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82)患者さんと考える薬の飲み残し撲滅作戦【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師薬の飲み忘れはありませんか?患者飲んでいるつもりなんですが、なぜか薬があまるんです。医師なるほど。患者さんの中には、タンスにためておられる人もいるようです。患者ハハハ。タンス預金ではなく、タンス預薬ですね。医師なぜか薬があまる理由は、何でしょうかねぇ(一緒に考える姿勢)。患者そうですね。うっかり忘れてしまうこともあるんですが……。外にでたときに持っていくのを忘れたり……あと、薬によっては、飲むタイミングが違うので、忘れてしまうのかも。医師なるほど。それでは、薬を飲むタイミングを一緒にしましょうか。患者よろしくお願いします。●ポイント飲み忘れの理由を確認し、飲み忘れが少なくなる対策を一緒に考えます●資料「飲み忘れ」の理由として、うっかり、持ち歩くのを忘れる、食事をとらないとき、服薬タイミングがバラバラだから、面倒、薬の種類が多い、効果が実感できない、など。(出典: 処方薬の飲み残しに関する意識・実態調査[ファイザー]. 2012年11月13日)

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臨床ガイドラインは複数疾患併存患者への考慮を/BMJ

 英国・ダンディー大学のSiobhan Dumbreck氏らは、英国立医療技術評価機構(NICE)の12の臨床ガイドラインにおける複数疾患を有する患者に関する潜在的に重篤な薬物-疾患(drug-disease)および薬物間(drug-drug)相互作用の記述について、システマティックレビューを行った。その結果、患者が慢性腎臓病(CKD)を併存している場合を除き薬物-疾患相互作用の記述はまれにしかみられない一方、薬物間相互作用については多くの記述がみられたこと、ただしいずれもガイドラインでは強調されていないことを明らかにした。臨床ガイドラインを、複数疾患を併存する患者についてより考慮したものにすべきとの認識が増している。しかし、研究グループは「多くのガイドラインで薬物療法を推奨しているが、そのような患者を設定した薬物-疾患および薬物間相互作用に関する勧告はあまりみられないと思われる」として本レビューを行った。BMJ誌オンライン版2015年3月11日号掲載の報告より。12のNICEガイドラインにおける薬物-疾患および薬物間相互作用をレビュー 研究グループは、臨床ガイドラインのうち、3つの典型的な疾患・症状に関するガイドライン(2型糖尿病、心不全、うつ病)と、複数の症状を対象としたと思われる9つのガイドラインを選択してレビューした。 これらのガイドラインで推奨される薬物について、2型糖尿病、心不全、うつ病(以上3つを評価指標と設定)と、11の併存疾患または症状(2型糖尿病、うつ病、心不全、心筋梗塞、CKD、心房細動、COPD、疼痛障害、リウマチ、認知症、高血圧症)について、重篤な可能性のある薬物-疾患および薬物間相互作用の記述をシステマティックに特定し、定量化と層別化を行った。薬物-疾患相互作用については、CKD併存以外はほとんどない レビューの結果、12のガイドラインで推奨される処方について、潜在的に重篤な薬物作用に至ると思われる記述があった。 具体的に、2型糖尿病に関連したガイドラインでは32件の潜在的に重篤な薬物-疾患相互作用の記述が認められた一方で、うつ病に関連したガイドラインでは6件、心不全に関連したガイドラインでは10件であった。このうち2型糖尿病ガイドラインにおける27件(84%)とうつ病・心不全ガイドラインのすべてが、推奨薬物とCKDとの間の相互作用に関するものであった。 重篤な薬物間作用についての記述は、2型糖尿病ガイドラインでは133件、うつ病ガイドラインでは89件、心不全ガイドラインでは111件が特定された。 しかし、2型糖尿病、心不全、うつ病の3つの評価指標に関するガイドラインで、薬物-疾患または薬物間相互作用に関する強調はほとんどみられなかった。 以上を踏まえて著者は薬物-疾患相互作用について、「患者がCKDを併存していた場合の相互作用の記述以外はほとんどみられなかった。ガイドライン開発者は、そのガイドラインが注視する疾患を有する人々の併存疾患の疫学知見に基づき、より系統的アプローチを考慮すべきである」と述べている。また、薬物間作用について「対照的に、推奨薬とさまざまな疾患・症状との相互作用の記述はよくみられた。臨床医や複数疾患を有する患者が、十分な情報に基づく薬物選択ができるように、ガイドラインの策定と普及が求められ、そのための革新的な双方向性のアプローチが必要である」と述べている。

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抗凝固療法の出血リスク、遺伝子型で異なる/Lancet

 ワルファリンの出血リスクについて、CYP2C9、VKORC1の遺伝子型を持つ患者において早期出血の傾向がある人を特定できることが示された。米国ハーバード・メディカル・スクールのJessica L Mega氏らが、ENGAGE AF-TIMI 48試験の被験者データを分析し報告した。検討では、ワルファリンと比較して、エドキサバンの早期安全性に関するベネフィットが大きいことも明らかになったという。Lancet誌オンライン版2015年3月10日号掲載の報告より。ワルファリン感受性について遺伝子型に基づき3分類し評価 研究グループは、遺伝子型により、ワルファリンによる出血リスクが高い患者を特定可能か、またワルファリンと比べてより安全な直接作用経口抗凝固薬を特定可能かを検討した。 ENGAGE AF-TIMI 48は、心房細動患者を対象とした無作為化二重盲検試験で、被験者をワルファリン群、エドキサバン高用量(60mg)群、エドキサバン低用量(30mg)群に無作為に割り付けて、国際標準比(INR)2.0~3.0の達成について検討した試験であった。 事前規定の遺伝子分析に組み込まれたサブグループ患者は、CYP2C9、VKORC1の遺伝子型を持つことが示された。そのデータを用いて、ワルファリンへの反応性について、3つの遺伝子型機能区分(標準、感受性が高い、感受性が高度に高い)に分類し分析した。ワルファリン感受性が高いほど出血リスクが高いことが判明 遺伝子分析に含まれたのは、1万4,348例の患者であった。 このうちワルファリン群の患者4,833例は、ワルファリン感受性について、標準群2,982例(61.7%)、感受性が高い群1,711例(35.4%)、非常に感受性が高い群140例(2.9%)に分類された。 標準群と比較して、他の2群は治療開始90日間において抗凝固作用が過剰であった時間割合が大きかった。標準群は中央値2.2%(IQR:0から20.2%)に対し、感受性が高い群は8.4%(同:0~25.8%)、非常に感受性が高い群は18.3%(同:0~32.6%)であった(傾向のp<0.0001)。 そしてワルファリン出血リスクは感受性が高いほど増大することが認められた。標準群と比較した感受性が高い群のハザード比は1.31(95%信頼区間[CI]:1.05~1.64、p=0.0179)、非常に高い群は2.66(同:1.69~4.19、p<0.0001)であった。遺伝子型は臨床リスクスコアとは異なる独立した情報を与えることが認められた。 一方、治療開始90日間において、ワルファリン群と比較してエドキサバン群で出血リスクが低く、感受性について標準群よりも感受性が高い群および非常に感受性が高い群で、より低下することが両用量群ともに認められた(エドキサバン高用量群の相互作用p=0.0066、低用量群の相互作用p=0.0036)。 90日以降は、出血リスクの低下に関するベネフィットはエドキサバン群とワルファリン群で遺伝子型を問わず同程度であった。

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「寛解」から「治療の最適化」へ リウマチ治療最前線

 2015年3月9日、都内にて、東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センター 所長の山中 寿氏が、関節リウマチ(RA)治療の最新動向に関して講演を行った(主催:ファイザー株式会社)。リウマチ治療の変遷 山中氏はまず、東京女子医科大学附属 膠原病リウマチ痛風センターで2000年から行っているRA患者に対する前向き観察研究(IORRA)の結果を基に、RA治療の進歩について解説した。 本調査は年2回実施しており、毎回約6,000例のRA患者の情報を集積している。 その調査からわかったことは、「NSAIDs・ステロイドの服用率は年々低下し、逆にMTX・生物学的製剤の服用率が上昇していること」である。結果的に、疾患活動性を表すDAS28が改善し、寛解率の向上につながっている傾向がみられた。 寛解率向上の理由としては、2000年代前半は「MTXの普及」、2000年代後半は「生物学的製剤の普及」と考えられている。 手術に関しては、全体的に減少傾向にある。ただし、関節形成術は上昇傾向にあり、QOLの向上に重きが置かれている傾向がみられる。リウマチ診療ガイドライン2014のポイント 生物学的製剤の登場や、ガイドライン改訂などのインフラ整備により治療方針が明確になり、RA治療は大きな進歩を遂げた。 昨年改訂された『関節リウマチ診療ガイドライン2014』では、「有識者の意見」や「エビデンス」に加え、「リスクとベネフィットのバランス」や「患者の価値観や好み」「経済評価」に関しても考慮されていることが特徴として挙げられる。 本ガイドラインでは、「臨床症状の改善だけでなく、長期予後の改善を目指す」ことを治療目標として挙げており、また、治療方針に関しても「炎症をできるだけ速やかに鎮静化させて寛解導入し、寛解を長期間維持する」ことが明示されている。寛解の先にあるもの これまでのRA治療は寛解を目指して行われてきたが、治療環境が整備された今、これからのRA治療は寛解から「治療の最適化」を模索すべき時期にきている。 「治療の最適化」の1つとして挙げられる生物学的製剤の減量・休薬に関して、エタネルセプトをはじめとして実際の臨床試験でもその可能性が示唆されている。・ステロイド、MTX、生物学的製剤の減量・休薬・合併病態のマネジメント・薬剤経済学的観点・生命予後の改善・患者の視点といったさまざまな視点から、最適な治療を患者ごとに検討していく必要がある。リウマチ治療の今後 最後に、山中氏は「Hit and away strategy」をスローガンとして、・生物学的製剤の早期投与、早期寛解導入・6ヵ月以上寛解維持できれば休薬を考慮・再燃例では、同じ生物学的製剤を再投与のような指針に従い、治療を行っていくことが望ましいと強調した。

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アルツハイマー病へのDBS、臨床応用への可能性は

 米国・ペンシルベニア大学のKeyvan Mirsaeedi-Farahani氏らは、アルツハイマー病(AD)に対する脳深部刺激療法(DBS)の費用対効果、臨床効果を標準治療との比較で検討した。その結果、軽度AD患者でDBSの成功率が20%以上であれば費用対効果は高いこと、80%を超えれば臨床効果、費用対効果ともに標準治療より高くなることを報告した。ADは記憶機能の障害を特徴とし、本症状はADの標準治療によりわずかな改善を認める。しかし最近の報告により、DBSが記憶機能を改善する可能性が示唆されていた。Journal of Neurology誌オンライン版2015年3月6日号の掲載報告。 研究グループは本検討に当たり、莫大な機器費用とDBS手術に伴う身体的負担を考慮したうえで、DBSがADの標準治療と同等な効果を示すための臨床的、経済的閾値を設定した。そのうえで、文献レビューによりAD進行の可能性、健康関連QOL、ADの各ステージのコストに関する情報を取得し、5年間の決定分析モデルを用いて検討を行った。質調整生存年(QALY)における累積QOLと標準治療のコストを、既知の合併症発生率およびQOLデータを用い、理論的DBSによるさまざまな成功率と比較した。モデルの基本症例は軽度AD患者とした。DBSによる成功は、「1年目にADが最低ステージへ後退あるいは維持(軽度認知症と非認知症の間)、残りの4年間は自然経過をたどった場合」と定義した。 主な結果は以下のとおり。・標準治療単独群と比べ、軽度AD患者に対するDBSでは、周術期合併症がQOLに与える影響を打ち消すために求められる成功率は3%であった。・軽度AD患者に対して、DBSが20%($200 K/QALY)あるいは74%($50 K/QALY)以上の成功率で実施されるなら、DBSは費用対効果が高いと考えられた。・もしDBSの成功率が80%を超えれば、臨床効果、費用対効果とも標準治療より高くなる。・本研究から、ADに対し費用対効果が高いとされるDBSの臨床的経済的閾値は相対的に低いことが示された。関連医療ニュース 認知症によいサプリメント、その効果は 新たなアルツハイマー病薬へ、天然アルカロイドに脚光 これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる  担当者へのご意見箱はこちら

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ブレークスルーとなるか、がん免疫チェックポイント阻害

 小野薬品工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:相良 暁)とブリストル・マイヤーズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ダビデ・ピラス)は2015年3月17日、「がん治療の新たな選択肢 ~がん免疫療法~」と題し、プレスセミナーを開催した。講師の西川 博嘉氏(大阪大学免疫学フロンティア研究センター 特任准教授)は、がん免疫療法の特徴や作用機序、他の治療法との相違点などについて紹介した。 がん免疫療法は、手術、放射線治療、化学療法に続く、がん治療の第4の治療法として注目を集めている。がん免疫療法の近年の進歩は目覚ましく、2013年には世界的科学誌「Science」のBreakthrough of the yearに選ばれている。また、米国臨床腫瘍学会(ASCO)や欧州臨床腫瘍学会(ESMO)などの国際的ながん学会でも、主要演題として大きく取り上げられるテーマとなっている。がん免疫療法とは 免疫は体内に発生した異常細胞であるがんを異物としてとらえ排除する。この機能を高めるのが、がん免疫療法である。 免疫には自然免疫と獲得免疫がある。自然免疫は単純な機能で異物を攻撃し、その異物の情報が獲得免疫系に伝えられる。異物の緻密な情報が引き継がれた獲得免疫による攻撃は、異物を根底から排除する。この獲得免疫で働くのがヘルパーT細胞、キラーT細胞などの免疫担当細胞である。この免疫担当細胞は異物の抗原を攻撃の目印とする。がんの場合はがん抗原である。これら免疫担当細胞は、がん抗原に結合し、がん細胞を攻撃する。 一方、この免疫の攻撃から生き残ったがん細胞は、免疫からの逃避機構を獲得する。積極的に免疫反応から逃げるための分子を備えるのである。これらの分子はT細胞にある免疫活性化抑制分子(CTLA-4やPD-1など)に結合し、免疫応答を遮断して攻撃を逃れる。免疫チェックポイント阻害薬 免疫チェックポイント阻害薬は、そのCTLA-4やPD-1といったチェックポイントと呼ばれる分子に結合し、免疫抑制を解除して免疫系によるがん細胞への攻撃を復活させる。 免疫チェックポイント阻害薬の効果は、従来の殺細胞性抗がん剤や分子標的治療薬とは異なる。免疫応答を回復させるため効果発現に若干時間がかかる一方、一度かかった疾患に対しては再びかからないという免疫の特徴を反映し、がんの場合も奏効した患者においては非常に長期間効果が持続する。そのため、従来の抗がん剤とは異なる特徴的な生存曲線を描くという。 実際、抗CTLA-4抗体イピリムマブの悪性黒色腫に対する臨床試験の結果においても、ある程度の生存率になると、その曲線は定常となり、その状態は10年以上の間、継続している。一方、有害事象も従来の薬剤とは異なる。免疫応答の活性化により発生する有害事象については、長年の移植医療の経験から十分対応できると考えられるが、まったく新たな薬剤であるだけに、注意が必要だと西川氏は述べる。 さまざまな方法が試みられているが、その1つに免疫チェックポイント阻害薬との併用がある。すでに悪性黒色腫における抗PD-1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と前出のイピリムマブの併用試験が行われている。4年の観察期間ではあるものの、2剤の組み合わせにより2年生存率が80%を超えるという、非常に高い効果が得られている。今まで非常に予後の悪かった悪性黒色腫においても、大きな変化が起こる可能性がある。 がん免疫療法はさまざまな流れがあるが、現在成功を迎えている免疫チェックポイント阻害薬を中心に、今後さらに発展していくであろう。また、免疫チェックポイントをはじめとした免疫抑制の分野は、日本が世界の基礎研究をリードしているという。日本の基礎研究の力を医療産業につなげるためにも、非常に重要な分野だといえる。

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高地に住む人は6分間歩行距離が短い【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第39回

高地に住む人は6分間歩行距離が短い (>足成より使用) 私は呼吸器内科医なので、よく6分間歩行試験をオーダーします。具体的にどんな検査をしているか知らない人も多いと思います。とはいっても、6分間歩いてもらうシンプルな検査で、その歩行距離やSpO2などのバイタルサインの変化を観察するだけです。 そんな歩行試験を、ペルーの平地と高地の住人に実施してもらった研究があります。ペルーといえばマチュピチュ遺跡で有名ですね。一度でいいので行ってみたいです。 Caffrey D, et al A cross-sectional study of differences in 6-min walk distance in healthy adults residing at high altitude versus sea level. Extrem Physiol Med. 2014 Feb 1; 3(1): 3. これは高地の住人が、平地の住人と比べて6分間歩行距離にどう違いがあるかを調べた研究です。ペルーのリマ(海抜0m地帯)に住む168人の健康なボランティアと、プーノ(海抜3,825m:チチカカ湖のほとりにある都市)に住む166人のボランティアに参加してもらいました。参加者には全員6分間歩行試験を受けてもらいました。そのほかにも、社会背景や身体症状についてのアンケート、呼吸機能検査、血液検査を実施しました。参加者の平均年齢は54歳で、いずれもおよそ半数が男性でした。平均身長についても両群に差はみられませんでした(プーノ:158cm vs. リマ:155cm)。当然のことですが、プーノに住んでいる人の動脈血酸素飽和度は、リマの人よりも低かったそうです(プーノ:90% vs. リマ:98%)。心拍数もプーノの人の方が多めでした(プーノ:72回/分vs. リマ:67回/分)。そして、6分間歩行試験では、プーノの住人はリマの住人よりも6分間歩行距離が47.6m短かったそうです(95%信頼区間-81.7~-13.6m、p < 0.01)。つまり、高地に居住する患者さんに対する運動耐容能検査は、その評価がなかなか難しいということを意味します。日本アルプスなどの高地に住んでいる患者さんに対する評価は少し甘めに見積もっておいた方がよいのかもしれませんね。ちなみにプーノの住人に関する他の研究では、低酸素血症や肺活量の減少と、赤血球増多症との関連性が指摘されています(De Ferrari A et al. Chest. 2014; 146: 1327-1336.)。インデックスページへ戻る

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がん検診での過剰検出、人々の許容度は?/BMJ

 がん検診における「過剰検出」(症状がみられず早期死亡を引き起こすことのないがん病変をスクリーニングで検出と定義)について、一般の人々の受け止め方は事前に与えられる情報(死亡率やベネフィット)で大きく異なることが、英国・オックスフォード大学のAnn Van den Bruel氏らによるサーベイの結果、明らかにされた。乳がん、前立腺がん、腸がんスクリーニングの設定で調べたところ、腸がんスクリーニングでの過剰検出に対する許容度が有意に低かったという。著者は、「スクリーニング案内時に過剰検出の可能性やその影響に関する明確な情報を伝え、人々が情報に基づいた選択(インフォームド・チョイス)ができるようにしなければならない」と指摘している。BMJ誌オンライン版2015年3月4日号掲載の報告より。乳がん、前立腺がん、腸がんスクリーニング設定でサーベイ サーベイでは乳がん、前立腺がん、腸がんのスクリーニングにおける過剰検出について、人々の許容度を明らかにし、またその許容度がスクリーニングから得られるベネフィットや過剰検出されたがん特異的有害性の大きさで変化するのかどうかを調べた。 調査は2014年8月に英国で、オンラインリサーチへの協力に積極的な18歳以上のボランティア被験者を電子メールやWeb上で公募して行われた。2011年の同国国勢調査に基づき代表的な年齢、性別を選択して1,000例が集められた。 研究グループは、女性被験者については乳がんと腸がん設定のシナリオを、男性被験者には前立腺がんと腸がん設定のシナリオを用意し、各がんの疫学、治療、治療結果に関する情報を解説した。次にベネフィットに関して、「がん特異的死亡率が10%減少する」「50%減少する」という2つの異なるシナリオを示した。 主要評価項目は、各がん死亡率およびベネフィットのシナリオ別について、0~1,000例(スクリーニング完了集団)で人々が許容できるとした過剰検出症例数であった。腸がんスクリーニングでの過剰検出に対する許容度が有意に低い 結果、過剰検出への許容度はシナリオ設定により大きなばらつきがあることが示された。許容できるとした症例数は、中央値でみた場合、最も少なかったのは「腸がんスクリーニング・死亡率10%減少」設定シナリオで113例、最も多かったのは「乳がんスクリーニング・死亡率50%減少」で313例であった。 すべてのシナリオについて、許容度は7~14%にわたっていた。一方で、許容できないと回答した人の割合は、シナリオ別に4~7%にわたっており、腸がんスクリーニングに対する許容度が、乳がんおよび前立腺がんよりも有意に低かった。 また、50歳超の人の過剰検出に対する許容度が有意に低く、一方教育レベルが高い人ほど許容度が高かった。回答者のうち、以前に過剰検出について耳にしたことがあった人は29%であった。

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ビタミンK拮抗薬の急速中和製剤(4F-PCC)の効果は?/Lancet

 緊急の外科的・侵襲的手技においてビタミンK拮抗薬(VKA)投与を必要とする患者について、4因子含有プロトロンビン複合体濃縮製剤(4F-PCC)の血漿製剤に対する、急速VKA中和および止血効果に関する非劣性と優越性が確認された。米国・マサチューセッツ総合病院のJoshua N Goldstein氏らによる第IIIb相の非盲検非劣性無作為化試験の結果、示された。VKAによる抗凝固療法は、緊急外科的・侵襲的手技を要する患者に関して迅速中和を必要とする頻度が高い。しかしこれまでその至適な手法について、臨床比較試験による確定は行われていなかったという。Lancet誌オンライン版2015年2月26日号掲載の報告より。止血効果と急速INR低下の2つを主要エンドポイントに比較 研究グループは、4F-PCCの有効性と安全性を血漿製剤と比較して検討した。試験は国際多施設共同(33病院;米国18、ベラルーシ2、ブルガリア4、レバノン2、ルーマニア1、ロシア6)にて行われ、緊急外科的・侵襲的手技の前に急速VKA中和を必要とする18歳以上の患者を登録した。 患者を、VKA投与と共に4F-PCC(Beriplex/Kcentra/Confidex;ドイツ・CSLベーリング社製)または血漿製剤を単回投与する群に1対1の割合で無作為に割り付けた。投与量は国際標準化比(INR)と体重に基づき調整した。 主要エンドポイントは2つで、止血効果と急速INR低下(投与後0.5時間時点で1.3以下)。 解析は、最初に両エンドポイントについて非劣性(両群差の95%信頼区間[CI]下限値が-10%超と定義)を評価し、次いで非劣性が認められた場合に優越性(同0%超と定義)を評価した。 有害事象と重篤有害事象は、それぞれ10日時点、45日時点まで報告された。いずれのエンドポイントも4F-PCCの非劣性、優越性を確認 181例の患者が無作為に割り付けられた(4F-PCC群90例、血漿製剤群91例)。有効であったintention-to-treat比較集団は168例(それぞれ87例、81例)であった。 止血効果が認められたのは、4F-PCC群78例(90%)に対し血漿製剤群61例(75%)で、4F-PCCの血漿製剤に対する非劣性および優越性が確認された(両群差14.3%、95%CI:2.8~25.8%)。 また、急速INR低下を達成したのは、4F-PCC群48例(55%)に対し血漿製剤群8例(10%)で、こちらについても4F-PCCの血漿製剤に対する非劣性および優越性が確認された(両群差45.3%、95%CI:31.9~56.4%)。 4F-PCCと血漿製剤の安全性プロファイルは類似していた。有害事象の発現は4F-PCC群49例(56%)、血漿製剤群53例(60%)であった。とくに注目された有害事象は、血栓塞栓イベント(4F-PCC群6例[7%] vs. 血漿製剤群7例[8%])、輸液過剰または関連心イベント(3例[3%] vs. 11例[13%])、遅発性出血イベント(3例[3%] vs. 4例[5%])であった。

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抗悪性腫瘍剤スプリセルの全例調査が終了

 ブリストル・マイヤーズは3月17日、同社が製造・販売を行っている抗悪性腫瘍剤「スプリセル錠20mg、同50mg(一般名:ダサチニブ水和物)」について、同剤の承認条件となっていた全症例を対象とした市販後の使用成績調査(以下、全例調査)について、厚生労働省より承認条件解除の通知を受領したことを発表した。 スプリセル錠は2009年3月の発売以降、日本における同剤使用患者の背景情報の把握とともに、同剤の安全性及び有効性に関するデータを収集する全例調査が義務付けられていた。2009年12月末までに目標症例数800例を超える登録がなされ、それ以後も症例登録を継続し、2015年3月10日現在、日本で7,988例の患者が登録されている。全例調査で得られたデータをもとに、厚生労働省に提出した報告書から、患者背景、安全性及び有効性に係る情報が適切に収集されており、その情報に基づいて同剤の適正使用に必要な措置が講じられていると判断され、今回、全例調査が終了となった。詳細はプレスリリースへ

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自殺リスク評価の無作為化試験は実施可能なのか

 自殺は公衆衛生上の大きな問題であるが、自殺のリスクを有する患者について、自殺念虜の減少を目的として実施された無作為臨床試験はほとんどない。そうした中で現在行われている「Reducing Suicidal Ideation Through Insomnia Treatment:REST-IT」試験について、米国ジョージア・リージェンツ大学のWilliam Vaughn McCall氏らは2年目の状況をまとめ報告した。その結果を受けて著者は、「選択基準および除外基準、ならびに他の安全策を慎重に考えることによって自殺のリスクを有する成人患者を対象とした無作為化試験を安全に行うことができる」との見解を示している。Clinical Trials誌オンライン版2015年3月1日号の掲載報告。 REST-ITは、不眠や自殺念虜を有するうつ病の成人外来患者を対象に、SSRI薬への睡眠導入剤追加併用の臨床効果をプラセボと比較するようデザインされた、多施設ランダム化臨床試験であった。また、2001年に米国国立衛生研究所(NIH)が発表した、自殺ハイリスク患者が参加する介入試験に関するガイドラインに即した安全策が講じられている。試験は4年間の予定で行われており、本稿では登録開始後2年目の成績が報告された。 概要は以下のとおり。・584例が電話によるスクリーニングを受け、67%はスクリーニング段階で失敗した(失敗例の26%は自殺念虜が認められなかったことによる)。・試験開始時の対面評価(ベースライン評価)を受けたのは115例であった。このうち40例が、評価前に、効果のない向精神薬を徐々に減量し完全に中止していた。・115例中74例(64%)は無作為化ができなかった(その大半は臨床的に重要な自殺念虜が認められなかったことによる)。・1例は、試験に参加する代わりに精神科への入院を提案され受け入れた。・これまでのところ40例が無作為化され、このうち88.7%が予定どおり通院している。SSRIのアドヒアランスは93.8%、睡眠導入剤またはプラセボの併用アドヒアランスは91.6%である。・無作為化された40例において、入院を要した患者や自殺企図例は認められていない。関連医療ニュース 自殺念慮と自殺の関連が高い精神疾患は何か 日本人統合失調症患者における自殺企図の特徴は?:岩手医科大学 日本人統合失調症患者の自殺、そのリスク因子は:札幌医大  担当者へのご意見箱はこちら

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