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妄想性障害や急性精神病などの精神疾患と統合失調症や双極症との遺伝的関連性

 妄想性障害、急性精神病、特定不能精神病、統合失調感情障害の4つのまれな精神疾患における病因的な相互関係は、いまだに解明されていない。米国・バージニア・コモンウェルス大学のKenneth S. Kendler氏らは、妄想性障害、急性精神病、特定不能精神病、統合失調感情障害患者における統合失調症、双極症、うつ病の家族遺伝子リスクスコア(FGRS)レベルを評価し、これらの遺伝的関係を明らかにするためコホート研究を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2025年7月9日号の報告。 1950〜2000年にスウェーデン生まれの両親のもとスウェーデンで生まれた人を対象に、2018年までフォローアップを行った。国家レジストリーの診断コードに基づき診断した。統合失調症、双極症、うつ病患者の統合失調感情障害は、同居を考慮したうえ、第1〜5近親者より算出した。主要アウトカムは、妄想性障害、急性精神病、特定不能精神病、統合失調感情障害の診断とした。 主な結果は以下のとおり。・各疾患の患者数は次のとおりであった。【うつ病】66万7,012例(女性:42万142例[63%]、男性:24万6,870例[37%])【双極症】5万8,385例(女性:3万6,344例[62%]、男性:2万2,041例[38%])【統合失調症】1万7,465例(女性:6,330例[36%]、男性:1万1,135例[64%])【統合失調感情障害】7,597例(女性:4,125例[54%]、男性:3,472例[46%])【急性精神病】1万6,315例(女性:7,907例[49%]、男性:8,408例[51%])【特定不能精神病】2万7,127例(女性:1万2,277例[45%]、男性:1万4,850例[55%])【妄想性障害】1万1,560例(女性:5,060例[44%]、男性:6,500例[56%])・統合失調症、双極症、うつ病のFGRSの遺伝子マップでは、妄想性障害は単独で存在し、統合失調症の遺伝子リスクは統合失調症患者の約半数であり、双極症、うつ病リスクと同程度であった。・統合失調感情障害は、統合失調症と双極症の両方で非常に高い遺伝子リスクを有する唯一の疾患として特徴付けられ、精神病性双極症とは明確な差が認められた。・急性精神病と特定不能精神病は、類似した遺伝子プロファイルを有しており、統合失調症FGRSレベルは妄想性障害と同程度であったが、双極症、うつ病の遺伝子リスクはより高かった。・各疾患をアウトカム別に細分化すると、妄想性障害の遺伝子プロファイルは最小限の影響であり、急性精神病と特定不能精神病では中程度、統合失調感情障害では大きな影響が認められた。良好な社会的アウトカムは、統合失調症FGRSの低下および双極症FGRSの増加と関連が認められた。 著者らは「遺伝的観点から、妄想性障害、急性精神病、特定不能精神病、統合失調感情障害は、統合失調症、双極症、うつ病のサブタイプとは考えられない。これら4つのまれな精神疾患に関するさらなる遺伝学的研究は、遺伝的リスクや精神疾患の臨床症状および経過との関連に多くの知見を提供することにつながるであろう」とまとめている。

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認知機能への多領域ライフスタイル介入、構造化型vs.自己主導型/JAMA

 認知機能低下および認知症のリスクがある高齢者において、構造化された高強度の介入は非構造化自己主導型介入と比較し、全般的認知機能を有意に改善した。米国・Wake Forest University School of MedicineのLaura D. Baker氏らが、同国5施設で実施した2年間の無作為化単盲検比較試験「The US Study to Protect Brain Health Through Lifestyle Intervention to Reduce Risk(US POINTER)研究」の結果を報告した。著者は、「機能的アウトカム、バイオマーカー、長期追跡のさらなる調査により、観察された認知機能改善効果の臨床的意義と持続性が明らかになるだろう」とまとめている。JAMA誌オンライン版2025年7月28日号掲載の報告。60~79歳で認知機能低下リスクの高い高齢者を無作為化し2年間追跡 US POINTER研究の対象は、認知機能低下リスクの高い患者、すなわち60~79歳で、座位時間が長く(中等度強度の運動が週60分未満)、不適切な食生活(MIND食スコアが14点中9点以下)に加え、次のうち2つ以上に該当する患者であった。(1)記憶障害の家族歴(第1度近親)、(2)心血管代謝リスクが高い(収縮期血圧≧125mmHg、LDLコレステロール≧115mg/dL、またはHbA1c≧6.0%)、(3)人種(アメリカまたはアラスカ先住民、黒人、アフリカ系米国人、アフリカ系、中東または北アフリカ系)、(4)民族(ヒスパニック、ラテン系、スペイン系)、(5)高齢(70~79歳)、(6)男性。 研究グループは、適格患者を構造化介入群(1,056例)と自己主導型介入群(1,055例)に1対1の割合で無作為に割り付けた。両群とも、身体活動と認知活動の増加、健康的な食事、社会参加、心血管系の健康管理を奨励していたが、介入の構造、強度および責任の点で異なっていた。 主要アウトカムは、実行機能、エピソード記憶、処理速度の複合的な尺度で評価した全般的認知機能の2年間における年間変化率の群間差であった。構造化介入で自己主導型介入より全般的認知機能が改善 2019年5月~2023年3月に2,111例が無作為化された(最終追跡調査日2025年5月14日)。患者背景は、平均(±標準偏差)年齢68.2±5.2歳、女性1,455例(68.9%)で、2,111例中1,879例(89%)が2年目の評価を完了した。 両群とも、認知機能複合Zスコア平均値はベースラインから経時的に増加し、年間平均増加率は、構造化介入群で0.243 SD(95%信頼区間[CI]:0.227~0.258)、自己主導型介入群で0.213 SD(0.198~0.229)であった。年間平均増加率の群間差は0.029 SD(0.008~0.050、p=0.008)で、構造化介入群が自己主導型介入群より有意に高かった。 事前に規定されたサブグループ解析の結果、構造化介入のベネフィットはAPOEε4保因者と非保因者で一貫していた(交互作用のp=0.95)が、ベースラインで認知機能が低い人のほうが高い人より効果が高かった(交互作用のp=0.02)。 有害事象は、構造化介入群(重篤151件、非重篤1,091件)が自己主導型介入群(190件、1,225件)より少なかった。主な有害事象はCOVID-19の検査陽性で、構造化介入群で高頻度であった。

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日本人統合失調症患者における自殺企図の出現時期と重症度との関連

 岩手医科大学の伊藤 ひとみ氏らは、日本人統合失調症患者における自殺念慮の出現時期、自殺企図の重症度、これらに関連する因子の調査を行った。PCN Reports誌2025年7月6日号の報告。 対象は、2003〜21年に自殺企図のため救急外来を受診した統合失調症患者273例。自殺念慮の出現時期に基づき、同日群または同日前群のいずれかに分類した。受診時に観察された患者の人口統計学的特徴および精神症状に関するデータを収集した。また、自殺の動機および自殺企図手段に関するデータを分析し、自殺念慮の出現時期、自殺企図手段の重症度、関連因子との関係を検証した。 主な結果は以下のとおり。・同日前群は、同日群と比較し、高度な自殺企図手段を選択する可能性が有意に高かった(p=0.03)。・同日群では、高度な自殺企図手段の選択と幻覚・妄想に関連する自殺動機との間に強い正の相関が認められた(オッズ比[OR]:2.01、95%信頼区間[CI]:1.01〜4.03、p=0.049)。・一方、同日前群では、過去1年間の自殺企図歴と高度な自殺企図手段の選択との間に負の関連が認められた(OR:0.32、95%CI:0.12〜0.86、p=0.023)。 著者らは「日本人統合失調症患者における自殺リスクの評価と介入戦略の強化について重要な知見が明らかとなった。自殺念慮の出現時期は、自殺企図の重症度に有意な影響を及ぼすことが示唆された」と結論付けている。

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ガバペンチンは認知症の発症リスクを高める?

 発作、神経痛、むずむず脚症候群の治療に使用される薬剤のガバペンチンが、認知症の発症リスク増加と関連している可能性があるとする研究結果が発表された。ガバペンチンを6回以上処方された場合、認知症リスクが29%、軽度認知障害(MCI)リスクが85%増加する可能性が示されたという。米ケース・ウェスタン・リザーブ大学のNafis Eghrari氏らによるこの研究の詳細は、「Regional Anesthesia & Pain Medicine」に7月10日掲載された。 研究グループによると、ガバペンチンはオピオイドほど中毒性がないため、慢性疼痛の治療薬としての人気が上昇の一途をたどっている。しかしその一方で、ガバペンチンには神経細胞間のコミュニケーションを抑制する作用があることから、ガバペンチンの使用が認知機能の低下を招く可能性があることに対する懸念も高まりつつあるという。 今回の研究では、大規模医療データベースTriNetXの2004年から2024年までの匿名化した腰痛患者のデータを用いて、ガバペンチンの処方歴と認知症およびMCIリスクとの関連を検討した。年齢や性別などの社会人口学的属性、併存疾患、疼痛関連薬剤などで傾向スコアマッチングを行った結果、解析対象は2万6,416人となった。ガバペンチンは、6回以上の処方歴がある場合を「ガバペンチンの処方歴あり」と見なした。 解析の結果、ガバペンチン処方群では非処方群と比べて、認知症リスクが1.29倍(リスク比1.29、95%信頼区間1.18〜1.40)、MCIリスクが1.85倍(同1.85、1.63〜2.10)であることが示された。対象者を65歳以上の高齢者と18〜64歳の非高齢者に分けて解析すると、高齢者のガバペンチン処方群では非処方群と比べて、認知症リスクが1.28倍、MCIリスクが1.53倍であり、非高齢者でのリスクはそれぞれ2.10倍、2.50倍とより顕著だった。さらに、これらのリスクはガバペンチンの処方頻度の増加に伴い上昇し、処方頻度が12回以上の患者では3〜11回の患者に比べて、認知症リスクが1.4倍、MCIリスクが1.65倍であった。 ただし、本研究は観察研究であるため、ガバペンチンと脳機能低下との直接的な因果関係を証明することはできないと研究グループは指摘している。 研究グループは、「この研究結果は、ガバペンチンを処方された成人患者を綿密に監視し、認知機能低下の可能性を評価する必要があることを裏付けている」と述べている。また研究グループは、「今回の研究が、ガバペンチンと認知症発症との因果関係や、この関係の根底にあるメカニズムの解明を目指すさらなる研究につながることを期待している」と述べている。

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第275回 レカネマブ15%薬価下げ報道で改めて考える、「認知症を薬で治す」は正しいの?(前編)

海外学会での発表やスピーチが苦手な人にも参考になるイチローのスピーチこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。7月27日(現地時間)、米国ニューヨーク州クーパーズタウンにある米野球殿堂の式典でイチローが行ったスピーチ、よかったですね。決して流暢とは言えない英語ながら、数々のジョークを混じえながら語られた19分のスピーチは、「これまで殿堂入りした選手のスピーチの中でも、最もすばらしいものの一つだった」と激賞する米国メディアもあるようです。個人的には、「When fans use their precious time to come watch you play, you have a responsibility to perform for them, whether we are winning by 10 or losing by 10, I felt my duty was to motivate the same from opening day through game 162. I never started packing my equipment or taping boxes until after the season’s final out. I felt it was my professional duty to give fans my complete attention each and every game.」の一節が心に響きました。一方、イチロー好きの友人は「dream(夢)」と「goal(目標)」の違いについて語ったところに感激したと話していました。ネット上には実際のスピーチの動画や、英語全文とその訳文が上がっていますので、まだ耳にしていない、目にしていない方はぜひチェックしてみてください。海外学会での発表やスピーチが苦手という人にも参考になるはずです。さて今回は、エーザイと米国バイオジェン社が共同開発したアルツハイマー病治療薬・レカネマブ(商品名:レケンビ)の薬価が「15%引き下げられる」と報道された件について書いてみたいと思います。レカネマブはアルツハイマー病の原因とされるタンパク質(アミロイドβ)を除去する効果があり、認知機能の低下を遅らせる初めての医薬品として2023年9月に日本で承認されました。薬価はなぜ引き下げられることになったのでしょうか。2019年から始まった費用対効果評価制度の対象となっていたレカネマブ7月9日に開催された中央社会保険医療協議会・総会でレカネマブの費用対効果に関する評価結果が提出され、今後、中医協での更なる議論を経て15%引き下げられる見通しとなりました。日本の薬価制度には「費用対効果評価制度」というものがあります。市場規模が大きい、または著しく単価が高い医薬品・医療機器を対象に、費用対効果評価専門組織が分析し、薬価などが調整される制度で2019年に始まりました。レカネマブの薬価は200mg1瓶4万5,777円、500mg1瓶11万4,443円で、ピーク時の予想投与患者数は3.2万人で予想販売金額は986億円と高額になるため、この制度の対象となっていました。ちなみに、平均的な薬剤費は年間1人当たり約300万円とのことです。今回、レカネマブの分析を担当したのは国立保健医療科学院の保健医療経済評価研究センター(C2H:Core to Evidence-Based Health Policy)です。同センターは7月9日に、ホームページで現在の3分の1程度の薬価が妥当とする評価結果を公表しています1)。それによれば、レカネマブのICER(増分費用効果比)は1,000万円/QALY以上で費用対効果は比較対象技術と比べて「低い」との結果でした。ICERは、費用の増加分を効果の指標であるQALYの増加分で割った値で、低いほど費用対効果が良いとされます。「1,000万円/QALY以上」は「高過ぎる」と評価されたわけです。「画期的な認知症治療薬」であり、介護費用の削減効果も期待されていることから特別な対応も「費用対効果が低い」とされたものの、レカネマブは「画期的な認知症治療薬」であり、介護費用の削減効果も期待されていることから、中医協では、レカネマブの費用対効果評価について1)「価格調整範囲の特別ルール」を設ける、2)介護費縮減効果について「勘案する場合・しない場合」それぞれの分析結果を踏まえて対応を改めて中医協で検討する、という特別な対応が取られることになりました。まず価格調整範囲については、費用対効果評価の結果「ICERが500万円/QALYとなる価格」(費用対効果が優れていると判断される基準値)と「見直し前の価格」の差額を算出し、その25%を調整額(引き下げは有用性加算部分だけに留めず、薬価全体が見直し対象に)とするが、価格が引き下げとなる場合には、調整後の価格の下限は「価格全体の85%(調整額は価格全体の15%以下)」とすることになりました。介護費縮減効果については「介護費用縮減効果も勘案して費用対効果評価を行う場合」と「医療部分のみに着目して費用対効果評価を行う場合」との2つのデータを算出することになりました。もっとも、分析結果ではどちらの場合も「ICERが500万円/QALYとなる価格」は現在の薬価の約3分の1、25〜35%程度と大幅に低かったとのことです。というわけで、介護費用を含めても含めなくても薬価は下限の85%、すなわち「15%引き下げ」の見通しとなったわけです。エーザイは「厚労省の評価は薬の費用対効果を過小に評価している」と反論こうした評価に対し、エーザイは7月9日に会見を開き、企業(エーザイ)による分析と公的機関(C2H)による分析・評価手法や対象とした試験に違いがあり、「厚労省の評価は薬の費用対効果を過小に評価している」と反論したとのことです。7月23日付の日経バイオテクの「エーザイのアルツハイマー病薬『レケンビ』で明らかになった費用対効果評価制度の課題」と題された記事は、「要するにエーザイは、レケンビの18ヵ月以降の投与継続によりベネフィットが拡大したというOLE試験(非盲検でのオープンラベル継続投与試験)に基づいて分析を行ったのに対して、公的分析はあくまでも第3相臨床試験の18ヵ月のデータのみで分析したことが違いの最大の要因と言える」と書くと共に、エーザイと費用対効果評価専門組織との間で分析・評価手法に関して考え方の相違があったことについて、「こうしたやりとりから浮かび上がるのは、費用対効果評価の方法論がまだ十分に確立されておらず、モデルやデータの選び方によって大きなばらつきが生じるということだ。分析者によってこれだけ結果に違いがあるものを薬価の調整に用いて、関係者の納得が得られるかは疑問だ」と指摘しています。さらに同記事は、「今回のレケンビに関しては、将来的に重度の認知症患者を減少させるコンセプトの早期アルツハイマー病治療薬の価値を、MCIや軽度認知症患者に18ヵ月間投与した結果だけで評価していいのかには疑問を感じる。費用対効果評価を行うには、実臨床でのデータがまだ十分ではないというのが実情ないだろうか」と国の組織が主体となって行われる公的分析に疑問を投げ掛けています。いずれにせよ、レカネマブの薬価は引き下げられることになりそうです。今後の患者や医療現場への影響はどうなるのでしょうか。(この項続く)参考1)レカネマブ(レケンビ)の評価結果を公開しました/国立保健医療科学院

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治療抵抗性うつ病に対する早期ブレクスピプラゾール補助療法

 うつ病治療では、患者の苦痛を最小限に抑えて、臨床的ベネフィットを最大化するために、可能な限り早い段階で適切な治療を行う必要がある。米国・Otsuka Pharmaceutical Development & Commercialization Inc.のShivani Kapadia氏らは、うつ病の早期および後期におけるブレクスピプラゾール併用療法の有効性および安全性を評価するため、ランダム化比較試験の事後解析を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2025年7月3日号の報告。 対象は、抗うつ薬治療で効果不十分な成人の治療抵抗性うつ病外来患者。ブレクスピプラゾール併用療法に関する3件の6週間ランダム化二重盲検プラセボ対照試験のデータを統合した。年齢中央値、診断時年齢、エピソード数、エピソード持続期間、過去に服用していた抗うつ薬数に基づき早期群および後期群に分類した。有効性はMontgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)総スコアの変化、安全性は治療中に発現した有害事象により評価した。 主な結果は以下のとおり。・抗うつ薬にブレクスピプラゾール2〜3mg/日を併用した併用群(579例)は、プラセボを併用した対照群(583例)と比較し、6週目のMADRS総スコアの改善(p<0.05)が大きかった。早期群および後期群などのすべてのサブグループにおいて有効であった(範囲:−1.79〜−2.92)。・治療中に発現した有害事象の発生率は、サブグループ全体で併用群53.1〜67.2%、対照群43.0〜51.8%であり、早期群と後期群での差は認められなかった。 著者らは「ブレクスピプラゾール併用療法は、治療抵抗性うつ病の早期段階において抑うつ症状を改善し、患者および医療制度へのベネフィットを最大化する。うつ病の後期段階においても、ブレクスピプラゾール併用療法の有効性は示されるが、投与を遅らせるメリットは認められない」と結論付けている。

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重篤な慢性疼痛、遠隔・オンライン認知行動療法で改善/JAMA

 通常の慢性疼痛よりも身体活動が制限される可能性が高い、高インパクト慢性疼痛の患者において、通常ケアと比較して遠隔医療または自己完結型のオンライン技術による拡張性のある認知行動療法に基づく慢性疼痛(CBT-CP)治療は、疼痛重症度を有意に軽減し、疼痛に関連する身体機能/生活の質(QOL)にも改善をもたらす可能性があることが、米国・Kaiser Permanente Center for Health ResearchのLynn L. DeBar氏らが実施したRESOLVE試験で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2025年7月23日号で報告された。米国の第III相無作為化試験 RESOLVE試驗は、高インパクト慢性疼痛の重症度の軽減における遠隔またはオンラインでのCBT-CP治療の相対的な有効性の評価を目的とする第III相無作為化試験であり、2021年1月~2023年2月に米国の4つの保健システムから患者を登録した(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。 年齢18歳以上、Graded Chronic Pain Scale-Revisedの基準で筋骨格系の高インパクト慢性疼痛と判定され、英語での会話およびインターネットか電話での通信が可能で、電子健康記録(EHR)に基づく臨床的な基準を満たす患者を対象とした。 被験者を、次の3つの群に1対1対1の割合で無作為に割り付けた。(1)健康指導員群:CBT-CP治療に基づく、指導員による1対1での技能訓練(8つのセッション)を、電話またはビデオカンファレンス(被験者の好みでいずれかを選択)で受ける、(2)painTRAINER群:CBT-CP治療に基づく、オンラインでの技能訓練(8つのセッション)を無料のサイト(painTRAINER)で受ける、(3)通常ケア群:米国慢性疼痛協会(ACPA)の疼痛管理リソースガイド(2020年版)のコピーを受け取る。 主要アウトカムは、ベースラインから3ヵ月後までの、11項目の簡易疼痛質問票(短縮版)(Brief Pain Inventory-Short Form:BPI-SF)の疼痛重症度スコアの臨床的に意義のある最小変化量(MCID)(30%以上の低下)の達成とした。オンラインより指導員で高い効果 2,331例(平均年齢58.8歳、女性1,712例[74%]、農村部/医療過疎地域在住者1,030例[44%])を登録し、健康指導員群に778例、painTRAINER群に776例、通常ケア群に777例を割り付けた。2,210例(94.8%)が試験を完了した。 3ヵ月の時点で、疼痛重症度スコアのMCID(30%以上の低下)を達成した患者の補正後の割合は、健康指導員群が32.0%(95%信頼区間[CI]:29.3~35.0)、painTRAINER群が26.6%(23.4~30.2)、通常ケア群は20.8%(18.0~24.0)であった。 通常ケア群に比べ2つの介入群はいずれも、疼痛重症度のMCID達成率が有意に高く(通常ケア群に対する健康指導員群の相対リスク[RR]:1.54[95%CI:1.30~1.82]、通常ケア群に対するpainTRAINER群のRR:1.28[1.06~1.55])、オンラインでの自己完結型のpainTRAINERプログラムよりも健康指導員で高い効果が得られた(painTRAINER群に対する健康指導員群のRR:1.20[1.03~1.40])(オムニバス検定p<0.001)。副次アウトカムも介入群で良好 副次アウトカムであるベースライン時から6ヵ月後および12ヵ月後の疼痛重症度のMCID達成率、3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月後の疼痛強度のMCID達成率、3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月後の疼痛関連障害(pain-related interference)スコアのMCID達成率は、いずれも通常ケア群に比べ2つの介入群で有意に優れ、全般的にpainTRAINER群より健康指導員群で良好であった。 著者は、「これらのCBT-CP治療は医療資源の消費が少なく、医療システム内でエビデンスに基づく非薬物療法による疼痛治療の利用可能性を向上させると考えられる」「電話/ビデオカンファレンスおよびオンライン介入によるCBT-CP治療に基づくプログラムの提供を集約化することが効果的であり、今後、全国の臨床組織や医療機関に広く普及する可能性があると示唆される」としている。

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自分のトリセツを知るとだいぶ楽になる(解説:岡村毅氏)

 認知行動療法について、皆さんはどのくらい知っているだろうか? 医療が「悪いところを取る」「折れたものをつなげる」「薬を飲んで治す」といった領域だけだと思っているシンプルな人にはなかなかわかってもらえない。大学生などに説明するときに使っているのは「自分のトリセツを知ることだ」という説明である。 たとえば、こうである…。最近とても暑いので、精神科の外来では調子の悪いパニック症の人によく出会う。「空気が熱いと息苦しい感じがする。パニック発作のときみたいな体験をする。そうなると不安が亢進し、呼吸が速くなり、確かにパニック発作が起きてしまう」と説明すると、多くの患者さんは良くなる。自分の身に何が起きているかわかるからである。 相手によっては、さらに畳み掛ける。「人間なんて天候に左右される弱い存在なのです。暑すぎると調子が悪い、雨だと気分が沈む。そういうものです」と言うと、ハッとする人もいる。別に大したことは言っていないのだが、自分が弱い存在だということをつい忘れてしまっているのだ。私に言わせれば、これも認知行動療法の原型である。 さて、慢性疼痛に対して認知行動療法が効くことはずいぶん前からわかっていた。身体が損傷を受ければ痛みが生じる。これが急性の疼痛である。ところが、その時期を過ぎても延々と痛みが続くものが慢性疼痛である。慢性疼痛には複合的な要因があり、もちろん心理的要因も大きい。痛みが続くと気持ちが沈み、痛みが来たらどうしようといつも構えていると、身体が緊張して、より一層痛みが生じる、というようなことも起こる。いつも痛みのことを考えていると、症状がより目立ってしまうということもあるだろう(読者の皆さま、40歳を過ぎるといつもどこか微妙に痛くないですか?)。 ただし、認知行動療法をするために医療機関等を受診するのは大変である。そこで本研究は、(1)電話やオンライン会議を用いた1対1の認知行動療法、(2)e-learningのようなオンライン教材、(3)相談先や対処方法の情報を渡す(これが対照群である通常のケア)に分けて比較している。臨床的に意味のある改善は、(1)は(3)に比べて1.54倍、(2)は(3)に比べて1.28倍得られた。 オンラインの1対1の認知行動療法ができればよいし、それが無理でもオンラインの自己学習型のプログラムでも十分効果があるということだ。なお、このオンラインプログラムは実は無料で公開されている(painTRAINER)。 となると、オンラインの認知行動療法と、対面の(リアルの)認知行動療法は違うのだろうか、という疑問が生じる。うつ病に関してはメタアナリシス(文献)があり、効果は同等、ただし対面のほうが脱落率は低い。まあそうだろうな、という結果だ。知識として自分のトリセツを知る分にはオンラインでも対面でも変わらないが、人と人が数十センチの距離で対峙するとき、さまざまな不確実な事象が起こり、これが対面の心理療法の醍醐味だ、というのが精神科医である私の見解だ。

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日本の認知症動向、その傾向と地域差

 アルツハイマー病やその他の認知症は、深刻な公衆衛生上の懸念事項であり、日本においてはさらに重要な課題となっている。ベトナム・RMIT University VietnamのDeepak Kumar Behera氏らは、アルツハイマー病やその他の認知症負担の経時的傾向を調査し、関連するリスク因子を特定し、時系列モデリングを用いて将来予測を行った。Alzheimer's & Dementia誌2025年7月号の報告。 世界疾病負担(GBD)研究2021のデータを用いて、日本におけるアルツハイマー病やその他の認知症の傾向を分析し、罹患率、死亡率、障害調整生存年(DALY)を評価した。リスク因子の特定には回帰分析を、2021〜30年までの疾病負担の予測には自己回帰統合移動平均(ARIMA)モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・日本におけるアルツハイマー病やその他の認知症は、着実に増加しており、2030年まで引き続き増加すると予測された。・高齢化および平均寿命の延長が主な因子として特定された。・関東や関西の都市部では、東北や九州よりも有病率が高かった。・高空腹時血糖値、肥満、喫煙は、重要な修正可能なリスク因子であった。・ARIMAモデルでは、継続的な増加傾向が予測され、公衆衛生上の課題の深刻さを浮き彫りにする結果であった。 著者らは「日本におけるアルツハイマー病やその他の認知症の負担を軽減するためには、対象を絞った介入、早期介入、公平な医療アクセスが不可欠である」と議論し、「高齢化に伴い、アルツハイマー病やその他の認知症が増加している。高空腹時血糖値、肥満、喫煙などが、主なリスク因子であることも明らかとなった。とくに関東や関西の都市部では、他の地域よりも有病率が高く、2030年まで継続的に増加すると予測される。これらの負担を軽減するためにも、的を絞った医療政策と予防策が求められる」とまとめている。

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早い時間に寝ると翌日の運動量が増える

 古くから「早寝早起き」は健康や気分、さらには運気にも良いとされているが、運動量を増やすというメリットもあることが報告された。モナッシュ大学(オーストラリア)のElise Facer-Childs氏らの研究によるもので、詳細は「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」に6月30日掲載された。論文の上席著者である同氏は、「睡眠と身体活動はどちらも健康にとって非常に重要だが、それら両者がいかに複雑に絡み合っているかを、われわれは今まで十分に理解していなかった」と述べている。 この研究では、2種類の大規模な集団を対象に、就寝時刻や睡眠時間と翌日の身体活動時間との関連が調査された。いずれの研究も参加者は成人であり、自由行動下で行われた。 一つ目の研究には1万9,963人が参加し、2021年9月から翌年8月までの1年間、手首装着型のデバイスを用いて睡眠と身体活動が客観的に評価された。599万5,080人日のデータの解析の結果、研究参加者の平均的な就寝時刻は23時頃だった。年齢や性別、BMI、季節などの影響を調整後、21時頃に就寝する人の日々の中~高強度身体活動(MVPA)時間は、23時頃に寝ている人よりも約15分長く、さらに1時まで起きている夜型の人との比較では約30分長かった。 次に、同一個人内での日々の変動を解析。すると、普段よりも就寝時刻が早く睡眠時間が短い夜の翌日にはMVPA時間が有意に長く、反対に就寝時刻が遅く睡眠時間が長い夜の翌日のMVPA時間は有意に短いという関連が認められた。 二つ目の研究は、参加者数が5,898人で、63万5,477人日分のデータが解析された。この研究でも一つ目の研究と同様の傾向が認められた。また、普段よりも早く就寝し、かつ普段どおりの睡眠時間を確保した翌日のMVPA時間が最も長くなることが分った。 論文の筆頭著者である同大学のJosh Leota氏は、「これらの結果は、日中に仕事に充てる時間の長さが人々の運動習慣を妨げる可能性を示唆している。また、一般的な9時から17時という勤務時間は夜型の人のリズムには適しておらず、睡眠の質の低下、日中の眠気、社会的時差ぼけの増加につながり、それらは全て、運動の意欲および機会を減少させる」と語っている。 一方、本研究では上記のように、同一の個人内の日差変動の解析から、普段より早く寝た翌日は身体活動量が増えることも明らかにされた。つまり、生活パターンを変えることで、身体活動量を増やせる可能性が示された。この点についてLeota氏は、「公衆衛生施策を考える上で意味のある結果だ」とし、「人々に対して睡眠と身体活動をそれぞれ個別に推奨するのではなく、就寝時刻を早めることを積極的に奨励することで、自然に活動的なライフスタイルへと導くことができるのではないか」と付け加えている。

431.

孤独感は心身の健康に悪影響を及ぼす

 孤独感は、うつ病や体調不良のリスクを劇的に高めるようだ。新たな研究で、常に孤独を感じていると答えた人では半数(約50%)がうつ病の診断を受けると予測されたのに対し、孤独を感じたことがない人では10%弱にとどまると推定された。また、常に孤独を感じている人では、精神的・身体的な不調を感じる日も多かったという。米ハワード大学医学部のOluwasegun Akinyemi氏らによるこの研究の詳細は、「PLOS One」に7月9日掲載された。研究グループは、「孤独感は単なる感情状態ではない。心身の健康に明らかな影響を及ぼす。孤独感への対処は、うつ病を軽減し、全体的なウェルビーイングを改善するために、公衆衛生上の重要な優先事項となる可能性がある」と述べている。 この研究でAkinyemi氏らは、2016年から2023年の間に米国で実施された行動リスク要因サーベイランスシステム(Behavioral Risk Factor Surveillance System;BRFSS)のデータを分析して、孤独感とうつ病の診断、精神的または身体的に不調な日との関連を検討した。孤独感は「どのくらいの頻度で孤独を感じますか?」という質問で測定され、「常に」「たいてい」「時々」「まれに」「全くない」の5つのレベルに分類された。社会人口学的特徴を調整し、BRFSSのサンプリングウェイトおよび州・年ごとの固定効果を考慮した上で、逆確率重み付け(IPW)を用いて孤独感が及ぼす平均的な影響を推定した。対象者は総計4万7,318人で、白人が73.3%、女性が62.1%、18〜64歳が72.1%を占めていた。 分析の結果、孤独を感じる頻度が高いほどうつ病発症のリスクも高まることが示された。具体的には、「全くない」群での予測確率は9.7%であったのに対し、「まれに」の群では16.3%、「時々」の群では30.6%、「たいてい」の群では47.7%、「常に」の群では50.2%であった。また、孤独感の頻度が高いほど、精神的・身体的に不調を感じる日数が増加する傾向が認められた。例えば、精神的な不調を感じる日数は、「常に」の群で月平均19.95日であるのに対し「全くない」群では9.36日、身体的な不調を感じる日数は、それぞれ15.83日と11.22日であった。 さらに、一部のグループは他のグループよりも孤独の影響をより強く受けることも判明した。例えば、孤独を感じる頻度を問わず、女性では男性よりも、また白人では黒人よりもうつ病になる可能性が高く、精神的に不調な日も多かった。 Akinyemi氏は、「若い成人、女性、失業者、教育歴があまりない人は、孤独感を訴える傾向が強かった。孤独感は、高齢者だけではなく、あらゆる年齢層や背景を持つ人々にも影響を及ぼす」と述べている。 Akinyemi氏らは、孤独感はストレスのかかった状況下で生じる防御システムである闘争・逃走反応を刺激するか、セロトニンやドパミンなどの神経伝達物質の流れに影響を及ぼすことで、健康に影響を与えるのではないかと推測している。同氏らは、「これらの神経化学的変化は、社会とのつながりが失われているという心理的負担が重なって、うつ病の症状のリスクを増大させる可能性が高い」と記している。さらに同氏は、「孤独を認めることは、弱さや社会的失敗と捉えられがちであり、それが支援を求めることをためらわせてしまう。この沈黙が、健康への悪影響や長期的な害を引き起こす可能性がある」と述べている。 研究グループは、今後の研究では孤独感を軽減することで心身の健康が改善されるのかどうかを検討すべきだと話している。

432.

医療従事者におけるベンゾジアゼピン使用が仕事のパフォーマンスに及ぼす影響

 不眠症や不安症の治療によく用いられるベンゾジアゼピン(BZD)は、スペインでの使用が増加しており、濫用や依存のリスクに対する懸念が高まっている。スペイン・Miguel de Cervantes European UniversityのCarlos Roncero氏らは、医療従事者におけるBZDおよびその他の向精神薬の使用状況を調査し、その使用率、関連因子、そしてCOVID-19パンデミック後のメンタルヘルス問題との関連性を評価した。Journal of Clinical Medicine誌オンライン版2025年6月16日号の報告。 Salamanca University Healthcare Complex(CAUSA)の医療従事者1,121人を対象に、2023年3月〜2024年1月に匿名オンライン調査を実施した。完全解答が得られた685人のデータを分析した。不眠症、不安症、うつ病の評価には、不眠症重症度質問票(ISI)および患者健康アンケート(PHQ-4)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・回答者のうち、睡眠薬を使用していると解答した割合は23.8%、そのうち27.8%は処方箋なしと回答した。・さらに、うつ病または不安症の治療薬を使用していた人の割合は14.7%、処方箋なしと回答したのは、わずか0.6%であった。・睡眠薬の使用と関連していた因子は、高齢、不眠症、不安症、うつ病、心理療法または精神科治療、COVID-19の後遺症、睡眠障害の診断であった。・夜勤は、男性では睡眠薬の使用増加と関連が認められたが、女性では認められなかった。・これらの薬剤の使用は、QOL低下や仕事のパフォーマンス低下との関連が認められた。 著者らは「BZDの使用、とくに自己判断での使用は、医療従事者の間で広くみられており、一般集団よりも高かった。これらの結果は、向精神薬の使用に対処し、不眠症に対する他の薬理学的および非薬理学的な代替療法の促進、脆弱集団に対するメンタルヘルス支援の強化などターゲットを明確にした介入の必要性を浮き彫りにしている」と結論付けている。

433.

抗うつ薬中止後の離脱症状発生率とうつ病再発への影響

 抗うつ薬中止後にみられる離脱症状の発生率やその性質は依然としてよくわかっていない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのMichail Kalfas氏らは、抗うつ薬の服用を中止した患者において、標準化された尺度(Discontinuation-Emergent Signs and Symptoms[DESS]など)を用いた離脱症状の有無およびそれぞれの離脱症状の発生率を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2025年7月9日号の報告。 2023年11月7日までに公表された研究をEmbase、PsycINFO、Ovid MEDLINE、Cochrane Libraryの各データベースよりシステマティックに検索した。対象研究は、抗うつ薬中止後に、標準化された尺度を用いて離脱症状を報告したランダム化臨床試験(RCT)、それぞれの離脱症状(有害事象など)を報告したRCTとした。抽出したデータは、2人のレビューアーによるクロスチェックを行った。11件のRCTより未発表のデータも追加で対象に含めた。抗うつ薬中止患者、抗うつ薬継続患者、プラセボ中止患者との標準化平均差(SMD)を算出するために、ランダム効果メタ解析を実施した。プラセボと比較したそれぞれの離脱症状の発生率を評価するため、割合およびオッズ比(OR)のメタ解析を行った。異なる抗うつ薬の比較は、サブグループ解析として実施した。データ解析は、2024年9〜12月に行った。主要アウトカムは、標準化された尺度または標準化されていない尺度を用いて測定した抗うつ薬中止に伴う離脱症状の発生率とその性質とした。 主な結果は以下のとおり。・50研究(1万7,828例、女性の割合:66.9%、平均年齢:44歳)のうち、49研究をメタ解析に含めた。・フォローアップ期間は、1日〜52週間。・DESSのメタ解析では、抗うつ薬中止患者は、プラセボまたは抗うつ薬継続患者と比較し、1週間後の離脱症状の増加が認められた(SMD:0.31、95%信頼区間[CI]:0.23〜0.39、11研究、3,915例)。・エフェクトサイズは、DESSにおける1症状増加に相当した。・抗うつ薬中止は、プラセボ中止と比較し、浮動性めまい(OR:5.52、95%CI:3.81〜8.01)、悪心(OR:3.16、95%CI:2.01〜4.96)、回転性めまい(OR:6.40、95%CI:1.20〜34.19)、神経過敏(OR:3.15、95%CI:1.29〜7.64)のオッズ増加と関連していた。・最も多く認められた離脱症状は、浮動性めまいであった(リスク差:6.24%)。・離脱症状の測定は、うつ病患者(5研究)で測定されたにもかかわらず、抑うつ症状との関連は認められなかった。 著者らは「抗うつ薬中止後1週間目における離脱症状の平均数は、臨床的に意義のある離脱症候群の閾値を下回っていることが示唆された。気分症状の悪化は、抗うつ薬中止と関連していなかったことから、中止後の抑うつ症状の再燃は、うつ病の再発を示唆する可能性がある」と結論付けている。

434.

子供の自殺念慮に至る2つの経路が明らかに

 自殺念慮は、若者の間で大きな問題となっている。発達過程における軌跡と関連するメンタルヘルス症状については、これまで十分に解明されていなかった。カナダ・McGill UniversityのMarie-Claude Geoffroy氏らは、思春期初期から若年成人期における自殺念慮の軌跡を調査し、最適な予防策を検討するため、先行または併発するメンタルヘルス症状の特定を試みた。JAMA Psychiatry誌オンライン版2025年7月2日号の報告。 参加者、保護者、教師を含む最新の縦断的コホート研究であるカナダ・ケベック州児童発達縦断研究(QLSCD)のデータを用いて検討を行った。QLSCDは、同州で1997〜98年に生まれた2,120人の単胎児を対象とした人口ベースの出生コホート研究で、2023年(25歳)までフォローアップ調査が行われている。データ分析は、2024年9月〜2025年2月に実施した。主要アウトカムは、過去12ヵ月間の重篤な自殺念慮の有無とし、参加者への質問票により評価した(13、15、17、20、23、25歳時)。調査対象は、親および教師によるメンタルヘルス症状の報告(内向性、外交性など)、検証済み質問票を用いた自己報告とし、5つの発達段階(就学前:3〜5歳、児童期:6〜12歳、思春期前期:13歳、思春期中〜後期:15〜17歳、若年成人:20〜25歳)で標準化した。 主な結果は以下のとおり。・参加者は1,635人(女性:845人[51.7%]、選択的脱落を考慮し重み付け)、自殺念慮について回答し、重み付けが適用された。・次の3つの経路が特定された。 ●自殺念慮が最小限/まったくない:1,433人(87.6%) ●思春期前期に出現:117人(7.1%) ●若年成人期に出現:86人(5.2%)・自殺念慮が思春期前期に出現した群は、最小限/まったくない群と比較し、小児期から成人期にかけて、ほぼすべてのメンタルヘルス症状の上昇との関連が認められた。・思春期前期の自殺念慮の出現には、児童期の抑うつ症状などの内向性症状(リスク比[RR]:1.75、95%信頼区間[CI]:1.45〜2.05)、児童期の破壊的症状などの外交性症状(RR:1.60、95%CI:1.29〜1.91)、母親の反社会的症状(RR:1.39、95%CI:1.11〜1.66)が関連していた。・対照的に、若年成人期における自殺念慮の出現には、思春期中〜後期の抑うつ症状などの思春期にみられる内向性症状(RR:1.84、95%CI:1.28〜2.39)、若年成人期の精神的苦痛の悪化が関連していた。 著者らは「本研究により、若者の自殺念慮に至る2つの経路が明らかとなった。1つは思春期前期に出現し、児童期の内向性/外交性症状が持続する経路、もう1つは若年成人期に出現し、それまでの苦痛を伴わず児童期に内向性症状がみられる経路である。これらの結果は、メンタルヘルス症状への適切な対応と発達段階に応じた予防策の必要性を示唆している」と結論付けている。

435.

うつ病の維持期治療:患者さんの視点から/日本うつ病学会

維持療法にも目を向けて 2025年、うつ病診療ガイドラインが改訂され、うつ病の維持期治療について新しく取り上げられることになった。寛解の後、どのように治療を継続するか、あるいは治療を終了するのかは非常に重要である。 2025年7月11日、第22回日本うつ病学会総会共催シンポジウムにて「うつ病の維持期治療~患者さんの声とともにリカバリーの課題について考える~」と題したセッションが開催され、うつ病の経験を持つ林 晋吾氏が患者さん本人の視点から講演を行った。うつ病患者の回復と家族の視点~残遺症状とEmotional Bluntingの理解~ 林氏は2010年にまずパニック障害を発症し、その後うつ病を発症した。現在は寛解状態にあり、うつ病などの精神疾患を持つ患者さんの家族向けのコミュニティサイトの運営を行っている。当事者としての経験と家族支援を通して見えた維持期における課題として、残遺症状とEmotional Blunting、そして患者家族を含めた環境整備を挙げた。 林氏は寛解後も残遺症状である倦怠感や気分の落ち込み、集中力の低下を感じており、自己否定が強まり、人に相談できない状態に陥ることがあると述べた。また、Emotional Bluntingの影響についても自身の経験をもとにどのような状況になるかを説明した。 Emotional Bluntingとは感情の麻痺や平坦化、無関心、感情的な反応が低下している状態を指し、ポジティブな感情もネガティブな感情も感じにくくなる。Emotional Bluntingによって他人だけでなく自分自身へも関心が持てなくなり、結果として社会との繋がりを避けるようになり、自分自身を矮小な存在と感じてしまうことがあった、と林氏自身の経験を語った。 さらに患者家族の支援を通した活動から、Emotional Bluntingは本人だけでなく、患者家族にも影響を与ることがわかった。感情の麻痺や平坦化、無関心、反応の低下により、患者家族が戸惑いや無力感、悲しみ、患者との距離感などを感じることがあるという。必要とされるサポートとは これらのことから、林氏は2つの観点からサポートの必要性を指摘する。 1つ目は医療者からの情報提供である。患者さん自身、そして患者家族も「この状態は病気の一部である」と理解することで戸惑いは軽減される。そのため、パンフレットなどを活用した情報提供によって理解を支えることが望ましい。 2つ目は患者さんが安心して話せる環境づくりである。「以前興味があったことに関心が持てないことはありませんか?」など、感情の変化に気づけるような問いかけがあると、患者さんも話しやすくなる。つまり、何かおかしいと感じたときに伝えられる環境を作ることが重要である。 うつ病の維持期に見られる残遺症状やEmotional Bluntingは患者さん本人だけでなく、家族にも大きな影響を与える。そのため、これらの症状に対する理解と支援のためには、正確な情報提供と安心して話せる場の整備が欠かせない、と自らの経験を通して維持期の治療で注目すべき点について林氏は語った。

436.

統合失調症患者の認知機能改善に対するメトホルミンのメカニズム

 認知機能低下は、統合失調症の長期予後に悪影響を及ぼす病態であるが、効果的な臨床治療戦略は依然として限られている。トリカルボン酸(TCA)回路の破綻と海馬における脳機能異常が認知機能低下の根底にある可能性が示唆されているが、これらの本質的な因果関係は十分に解明されていない。とくに、ビグアナイド系糖尿病薬であるメトホルミンは、統合失調症患者のさまざまな認知機能領域を改善することが示されており、TCA回路を調節する可能性がある。中国・The Second Xiangya Hospital of Central South UniversityのJingda Cai氏らは、以前、研究において、メトホルミン追加投与が統合失調症患者の認知機能を改善することを報告した。本研究では、認知機能改善とTCA回路代謝物および脳機能との関連を調査した。BMC Medicine誌2025年7月1日号の報告。 対象は、同様の状態にある統合失調症患者58例。メトホルミン1,500mgを24週間追加投与したメトホルミン群と対照群に割り付けた。液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS)法を用いて統合失調症患者の血中における主要なTCA回路代謝物の濃度を検出し、MRIスキャンを実施した。臨床症状の評価には陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、認知機能の評価にはMATRICSコンセンサス認知機能評価バッテリー(MCCB)中国語版を用いた。 主な結果は以下のとおり。・メトホルミン投与24週間後、TCA回路におけるアップストリームの乳酸(24週目:−80.81μg/mL[−96.85〜−64.77])、ピルビン酸(24週目:−17.51μg/mL[−20.52〜−14.49])レベルが低下した。一方、他の7つのダウンストリームの代謝物レベルは上昇した(各々、p<0.001)。・左海馬尾部と右内腹側後頭葉皮質(12週目の群間差:−0.334)、右海馬尾部と右中前頭回(24週目の群間差:0.284)との間の機能的連結性は両群間で有意な差が認められた(p<0.001)。・メトホルミンによる認知機能(ワーキングメモリー/言語学習)および海馬機能連結性(右海馬尾部と右中前頭回)の改善は、TCA回路代謝物の変化と関連していた。 本研究の限界として、サンプル数やフォローアップ期間が不十分な点、メカニズムの詳細は検討が不十分な点が挙げられる。 著者らは「統合失調症患者に対するメトホルミン追加投与は、エネルギー代謝を調節することで、認知機能を改善する可能性が示唆された」と結論付けている。

437.

REM睡眠中の無呼吸は記憶固定化と関連する脳領域に影響を及ぼす可能性

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)に関連した低酸素血症は、前頭頭頂葉脳血管病変と関連し、この病変は内側側頭葉(MTL)の統合性低下や睡眠による記憶固定化の低下と関連するという研究結果が、「Neurology」6月10日号に掲載された。 米カリフォルニア大学アーバイン校のDestiny E. Berisha氏らは、認知機能に障害のない高齢者を対象に、実験室内での終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)および睡眠前後の感情記憶識別能力を実施し、それらを評価する観察研究を行った。PSGから導出したOSAの変数には、無呼吸低呼吸指数、総覚醒反応指数、最低酸素飽和度が含まれた。研究の早期時点で、MRIを用いて脳全体および脳葉の白質高信号域(WMH)の体積とMTLの構造(海馬体積、嗅内皮質〔ERC〕の厚さ)を評価した。 研究対象となったのは、高齢者37人(年齢72.5±5.6歳)であった。解析の結果、低酸素血症の測定値は脳全体のWMH体積を有意に予測した。この関係はREM睡眠中の低酸素血症の重症度に強く関連しており、前頭葉および頭頂葉のWMH体積も予測した。REM睡眠中の低酸素血症とERCの厚さとの関係は、前頭葉のWMH体積増加により間接的に媒介された。また、ERCの厚さ減少は夜間の記憶識別能力の悪化と関連した。 共著者であり同大学のBryce A. Mander氏は、「総合すると、われわれの研究結果は、OSAが、睡眠中の記憶固定化を支える脳領域の変性を通して、加齢およびアルツハイマー病と関連する認知機能低下にどのように寄与するのかを部分的に説明している可能性がある」と述べている。 なお複数の著者が、バイオ製薬企業との利益相反(COI)に関する情報を明らかにしている。

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コーヒーに認知症予防効果を期待してよいのか

 コーヒーおよびカフェインの摂取が高齢者の認知機能に及ぼす影響について、中国・Inner Mongolia Medical UniversityのJinrui Li氏らは、とくにアルカリホスファターゼ(ALP)の潜在的な役割に焦点を当て、調査を行った。Nutrition Journal誌2025年7月1日号の報告。 2011〜14年の米国国民健康栄養調査(NHANES)データより抽出した60歳以上の2,254人を対象に分析を行った。認知機能の評価には、老人斑の病理診断のCERADテスト、言語の流暢性を評価するAnimal Fluency test、神経心理検査であるDSSTを用いた。コーヒー摂取、カフェイン摂取、ALPレベルと認知機能との関連を明らかにするため、メンデルランダム化(MR)、タンパク質量的形質遺伝子座解析、タンパク質間相互作用ネットワークなどの手法を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・コーヒー摂取と認知機能に関する重要な知見が明らかとなった。・コーヒーを480g/日以上飲む人は、飲まない人と比較し、低CERADスコアのオッズが有意に低く、完全調整モデル4による調整オッズ比(OR)は0.58(95%信頼区間[CI]:0.41〜0.82)であった。・同様に、カフェイン入りのコーヒーを477.9g/日飲む人のORは0.56(95%CI:0.34〜0.92)。・ALP摂取量の最低四分位と最高四分位の比較では、ORは1.82(95%CI:1.16〜2.85)であり、認知機能との負の相関が認められた。・MR研究では、コーヒー摂取量の増加は、認知機能障害の進行と関連していることが示唆された。しかし、コーヒー摂取はレビー小体型認知症の発症を予防する可能性が示された(OR:0.2365、95%CI:0.0582〜0.9610)。・コーヒー/カフェインの摂取は、血清ALP(OR:0.86、95%CI:0.79〜0.93)および認知機能(OR:0.95、95%CI:0.92〜0.98)に対する予防的作用が認められた。・IGFLR1遺伝子は、ALPと中程度の共局在を示しており、潜在的な治療的意義が認められた。 著者らは「高齢者におけるコーヒー/カフェインの摂取と認知機能との間には正の相関があり、ALPがこの関連に関与している可能性が示唆された。これらの結果は、高齢者の認知機能維持において食事介入を考慮することの重要性を表しており、具体的なメカニズムを明らかにするためにも、さらなる研究の必要性が示された」と結論付けている。

439.

乳製品や甘いものを食べて寝ると悪夢を見る?

 寝る前にアイスクリームやチーズなどの乳製品を食べて悪夢を見たことがあるだろうか。1,000人以上を対象に、食生活と睡眠習慣を調査した新たな研究により、乳糖不耐症の症状が重い人は悪夢をより頻繁に見る傾向のあることが明らかになった。モントリオール大学(カナダ)精神医学教授のTore Nielsen氏らによるこの研究結果は、「Frontiers in Psychology」に7月1日掲載された。 この研究は、2015年に実施された食事と夢の関係に関する研究の続編であるという。Nielsen氏は、「以前の研究では、被験者は悪夢の原因を常にチーズのせいにしていた。今回の研究では、その点についてより良い答えが得られたと思う」と話している。 今回の研究では、大学の心理学の授業の一環として実施された詳細なオンライン調査に対する1,082人の回答を用いて、「食べ物は夢に影響を与える」と人々が考える理由についての仮説を検証した。具体的に検討されたのは、特定の食品が夢に直接影響を与えるのか、生理学的症状を介して影響するのか、あるいは睡眠の質の変化を介して影響するのかである。調査は、特定の食べ物が夢に与える影響に関する自己認識に絞った質問のほか、食生活や食物不耐症およびアレルギーに関する質問、性格に関する質問票や睡眠の質の指標(ピッツバーグ睡眠質問表)、および悪夢障害指数で構成されていた。 その結果、調査参加者の40.2%が特定の食品が睡眠に影響すると回答した。内訳は、睡眠を悪化させるが24.7%、睡眠を改善するが20.1%であった。また、5.5%は食品が夢に影響すると回答した。食品が夢に影響するという回答は、悪夢の想起頻度や悪夢障害指数スコアの上昇と関連しており、主にデザートなどの甘いもの(31%)や乳製品(22%)がその原因として挙げられていた。このような食品の影響に関する認識は、食物アレルギーとグルテン不耐症とも関連していた。一方で、睡眠の質の悪化に関する認識は乳糖不耐症と関連し、悪夢障害指数スコアは食物アレルギーおよび乳糖不耐症と強く関連し、さらに乳糖不耐症との関連は胃腸症状の重症度により媒介されていることも示された。 本研究には関与していない米コロンビア大学睡眠・概日リズム研究卓越センター所長のMarie-Pierre St-Onge氏は、「さまざまな夢に関連する睡眠障害の多くは消化器症状に起因している可能性がある」と話す。また、同じく本研究には関与していない、米ボストン大学の神経学者であるPatrick McNamara氏は、「乳糖不耐症の引き金となる食品を摂取すると、ミクロ覚醒と呼ばれる睡眠障害を引き起こす可能性がある」とNBCニュースに対して語っている。このような影響により、悪夢がより強烈なものに感じられる可能性はある。 ただし専門家らは、この研究により乳製品が悪夢を直接引き起こすことが証明されたわけではないと述べ、慎重な解釈を求めている。研究グループは、他の集団を対象にさらなる調査研究を行い、洞察を深めたいとの考えを示している。

440.

アリピプラゾールLAIの長期結果〜10年間ミラーイメージ研究

 統合失調症などの精神疾患では、再発が頻繁に発生する。長時間作用型注射剤抗精神病薬(LAI)は、入院予防や服薬アドヒアランス、患者アウトカムの改善に有効であるにもかかわらず、依然として十分に活用されているとはいえない。さらに、新規製剤や縦断的研究によるエビデンスは、一般的に長期投与されているにもかかわらず、限られたままである。このようなデータ不足を解消するため、英国・West London NHS TrustのJoshua Barnett氏らは、長時間作用型製剤として入手可能な唯一の第3世代抗精神病薬アリピプラゾールLAIの月1回投与の長期的な有効性および受容性を評価するため10年間のミラーイメージ研究を実施した。Schizophrenia誌2025年6月23日号の報告。 実用的かつ独立した10年間のミラーイメージ研究は、英国ロンドンの大規模都市部メンタルヘルスサービスにおいて実施した。アリピプラゾールLAI投与を開始した成人患者を対象に、5年間の入院率および治療継続率を評価した。治療開始前後5年間の入院頻度と期間、治療中止率およびその理由は電子記録によって記録された。治療完了群と治療中止群、統合失調症患者と非統合失調症患者でのアウトカムの違いを比較する解析を別途実施した。 主な内容は以下のとおり。・本研究には、合計135例(統合失調症患者:63%、非統合失調症患者:37%)が含まれた。・5年後の治療中止率は47%(1年目:23.7%、2年目:13.6%、3年目:7.9%、4年目:7.3%、5年目:5.3%)であった。・5年間のアリピプラゾールLAI治療を完了した患者は53%であり、治療開始前の5年間と比較し、平均入院回数が88.5%減少(1.57回から0.18回へ減少、p<0.001)、平均入院日数が90%減少した(103日から10日へ減少、p<0.0001)。・入院回数中央値は1回から0回、入院日数中央値は68日から0日に減少した(各々、p<0.001)。・対照的に、治療中止群(47%)はアウトカム不良であり、5年間の入院回数の減少率は29.9%であった。・治療中止の主な理由は、コンプライアンス不良、効果不十分であり、忍容性によるものはほとんどなかった。・他のLAIからアリピプラゾールLAIへの切り替え以外で、治療継続を予測する主な臨床的および人口統計学的因子は認められなかった。・アウトカムは、診断にかかわらず一貫していた。・潜在的な交絡因子として、厳格な適格基準による多くの患者の除外、研究期間中の医療政策の変更などが挙げられる。 著者らは「本研究は、アリピプラゾールLAIによる5年間の治療における入院および治療継続を評価した初めての研究である。アリピプラゾールLAIの使用は、入院回数の大幅な減少と関連しており、治療完了群の85%は再入院の必要がなかったのに対し、治療中止群では30%にとどまった。これらの実臨床における知見は、アリピプラゾールLAIの長期的な価値を裏付けており、臨床意思決定におけるLAI導入の障壁を解消するうえで役立つ可能性がある」としている。

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