病患者の血糖コントロールが向上

ノボ ノルディスク社は、第45回欧州糖尿病学会(略称:EASD、オーストリア・ウィーン)において9月30日、2型糖尿病患者が、エキセナチド1日2回投与(10μg)から新規糖尿病薬のリラグルチド1日1回投与(1.8mg)に切り替えることで治療結果がさらに向上したというLEADTM 6延長試験の結果を発表した。この14週間の延長試験で、エキセナチドによる治療からヒトGLP-1アナログ製剤のリラグルチドによる治療に切り替えたことにより、統計的に有意な血糖改善効果が示されたという(HbA1C値の平均変化量:-0.3%、空腹時血糖値の平均変化量:-16.2mg/dL)。エキセナチドからリラグルチドへ切り替えることにより、体重がさらに減少し(-0.9kg)、収縮期血圧も低下した(-3.8mmHg)。また、リラグルチド投与群において悪心を発現した被験者の割合は、治療開始後数週間は12~17%だったが、LEADTM 6試験及び延長試験を通して減少し、14週間の延長試験期間の終わりには2%以下に減少したとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_09_30.asp

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NPHインスリンと比較して、ランタス1日1回投与の有効性と低血糖リスクの低減効果を確認

サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)は9月30日(現地時間)、ランタス(一般名:インスリン グラルギン〔遺伝子組換え〕)を使用すると、NPH インスリンと比較して夜間低血糖のリスクが有意に低下することを示す新たな解析結果を発表した。別の事後サブ解析の結果では、ランタスを使用している65歳以上の患者において、HbA1c および空腹時血糖値(FBG)がNPH インスリンと比較して大幅に低下することも明らかになったという。これらの解析結果は、ウィーンで開催された第45 回欧州糖尿病学会(EASD:European Association for the Study ofDiabetes)で発表された。第1の解析では、ランタスによる治療を受けた場合、NPHインスリン(以下、NPH)による治療を受けた患者と比較して、約6カ月後に8人に1人のランタス使用患者が、確認可能な症候性イベントを回避できることが明らかになった。また、ランタスによる治療を受けた場合、夜間低血糖のリスクが有意に低下。日中の症候性低血糖の発生率もNPHと比較して低くなる傾向が見られたが、統計的有意な差は認められなかったとのこと。第2のメタアナリシスでは、ランタスを1日1回投与した患者は、NPHと比較して夜間低血糖のリスクが減少することが明らかになったという。事後解析の結果では、特に、65歳以上の高齢者の場合、ランタスの使用によりNPHと比較して夜間低血糖のリスクが減少する(1患者・年当たり1.99件 対 3.45件、p

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ランタス、デテミルと比較して投与量当たりの有効性において優位性を示す

サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)は9月30日(現地時間)、1 日1回投与で24 時間作用が持続する基礎インスリンであるランタス(一般名:インスリン グラルギン〔遺伝子組換え〕)とインスリン デテミルとの直接比較試験の結果を発表した。同試験結果は、ウィーンで開催された第45 回欧州糖尿病学会(EASD:European Association for theStudy of Diabetes)で発表された。964 人の患者が参加したこの直接比較無作為化非劣性対照臨床試験によると、症候性低血糖を引き起こすことなくHbA1c 7%未満という主要評価項目を達成するために必要な1 日の平均用量は、ランタスを使用している患者では43.5 単位であったのに対し、インスリン デテミルを使用している患者では76.5 単位であり、インスリン デテミルの方が76%多く必要であることがわかったという(p

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医療用ICタグを用いた手術器械管理システム 外科手術の臨床試験実施へ

NEC、東京医療保健大学、ICタグ専門メーカのKRDコーポレーションは5日、メス、鉗子などの鋼製小物の手術器械に、洗浄後の再使用の際に必要となる工程である高圧蒸気滅菌などに耐えうる特殊なセラミック型ICタグを取り付け、体内への手術器械の置忘れを防ぐための手術中所在・定数管理や、手術器械の製造・使用・滅菌履歴等を管理するシステムを共同で開発し、埼玉県済生会栗橋病院と東京大学の協力を得て、本システムの外科手術における臨床試験を本年9月から約6ヵ月間行うと発表した。臨床試験は、NECがシステム・ソフトウェア開発、データ格納用のサーバーや院内LANの構築を行い、臨床試験(外科手術)とそれによる課題抽出は埼玉県済生会栗橋病院・東京大学の担当医師と看護師が担当し、試験の運営・データやシステムの有効性の検証は東京医療保健大学が行うという。すでにここまでに、手術中、および手術に必要な工程に耐えうるICタグ自体の基本特性(滅菌耐性、超音波耐性、耐水性、耐衝撃性等)、タグの手術器械への取り付け方法や脱落防止が検証され、臨床応用のレベルに達したとのこと。臨床試験では、手術器械管理に必要なプロセスに注目し、手術器械の体内置忘れの防止のための手術中における所在・定数管理、手術の安全性向上の検証と、滅菌・洗浄、手術器械の使用頻度と履歴管理、手術器械の滅菌・保管管理、病院の資産管理を行う予定とのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.nec.co.jp/press/ja/0910/0502.html

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慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術後のドレナージの有効性を確認

イギリスCambridge大学Addenbrooke’s病院脳神経外科のThomas Santarius氏らは、慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術(burr-hole evacuation)の施行後にドレナージを併用すると、併用しない場合に比べ再発率および死亡率が有意に低減するとの試験結果を、2009年9月26日発行のLancet誌上で報告した。慢性硬膜下血腫は高齢者に多く、今後、世界的な増加が予測されている。重篤な疾患および死亡の原因となり、外科的な血腫除去術のみを施行した場合の再発率は5~30%とされる。血腫除去術後のドレナージは再発を抑制する可能性があるが、一般にイギリスではルーチンには行われていないという。有効性が明らか、試験は早期中止研究グループは、慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術施行後のドレナージが再発率および臨床転帰に及ぼす影響について検討する無作為化対照比較試験を行った。2004年11月~2007年11月までに、イギリスの単一施設に18歳以上の穿頭血腫除去術を受けた慢性硬膜下血腫215例が登録され、血腫除去術後に硬膜下腔にドレーンを挿入する群(108例)あるいは挿入しない群(107例)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、再血腫除去術を要する再発とした。ドレーン挿入群で再発抑制効果が有意に優れたため、試験は早期中止となった。再発率、6ヵ月死亡率とも半分以下に再発率は、ドレーン挿入群が9.3%(10/108例)であり、非挿入群の24%(26/107例)に比べ半分以下に低減した(p=0.003)。術後6ヵ月における死亡率は、挿入群が8.6%(9/105例)、非挿入群は18.1%(19/105例)であり、挿入群で有意に優れた(p=0.042)。薬剤および手術に関連した合併症の発症率は両群で同等であった。著者は、「慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術施行後のドレナージは安全に施行可能であり、再発率および6ヵ月死亡率を改善する」と結論し、「イギリスやアイルランドの脳神経外科医が術後のドレナージを回避する最大の理由は手術関連リスクの増大を懸念してのことだが、今回の結果は、ドレーン挿入の有無で術後合併症に差はなく、日本などからの報告と手術手技も同じで成績も同等であった」としている。(菅野守:医学ライター)

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手根管症候群に対する手術と非手術的治療、どちらが有効?

手根管症候群の治療では、手術、非手術的治療のいずれもが症状の改善効果を示すが、機能の改善効果は手術が優れ、全体としてより良好な転帰をもたらすことが、アメリカWashington大学医学部放射線科のJeffrey G Jarvik氏らが行った無作為化試験で明らかとなった。手根管症候群は最もよくみられる絞扼性末梢神経障害であり、労働不能の主要原因だという。4つの試験の系統的レビューでは、手術のほうが固定法よりも症状の改善効果が高いことが示されているが、特に軽症例においてさらなる検討が望まれていた。Lancet誌2009年9月26日号掲載の報告。1年後の手の機能、症状を評価研究グループは、手術のほうが機能および症状の転帰をより改善するとの仮説の下で、脱神経のない手根管症候群患者を対象に手術と集学的な非手術的治療の有用性を比較するパラレルグループ無作為化対照比較試験を行った。2002年10月~2007年5月までに、8つの施設から116例が登録され、手根管手術を施行する群(57例)あるいはhand therapyや超音波などからなる確立された非手術的治療を行う群(59例)に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、治療12ヵ月の時点において手根管症候群評価質問票(CTSAQ)で評価された手の機能とし、副次評価項目は手の症状などとした。治療の割り付け情報を知らされていない研究者が評価し、intention-to-treat解析が行われた。機能、症状とも手術群が有意に改善したが、その差の臨床的な意義は大きくない手術群のうち実際に手術を受けたのは44例(77%)であった。治療12ヵ月の時点で、フォローアップが完遂されたのは101例(87%)であり、手術群が49例、非手術群は52例であった。治療12ヵ月における手の機能は、手術群でCTSAQスコアの補正アドバンテージが有意に優れた(CTSAQ機能スコア:Δ-0.40、p=0.0081)。症状についても手術群が有意に優れた(CTSAQ機能スコア:0.34、p=0.0357)が、労働への影響、疼痛、QOLは両群間に差を認めなかった。臨床的に重篤な有害事象は両群ともに見られず、手術に関連した合併症も認めなかった。著者は、「いずれの治療群でも症状改善効果が認められ、手術群のほうが非手術群に比べ転帰が良好であったが、両群間の差の臨床的意義はそれほど大きくなかった。全体としては、脱神経のない手根管症候群の治療では手術が有用であった」とまとめている。また、「3ヵ月後には機能、症状ともに手術群の有意な改善効果が確認され1年後まで継続したが、手術群のなかには症状が持続する患者もいた。最終的に、非手術群の61%が手術を受けなかった」としている。(菅野守:医学ライター)

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『Noisy Roommate(厄介な同居人) 過敏性腸症候群(IBS)』に関する2万人の実態調査

 2009年10月6日、過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)に関して行われた2万人の実態調査の結果を受けて、下痢型IBS治療薬ラモセトロン(商品名:イリボー)の販売会社であるアステラス製薬によるプレスセミナーが、島根大学医学部内科学第二 木下 芳一氏(写真)を迎えて開催された。 木下氏は結果紹介に先立ち、IBSの特徴について触れた。IBSの臨床上の特徴としては(1)検査をしても器質的疾患がないこと(2)腹部症状と便通異常が強く苦痛があること(3)慢性、反復性の経過をたどること(4)ストレスの関与があることが多いこと、の4点を挙げた。高血圧症に代表されるようなSilent Killerのように直接死因となることはないながら、IBSを含む機能性消化管疾患は、患者を不快にし、QOLを低下させる『Noisy Roommate(厄介な同居人)』であると表現した。 IBSの推定患者数はおよそ1,200万人とも言われ、日本人の10人に1人が罹患している計算になるが、病気という認識がないために体質の問題とあきらめている人が多く、IBS患者のおよそ8割が適切な治療を受けていないのが現状である。そこで、下痢型及び混合型で下痢を主訴とする、20歳~79歳までの男性20,000人のIBS該当者を対象に、日本で初めての大規模な実態調査を行った。 調査結果によると、下痢系IBS(下痢型および混合型で下痢を主訴とする)該当者は全体の8.9%にのぼり、特に20代においては11.2%と、若年層に多い傾向がみられた。また、朝の通勤・通学途中や仕事での作業時などで下痢、腹痛症状が発現することが多く、発現した場合、困る度合いも高いことがわかった。 にもかかわらず、下痢系IBS該当者の63.5%が『自身は病気ではないと思う』と答えており、症状に対する疾患認識は低かった。しかしながら腹部の症状について医師に問診してほしいと思う人はおよそ8割であり、医師に問診された場合に本当のことを話せるか、との問いにも、8割以上の人が『話せる』と回答した。 この調査結果から木下氏は、「腹部症状については、医師が問診しても患者さんが答えにくいのではないか、と思われていたが、実際の患者さんは『医師に聞いてほしいし、聞かれたらきちんと答える』と考えていることが明らかになった。診療にあたる医師には、ぜひ問診をしてほしい」と訴えた。 一方、IBSの診療にあたる医師側の悩みとしては、『診断に時間がかかる』、『除外診断が難しい』など、主に診断に関することが多いことが紹介された(316名の医師を対象とした調査結果より)。そこで木下氏から、IBSを含む消化器症状に関する患者さんの状況を簡単に把握できるよう、15の質問項目からなる『出雲スケール』というスクリーニング、治療評価のサポートツールが紹介された。この質問票は、日本人に多く見られる主要な消化器症状が網羅されており、医師が上部から下部までの消化器症状を一度に把握することが可能となっている。氏は、「この質問票により、患者さんが消化器症状でどのくらい困っているか、『困っている度』を簡単に把握することができます。また、薬物治療の評価ツールとしても使えることから、積極的にこの質問票を広めていきたい」と語った。 木下氏によると、IBSは様々な原因が絡み合って起こるため、治療の中心は薬物による対症療法となる。昨年10月に発売されたラモセトロンは、男性の下痢型IBSに対し、下痢だけでなく下腹部痛、下腹部不快感にも有効であり、1日1回で服薬コンプライアンスも高い薬剤であると語った。 最後に、木下氏は「IBSはQOLに著しい影響を及ぼす厄介な『Noisy Roommate』であり、今後一層の疾患啓発と受診の促進が望まれる」とまとめた。

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HIV感染症治療薬「アイセントレス錠400mg」未治療の成人HIV患者の使用が可能に

 万有製薬株式会社は5日、HIV感染症治療薬「アイセントレス錠400mg」(一般名:ラルテグラビルカリウム)の添付文書改訂を受け、未治療の成人HIV患者に対する同剤の使用制限が解除されたことを発表した。これにより、アイセントレス錠400mgは従来の治療経験のある成人HIV患者に加え、未治療の成人HIV患者さんの治療にも使用できるようになった。 世界初のインテグラーゼ阻害薬アイセントレスは、2008年7月に国内10年ぶりとなる新しい作用機序のHIV感染症治療薬として発売され、治療経験のある成人HIV患者を対象に、現在世界80ヵ国以上で承認されている。海外では本年7月に米国、9月に欧州でそれぞれ未治療成人HIV患者への使用が追加承認されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.banyu.co.jp/content/corporate/newsroom/2009/product_news_1005.html

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新型インフルエンザワクチン「CELVAPAN」に、EMEAが承認勧告

米バクスターインターナショナルインクは、ヴェロ細胞培養由来の新型インフルエンザワクチン「CELVAPAN(H1N1株)」について、欧州医薬品庁(EMEA)医薬品委員会(CHMP)による承認勧告を得たことを2日(現地時間)に発表した。EMEAによる承認勧告は、製造販売の承認を示唆するものである。CELVAPAN(H1N1株)は、欧州連合(EU)において承認勧告を受けた、初のアジュバント非添加の細胞培養による新型インフルエンザワクチン。初回製造分は、英国およびアイルランドを含む複数国へすでに納品されており、欧州委員会の承認後、各国政府の計画に基づいて接種が行われる見通しだという。詳細はプレスリリースへhttp://www.baxter.co.jp/about_baxter/news_room/news_releases/2009/091005.html

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定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス」112噴霧用新発売

シェリング・プラウ株式会社は5日、定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス点鼻液50μg 112噴霧用」(一般名:モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物)を発売した。ナゾネックスは、米国シェリング・プラウ・コーポレーションが創製し、昨年7月に国内で初めての1日1回投与が承認された鼻噴霧用ステロイド薬で、9月に56噴霧用を発売している。この発売から1年が経過し、14日間の投薬期間制限解除に伴うこの度の倍用量(112噴霧用)製剤の発売により、国内唯一、1日1回投与の28日用*鼻噴霧用ステロイド薬の登場となる。詳細はプレスリリースへhttp://www.schering-plough.co.jp/press/index.html

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米国での成人を対象としたインフルエンザA 型(H1N1)ワクチン単回接種後の臨床試験結果を発表

仏サノフィ・アベンティス社は1日(現地時間)、サノフィ・アベンティスグループ(EURONEXT:SANおよびNYSE:SNY)のワクチン事業部門であるサノフィパスツールが同日、18歳から64歳、また65歳以上の成人を対象として、米国ですでに承認されている2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンの臨床試験データの中間報告を発表したと公表した。報告では、サノフィパスツールの2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチン15μgを高齢の被験者を含め、健康な成人に単回接種し、接種後21日で予防効果が期待できる抗体反応が誘導されたという。この成人849人によるプラセボ対照試験結果は、先に国立衛生研究所(NIH)の国立アレルギー感染症研究所(NIAID)が実施した試験でのH1N1ワクチン接種10日後の結果を裏付けるものとのこと。サノフィパスツールは、2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンの免疫原性と安全性を検討するために、8月6日に米国で臨床試験を開始。臨床試験は、65歳以上を含めた18歳以上の成人、また6ヵ月齢から9歳の乳幼児を対象に行われている。今後追加接種を含めた臨床試験の最終結果が報告され、これらの結果を参考にして、上記2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンの最適な用量、接種回数、接種スケジュールが決められるとのこと。なお、上記2009年新型インフルエンザA型(H1N1)単価ワクチンは、サノフィパスツールの既承認の季節性インフルエンザワクチンのひとつのウイルス株変更として、9月15日に米国食品医薬局(FDA:Food and Drug Administration)より承認されている。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.sanofi-aventis.co.jp/live/jp/medias/F3CFA269-E095-4D4D-A319-61504415DE6F.pdf

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心房細動患者へのdabigatran vs.ワルファリン:RE-LY試験

脳卒中および死亡リスクを増大する心房細動に対し、ワルファリン(商品名:ワーファリンなど)は、脳卒中リスクを低下する効果がある。しかし出血リスクを増すため、実際に使用されるケースは少なく、中断例も多い。そこで、心房細動患者を対象とした試験で静脈血栓塞栓症予防効果の評価が得られている、新規経口直接トロンビン阻害薬dabigatranと、ワルファリンとを比較する第3相臨床試験(RE-LY試験)が、カナダ・マクマスター大学のStuart J. Connolly氏らによって行われた。試験は2種の用量(110mgまたは150mgを1日2回)について検討され、結果はNEJM誌2009年9月17日号(オンライン版2009年8月30日号)に掲載された。dabigatran 110mg投与群、同150mg投与群、ワルファリン投与群で比較RE-LY(Randomized Evaluation of Long-Term Anticoagulation Therapy)試験は非劣性試験で、心房細動患者(6ヵ月以内に心電図で確定診断)で脳卒中リスクがある(脳卒中かTIA歴あり、LVEF<40%、NYHA分類≧II、6ヵ月以内に心不全、75歳以上など)18,113例を対象に行われた。患者は、日本を含む44ヵ国951医療機関から集められた。被験者は次の3群に無作為化された。盲検下で、dabigatranの1日2回110mg投与する群と、同1日2回150mg投与する群。非盲検下で、INR2~3を目標に用量調整(1~5mg錠)されたワルファリン投与群。主要転帰は、脳卒中または全身性塞栓症とされた。110mg群は、脳卒中リスク低下がワルファリン群と同等、出血リスクは低い追跡期間中央値は2.0年。主要転帰発生は、ワルファリン群1.69%/年だったのに対し、dabigatran 110mg投与群は1.53%/年で、相対リスクは0.91(非劣性P

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インフルエンザ予防、不活化ワクチン vs. 弱毒性ワクチン、どっちが有効?

季節性インフルエンザワクチンの効力は、種々の因子(接種される人の年齢や健康状態、同型であってもワクチン株のタイプと実際に流行したタイプの抗原性の違いなど)によって異なるのではと言われている。また、認可されているワクチンには不活化ワクチンと弱毒性ワクチンがあり、その違いによる効力の違いも言われている。そこで米国ミシガン大学公衆衛生校疫学部門のArnold S. Monto氏らは、不活化ワクチンと弱毒性ワクチンの効力の違いに関する調査を、2004~2005年インフルエンザシーズンより開始した。18~48歳の健康な男女を対象とする無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、本論は、調査4シーズン目で、インフルエンザA型(H3N2)ウイルスが流行した、2007~2008年期からの報告。NEJM誌2009年9月24日号掲載より。2007~2008年期は、A型(H3N2)が大流行調査は、2007年秋に試験ワクチンを接種し登録した1,952例(平均年齢23.3歳)を対象に行われた。インフルエンザ流行期は、2008年1~4月。流行ウイルスの型は、A型(H3N2)約90%、B型が約9%だった。調査は、組織培養によるウイルス分離、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法、もしくは両法の併用によって、ワクチンの絶対効果と相対効果を推定評価し行われた。A型(H3N2)では、不活化ワクチンの相対効果が60%結果、ワクチンの絶対効果は、不活化ワクチン68%(95%信頼区間:46~81)、弱毒性ワクチン36%(同:0~59)だった。また、インフルエンザ発症例(ウイルス培養もしくはPCR法で確認された)は、不活化ワクチンを受けた被験者が、弱毒性ワクチンを受けた被験者の半分だった。A型に対する絶対効果は、不活化ワクチンでは72%(同:49~84)だったのに対し、弱毒性ワクチンでは29%(同:-14~55)で、不活化ワクチンの相対効果は60%(同:33~77)だった。Monto氏は、「2007~2008期に最も罹患率の高かったA型(H3N2)に対しては、不活化ワクチンが予防に有効だった。弱毒性ワクチンも予防効果はあったが、不活化ワクチンよりも低かった」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

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