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成人喘息患者における吸入コルチコステロイド投与量の調整

 軽症~中等度成人喘息患者の治療失敗を予防するための吸入コルチコステロイド投与量の調整戦略について、呼気一酸化窒素濃度や症状に基づく調整が、医師の評価に基づく調整よりも優れてはいないことが明らかにされた。米国・テキサス大学のWilliam J. Calhoun氏らによる無作為化比較試験「BASALT」の結果で、これまで同戦略についてはコンセンサスが得られていなかった。JAMA誌2012年9月12日号掲載報告より。医師評価vs.バイオマーカーvs.症状BASALT(Best Adjustment Strategy for Asthma in the Long Term)試験は、2007年6月~2010年7月の間、米国内の10の大学病院が参加するAsthma Clinical Research Networkで被験者を募り、9ヵ月間にわたって行われた無作為化並行3群間プラセボ対照multiply-blinded試験。342例の被験者が、低用量吸入コルチコステロイド療法について、医師評価に基づく調整群(114例、試験完了101例)、バイオマーカー(呼気一酸化窒素濃度)に基づく調整群(115例、同92例)、日々の症状に基づき調整する群(113例、同97例)に無作為に割り付けられた。医師評価調整群とバイオマーカー調整群は6週間ごとに用量を調整、症状調整群はアルブテロール(サルブタモール)の緊急使用ごとの摂取とした。治療失敗までの期間、3つの戦略間に有意差なし主要アウトカムの治療失敗までの期間について、3群間に有意な差は認められなかった。Kaplan-Meier解析による9ヵ月間の治療失敗率は、医師評価調整群22%(97.5%信頼区間:14~33%、イベント件数24件)、バイオマーカー調整群20%(同:13~30%、21件)、症状調整群15%(同:9~25%、16件)だった。ハザード比は、医師評価調整群vs.バイオマーカー調整群が1.2(97.5%信頼区間:0.6~2.3、p=0.68)、医師評価調整群vs.症状調整群が1.6(同:0.8~3.3、p=0.18)、バイオマーカー調整群vs.症状調整群が1.4(97.5%信頼区間:0.6~2.9、p=0.35)だった。

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STEMI患者の死亡率低下、背景にプライマリPCI実施の増大

 フランス・パリ大学のEtienne Puymirat氏らは、フランスにおける1995~2010年のST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者の死亡について調査した結果、STEMI患者の全心血管死は減少しており、その要因として、60歳未満の女性STEMI患者の増加、その他人口動態的特徴の変化および再灌流療法および推奨薬物療法の増加が挙げられたと報告した。本調査は、近年のSTEMI患者の死亡低下と、その主な改善要因として再灌流療法の実施が報告されていることを受けて行われた。JAMA誌2012年9月12日号掲載報告より。15年間のSTEMI患者生存改善の要因を調査調査は、15年間のSTEMI患者生存改善の背景要因としての、再灌流療法関連の可能性について評価を目的とした。各1ヵ月間、4期(1995年、2000年、2005年、2010年)にわたって・フランス国内から登録したSTEMI患者(集中治療室または冠動脈疾患集中治療病棟に入院)6,707例を対象とした。主要評価項目は、粗30日死亡率の経年変化。2010年の人口特性で標準化した死亡率についても評価した。15年間でプライマリPCIは11.9%→60.8%に結果、患者の平均年齢は66.2(SD 14.0)歳から63.3(14.5)歳まで低下していた。併せて、心血管イベント歴と共存症歴も低下していた。患者は若年化が認められ、とくに60歳未満の女性(11.8%→25.5%)、現喫煙者(37.3%→73.1%)、肥満(17.6%→27.1%)が増加していた。発症から入院までの時間は、発症から初回救急コールまでの時間が短縮したことで早まっており、集中治療室の利用も増えていた。再灌流療法はプライマリPCIの大幅な増加(11.9%→60.8%)によって、49.4%から74.7%に増加していた。推奨薬物療法(とくに低用量ヘパリンとスタチン)の早期適用も増加していた。粗30日死亡率は、13.7%(95%信頼区間:12.0~15.4)から4.4%(同:3.5~5.4)まで減少していた。一方、標準化死亡率は11.3%(同:9.5~13.2)から4.4%(同:3.5~5.4)まで減少した。多変量解析の結果、1995年から2010年の死亡率低下は、臨床特性に加えて初期の集団リスクスコアおよび再灌流療法利用について補正後も一貫して認められた。1995年に対する2010年の死亡オッズ比は0.39(95%信頼区間:0.29~0.53、p<0.001)であった。

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とくにうつ病患者は要注意?慢性疼痛時のオピオイド使用

 オピオイド製剤はがん性疼痛だけでなく慢性疼痛に対しても有用であると報告されている。しかし、患者の自己判断による治療中止率は高く、オピオイド治療を継続させるためにはオピオイドの有用性の認知について対策が重要である。米国Howe氏らは有効なオピオイドによる治療を受けている患者において、オピオイド治療の中止あるいは減量を望む予測因子を検討するため、オピオイド使用に関する両価性とうつ病について調査した。Clin J Pain誌2012年9月号の報告。 オピオイド療法により疼痛管理可能であった非がん性疼痛患者1,737例における横断調査を実施した。オピオイド使用に関する両価性は患者からオピオイド使用の中止や減量に関する訴えにより評価した。うつ病は8項目の患者健康調査票を用い評価した。主な結果は以下のとおり。・オピオイドが有効だとわかっていても、43.3%の患者はオピオイドの中止または減量を望んでいた。・オピオイドの中止または減量を望む患者の半数は、望まなかった患者の3分の1 と比較し有意に臨床的な抑うつ状態であった(p

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〔CLEAR! ジャーナル四天王(21)〕 心臓MRI(CMR)で無症候のハイリスク患者を見分けることができる!

これまで高齢者、あるいは糖尿病患者で無症候性心筋梗塞の頻度は高く、かつ、その患者群の予後は不良であることが知られていた。しかし、無症候性心筋梗塞患者を検出するスクリーニング法として、最も広く用いられているのが心電図であった。一方、最近の技術の進歩に伴い、微小な心筋梗塞を顕出することが可能となった。1つはトロポニンなどに代表されるバイオマーカーである。しかし、これもある一定の時期しか有用性がない。時間の経過したものを含めて検出するのに最も感度が高いのが、ガドリニウムを用いて心臓MRI(CMR)で梗塞巣を描出する方法である。この方法では、心電図では明らかでない微小梗塞も検出可能である。そこで、本法を用いて高齢者および糖尿病患者で無症候性心筋梗塞の検出頻度とその予後について検討された。 アイスランドに居住する1907~1935年出生の人が参加する地域無作為抽出コホート「AGES Reykjavik Study」(被験者数5,764人)の中から、2004~2007年に登録された936人(67~93歳:平均年齢は76歳、うち52%が女性)を対象に、心筋梗塞発症率と死亡率について、症状があり入院記録や診療録が確認された患者群と、無症状でCMRまたはECGで検出された患者群について、それぞれ比較した。 その結果、(1)CMRを用いることで症状の有無に関係なく心電図より感度よく心筋梗塞を検出できる、(2)無症候性心筋梗塞は症候群より予後が不良である、ことが示された。今後、CMRを活用して検出した無症候性心筋梗塞患者に介入することで予後が改善されるかについて、検討することが必要であろう。

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普段見えない患者さんの実態がここに!高血圧患者調査2012

株式会社ケアネットでは、このほど、「患者白書2012 -高血圧-」をまとめた。本調査は、株式会社ウェルビーの協力の元、2012年8月31日~9月4日に高血圧患者500名に対し家庭血圧測定状況に関するインターネット調査を実施し、その回答をまとめたものである。以下、(1)調査方法(2)回答患者の背景(3)高血圧患者調査結果(4)医師と患者さんのギャップ―などを中心に、「患者白書2012 -高血圧-」の概要を紹介する。CONTENTS1.調査目的と方法2.結果1)回答患者の背景2)高血圧患者調査結果3)家庭血圧値の重要視度における医師と患者さんのギャップ

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普段見えない患者さんの実態がここに!高血圧患者調査2012 CONTENTS

1.調査目的と方法本調査の目的は、高血圧症患者において治療に対する意識を調べ、その実態を把握することである。2012年8月31日~9月4日に、高血圧症で「定期的に医療機関に通院している」500名を対象にオンラインにて実施した。2.結果1)回答患者の背景回答患者500人の性別は、男性が414名(82.8%)に対して女性が86名(17.2%)。年齢は50歳未満が122名(24.4%)、50歳代が215名(43.0%)、60歳以上が163名(32.6%)。不眠症を自覚している患者さんは500名のうち100名(20.0%)(表1)。表1画像を拡大する減塩意識がある患者さんは242名(48.4%)、1週間に1回以上の家庭血圧測定習慣がある患者さんは266名(53.2%)(表2)。表2画像を拡大する家庭血圧をより重視する患者さんが159名(31.8%)いる一方で、診察室血圧をより重視する患者さんが144名(28.8%)、どちらとも言えないと回答した患者さんも174名(34.8%)いた。降圧目標値は、最も多いのが130mmHgで282名(56.4%)。聞いたと思うが忘れたと回答した患者さんも143名(28.6%)いた(表3)。表3画像を拡大する2)高血圧患者調査結果高血圧患者の診察室血圧と家庭血圧から見た血圧コントロール状況回答者の血圧コントロール状況を「家庭収縮期血圧135mmHg」、「診察室収縮期血圧140mmHg」で区切り、4区分に分類した。家庭血圧135mmHg以上かつ診察室血圧140mmHg以上の「高血圧」が18.4%、家庭血圧135mmHg以上かつ診察室血圧140mmHg未満の「仮面高血圧」が24.0%、家庭血圧135mmHg未満かつ診察室血圧140mmHg以上の「白衣高血圧」が7.9%、家庭血圧135mmHg未満かつ診察室血圧140mmHg未満の「正常血圧」が49.7%という結果が得られた(図1)。図1画像を拡大する減塩意識が血圧コントロール状況に及ぼす影響「減塩を心がけている」高血圧患者では血圧コントロール良好者の割合が52.3%であり、「減塩を心がけていない」または「どちらとも言えない」患者さんの47.1%より血圧コントロール良好者の割合が高かった(図2)。図2画像を拡大する家庭血圧測定習慣が血圧コントロール状況に及ぼす影響「家庭血圧測定習慣がある」高血圧患者では血圧コントロール良好者の割合が53.8%であり、「家庭血圧測定習慣がない」患者さんの43.5%より血圧コントロール良好者の割合が高かった(図3)。図3画像を拡大する家庭血圧測定値の重視度が血圧コントロール状況に及ぼす影響「家庭血圧測定値をより重要と考えている」患者さんの54.2%が血圧コントロール良好であったのに対し、重要視していない患者さんでは血圧コントロールが良好者の割合は47.4%にとどまった(図4)。図4画像を拡大する不眠症が血圧コントロール状況に及ぼす影響高血圧患者の血圧コントロール状況を不眠症の有無別でみると、不眠症がある患者さんでは血圧コントロール良好者の割合が44.4%と低き、「不眠症なし」「どちらとも言えない」を選択した患者さんより血圧コントロールは不良であった(図5)。図5画像を拡大する血圧コントロール状況(降圧目標認識別)「降圧目標を覚えている」患者さんの中で血圧コントロール良好者の割合は47.5%、一方「覚えていない」患者さんにおける割合は48.0%とほぼ変わらない(図6)。図6画像を拡大する家庭血圧測定習慣と減塩意識の関係「家庭血圧測定習慣のある」患者さんでは「減塩を心がけている」割合が56.0%。一方、「習慣のない」患者さんでは39.9%と約16%の開きがあり、「家庭血圧測定習慣のある」患者さんは減塩意識が高いことがうかがえる(図7)。図7画像を拡大する3)医師と患者さんのギャップ前述の患者調査とは別に、高血圧症患者を診療している全国の医師600人を対象に、CareNet.comにて、アンケート調査への協力を依頼し、2012年9月4日~9月11日に得られた結果を患者調査の結果と比較した。重要視する血圧(患者と医師の比較)より重要視する血圧を医師と患者さんに尋ねたところ、「家庭血圧」と答えた割合が医師では80.2%であるのに対し、患者さんでは31.8%と半分以下であった。「診察室血圧」を選択した患者さんが28.8%、「どちらとも言えない」を選択した患者さんが34.8%という結果からも、医師自身は家庭血圧値の重要性を認識しているが、必ずしもそれが患者さんに十分に伝わっていないことがうかがえる(図8)。図8画像を拡大する苅尾 七臣氏(自治医科大学 内科学講座 循環器内科 主任教授)のコメント今回の調査で、高血圧患者の約30%が、さらに高血圧を診療している医師の約80%が、家庭血圧を重要視しているのを見て安心した。実際に、我々が約10年前に実施したJ-MORE研究では、診察室血圧が140/90mmHg未満の患者さんのうち、50%以上が家庭血圧のコントロールが135/85mmHgを超えている仮面高血圧であったが、インターネット調査の特性上、若年者が多く、比較的真面目な方が回答しているなどその限界はあるものの、今回の調査ではその頻度は1/3程度にとどまっている。この10年間で、医療現場では、かなり家庭血圧重視の高血圧診療が浸透し、実際に家庭血圧のコントロールが良好になってきたと推測される。また、家庭血圧測定習慣がある患者さんでは減塩意識が高いことより、家庭血圧測定は、医師任せにせず、生活習慣の改善に自己責任を持たせる第一歩と位置付けられる。いわゆる、「バイオフィードバック」がかかっていると言える。現在、「高血圧治療学会ガイドライン(JSH2014)」の作成が始まっているが、その中でも家庭血圧重視の高血圧診療はますます強調されることになるであろう。インデックスページへ戻る

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エキスパートに聞く!「高血圧」Q&A

CareNet.comでは9月の高血圧特集企画を行う中で、会員の先生より「高血圧」に関する質問を募集しました。その中から、特に多くいただいた質問に対し、下澤達雄先生にご回答いただきます。家庭血圧を用いる際の留意点について教えてください。昨年8月に発表された英国の高血圧ガイドラインでは、24時間血圧あるいは家庭血圧を高血圧の確定診断ならびに降圧治療の効果判定に用いることが強く推奨されました。わが国でも家庭血圧測定の指針が高血圧学会より出されており、実臨床でも多くの先生がお使いになっていることが、今回たくさんのご質問をいただいたことからも推察されます。そこで、家庭血圧を用いる際の留意点をいくつか挙げたいと思います。1.信頼性機械そのものの信頼性は診察室で同時に用手法と比較することで確認することができますが、血圧手帳を用いた自己申告による血圧値は必ずしも信頼できません。高知県で行われた調査では実測値と自己申告値には開きがあり、患者は低めに申告することが報告されています。よって、家庭血圧が低い場合でも臓器障害がある場合にはとくに診察室血圧を参考にした降圧治療が必要となります。あるいはメモリー機能をもった家庭血圧計を用い、実測値を医療側が把握できるようにする工夫が必要です。2.家庭血圧の測定方法血圧は複数回測れば必ず異なった値を示します。一般的には数回測ると徐々に低い値となります。高血圧学会の家庭血圧の指針では1日1回でよいと書かれていますが、これはまず患者に家庭血圧を測定させるために簡便な最低限の方法が記載されていると理解しています。すでに家庭血圧を日常的に測定できる患者においては複数回測定し、一番高い値と一番低い値、あるいは平均値を記載してもらうのがいいかと思います。測定時間は服薬直前が望ましいですが、日常生活にあわせてほぼ同じタイミングで測定できる時間を指導しています。3.夜間血圧を反映するか?何がわかるのか?残念ながら夜間血圧は夜間に測定する必要があり、家庭血圧では知ることができません。正しく測定でき、正直に申告された家庭血圧で白衣性高血圧、仮面高血圧がわかることはもちろんですが、曜日による血圧変動(週末ストレスがない場合に血圧が下がる)や睡眠状態との関連を知ることもできます。4.診察室血圧との乖離前述のように白衣性高血圧、仮面高血圧と診断されますが、臓器障害がある場合は高いほうの血圧を目安に治療を行うべきです。血圧変動について教えてください。外来診察毎の血圧変動が大きいと脳血管イベントが多くなることが報告されました。以来、糖尿病の際の血糖の変動が臓器障害と関連づけられています。動物実験でも交感神経を切除して血圧変動を大きくすると、レニン・アンジオテンシン系が亢進して臓器障害が進行することが報告されています。ヒトにおいては長期にわたる一拍ごとの血圧変動をみることは困難であり確立したエビデンスはありませんが、血圧変動は少なくする方が望ましいでしょう。血圧変動が大きい原因として自律神経障害、褐色細胞腫のような器質的な異常のほかに服薬アドヒアランス不良、精神的ストレス、不眠(睡眠時無呼吸)といった要因もあり、医師のみならず看護師、薬剤師などからの患者の病歴、生活歴聴取が必要となります。服薬は管理されているにもかかわらず認知症患者ではとくに血圧変動が大きいことが問題になりますが、多くの場合は多発性脳梗塞を合併している例です。転倒のリスクがなければ認知症の進行、脳梗塞の再発予防を考えて血圧は低い値にコントロールしたいところです。実際には服薬数を増やせないなどの制限があり、合剤を積極的に使ってのコントロールとなります。食塩感受性について教えてください。塩分摂取により血圧が上昇する食塩感受性患者は、上昇しない非感受性患者にくらべ血圧値が同等でも心血管イベントが多いことから、食塩感受性の診断についての質問を多くいただきました。しかし、食塩感受性を診断するには現在のところ入院にて食塩負荷、減塩食を食べさせ、その間の血圧を測定することのほかには確実な方法はないのが現状です。実臨床においては早朝第二尿のナトリウムとクレアチニンを測定することで食塩摂取量を知ることができる(「日本高血圧学会減塩ワーキンググループ報告」日本高血圧学会より入手可能)ので塩分摂取量が多い患者について経時的に観察したり減塩指導の動機付けとして用いることもできます。あるいはサイアザイド系利尿薬に対する血圧反応性も食塩感受性を知る一つの方法です。効果的な減塩指導について教えてください。日本の食文化はみそ、塩、しょうゆの上に成り立っているので、減塩指導はともすれば日本の食文化を否定することにもなりかねません。しかし、現在の一般的食生活を見てみると加工食品がふんだんに使われており、この点を改善指導することで減塩は可能となります。たとえばソーセージ100gに塩は約2g、プロセスチーズでは約3g含まれており、こういった加工食品を減らすことを指導できるでしょう。また、加齢に伴い味覚は低下するため減塩が難しくなります。そこはワサビ、生姜、茗荷、唐辛子、胡椒といったスパイスをうまく使うように指導します。そして、食卓に出された食材に塩、しょうゆを追加でかけないよう、食卓には塩、しょうゆを置かないなどの細かな指導が必要となります。男性患者の場合、食事を実際に作る配偶者への指導も重要で、医師だけでなく看護師、栄養士、薬剤師、検査技師、保健婦など患者に関わるすべての医療従事者の協力体制が有効です。塩分過剰摂取は血圧上昇のみならず血圧が上昇しない場合でも酸化ストレスを増加させ耐糖能異常につながることが動物実験では示されており、摂取量を6g/日程度まで下げることは高血圧の有無にかかわらず有用であると思われます。降圧薬の減量、中止方法について教えてください。血圧のコントロールが良好で、臓器障害がないような場合、また尿中ナトリウムも低めの場合は降圧薬を中止できることもあります。その場合、4~5月位に中止し、夏の暑い間を経過観察し、10~11月から冬の寒い間に血圧が再上昇しないことを確認します。その後も家庭血圧で血圧を経過観察し、年に一回の臓器障害の進展のチェックを行います。多剤併用しており血圧が良好なコントロールの場合、薬剤の減量が可能です。長期にβ遮断薬を使っている場合は心筋虚血のリスクがあるのでβ遮断薬は漸減します。便秘、浮腫、歯肉腫脹、起立性低血圧がある場合はカルシウム拮抗薬の副作用の可能性もあるためカルシウム拮抗薬から減量します。昨今の酷暑ではとくに高齢者や腎機能低下例においては、レニン・アンジオテンシン系抑制剤や利尿薬の減量が必要となる例があります。早朝高血圧の対処方法について教えてください。家庭血圧を測定あるいは24時間血圧にて早朝高血圧が明らかになった場合、最近の研究では夜間高血圧ほどのリスクはないとの報告もありますが、降圧薬の服用時間を調整することでコントロール可能となることがあります。レニン・アンジオテンシン系阻害薬は夕方服用に適した薬剤といえます。ただし、夜間の過度の降圧に注意して少量より開始するのが好ましいでしょう。α遮断薬も有効とする報告もありますが、α遮断薬自体の臓器保護効果が疑問視されており、α遮断薬を追加投与するよりは現在服用しているレニン・アンジオテンシン系阻害薬の服用時間をずらすことが適切と考えます。難治性高血圧の対処方法について教えてください。異なる三系統の降圧薬を十分量を内服しても血圧のコントロールがつかない場合、難治性高血圧と呼ばれます。このような例では服薬アドヒアランス、二次性高血圧の再評価、睡眠時無呼吸の評価をまず行います。服薬アドヒアランスが不良の場合は合剤を用いること、服薬の必要性を再教育すること、服薬想起の道具(ピルボックスなど)が有効といわれており、医師だけでなく薬剤師、看護師、保健婦の協力が必要となります。すでに薬剤を服用している場合、ホルモン検査は薬剤の影響を受けるので評価が難しくなります。実臨床では副腎のCTを先行させてもいいと思います。あるいは十分量の抗アルドステロン薬(スピロノラクトンで75~100mg)を投与し治療的診断を行うことも有用です。腎血管性高血圧についてはMR angiographyが有用でしょう。以上のような精査で問題がない場合、中枢性の降圧薬(レセルピン)を少量朝1回追加することが有用である例を経験しています。あるいはジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬をかんきつ類と一緒に服用させる、あるいはヘルベッサーと併用しジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬の血中濃度を高めることも有用でしょう。白衣性高血圧の対処方法について教えてください。イギリスのガイドラインでは診察室血圧と24時間血圧、あるいは家庭血圧を用いて高血圧の診断を行い、臓器障害がない場合は白衣性高血圧は薬物介入をせずに年に1回の経過観察をするとしています。24時間血圧を用いて病院来院時のみ高血圧でその他の日常生活の中では全くの正常血圧であり、アルブミン尿も含め臓器障害が認められず、糖尿病などのリスク因子がない場合は薬物介入は必要ないと考えます。しかし、経過観察は必要で、患者には日常生活の中で突然の来客などストレスがかかると血圧が上がっている可能性を話し、徐々に臓器障害が出てくる可能性を説明する必要があるでしょう。白衣性高血圧で患者が薬物介入を希望する場合、抗不安薬も有効です。また、臓器障害がある場合はJSH2009に則って合併する臓器障害に応じて薬物を選択します。その際、心拍数が上昇するといった副作用のない薬物をまず選択します。拡張期血圧の対処方法について教えてください。収縮期血圧が大動脈のコンプライアンスと心拍出量で規定されるのに対し、拡張期血圧は全身の末梢血管抵抗と心拍出量で規定されます。よって高齢者で大血管の硬化が明らかになると収縮期血圧が上昇し脈圧が増大します。心臓の仕事量は収縮期血圧と心拍数の積に比例するため、収縮期血圧が高くなると心筋酸素消費量が増え、心虚血と心不全のリスクが増えます。一方冠動脈は拡張期に灌流されるので、拡張期血圧を下げすぎると、冠血流が低下する危険があります。実際、大規模臨床試験をみても拡張期血圧と心血管イベントにはJカーブに近い現象が認められます。拡張期のみ高い例は若年者に多く認められますが、治療の第一歩は減塩にあります。また個人的経験ですが、10年ほど前にARBが発売された当初、カルシウム拮抗薬やACE阻害薬にくらべ拡張期血圧がよく下がる印象がありましたが、統計的処理はされていません。また当時は利尿薬の使用頻度が低かったというバイアスもあります。現状では拡張期血圧のみを下げるための有効な治療法は生活習慣の改善のほかには確立されていないといえます。合剤の有用性について教えてください。いかなる服薬介入治療もその効果は服薬アドヒアランスに依存することは明白です。それゆえ、われわれは服薬アドヒアランスをよくする努力は惜しむべきではありません。アドヒアランスに関わる因子は複数ありますが、処方する立場として最も簡便にできることは服薬数を減らすことであり、その点において合剤はきわめて有効といえます。現在降圧薬に限らずぜんそく薬、糖尿病薬、高脂血症薬の合剤が日本でも使用可能ですが、海外の現状をみるとまだまだ立ち遅れています。私は実臨床の中で合剤の併用も行いARBの最大容量を合剤として処方し、3種の薬剤を2錠ですませ、患者の経済的負担も軽減するよう努力しています。

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認知症治療薬ガランタミン、ラット試験で喫煙欲求の軽減効果を確認

 アルツハイマー型認知症治療薬ガランタミンに喫煙欲求を軽減する効果があることが、米国・ペンシルベニア大学のHopkins TJ氏らによるラット試験の結果、示された。現行の禁煙薬物療法では、喫煙再発予防や禁煙維持への効果に限界がある。ガランタミンはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬の1つであり、ニコチン性アセチルコリンレセプターにpositive allosteric modulatorとして作用する。最近、マウスを用いた試験で、ガランタミンがニコチン中断による認知障害を改善したことが示され、ヒトでの喫煙再発予防に寄与する可能性が示唆されていた。Neuropsychopharmacology誌2012年9月号(オンライン版2012年6月6日号)の報告。 研究グループは、先行研究例のない、齧歯動物におけるガランタミン投与がニコチン自己摂取またはニコチン探索行動復活を調整するかについて検討した。また、ガランタミンの効果の普遍性およびその他の行動増強に対する影響についても調べた。主な結果は以下のとおり。・ラットのニコチン自己摂取単位量について、ニコチン0.03mg/kg静注を最大反応用量とする逆U字型用量反応曲線の関連が得られた。・急速ガランタミン投与(例5.0mg/kg)は、FR5(fixed-ratio 5)あるいはPR(progressive ratio)強化スケジュールいずれを維持した場合も、ニコチン自己摂取を軽減した。・ガランタミン投与は、ニコチン探索行動も軽減した。・ショ糖自己摂取または探索行動復活に関するガランタミンの有意な効果は認められなかった。・アセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、ヒトにおいて嘔気・嘔吐をもたらすことが示されている。しかしながら、ニコチン自己摂取を軽減するのに必要な用量の服用では、ガランタミンの嘔気や倦怠感への影響(ラットの異食行動を指標として評価)は認められなかった。関連医療ニュース ・AD患者におけるパッチ剤切替のメリットは? ・統合失調症患者における「禁煙」は治療に影響を与えるか? ・喫煙+糖尿病はうつ病リスクを高めるのか?!

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がん疼痛治療剤トラマール カプセル、慢性疼痛の効能追加を申請

日本新薬は19日、現在販売中のがん疼痛治療剤「トラマールカプセル25mg/50mg(一般名:トラマドール塩酸塩)」について、「慢性疼痛における鎮痛」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表した。トラマールカプセルは、オピオイド受容体作動作用、及び下行性疼痛抑制系の活性化作用によって鎮痛効果を発揮する薬剤であり、「軽度から中等度の疼痛を伴う各種における鎮痛」を効能・効果として2010年9月から販売されている。海外においてはがん疼痛以外の慢性疼痛の治療にも幅広く使用されていることから、同社は2009年より日本国内で慢性疼痛の効能・効果を追加する臨床試験を行っていた。同剤は、1日用量として100~300mg(最大400mg)を選択でき、かつ25mgと50mgの2規格を品揃えしていることから、慢性疼痛患者の症状に適した用量調整が可能だという。詳細はプレスリリースへhttp://www.nippon-shinyaku.co.jp/company_profile/news.php?id=1791

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第6回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会感想文

医療制度研究会中澤 堅次2012年9月21日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。前回までの論点整理と、第三者機関の調査の実務についての討論と、医療安全支援センターの実績に関するヒアリングの三点が予定され議論が行われました。前回までの論点整理の後、弁護士の構成員より、第三者機関の設置するという合意が、ただ一人の構成員により難しいとされ、両論併記になっていることに異論が出されました。ただ一人とは小生のことですが、専門性、個別性の高い医療事故調査は、日ごろ関係のない第三者機関が介入し議論することは難しいという現実論と、公的に設置される第三者機関は初めてのことだからよく議論して慎重にという意味で述べたと説明しました。事務局の論点整理は、方向性が異なるものは両論併記という形で整理されており、この件については見識が高いと感じ感謝しています。以下に今までの論点整理として今回まとめられたものを要約して示します。●第5回までの論点整理1)事故調査を行う目的について原因を究明し再発防止を図り、医療安全と医療の質向上を図る2)調査結果の取り扱いについて匿名性を担保して公表する。<対論あり>個別の案件が多く特定される可能性が高いので匿名性の程度は十分な検討が必要。調査結果の説明は遺族に対して文書を添え口頭で説明する。その際遺族の説明を受けたくないという意向も尊重することが必要。3)調査を行う組織について医療事故が発生した医療機関の職員による院内調査と、公正公平性の確保と院内調査の支援および調査結果の共有を目的とした第三者機関が必要。<対論あり>専門性の高い事柄の調査は専門性の高い医師を動員する必要があるが、医師不足の現状では難しい。4)院内調査と第三者機関による調査の関係について院内調査で原因究明と家族への説明を行う。診療関連死はすべて第三者機関に提出する。<対論あり>調査の妥当性は家族が決めるのだから、第三者機関は家族の申し出により作動するようにするべき。第三者機関には院内調査の結果を精査する役割を設ける。医療機関が独力で調査を行えない場合は地域の病院が支援する。第三者機関の調査依頼は家族、医療機関双方の依頼をうけいれる。医療機関からの依頼には家族の承諾を得る必要がある。診療関連死は全例第三者機関に届け出て、第三者機関が調査の仕方つまり、院内か、第三者機関との共同か、第三者機関単独かを決める。<対論あり>全例届け出は線引きが難しく、全例に過誤を疑う構造になるので、院内調査に納得しない場合に家族が第三者機関に届け出るようにすることが必要。5)第三者機関の基本的な性格について第三者機関は公的機関でなければ刑事司法との調整は難しい。<対論あり>医療行為の良し悪しの判断を行い、処分及び訴訟に利用できる判断をする性格は第三者機関に持たせるべきではない。第三者機関には独立性、中立性、透明性、公正性、高度な専門性が必要で、なおかつ地域差の無いものである必要がある。6)第三者機関の調査権限について改善や、真実の解明のため、現場への立ち入り調査、ヒアリングの権限が必要。患者側からの要請で行うのであればカルテの提出を拒否できないから権限を付与する必要はない。具体的には、届け出を受ける。院内か、第三者と院内の共同か、第三者機関単独か調査のしかたについて道筋をつける権限、第三者機関単独の場合は資料提供を拒否されない権限、情報提供を行う権限。<対論あり>調査の結果が他の処分や訴訟に使われるのであれば、医療機関側に調査を拒否する権利を保障するべき。●討論:第三者機関における調査の実務について第三者機関が行ってきた調査の実務について、モデル事業を推進してきた山口(徹)構成員から内容が示され、十分機能したという意見が出されました。院内調査の内容も十分に検討して結論を出したので、かけ離れたものになることはなく妥当な結論が出ているということでした。里見構成員からは、院内事故調と第三者機関の関係についての認識が示され、合意はできているとの見解でした。事故調査は第三者機関で十分行えるが、それを全てに行うのは大変なので、最初は院内事故調査委員会を開き、ある種の結論が出て、双方が納得し、十分に原因が究明されているならよしとして、その中で議論が十分に詰まっていないと判断された場合は、第三者機関に調査を依頼する二階建て構造にすることが決まっていると理解している。あとは院内事故調査委員会が開けないところに補助の仕組みを作る。そのときの第三者の権限をどうするか議論すればよいという見解でした。医療者側の解釈ですが、基本はこのようになるようです。この後解剖の必要性が議論となり、専門医が不足し労力がかかる割には原因分析に資する知見は少ないという意見を出しましたが、医療機関代表などの構成員は、原因究明にも、ネガティブデータを得る上でも解剖は重要だと考えており、病理医が絶滅危惧種という事態も容認したうえで、解剖が出来るように体制整備を行うという意見が多数を占めました。現実に不可能なことを理想論と区別せずに議論するのは日本の一般的な特徴ですが、解剖を条件とするのはハードルが高くよくないという意見もあり後の議論になると思います。●ヒアリング:医療安全支援センターの業務について医療安全支援センターは、平成19年の医療法改訂で、各県や保健所が設置されている都市などに配備が義務化された、患者の苦情に対応する公的な機関です。今回はその実績報告でした。苦情を受け付けた統計、各地方のセンターの教育研修、医療機関への照会などが業務ですが、職員が転任で変わるなどのむずかしさも報告されていました。事例に即して医療機関に問い合わせをすることは行っておらず、アメリカの患者の権利擁護事務所のような明確なミッションがあるとは思いませんでした。次回の検討課題に、医療安全支援センターと事故調の議論が予定されているので、第三者機関に届け出る受け皿のような役割が想定され、大学病院の集まりや、救急学会などもそのつもりのようです。院内調査をまず行うことについては改善とも言えますが、第三者機関を通じて上からの関与で医療安全を図ろうとする、もっとも効果のない硬直した方法論を基本にしていることは変わっていないという疑念を今回の議論からは感じます。次回は9月28日(金)に行われます。

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英国の自殺率上昇、景気後退が影響

 最近の英国の自殺率の上昇は、2008年に始まった財政危機に関連することが、英国・リバプール大学のBen Barr氏らの調査でわかった。英国の自殺率は長期的に低下していたが、2008年に上昇に転じた。2008~2010年の景気後退の影響が示唆されていたが、これを検証する研究は行われていなかった。BMJ誌2012年9月8日号(オンライン版2012年8月14日号)掲載の報告。景気後退と自殺の関連を時系列研究で評価研究グループは、2008~2010年の英国の景気後退の影響が最も大きかった地域の自殺率が高いか否かを検証するために時系列研究(time trend analysis)を実施した。実際の自殺者数を、景気後退以前の状況が持続したと仮定した場合の予測値と比較した。多変量回帰モデルを用いて、失業(保険金受給者データに基づく)と自殺(National Clinical Health Outcomes Databaseに基づく)の変化の関連を定量化した。対象は、2000~2010年に、英国の93地域において自殺または原因不明の傷害による死亡の記録のある集団とした。主要評価項目は景気後退期の自殺者の増加数。景気後退で自殺者が毎年約1,000人増加2008年の経済危機以前の2000~2007年の間は、男性の自殺者は毎年57人[95%信頼区間(CI):-56~-58]、女性は毎年26人(95%CI:-24~-27)減少していた。2008~2010年は、景気が後退しなかった場合の自殺者数の予測値に比べ、男性の実際の自殺者数は毎年846人(95%CI:818~877)多く、女性の自殺者数は毎年155人(95%CI:121~189)増えていた。失業率の短期的な年次変動は、男性の場合、自殺率の年次変動と関連したが、女性にはそのような関連はみられなかった。男性の失業率が10%増加するごとに男性自殺率が有意に1.4%(95%CI:0.5~2.3、p

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日本人統合失調症患者の脂質プロファイルを検証!:新潟大学

 抗精神病薬服用中の統合失調症患者は脂質異常症を伴うことが多い。しかし、北米や英国の先行研究では、統合失調症患者における抗精神病薬服用による脂質異常症への影響を否定する結果も得られている。新潟大学 渡邉氏らは日本人統合失調症患者における抗精神病薬と脂質異常症との関係を検証した。Gen Hosp Psychiatry誌2012年9月号の報告。 対象は抗精神病薬治療を行っている日本人統合失調症患者157例、健常者136名。対象患者のHDL-C、LDL-C、トリグリセリド(TG)を測定した。分析には、重回帰分析を用いた。なお、両群間の年齢、男女比、BMIは一致していた。主な結果は以下のとおり。・抗精神病薬による治療を行っている統合失調症患者は対照群と比較し、HDL-Cレベルが有意に低かった(p

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扁桃摘出術後のステロイド全身投与、出血リスクに影響はないが・・・

 扁桃摘出術後の悪心・嘔吐の予防を目的に行われるステロイド全身投与は、出血イベントを増加させないが、出血が起きた場合の重症度が上がり、出血に対する再手術の施行率が高くなることが、カナダLaval大学(ケベックシティ)のJennifer Plante氏らの検討で示された。扁桃摘出術は耳鼻咽喉科領域で世界的に最もよく行われている手術だが、根本的な術後の有害事象として悪心・嘔吐が高頻度にみられる。対策としてステロイドの全身投与が行われ、最近のガイドラインでは5-HT3受容体拮抗薬の併用が推奨されている。ステロイドの全身投与により扁桃摘出術後の出血の発生率が増加するとの指摘があるという。BMJ誌2012年9月8日号(オンライン版2012年8月28日号)掲載の報告。術後出血、再介入のリスクをメタ解析で評価研究グループは、扁桃摘出術施行患者に対するステロイド全身投与の術後出血および再介入のリスクを評価するために、無作為化対照比較試験の系統的レビューを行い、メタ解析を実施した。データベースを検索し、得られたレビュー論文や臨床試験論文の参考文献も精査した。対象は、扁桃摘出術時のステロイド全身投与と対照を比較した無作為化対照比較試験とした。主要評価項目は術後出血、副次的評価項目は出血による入院、出血による再介入、輸血、死亡とした。リスクとベネフィットのバランスを重視すべき29試験(2,674例)が解析の対象となった。7試験はバイアスのリスクが低いと判定されたが、術後出血の系統的な同定を意図してデザインされた試験はなかった。ステロイド全身投与によって扁桃摘出術後出血の発生率が増加することはなかった[29試験、2,674例、オッズ比:0.96、95%信頼区間(CI):0.66~1.40、I2=0%]。ステロイド全身投与で出血がみられた患者では、手術による再介入の頻度が有意に高かった(12試験、1,178例、オッズ比:2.27、95%CI:1.03~4.99、I2=0%)。死亡例の報告はなかった。ステロイド全身投与で出血による入院は増加しなかった(17試験、1,722例、オッズ比:1.16、95%CI:0.68~2.00、I2=19%)。輸血および死亡について検討した試験はなかった。異質性の可能性を把握し、結果の頑健性を評価するために感度分析を行ったところ、得られた知見の整合性が確認された。著者は、「ステロイド全身投与により扁桃摘出術後の出血イベントは増加しないが、出血が起きた場合の重症度が上がり、そのため出血に対する再手術の施行率が上昇する可能性がある」と結論し、「ステロイド全身投与の使用条件を明確化するにはさらなる検討を要する。現時点では、ステロイド全身投与は慎重に行うべきで、扁桃摘出術による術後の悪心・嘔吐の予防ではリスクとベネフィットのバランスを重視し、とくに子どもへのルーチン投与は行うべきではない」と指摘する。

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抗精神病薬アリピプラゾール併用による相互作用は?

 腸管および血液脳関門に発現する薬物排出系トランスポーター(drug efflux transporters)活性に関する、アリピプラゾールとその活性代謝物デヒドロアリピプラゾールの効果が検討された。MDR1に対しては比較的強い阻害が認められた一方で、MRP4活性に対する阻害効果はほとんどみられなかったなどの知見が得られた。アステラス製薬の長坂氏は、「アリピプラゾールは、薬物トランスポーターについて検討された薬物との同時投与では、血液脳関門で薬物相互作用(DDI)を生じる可能性が低いことが示された」と報告した。Biopharm Drug Dispos誌2012年9月号(オンライン版2012年8月15日号)の報告。 検討された薬物排出系トランスポーターは、ヒト多剤耐性蛋白質1(MDR1/ABCB1;P糖蛋白)、乳がん耐性蛋白(BCRP/ABCG2)、多剤耐性関連蛋白質4(MRP4/ABCC4)であり、アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールの阻害効力について調べた。主な結果は以下のとおり。・ヒトMDR1(ヒトMDCKII-MDR1細胞における)については、相対的に強い阻害効力が認められた。IC50(50%阻害濃度)は、アリピプラゾール1.2μm、デヒドロアリピプラゾール1.3μmであった。・ヒトMDR1については同様の実験系で、その他の非定型抗精神病薬(リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、ジプラシドン)の阻害効力も評価された。IC50は2つを複合した場合の10倍以上であった。・アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールは、ヒトBCRPについても阻害効力を有していた。IC50はそれぞれ、3.5μmと0.52μmであった。・ヒトMDR1とBCRPに対する、アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールのIC50についての恒常的非結合型濃度比は0.1未満であった。しかし、アリピプラゾールの腸管系の理論的最大濃度比は、International Transporter Consortium(ITC)およびFDAが提唱するカットオフ値の10よりも大きい。・ヒトMRP4活性に対しては、アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾールの阻害効果はほとんどみられなかった。関連医療ニュース ・難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」 ・日本おける抗精神病薬の用量はまだ多い ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは

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障害児は暴力を受けるリスクが高い?:約1万8,000人のメタ解析

 障害児は非障害児に比べ暴力の犠牲になる可能性が高いことが、英国・リバプール・ジョン・ムーアズ大学のLisa Jones氏らの調査で示唆された。ただし、このメタ解析では各試験結果に顕著な異質性を認めたため結果の妥当性には疑問が残るという。中等度~重度の障害を持つ子どもは世界で9,300万人を下らず、障害児は非障害児に比べ暴力の犠牲となるリスクが高いという。効果的な予防プログラム開発の初期段階として、信頼性の高い評価基準の策定が必須とされる。Lancet誌2012年9月8日号(オンライン版2012年7月12日号)掲載の報告。障害児に対する暴力の発生率、リスクをメタ解析で評価研究グループは、障害児に対する暴力の発生状況とそのリスクのエビデンスを統合するために系統的レビューとメタ解析を行った。12のデータベースを検索して、1990年1月1日~2010年8月17日までに報告された断面研究、症例対照研究、コホート研究を同定した。対象は、18歳以下の障害児に対する暴力の発生率および非障害児との比較で障害児が暴力を受けるリスクを評価した試験とした。発生率、リスクともに大きな異質性を確認17件の試験が選出された(断面研究15件、コホート研究2件)。暴力の発生率とリスクの評価を行った試験は10件、発生率のみを検討した試験が6件、リスクのみの検討を行った試験が1件だった。全体で1万8,374人の障害児がメタ解析の対象となった。複合的な暴力の推定発生率は26.7%(95%信頼区間[CI]:13.8~42.1)、身体的暴力は20.4%(同:13.4~28.5)、性的暴力は13.7%(同:9.2~18.9)、精神的虐待は18.1%(同:11.5~25.8)、ネグレクトが9.5%(同:2.6~20.1)であった。一方、これらの推定発生率のI2統計量は、それぞれ98.9%(同:98.7~99.1)、96.8%(同:95.9~97.4)、98.3%(同:98.1~98.5)、94.7%(同:91.6~96.3)、98.4%(同:98.0~98.7)であり、顕著な異質性が認められた。非障害児との比較における推定リスクのオッズ比は、複合的暴力が3.68(95%CI:2.56~5.29)、身体的暴力が3.56(同:2.80~4.52)、性的暴力が2.88(同:2.24~3.69)、精神的虐待が4.36(同:2.42~7.87)、ネグレクトが4.56(同:3.23~6.43)だった。また、I2統計量はそれぞれ91.8%(同:87.7~94.1)、50.6%(0~73.0)、86.9%(78.8~90.9)、94.4%(91.4~96.0)、73.8%(27.7~86.0)と、やはり大きな異質性が確認された。試験間の推定値のばらつきは、試験の背景因子の解析では一貫性のある説明はつかなかった。著者は、「障害児は非障害児に比べ暴力の犠牲になる可能性が高いことが示唆された」と結論する一方で、「持続的で強固なエビデンスが得られなかったのは、よくデザインされた試験がなく、障害や暴力の測定基準が不完全で、障害が暴力によって生じた可能性の評価が不十分などの問題が原因と考えられる。今後、質の高い疫学調査を行う必要がある」と考察している。

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HIV患者の抗レトロウイルス療法、プライマリ・ケア看護師への移行は可能か?

 HIV患者に対する抗レトロウイルス療法(ART)の導入や再処方を医師に代わって看護師が行うアプローチは安全に遂行可能であり、健康アウトカムやケアの質を改善することが、南アフリカ・ケープタウン大学肺臓研究所のLara Fairall氏らが実施したSTRETCH試験で示された。南アフリカにおけるART普及の主な障壁は治療医の不足であり、ART導入の遅れによりART待機患者の死亡率が上昇することが知られている。ARTの医師から他の医療職への職務移行の可能性に期待が寄せられているが、その有効性に関するエビデンスは十分でないという。Lancet誌2012年9月8日号(オンライン版2012年8月15日号)掲載の報告。STRETCHプログラムの効果をクラスター無作為化試験で評価STRETCH(Streamlining Tasks and Roles to Expand Treatment and Care for HIV)試験は、訓練を受けた看護師がARTの導入および再処方を行って治療の分散化を図るアプローチ(STRETCHプログラム)が、HIV患者の死亡、ウイルス抑制などの健康アウトカムに及ぼす効果を評価するクラスター無作為化試験。2008年1月28日~2009年6月30日までに、南アフリカの31のプライマリ・ケア施設を登録し、STRETCHプログラムを行う群(介入群)あるいは標準治療を継続する群(対照群)に無作為に割り付けた。それぞれの施設で治療を受けた患者を2010年6月30日までフォローアップした。2つのコホートが登録された。コホート1は16歳以上のCD4陽性リンパ球細胞数<350個/μLでARTを受けていない患者で、コホート2は試験開始時にすでに6ヵ月以上のARTを受けていた患者であった。主要評価項目は、コホート1が死亡までの期間、コホート2は登録後12ヵ月におけるウイルス量の検出不能率とした。検出不能は、ウイルス量が<400コピー/mLの場合とした。コホート1の死亡率:20% vs 19%、コホート2の検出不能率:71% vs 70%コホート1の5,390例およびコホート2の3,029例が介入群に、コホート1の3,862例およびコホート2の3,202例が対照群に割り付けられた。フォローアップ期間中央値はコホート1が16.3ヵ月、コホート2は18.0ヵ月だった。コホート1では、試験終了時までに介入群の20%(997/4,943例)、対照群の19%(747/3,862例)が死亡し、死亡までの期間は両群間に有意な差は認めなかった(ハザード比[HR]:0.94、95%信頼区間[CI]:0.76~1.15)。ベースラインのCD4陽性リンパ球細胞数が201~350/μLの患者に関する事前に計画されたサブグループ解析では、死亡率が対照群に比べ介入群で低い傾向がみられた(HR:0.73、95%CI:0.54~1.00、p=0.052)。一方、<200/μLの患者では両群間で同等だった(HR:0.94、95%CI:0.76~1.15、p=0.577)。コホート2では、登録後12ヵ月の時点におけるウイルス量の検出不能率は介入群が71%(2,156/3,029例)、対照群は70%(2,230/3,202例)であり、両群間で同等であった(リスク差:1.1%、95%CI:−2.4~4.6)。著者は、「ARTの導入および再処方を含むプライマリ・ケア看護師の職務拡大は安全に遂行可能であり、健康アウトカムやケアの質を改善するが、未治療例のART導入に要する時間や死亡率は改善しないことが示された」と結論し、「このアプローチを南アフリカよりも医師へのアクセスに制限がある地域や無医地区に適用可能かという問題については別の試験を行う必要があるが、われわれの看護師訓練法やガイドライン作成法はすでにガンビアやマラウィに導入されている」という。

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非喫煙者の非小細胞肺がんにおける予後予測因子

 非喫煙者における肺がん(LCINS)は、病因や臨床的特徴、予後の違いから、喫煙者における肺がんとは異なる疾患として認識されている。今回、LCINSにおける特異的予測マーカーの同定を目的とした米国MDアンダーソンがんセンターのXia Pu氏らの研究から、炎症関連遺伝子の変異がLCINSの臨床的転帰に影響する可能性があることが示唆された。Clinical Cancer Research誌オンライン版2012年 9月13日号に掲載された。 著者らはまず、904の炎症関連遺伝子において11,930の一塩基多型(SNP)の遺伝子型を同定し、MDアンダーソンがんセンターにおけるLCINS患者411例の全生存期間との関連を分析した。次に、メイヨークリニックにおけるLCINS患者311例におけるトップ27のSNPの検証を行った。 主な結果は以下のとおり。・3つのSNP(IL17RA:rs879576、BMP8A:rs698141、STY:rs290229)が確認され(p

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光療法は青年期うつ病の単独療法として有効か?

 成人うつ病の有効な治療選択肢のひとつである「光療法」。この光療法が青年期うつ病治療においても有用であり、短期間で効果が期待できることをドイツ Niederhofer氏らがInt J Psychiatry Clin Pract誌オンライン版2012年9月号で報告した。 14歳から17歳の軽度うつ病患者28例を対象とした無作為化クロスオーバー試験。14例は、まずプラセボ治療として50Lux、1時間/日を1週間実施し、その後2,500Luxの光療法を1週間実施した。別の14例はまず2,500Luxの光療法を実施し、その後プラセボ治療を実施した。試験開始1週間前、プラセボ治療1日前、プラセボ治療と光治療の切り替え時、光療法開始1日後、光療法開始1週間後にベック抑うつ評価尺度にて抑うつ症状を評価するとともに、8時と20時に唾液中のメラトニンとコルチゾールのサンプルを採取して概日タイミングの変化を観察した。主な結果は以下のとおり。・ベック抑うつ評価尺度のスコアは有意に改善した。・唾液の分析結果において、光療法とプラセボ治療との間に有意な差が認められた。・有意な副作用は観察されなかった。・青年期うつ病患者に対する光療法の抗うつ効果は、プラセボ治療と比較し統計学的に優れていた。関連医療ニュース ・せん妄対策に「光療法」が有効! ・うつ病補助療法に有効なのは?「EPA vs DHA」 ・高齢者うつ病患者への運動療法は有効

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4人中3人が「自分が認知症と診断されたら、認知症であることを知りたい」47都道府県 認知症に関する意識・実態調査より

 エーザイ株式会社 エーザイ・ジャパンでは、65歳以上の親がいる男女9,400人(各都道府県 各200人)を対象に、「認知症に関する意識・実態調査」のインターネットアンケート調査を実施し、その集計結果を発表した(調査期間:2012年8月16日~17日)。 それによると、認知症を知っている、もしくは聞いたことがあると回答した9,385人に、「自分が認知症と診断されたら、自分が認知症であることを知りたいか?」と質問したところ、「はい」が74.3%、「いいえ」が2.5%と、4人中3人が告知を望んでいることがわかった。一方で、約2割が「わからない」(23.2%)と答えている。 また、認知症の対応・治療に関するイメージに最も近いものを単一回答で聞いたところ、81.7%が「早く対応・治療すれば、進行を遅らせることができる」を選択し、認知症の対応に関して正しい認識を持っていることがわかった。その他の回答は、「早く対応・治療したとしても、進行を遅らせることも治すこともできない」(6.5%)、「早く対応・治療すれば治すことができる」(5.3%)、「早く対応・治療したり、医師に診てもらう必要はない」(0.3%)、「わからない」(6.3%)であった。 認知症について最も気になることについては、「症状がどのように進行していくのか」(32.4%)、「医療・介護にかかる費用」(25.1%)、「まず、どこに相談すればよいか」(22.6%)が多く、これらの情報の提供が求められている。 本調査の詳細はこちら http://www.eisai.co.jp/pdf/others/120914_reference.pdf

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