ステージII結腸がんへの補助化学療法、再発・生存・QOLへの影響は?

提供元:ケアネット

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公開日:2015/09/17

 

 米国インディアナ大学のCari Lewis氏らは、ステージII結腸がん患者において、診断から24ヵ月にわたり補助化学療法とQOL・再発・生存との関連を検討するコホート研究を行った。その結果、ステージII結腸がんで化学療法を受けた患者は、受けなかった患者に比べ、24ヵ月後のQOL・再発・全死因死亡が不良という傾向がみられた。著者らは「今後、追跡期間の延長とともに、化学療法の種類に焦点を当てた研究が必要である」としている。Supportive care in cancer誌オンライン版2015年9月9日号に掲載。

 著者らは、2009~2011年にノースカロライナ州における453例の患者をリクルートし、診断時および診断後12ヵ月と24ヵ月の時点で、QOL、健康維持行動、治療に関して選択式の調査でインタビューした。死亡率のデータはNational Death Indexシステムより取得した。

 主な結果は以下のとおり。

・計265例が化学療法を受けた。
・化学療法の実施は、Functional Assessment of Cancer Treatment(FACT)-Generalの総スコア(p<0.01)、およびFACT-大腸がん用(p<0.01)、身体面(p<0.01)、心理面(p=0.02)、機能面(p<0.01)のスコアと逆相関を示した。
・化学療法の実施と精神的健康との逆相関の関係は、白人では維持された(交互作用のp=0.049)がアフリカ系アメリカ人では認められなかった。
・化学療法を受けた患者は、再発(OR 2.74、95%CI:1.18~6.35)と全死因死亡(OR 1.95、95%CI:1.05~3.62)のオッズが有意に高いことが示された。

(ケアネット 金沢 浩子)