青色光への瞳孔対光反射、緑内障の早期発見に有用

提供元:ケアネット

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公開日:2015/09/16

 

 瞳孔対光反射は視覚系の完全性の評価に用いられる。シンガポール、デューク・シンガポール国立大学医科大学院のAnnadata V. Rukmini氏らは、色刺激瞳孔測定検査が原発開放隅角緑内障(POAG)における内因性光感受性網膜神経節細胞(ipRGCs)の機能障害の検出や、視神経損傷および視力障害の評価に用いることができるかどうかを検討する目的で横断研究を行った。その結果、緑内障では視野障害や視神経乳頭陥凹の程度に応じて高照射量の青色光に対する対光反射が減弱していることを明らかにした。著者は、「ipRGCsの機能を評価する短時間の色刺激瞳孔測定は、POAGにおいて、イメージ形成の視覚が伝わる網膜神経節細胞がどの程度損傷しているか推定するのに使用できる。この方法は緑内障の発見に役立つだろう」とまとめている。Ophthalmology誌2015年9月号の掲載報告。

対光反射は高レベルの光照射量でのみ減少

 本研究には、50歳以上の健常者161人(男性55人、中国系住民151人)およびPOAG患者40人(男性22人、中国系住民35人)が参加した。

 Ganzfeld dome型光刺激装置を用いて片眼に青色光または赤色光の局所刺激を行い、赤外線瞳孔測定システムにて瞳孔径を記録した。各光刺激は、桿体、錐体およびipRGCsを順次活性化させるため、2分間にわたり徐々に増強した。

 POAG患者では、標準自動視野測定(ハンフリー視野検査:HVF)および走査型レーザー検眼鏡検査(ハイデルベルグ網膜断層撮影:HRT)も行い瞳孔反応との関連を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・対光反射はPOPG患者において、ipRGCs活性化の範囲に相当する高レベルの光照射量でのみ減少した。
・高照射量の青色光による刺激では、HVFのMD値のみならずHRTの陥凹/乳頭径比やその他の視神経乳頭パラメータと瞳孔径との間に有意な相関が観察された。
・高照射量の青色光への瞳孔対光反射は赤色光への反応と比較して疾患の重要度とより強く関連していた。

(ケアネット)