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〔CLEAR! ジャーナル四天王(64)〕 女性のカルシウムサプリメント・カルシウム錠の投与は諸刃の剣(投与は慎重に!)

カルシウムはヒトを含む生物の体内に存在する最も豊富なミネラルの一つであり、かつ最も重要な体内の高精度な情報伝達のメッセンジャーとしても利用されている。血清カルシウムのレベルは厳格に調節されており、カルシウム摂取量が不足している場合は、腸管からより効果的に吸収され、腎臓でのカルシウムの保持力の亢進により、この不足が補われる。不足が続けば骨格プールからカルシウムがさらに動員され、骨が脆弱となり、骨折が起こりやすくなる。このため、とくに高齢者や閉経後の女性では、骨折予防のためカルシウム摂取と活性ビタミンD服用が伝統的に勧められてきた1)。ところが、カルシウム摂取不足、カルシウムサプリメントの使用を含むカルシウムの過剰摂取について、総死亡、心血管死亡、虚血性心疾患死亡を増加させる可能性や2), 3)、一部のがんの発生を抑制する可能性4), 5)まで指摘されるに至り、議論は複雑さを増している。 2013年度BMJ誌に掲載されたスエーデン・ウプサラ大学のKarl Michaelsson氏の女性を対象とした前向きコホート試験は、この異論の多い問題に一石を投じている。食事由来のカルシウム摂取に関しては、多変量解析モデルにおいてカルシウム摂取600mg未満の低摂取群では総死亡、心血管疾患死亡、虚血性心疾患死亡、脳卒中死亡のすべてでハザード比が増加し、死亡リスクの有意な増加を示した。一方、食事由来カルシウム摂取が1,400mg/日以上の高摂取群では総死亡、心血管疾患死亡、虚血性心疾患死亡でハザード比が増加し、死亡リスクの有意な増加を示したが、脳卒中死亡に関しては有意差を認めなかった。食事由来カルシウム摂取600mg/日未満群では年齢調整、調整ハザード比はそれぞれ総死亡に関して1.53、1.43と有意に高かったが、カルシウム錠併用群ではそれぞれ0.59、0.49で有意差を認めなかった。カルシウム含有サプリメント群ではそれぞれ1.45、1.17で有意差を認めなかった。また、食事由来カルシウム摂取1,400mg/日以上群では年齢調整、調整ハザード比はそれぞれ総死亡に関して1.30、1.17で年齢調整ハザード比のみ有意に高かった。カルシウム錠併用群ではそれぞれ2.65、 2.57といずれもハザード比は大きくなり、有意に高かった。カルシウム含有サプリメント使用群ではそれぞれ1.85、1.51で調整ハザード比のみ有意に高かった。 以上からカルシウム低摂取、カルシウム高摂取が総死亡、心血管死亡、虚血性心疾患死亡を、カルシウム低摂取が脳卒中死亡を含んだ死亡リスクを高めることは疑う予知がないと考える。しかし、低カルシウム摂取群にカルシウム錠を追加投与した場合に総死亡のハザード比が低下し、有意差が消失したことから、カルシウム錠の有用性が脳卒中予防を含め期待できるかもしれない。逆にカルシウム高摂取群でのカルシウム錠の追加投与はハザード比を大きくし、死亡リスクを増大させる。少なくともカルシウム摂取は600mg~1,400mgの範囲を守り、摂取過剰、不足に注意を払うことが重要になる。カルシウム低摂取ケースは例外としてカルシウム錠の投与を行うことが好ましいが、それ以外のケースでは安易なカルシウムサプリメント・カルシウム錠の投与を慎むことが治療の上で考慮すべきポイントと考える。しかしながら、周辺構造モデルによる感度分析の結果によれば600mg未満のカルシウム低摂取群においての死亡リスク上昇は時間依存性交絡因子によるバイアスの影響による可能性が疑われた。 しかし、この論文で疑問のすべてが解決したわけでない。今後さらなる研究が病態解明のため必要である。

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【ご案内】医療介護多職種交流会 第1回MLB×Kagoshima(メディカルラーニングバー鹿児島)

 一般社団法人LINKは、3月23日に医療・介護現場で働く方々を対象に、学びのイベント「医療介護多職種交流会 第1回MLB×Kagoshima(メディカルラーニングバー鹿児島)を開催する。 開催概要は以下のとおり。【日時】2013年3月23日(土) 18:00~21:00(受付17:30)【テーマ】「地域における連携構築あれこれ」「あなたの毎日が輝くノンテクニカルスキル入門」【講師】山口 高秀 氏(おひさま会理事長)佐藤 和弘 氏(医療教育団体MEDIPRO!代表)【開催場所】Jazz Spot Lileth鹿児島市千日町9-4 天文館 Kビル 4F【定員】50名(先着順) ※事前登録制【対象】医療・介護従事者の方【参加費】当日払い5,000円(1DRINK+おつまみ付)【参加方法(事前登録制)】http://the1stmlbkagoshima.peatix.com/上記URLの「チケットを申し込む」からご登録ください。【お問い合わせ】E-mail : info@link-japan.co専用フォーム:http://goo.gl/Bj9w3【Medical Learning Bar(メディカルラーニングバー)について】MLB公式Facebookページ:https://www.facebook.com/MedicalLearningBar一般社団法人LINK ウェブサイト:http://www.link-japan.co

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うつ病治療に「チューインガム」が良い!?

 これまでの研究によると、チューインガムはストレスや抑うつ症状を軽減する可能性が示唆されている。しかし、うつ病治療におけるチューインガムの臨床応用に関する研究はあまり報告されていない。トルコ・アタテュルク大学のFurkan Muhammed Erbay氏らは、うつ病患者に対するチューインガム使用の影響を検討した。Appetite誌オンライン版2013年2月12日号の報告。 対象は軽度~中等度のうつ病患者30例。薬物治療単独群とチューインガム併用群に割り付け、6週間治療を行った。うつ病のレベルを測定するためにハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)トルコ版を用いた。治療後の評価は、グループ割り付けを認識していない医師により実施した。主なHAM-Dスコアと各項目の変化量はそれぞれ独立したサンプルのt検定とカイ二乗検定により分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・チューインガム併用群は薬物治療単独群と比較し、治療によく反応した。・チューインガムの最も有益な効果は、食欲不振や鼓腸などの胃腸症状で認められた。・チューインガムは、抑うつ症状に直接的な効果を示すかは不明なものの、うつ病に起因する症状を軽減する可能性があると考えられる。関連医療ニュース ・SSRI+非定型抗精神病薬の併用、抗うつ作用増強の可能性が示唆 ・うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」 ・抗うつ薬を使いこなす! 種類、性、年齢を考慮

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SYNTAXスコアII開発でCABGかPCIかの予測能がより高く/Lancet

 複雑な冠動脈疾患の血行再建術の選択について、解剖学的な複雑さを考慮しただけのSYNTAXスコアよりも、同スコアに左室駆出率などの臨床因子を加えたSYNTAXスコアIIが有効であることが報告された。オランダ・エラスムス大学メディカルセンターのVasim Farooq氏らが行った試験で明らかにしたもので、Lancet誌オンライン版2013年2月23日号で発表した。SYNTAXスコアは、欧米のガイドラインで至適な血行再建術選択ツールとして提唱されているが、予測能に限界があることが指摘されていた。そこで同研究グループは、8つの予測因子から成るSYNTAXスコアIIを開発し検証試験を行った。SYNTAXスコアにベースライン時の臨床因子などを追加 研究グループは、1,800人を対象に行った無作為化試験「SYNTAX試験」の結果を基に、4年死亡率との関連が強かったベースライン時の臨床因子などをSYNTAXスコアに加えたSYNTAXスコアIIを開発した。 SYNTAXスコアIIについて、冠動脈バイパス術(CABG)と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行った場合の4年死亡率の差の予測能を調べ、従来のSYNTAXスコアと比較した。 外的妥当性の検証は、CABGまたはPCIを行った多国籍の被験者2,891人を対象としたDELTAレジストリにて行った。SYNTAXスコアIIのC統計量、内的・外的妥当性いずれも0.7強 SYNTAXスコアIIに盛り込まれた予測因子は、解剖学的SYNTAXスコア、年齢、クレアチニンクリアランス、左室駆出率(LVEF)、非保護左冠動脈主幹部病変(ULMCA)、末梢血管疾患、女性、慢性閉塞性肺疾患(COPD)だった。 試験の結果、SYNTAXスコアIIは、CABGとPCIを行った患者の4年死亡率の差を有意に予測した(p=0.0037)。CABGまたはPCIを受けた人が同等の4年死亡率を達成するには、年齢が若く、女性であり、LVEFが低い人ではより解剖学的SYNTAXスコアが低いことが必要だった。一方で、高年齢でULMCAとCOPDがある人は、解剖学的SYNTAXスコアは高い必要があった。 糖尿病の有無は、CABGとPCIの選択においては重要ではなかった(p=0.67)。 SYNTAXスコアIIのSYNTAX試験による内的妥当性の結果は、C統計量0.725であり、DELTAレジストリによる外的妥当性では、C統計量0.716であった。これらは従来のSYNTAXスコアの各値0.567、0.612に比べ、いずれも有意に高値だった。 著者は、「複雑な冠動脈疾患患者の4年死亡率は、SYNTAXスコアIIによる予測のほうが良好であり、CABGかPCIかの意思決定に優れている可能性がある」と結論している。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(63)〕 SYNTAX試験の5年追跡結果、CABGのPCIに対する優位性が確認されるも、全死亡・脳卒中に有意差なし

SYNTAX試験は,左主幹部疾患および3枝疾患を、心臓外科医とPCI施行医がどちらの治療法でも施行可能と判断すればPCIかCABGに無作為に割り付け比較した研究である。PCIは第1世代の薬物溶出性ステントであるTaxusA を用いている。1年の追跡結果からの主論文では、「再血行再建も含めた主要エンドポイントについてTaxusを用いたPCIはCABGに対して非劣性を達成することができなかった」が結論である。この公式見解とは別に、従来はCABGの牙城とされていた左主幹部疾患の中でもPCIで治療可能な領域が存在することを示した点では画期的な研究であった。一方で、3枝疾患の中でも動脈硬化の進展した(SYNTAXスコアの高い)症例においては、PCIはCABGに及ばないことが確認された。 今回、このSYNTAX試験の5年の結果が報告された。今回の5年間の追跡結果でも、心疾患イベント発症率はCABGで26.9%、PCIで37.3%とCABGにおいて成績が勝っていた。しかし、結果をよく見ると、全死亡においては、11.4% 対13.9%とPCIでやや多いものの、P値は0.10と有意差は認められなかった。脳卒中については3.7% 対2.4%と、こちらはCABGの方が多いもののP値は0.09と有意差は認めなかった。 これまでは、CABGとPCIの比較試験においてはフォローアップの期間が延長されるほど、CABGの優位性が際立ってくるとされていた。5年間の観察期間をもってしても、全死亡という真のエンドポイントに差がないという今回の結果は、CABGの優位性を否定しないものの、症例に応じてではあるが、左主幹部疾患および3枝疾患においてもPCIは治療法の選択肢となりうることを示したといえる。 さらには、この研究で用いられたTaxusステントは日常臨床のアリーナから退場し、成績の勝る第2世代の薬物溶出性ステントが使用されている。また、FFRなどの生理学的指標を用いて多枝疾患のPCIの適応を判断することによって予後を改善させる可能性も報告されている。冠動脈血行再建において、PCIかCABGかという議論は、今後も当面は続くものと思われる。

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外陰部硬化性苔癬にはプロアクティブな維持療法が効果的であり安全

 外陰部硬化性苔癬(VLS)のプロアクティブな維持療法について、局所ステロイド治療で症状が安定した後、週に2回の0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏(商品名:フルメタほか)を56週間塗布した結果、寛解維持と再発防止が得られ、効果的で安全な治療オプションであることが示された。イタリア・フェラーラ大学のA. Virgili氏らが、無作為化試験の中間結果を報告した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年2月12日号の掲載報告。 外陰部硬化性苔癬の慢性化や再発は、局所ステロイド治療で効果が得られた後の、長期間にわたる症状管理において問題となる。研究グループは、プロアクティブな治療(週2回の0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏塗布)の効果を、1日1回の局所ビタミンEあるいはコールドクリーム塗布との比較で、3ヵ月間の局所ステロイド治療後の寛解維持と再発リスクの低下について調べた。 被験者はまず12週間のアクティブ治療期に登録され、1日1回の0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏塗布を受けた。その後、寛解が得られた患者は52週間の維持治療期に登録され、無作為に週2回の0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏塗布群、1日1回のコールドクリーム塗布、1日1回の局所ビタミンE治療群に割り付けられた。 主要有効性指標は、再発率と再発までの平均期間であった。 主な結果は以下のとおり。・試験登録された被験者は27例であった。アクティブ治療期後に、完全(あるいはほぼ完全)な寛解を得た25例が維持治療期に入った。・52週の維持治療期終了までに、再発を認めたのは10例(40%)であった。5例(55.6%)はビタミンE群、5例(62.5%)はコールドクリーム群であった。・一方で同期間に、0.1%フランカルボン酸モメタゾン軟膏塗布群での再発はみられなかった。・再発率は、ビタミンEおよびコールドクリーム両治療群のほうが、プロアクティブな治療群よりも有意に高率であった。・ビタミンEおよびコールドクリーム治療群の再発までの平均期間は同一で、21.6週であった。

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2012年度10大ニュース~心房細動編~ 第5位

解説者のブログのご紹介『心房細動な日々』国内海外国内5位 J-RHYTHM Registryの結果が明らかに~70歳未満でもINRは低めで良いのか?わが国における抗凝固療法の最大の観察研究であるJ-RHYTHM Registryの結果が、第29回日本心電学会学術集会で口頭発表されました1)。同研究の対象は外来通院中の心房細動連続症例で、2009年1月~7月に全国の基幹病院などから7,937例が登録されました。ワルファリン投与が行われたのは6,932例(87%)で、INR 1.6~2.59でコントロールされていた症例が66%を占めています。イベント発生直近のINRレベル別に2年間のイベント発生率を検討すると、INR 1.6未満では血栓性イベントが、INR 2.6以上では出血性イベントが有意に高率に認められ、両イベントを合わせた発生率は、INR 1.6~2.59で有意に低率であり、この結果は、70歳未満例、70歳以上例いずれにおいても同様に認められたとのことです。このことは、70歳未満であってもINRの管理目標値を1.6〜2.6に設定することの妥当性をある程度示唆する所見です。本格的な検証には前向き試験が必要ですが、これは専門医ならずともほとんど医師が納得の結果ではないでしょうか?なぜならリアルワールドではかなりの医師が、若年者においてもこのように低めのINR管理をしていることは、周知の事実だからです。ガイドラインを守らなかったという点では公然の秘密とも言えたのかもしれません。この発表で、その秘密が秘密でなくなった感があります。1)小谷英太郎ほか.心電図 2012;32:S5-72.海外5位 左心耳閉鎖デバイスに関する無作為化試験~日本で普及するのか?左心耳というのは内胸動脈とともに「神様が心臓に残した2つのいたずら」の一つで、目立った役割がなく、そればかりか血栓形成の場であり、人類にとって迷惑な構造物と思われています。これをカテーテルを用いて閉鎖してしまうデバイスが過去10年間でいくつか開発されてきてはいたものの、エビデンスとしては不十分でした。本年(2013年)1月のCirculation誌に非弁膜症性心房細動に対するワルファリン単独投与との無作為割付試験(PROTECT AF)1)が報告され、やや方向性が見えて来ました。CHADS2スコア1点以上の707人を対象に2.3年追跡したところ、脳卒中、全身性塞栓症、心血管死に差はなく、安全性においても有意差はありませんでした。ただし重篤な合併症も報告されており、実用化にあたってはデバイスの改良、植え込み技術の習得など課題は少なくない段階と思われます。何より、侵襲的治療の普及しにくい日本で今後どのような展開があるのか、注目すべき段階に来ていることは間違いありません。1)Reddy VY, et al. Circulation.2013;127:720-729. Epub 2013 Jan 16.

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難治性の慢性特発性蕁麻疹、オマリズマブで症状改善/NEJM

 慢性特発性蕁麻疹(chronic idiopathic/spontaneous urticaria)で抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1拮抗薬)の高用量投与でも症状が改善されない患者について、抗IgEモノクローナル抗体オマリズマブの投与により症状が改善されたことが、ドイツ・Charite-UniversitatsmedizinのMarcus Maurer氏らによる第3相多施設共同無作為化二重盲検試験の結果、報告された。慢性特発性蕁麻疹患者の多くが、抗ヒスタミン薬の高用量投与でも症状が改善しない。抗IgE抗体オマリズマブ(商品名:ゾレア、本邦での適応は気管支喘息)の有効性については第2相試験で示され、本試験では有効性と安全性が検討された。NEJM誌オンライン版2013年2月24日号掲載報告より。323例をオマリズマブ75mg、150mg、300mg群とプラセボ群に割り付け検討 第3相試験は、成人および12歳以上の中程度~重度の慢性特発性蕁麻疹患者(抗ヒスタミン薬治療が無効)を対象とした28週間にわたるオマリズマブ治療の有効性と安全性を検討することを目的とした。 466例の患者がスクリーニングを受け、323例(42.5±13.7、76%が女性、平均体重82.4±21.9kg)が3つの皮下注治療(75mg、150mg、300mg)群またはプラセボ群に無作為化された。治療は4週間隔で行われた。12週の治療期間終了後、16週間にわたって追跡が行われた。 主要有効性アウトカムは、かゆみ重症度スコアのベースラインからの変化で週単位で評価が行われた(範囲:0~21週、最高スコアが最も重症度が高いことを示す)。150mg、300mg群で有意に症状が改善、重大有害イベントは300mg群が高い ベースラインのかゆみ重症度スコアは、年齢階層や性別、体重、罹患期間など、全4群において14階層群から得ていた。 12週時点において、プラセボ群のスコアのベースラインからの変化は、平均-5.1±5.6であり、75mg群は-5.9±6.5(p=0.46)、150mg群は-8.1±6.4(p=0.001)、300mg群は-9.8±6.0(p<0.001)であった。また同時点での、事前特定の副次アウトカムについてはほとんどが同等性を示した。有害事象の頻度も同程度であった。 重大な有害イベントの発生は概して低かったが、300mg群(6%)で、プラセボ群(3%)や75mg群および150mg群(いずれも1%)よりも高率だった。

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統合失調症の陰性症状有病率、脳波や睡眠状態が関連か

 統合失調症の研究では、臨床的な不均一性が混乱を招いていることを踏まえ、米国・ウェイン州立大学のNash N. Boutros氏らは、Deficit Syndrome(DS)を考慮した統合失調症の陰性症状集団の特定を試みた。統合失調症症候群に含まれる疾患として欠損型統合失調症(deficit schizophrenia)が提唱されており、欠損症候群診断基準(SDS;Scale for the Deficit Syndrome)の活用により持続的な陰性症状を特徴とするサブグループの特定が可能とされている。しかし長年にわたり、統合失調症の陰性症状集団の電気生理学的な相互作用を検討した研究は報告されているが、DSに焦点を当てた研究はごくわずかしかないのだという。Clinical Schizophrenia & Related Psychoses誌オンライン版2013年2月21日号の掲載報告。 研究グループは、PubMedおよびMedlineにて、「陰性症状」および「Deficit Syndrome」、電気生理学的評価ツール(「脳波検査(EEG)」「Evoked Potentials(EPs)」「睡眠ポリグラフ(PSG)」のうち1つ)が、インデックスとして付けられているすべての研究報告を検索した。 主な知見は以下のとおり。・この研究はまだ揺籃期にあるが、2つの有意な傾向が明らかになった。・第1に、EEGのスペクトル研究により、覚醒中の徐派(slow wave)活性の増大と陰性症状の有病率が結び付くこと。・第2に、睡眠研究が、徐波睡眠(slow-wave sleep)の減少と陰性症状の有病率との関連を示していることである。・また、数例の研究で陰性症状とα派活性の低下との関連も示されていた。・感覚情報のゲーティングやP300 attenuationなどその他の異常については、ほとんど報告がなかった。・DSの電気生理学的特性を対象としていた研究は2件であった。いずれの研究も、DSは統合失調症とは異なる疾患であり、単なる重症型ではない可能性を示唆するエビデンスが示されていた。関連医療ニュース ・抗精神病薬投与前に予後予測は可能か? ・長時間作用型注射製剤は、統合失調症患者の入院減少と入院期間短縮に寄与 ・統合失調症患者の再発を予測することは可能か?

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(62)〕 第二世代ステントの中期成績の比較試験、その名もCOMPARE II

循環器のカテーテル治療で薬剤溶出性ステント(Drug-Eluting Stent; DES)が用いられるようになってから久しい。第1世代のCypher/Taxusから始まり、現在は第2世代のXience(Promus)/Endeavorが用いられるようになっている。その第2世代のDESの中で、corrugated ring構造を採用し、非常に柔軟性に富んだDESとして注目されているのが、COMPARE II試験で対象となったNoboriである。 このDESの世代間における違いは、一言で言えば塗る薬剤のプラットフォームの違いである。●第1世代のステントは、「普通」の金属製のステントに抗がん剤(シロリムスやタクロリムス)を塗布したものである。Cyperでは数ヵ月、Taxusでは数年間この抗がん剤が溶出し、再狭窄を防ぐように働く。このときにステントのコーティングに使われるポリマーは持続性ポリマーであり、抗がん剤が溶出した後もずっと残る。●持続性ポリマーの問題点は、生体適合性が低く、長期的には血管内皮障害を引き起こすことがあり、遅延性のステント血栓症を引き起こすこともあるという点である。これは時に致死的となる。●第2世代のステントでは、ステントのプラットフォームが改良され、PC(ホスホリルコリン)やPLA(ポリラクチド)コーティングという生体適合性に優れたポリマーが用いられるようになっている。Noboriも生体吸収性 のPLAポリマーをコーティング基材に用い、薬剤の効果が消失した後でポリマーも消失するようになっており、予後の改善が期待された。●なお、第2世代のステントでは、塗布される抗がん剤も変更され、ゾタロリムス(Endeavor)、エベロリムス(Xience)、バイオリムス(Endeavor)が用いられている。 このCOMPARE IIは第2世代のステント同士の比較であり、生体吸収性のポリマーを用いたNoboriと生体適合性が高いPCをコーティングポリマーに用いたEndeavorとの比較を行っている。1年間の中期的な成績は互いに一歩も譲らず、再狭窄率やステント血栓症発症率はまったくの同等であった。いわばNoboriの安全性が担保されたカタチとなったが、ステント血栓症についてはさらに長く追跡しなければ結論をだすことはできない。 それにしてもRotterdamを中心とした臨床研究のネットワークは素晴らしい。完全に余談だが、ニューデバイスに対して前向きの研究をこうして次々に打っていける信頼されたシステムが確立されていることは、国民にとっても大きな財産であり、わが国も見習うべきところは多い。

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摂食障害、成人期と思春期でセロトニン作動系の特徴が異なる!

 摂食障害の発症にセロトニン作動系が関与していることは、確立した知見である。ただし、これまでの血小板セロトニン・トランスポーターに関する研究で示されている結論は、平均年齢20歳以上の患者を対象とした検討結果に基づくものであった。スウェーデン・ウメオ大学のJeanette Sigurdh氏らは、思春期の摂食障害患者におけるセロトニン作動系の関わりについて検討した。その結果、成人患者で得られている知見とは異なり、思春期の患者では同年代の健常対照と比べ血小板セロトニン・トランスポーター密度が高く、5-HT2A受容体密度が低いことを報告した。International Journal of Neuroscience誌オンライン版2013年2月19日号の掲載報告。 本研究での目的は、成人の摂食障害患者における従来の知見が、摂食障害を発症してまもない思春期の患者にも当てはまるかどうかを検討することである。摂食障害を認める思春期女性15例(神経性無食欲症11例、神経性無食欲症の基準を満たさないものの、明らかに拒食症の摂食行動を示す患者4例)ならびに健常対照32例を対象とし、血小板セロトニン・トランスポーターに結合する[3H]パロキセチンおよび5-HT2A受容体に結合する[3H]リゼルグ酸ジエチルアミド([3H]LSD)について検討を行った。主な結果は以下のとおり。・摂食障害患者におけるセロトニン・トランスポーター密度は、同年齢の健常対照に比べて有意に高かった([3H]パロキセチン結合タンパク:775±165 vs. 614±111 fmol/mg、p=0.003)。・摂食障害患者における5-HT2A受容体密度は、同年齢の健常対照に比べて有意に低かった([3H]LSD結合タンパク:215±59 vs. 314±151 fmol/mg、p=0.005)。・これら血小板セロトニン・トランスポーター密度の増加、5-HT2A受容体密度の低下は、成人患者で示されている結果とは異なるものであった。・結果が異なった要因として、本研究の被験者(低年齢で罹病期間が短い)における、ストレスに関連する精神的および生物学的要因の多様性が考えられる。・既知の知見とは異なるものであったが、本結果は摂食障害におけるセロトニン作動性要因に関わる情報の厚みを増し、本疾患におけるセロトニン作動系の制御に患者特性および経過に関連する因子が影響を及ぼす可能性を示唆するものである。関連医療ニュース ・EPA/DHAはADHD様行動を改善する可能性あり? ・摂食てんかんの特徴が明らかに ・双極性障害とADHDは密接に関連

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日本人のうつ病予防に期待?葉酸の摂取量を増やすべき

 日本人労働者を対象とした研究の結果、抑うつ度は、教育レベルならびに収入と有意な関連があり、栄養面では葉酸摂取と有意な関連があることが明らかにされた。国立国際医療研究センターの宮木幸一氏らが、本邦初の研究報告として発表したもので、「葉酸の摂取増を図る運動が、メンタルヘルスに関する社会的格差の問題解消に結びつく可能性がある」と報告した。Nutrients誌2013年2月18日号の掲載報告。 世界的に、社会経済状況(SES)と健康アウトカムとの関連は注目されており、これまで、低SES群は高SES群と比べて健康によいとされる栄養成分の摂取量が低いことなどが報告されていた。食事摂取量に関する先行研究では、葉酸と心血管疾患や大腸がん、うつ病、認知機能との関連を示す報告が複数ある。研究グループは、葉酸の摂取は収入による影響を受けることが考えられるとして、SESと葉酸摂取量および健康アウトカムとの関連を調べることを目的とした。なお先行研究では、収入などと葉酸摂取量を検討したものはあるが、教育との関連を検討したものはないという。本研究は、文部科学省助成研究であるJ-HOPE研究(Japanese study of Health, Occupation and Psychosocial factors related Equity:労働者コホート「仕事の健康に関する調査」)の参加者(13コホート、1万4,534人)のうち、製造業の大企業(京都に本社があり全国に21支社がある)の従業員約2,500人に本検討参加への同意を呼びかけ行われた。SESは自己記入式質問票を、葉酸摂取量はBDHQを用いて調査した。摂取量と交絡因子との関連性の評価にあたっては重回帰分析と層別解析を行い、摂取量が健康アウトカムに及ぼす影響を表すためにパス解析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・研究対象の日本人労働者コホート(同意を得た)は、2,266人であった。平均年齢は43.4±9.8歳、平均BMI値は23.1±3.3、女性は241人(10.6%)であった。・教育レベルと世帯収入は、葉酸摂取量および抑うつ度(日本語版K6スケールで評価)と有意に関連していた(p<0.05)。・年齢、性、総エネルギー摂取量で補正後、教育年数は葉酸摂取量に有意な影響を及ぼしていることが認められた(β=0.117、p<0.001)。・構造方程式モデリング(SEM)解析の結果、葉酸摂取量は、教育レベルならびに抑うつ度について、統計的に有意で強い間接的な影響があることが示唆された(p<0.05、直接的影響は56%)。・被験者のうち、日本人に推奨される葉酸の1日の摂取量(RDA)240μg/日を摂取していた人は63.6%であった。関連医療ニュース ・うつ病患者の食事療法、ポイントは「トリプトファン摂取」 ・統合失調症患者の脳組織喪失に関わる脂肪酸、薬剤間でも違いが ・認知症の進行予防にビタミンEは有効か?

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神経刺激療法、早期パーキンソン病のQOLを改善:EARLYSTIM試験/NEJM

 視床下核刺激術による神経刺激療法は、重度の運動合併症が発現する前の、比較的早期のパーキンソン病患者の治療として、内科的治療のみを行う場合に比べQOLを有意に改善することが、フランス・パリ第6大学のWM Michael Schuepbach氏らの検討で示された。視床下核刺激療法は、レボドパ治療によって誘発された重度の運動合併症がみられる進行期パーキンソン病患者の運動障害を軽減し、QOLを改善することが知られている。同氏らは、早期パーキンソン病患者を対象としたパイロット試験で、神経刺激療法のQOL改善効果を確認しているという。NEJM誌2013年2月14日号掲載の報告。早期患者に対する有用性を無作為化試験で検証 EARLYSTIM試験は、神経刺激療法は早期のパーキンソン病にも有用との仮説を検証する多施設共同無作為化試験。 対象は、年齢18~60歳、罹病期間4年以上、Hoehn-Yahr重症度分類Stage 1~3で薬物療法を受けており、早期の運動障害がみられる症例とした。これらの患者が、神経刺激療法(視床下核刺激術)と内科的治療を施行する群または内科的治療のみを行う群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、パーキンソン病質問票(PDQ-39)のサマリー指標(0~100でスコア化、スコアが高いほど機能障害が重度)で評価したQOLとした。主な副次的評価項目は、パーキンソン病運動障害[統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)-IIIスコア]、日常生活動作(ADL、UPDRS-IIスコア)、レボドパ誘発性運動合併症(UPDRS-IVスコア)、移動能が良好でジスキネジアがみられない期間などであった。2年後のQOL平均スコアが8.0ポイント改善 2006年7月~2009年11月までにフランスの8施設とドイツの9施設から251例が登録され、神経刺激療法群に124例(平均年齢52.9歳、男性75.8%、平均罹病期間7.3年)が、内科的治療単独群には127例(52.2歳、66.9%、7.7年)が割り付けられた。 ITT集団におけるQOLの平均スコアは、神経刺激療法群が7.8ポイント改善され、内科的治療単独群は0.2ポイント増悪した(ベースラインから2年後までの変化の平均値の差は8.0ポイント、p=0.002)。 神経刺激療法群は内科的治療単独群に比べ、運動障害(p<0.001)、ADL(p<0.001)、レボドパ誘発性運動合併症(p<0.001)、移動能が良好でジスキネジアがみられない期間(p=0.01)が有意に優れていた。 重篤な有害事象は、神経刺激療法群の54.8%、内科的治療単独群の44.1%に発現した。電極の埋め込み術や神経刺激デバイス関連の重篤な有害事象の発現率は17.7%だった。専門家委員会により、内科的治療の診療ガイドライン遵守率は神経刺激療法群が96.8%、内科的治療単独群は94.5%と判定された。 著者は、「視床下核刺激術による神経刺激療法は、重度の運動合併症が発現する前の、比較的早期のパーキンソン病患者の治療として、内科的治療単独よりも優れていた」と結論し、「神経刺激療法は現行の勧告よりも早期の患者の治療選択肢となる可能性がある」と指摘している。

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SYNTAX中・高スコア患者の標準治療はCABGとすべき/Lancet

 左冠動脈主幹部病変および3枝病変を有する患者を対象として、冠動脈バイパス術(CABG)と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を比較した無作為化試験「SYNTAX」の最終5年フォローアップの成績が、ドイツ・Herzzentrum Universitat LeipzigのFriedrich W Mohr氏らにより発表された。同試験についてはこれまで、1年時点(主要エンドポイントMACCEについてPCI群はCABG群に対して非劣性を達成せず)、3年時点(MACCEほか心筋梗塞発生、血行再建術がPCI群で有意に高い)の各成績が示されていた。今回の5年時点でも両群のイベント発生率の格差が認められたこと、とくに心筋梗塞発生、血行再建術がPCI群で有意に高いことなどが示された。研究グループは「SYNTAXスコアが中あるいは高の複雑病変患者の標準治療はCABGとすべきである」と結論し報告をまとめている。Lancet誌2013年2月23日号の掲載報告。3枝病変あるいは左冠動脈主幹部病変患者をCABGまたはPCIに無作為化 SYNTAX試験は、欧米85の施設で被験者を登録して行われたネステッド無作為化試験で、心臓外科医とインターベンション専門医の医療チームがスクリーニング時に、いずれの治療にも適合性があるとみなした患者は無作為に割り付け、どちらか一方のみが適切であると判断した患者についてはその治療群に割り付けた。 適格となった患者は無作為に1対1の割合で、第1世代パクリタキセル溶出性ステントによるPCIを受ける群またはCABGを受ける群に割り付けられた。PCIが適切と判断された患者はPCI群へ、CABGが適切と判断された患者はCABG群へ割り付けられた。 主要エンドポイントは、主要心臓・脳血管有害イベント(MACCE)であり、Mohr氏らはintention-to-treatをベースとしたKaplan-Meier解析で5年時点の成績を分析した。5年時点もMACCE、心筋梗塞、血行再建がPCI群で有意に高い 適格被験者は1,800例であり、CABG群に897例が、PCI群に903例が割り付けられたが、無作為化後CABG群50例、PCI群11例が試験参加の同意を取り下げた。ベースラインでの両群被験者の特性はほぼ同等であり、SYNTAXスコアはCABG群29.1(SD 11.4)、PCI群28.4(同11.5)だった。追跡1年目の抗血小板薬の服用はPCI群で高かったが、5年時点ではアスピリン服用者の割合について両群の有意差はなかった。ただし抗血小板併用療法を受けている患者はPCI群で高かった。 5年時点のKaplan-Meier解析によるMACCEは、CABG群26.9%、PCI群37.3%だった(p<0.0001)。 心筋梗塞(CABG群3.8% vs PCI群9.7%、p<0.0001)、血行再建(同13.7% vs 25.9%、p<0.0001)は、PCI群で有意に高かった。 全死因死亡(同11.4% vs 13.9%、p=0.10)、脳卒中(同3.7% vs 2.4%、p=0.09)については両群で有意な差はみられなかった。 SYNTAXスコア別に解析した結果、低スコア(0~22)群ではMACCEは、CABG群28.6%、PCI群32.1%と有意差はみられなかった(p=0.43)。 なお、左冠動脈主幹部病変の患者についても、5年時点のMACCEについて有意差はみられなかった(CABG群31.0%、PCI群36.9%、p=0.12)。 一方、SYNTAXスコアが中スコア(23~32)群、高スコア(≧33)群ではPCI群でMACCEの発生が有意に高かった。中スコア群の発生率はCABG群25.8%、PCI群36.0%(p=0.008)、高スコア群では26.8%、44.0%(p<0.0001)だった。 以上の結果を踏まえて著者は、「複雑な病変(SYNTAX中・高スコア)患者についてはCABGを引き続き標準治療とすべきである」と結論。また「病変部がそれほど複雑でない(SYNTAX低スコア)患者や左冠動脈主幹部病変の患者(SYNTAX低・中スコア)では、PCIは選択肢となりうる」と述べ、「複雑な多枝冠動脈疾患を有する患者については必ず、心臓外科医とインターベンション専門医の両者による考察と話し合いを行い、至適治療のコンセンサスを得るようにしなければならない」と提言している。

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(61)〕 他人の糞便注入によるクロストリジウム・ディフィシル腸炎の治療に、明白な有効性を証明!

 近年、抗菌薬投与に伴うクロストリジウム・ディフィシル(C.ディフィシル)腸炎が欧米で流行し、binary toxin産生やニューキノロン耐性株による、重篤例・再燃例の増加が注目されている。本邦では、このような強毒株の流行はみられないものの、C.ディフィシル腸炎自体は広くみられており、院内感染対策上の重要な課題と捉えられている。 本症は、投与された抗菌薬により腸管内の正常細菌叢が抑制され、毒素産生性のC.ディフィシルが異常増殖して発症するものであり、重症例では偽膜性大腸炎の形をとる。C.ディフィシルは、遺伝子レベルで少数存在する例を含めれば、過半数の人の腸管に常在するが、病院や高齢者施設では、芽胞汚染による院内感染の事例も知られている。本症の治療には、C.ディフィシルに抗菌力を示すバンコマイシンやメトロニダゾールを投与すれば良いのだが、これらは栄養型には抗菌力を示すが、芽胞化して生き残るため、バンコマイシン治療を終えると芽胞から出芽し、再燃してくる。また、乾燥や消毒剤にも抵抗性の芽胞が病院を汚染し、二次感染を引き起こす事例も知られている。 C.ディフィシルは、正常な菌叢においては、乳酸菌やバクテロイデス、ユウバクテリウムなどの優勢菌に競りまけて、辛うじて細々と生きている。バンコマイシンを含め、抗菌薬を投与すると、これらの優勢菌種は大幅に減少し、C.ディフィシルなどの耐性化しやすい菌種が異常増殖するのである。すなわち、常在菌を復活させてC.ディフィシルを相対的に少数勢力に追い込むことが、永続的治癒には必要である。これまで、種々のプロバイオティクスが、常在菌の正常化、C.ディフィシル腸炎の再燃予防に試みられてきたが、必ずしもエビデンスのある結果は得られていない。 他人の常在菌を移植することが、最も手っ取り早く常在菌を復活させ、腸炎の治癒に導けるはずだと多くの専門家は予想してきた。しかし、他人の糞便を注腸することには患者さん自身に相当な心理的抵抗があり、また、移植による別の病原体による感染も危惧され、実際に行うことはかなり困難であった。1958年以来、85症例が散発的に報告され、75~85%の有効性が報告されてきているが、比較試験でのまとまった成績は報告されていなかった。 今回報告された論文は、2008~2010年にアムステルダムのAcademic Medical Centerが計画し、ドナーグループと移植細菌叢液を準備し、オランダ国内の病院に呼びかけて行った“open label randomized trial comparing donor feces infusion to 14days of vancomycin treatment for recurrent C.difficile infection”の報告である。 本試験では患者を以下の3 群に割り付けた。(1)バンコマイシン(500mg 1日4回、4日間)に続き、4Lのマクロゴールで腸洗浄後、糞便菌叢移植(2)14日間のバンコマイシン治療(3)14日間のバンコマイシン治療後、腸洗浄 除外規定(原疾患による予後3ヵ月以内、重症例など)に当てはまらない、承諾の得られた患者を、コンピューターで患者背景に偏りがないようにrandomに割り付けている。オランダの周到な実験計画による研究の報告である。すなわち、多くの感染因子の陰性を確認したドナーグループを編成し、ドナーの糞便採取直後に糞便溶液(多数の生きた嫌気性菌菌液)をセンターで調整し、6時間以内に該当病院に輸送して、十二指腸内に管で注入する方法である。C.ディフィシル腸炎の再燃であることが立証された例にバンコマイシンによる栄養型の除菌を行ったうえで、移植を行っている。比較対照群として、バンコマイシン投与のみの症例、バンコマイシン投与後腸洗浄例を用意しているが、効果に有意差が出るためには、各群最小40例必要と見なし、計140症例について試験が計画された。エンドポイントは再燃の有無であり、腸内フローラの経時的定量培養、血液検査も計画されている。 これだけの周到な準備のうえ、比較試験は開始されたが、各群十数例の検討を行い、糞便移植群で93.8%、対照群で23.1~30.8%という歴然とした有効率の差が観察された時点で、コントロール群に対する倫理性が問題とされ、比較試験は42/120例行ったところで中止された。また、コントロール群の希望者には糞便移植を行い、良好な成績を得ている。副反応としては、投与初日の下痢が目立つだけで、重篤なものはなかった。また、糞便菌叢の検討により、ドナーと同様な菌叢の定着が確認されている。 有効性が証明できず、非劣性を証明することにきゅうきゅうとしてきた中で、夢のような話である。プロトコール、付随資料も公表されており、試験の全容がよく理解できる重要な論文である。■「糞便移植」関連記事糞便移植は潰瘍性大腸炎の新たな治療となるか/Lancet

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てんかん患者、脳内ネットワークの一端が明らかに

 てんかん症状を呈する脳内ネットワークの特性の一端が明らかにされた。チェコ共和国・Central European Institute of TechnologyのIvan Rektor氏らが、てんかん患者と健常者の脳内を機能的MRIにて比較検証した結果で、てんかん患者では脳中央部にある被殻と表面部にある皮質との機能的結合(FC)が阻害されていることが明らかになったという。Rektor氏は「このことが大脳基底核(BG)機能の変質に反映している可能性がある」と示唆した。Brain Topography誌オンライン版2013年2月12日号の掲載報告。 てんかんは、安静時においても被殻と皮質の間の結合性に影響を及ぼす可能性が指摘されていた。被殻は、大脳基底核安静時ネットワーク(BG-RSN)の一部であり、健常被験者ではデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と逆相関の関連がみられる。研究グループは、DMNに関与する皮質領野である被殻、およびBG-RSNに関与する皮質領野の主要な体運動性皮質における、脳の機能的結合を調べることを目的とした。てんかんを有する患者と健常対照者の入手データを用いて比較した。 主な解析手順、結果は以下のとおり。・てんかん患者24例(外側頭葉てんかん14例、側頭葉てんかん10例)と健常対照者10例について、機能的MRI(fMRI)を行った。・1.5 T Siemens Symphonyスキャナーを用いて安静時fMRIデータを入手し、独立的成因分析のためにGroup ICA of fMRI Toolbox(GIFT)プログラムを用いて解析した。被殻と主要な体運動性皮質との機能的結合について、BG-RSN内の被殻の結合性を評価した。・また第2レベル解析では、SPMソフトウエアを使用しグループ間の差異を評価した。・てんかん患者では健常対照者と比較して、DMNでの被殻と脳領域との逆相関性が有意に低かった。・相関性は、健常対照者では陰性方向へと結びつくものであったが、外側頭葉・側頭葉てんかん患者では陽性方向への結びつきがみられた。・てんかん患者の大脳基底核の機能的結合の阻害は、健常対照者と比較して、左右の被殻と左右の体運動性皮質との結合性、すなわちBG-RSNに関与している部位との結合性が有意に減少していることによって例証された。関連医療ニュース ・側頭葉てんかんでの海馬内メカニズムの一端が明らかに ・摂食てんかんの特徴が明らかに ・妊娠可能年齢のてんかん女性にはレベチラセタム単独療法がより安全?

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