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あなたには帰る家がある(後編)【なんで倦怠期は「ある」の?どうすればいいの?】Part 2

倦怠期にどうすればいいの?倦怠期の起源は、生存、生殖、そして社会に適応的であったことによるものであることが分かりました。それでは、倦怠期にどうすればいいのでしょうか? ここから、不安定な愛着スタイル、男女の脳機能の違い、ジェンダーギャップという3つの原因に対しての対策をそれぞれご紹介しましょう。(1)不安定な愛着スタイルへの対策-アサーションアサーションとは、相手にうまく伝えるためのコミュニケーションスキルのことです。英語で直訳すると「主張」ですが、意訳すると「爽やかな言い方」になるでしょう。たとえば、真弓が秀明に面と向かって「パパって家族のこと、何にも考えてないでしょ!」と怒鳴るシーンがあります。これは、アサーションでは、感情的に相手を威嚇・挑発するという攻撃的なコミュニケーションに当たります。これは、言い過ぎです。一方、その真弓の剣幕に対して秀明は、にらみ返しますが、しばらくして急に作り笑いをして無言になります。これは、アサーションでは、相手に気を遣って我慢するという非主張的なコミュニケーションに当たります。これは、言わなさ過ぎです。このように、攻撃と非主張のコミュニケーションがパターン化されることで、ガミガミ型(不安型)とヘコヘコ型(回避型)のコミュニケーションスタイル(愛着スタイル)が強化されていくという悪循環が起きるわけです。これは、太郎と綾子のコミュニケーションにもきれいに当てはまります。アサーションによる取り組みによって、まず、このようなコミュニケーションのパターンに気付くことです。そして、攻撃でもなく非主張でもなく、自分の気持ちや思いを大切にして率直に伝えると同時に、相手の気持ちや思いも大切にして耳を傾けるアサーティブなコミュニケーションをすることです。根っこにある愛着スタイルは、あくまでコミュニケーションの「癖」です。「癖」は意識して、トレーニングをして変えていくことができます。実際に、真弓が秀明に離婚を切り出すシーンで、真弓は「悔しいけど、私自分で思っていたより、ずっとパパのこと好きだった。だから、パパ、私傷ついたよ」と冷静に伝えています。すると、秀明は「ウニ丼の店、また行こう」「映画も」ともう一度やり直したい気持ちを素直に打ち明けます。また、太郎は、真弓の指摘の甲斐もあって、これまでのような綾子を言いなりにさせる夫婦関係を悔い改めます。ラストシーンでは、綾子が「誰のおかげ?」と冗談めかして太郎にたずね、太郎は「綾子のおかげです」と笑顔で答えています。もはや、この2組の夫婦関係は、かかあ天下型でも亭主関白型でもなくなってきています。なお、アサーションの詳細については、関連記事9をご参照ください。 (2)男女の脳機能の違いへの対策-夫婦間のSSTSST(ソーシャルスキルトレーニング)とは、社会的なスキルをトレーニングすることです。SSTは、先ほどのアサーションも広い意味では含みます。この記事では、SSTをとくに男女の脳機能の違い、つまり理屈っぽい夫(システム化)と情緒的な妻(共感性)へのコミュニケーションスキルについてそれぞれフォーカスします。この取り組みによって、前編でご紹介したカサンドラ症候群や「逆カサンドラ症候群」を予防しましょう。a. 理屈っぽい夫へのSSTこれは、妻が、夫は共感が苦手であることを理解して、論理的に接することです。ポイントは、以下の3つのきっちり感です。男性は、きっちりという形(結果)に重きを置くからです。これらは、男性同士のコミュニケーションでは、当たり前のようにやられています。1つ目は、きっちり説明することです。たとえば、家事の分担をお願いするとき、妻は「私のつらさを察して」と感情的に言わず、家事の負担、妻も仕事をしている場合はその負担、子どもがいるなら育児の負担の内容を具体的に書き出し、さらには数値化もすることです。お願いする根拠を示すことで、理屈で訴えることです。また、連絡事項は、結論から言い、「3つある」とポイントをカウントすることです。伝え方としては、いきなり話し出すのではなく、顔を見て、間を置くことです。この理由は、男性は、女性と比べて、視覚的な情報処理が得意である一方、聴覚的な情報処理が不得意だからです。その起源は、男性の脳機能が狩りのため、そして女性の脳機能が子育てのために最適化されてきたからと言えます。よって、男性は、遠くのものや位置関係など把握する空間認識能力は長けていますが、女性のように近くのものや声を把握する危機回避能力は長けていないのです。2つ目は、きっちりルール化することです。この理由は、ルールとは理屈そのものなので、男性に受け入れやすいからです。たとえば、家事について「気付いて臨機応変に動いて」と漠然と期待せず、家事の内容や時間を細かく分けて、分担表を張り出すことです。また、愚痴りたい時、「優しくして」と情緒的に言うのではなく、「今、愚痴りたい。『大変だったね』のひと言のみちょうだい」「いつもの慰め一発ちょうだい」と具体的に言うことです。3つ目は、きっちり感謝することです。たとえば、分担した家事について「ちゃんとできていない」と厳しくダメ出しせず、完璧でなくても「ありがとう」「助かる」「うれしい」というポジティブな言葉をあえて言い、時にメールや手紙で文章にすることです。この理由は、「頼れる夫」というメンツを守るためです。メンツは、体裁という形(システム)であるため、より男性が重んじるからです。さらには、妻が「このフタ取れない。取ってくれない?」とわざと甘えるのも効果的でしょう。b. 情緒的な妻へのSSTこれは、夫が、妻は理屈が苦手であることを理解して共感的に接することです。ポイントは、以下の3つのとりあえず感です。女性は、とりあえずという流れ(プロセス)に重きを置くからです。これらは、女性同士のコミュニケーションでは、当たり前のようにやられています。1つ目は、とりあえず謝ることです。たとえば、夫の帰宅が遅くなった時、夫は「急な残業だからしょうがないじゃん」という理屈は言わず、まず「心細い思いをさせてごめん」と謝ることです。簡単に謝るのは納得できないと思うかもしれませんが、この場合の謝ることは、共感的な挨拶であるととらえ直しましょう。たとえ妻が「仕事と私、どっちが大事なの?」という究極の質問をしてきても同じです。これは、典型的なジレンマの罠です。夫が「仕事だからしょうがないじゃん」と答えれば、ますます妻の怒りが増します。逆に、「もちろんきみだよ」だと答えても、じゃあなぜ遅かったのかと、結局妻の怒りが増します。かと言って、夫は「そんなこと比べることはできない」と正論を言っても、怒りはおさまりません。なぜなら、妻だってそんなことは最初から分かっているからです。この質問の模範解答は、まず「そんなふうに思わせてごめん」と謝ることです。2つ目は、とりあえず合わせることです。たとえば、妻が困りごとを言った時、「だったらこうすればいいじゃん」という解決策をすぐに言わず、まず「困ったね」「つらいね」と気持ちに寄り添う言葉かけをすることです。この理由は、女性は解決(結論)よりも関係性、つまり大切にされているかを重んじるからです。むしろ、解決策をすぐに言われたら、人格を否定されたとも受け取りかねません。3つ目は、とりあえず雑談することです。たとえば、妻が1日の出来事の報告を延々と話している時、夫は「オチがない」と否定せず、「そうそう!」「分かる~」と合いの手を入れることです。また、自分もオチのない話をあえてすることです。これは、ある意味「共感オチ」です。お互いに大切にしているというメッセージを伝え合う目的があると理解しましょう。メールやラインで、妻が「今、○○中」との事実の報告のみを送ってきた場合、夫は「だから?」と決して無視せず、「こっちは××中」と事実の報告返しをすることです。これは、どこにいても相手のことを思っているというメッセージを伝え合う目的があると理解しましょう。(3)ジェンダーギャップへの対策-共働きと共子育て共働きが夫も妻も働くことであるように、共子育てとは夫も妻も子育てにかかわることです。もちろん、家事は言うまでもありません。この2つの取り組みによって、夫婦が、再びお互いに関心を抱き、心を通じ合い、対等になり、モラルハラスメントや共依存を予防することができます。とくに、欧米では、共働きも共子育ても当たり前になっています。夫が子育てにかかわらないのも、妻が働かないのも少数派です。夫が育児や家事をしないのと同じように、妻が仕事をしないことが問題視されます。妻が働いていない場合は、病気なのかと周りから思われます。それほど専業主婦という概念そのものが薄れています。妻が働く意味は、妻が経済的な自立だけでなく、心理的な自立も取り戻し、真に夫と対等に夫婦の決定ができるようになることです。そして、そもそも話し合いができない、対等になれないのであれば、離婚という限界設定ができることです。妻は、夫が定年退職するまで我慢して待たなくてよくなります。熟年離婚ほどお互いに不幸なものはありません。早い段階で見切りを立てることができれば、再婚のチャンスもあります。逆に言えば、離婚という限界設定があるために、夫がモラルハザードに陥ることなく、夫婦の決定に真剣に向き合うようになるとも言えます。ドラマの中で、太郎は、綾子の本気の離婚の申し出によって初めて彼女への理解を深め、今までの接し方を悔い改めました。ただし、日本では、女性が働きたくてもなかなか働けない、男性が働かされ過ぎて家事や育児をやる余裕がないという現実もあります。その原因は、雇用の流動性が低いという社会構造です。そして、それを下支えする集団主義による男尊女卑の文化(権威主義的パーソナリティ)です。もちろん、制度改革をもっと進める必要がありますが、少なくとも、妻は子育てのために仕事を辞めないこととそもそも最初から専業主婦を目指さないマインドを持つ必要があるでしょう。そして、夫は育児のために仕事をセーブするマインドを持つ必要があるでしょう。ちなみに、夫婦ですぐにできる「制度改革」があります。それは、真弓や英明のように夫婦が「パパ」「ママ」という役割で呼び合うのではなく、名前で呼び合うことです。これは、お互いを親としてではなく、男女としてみることにつながります。親であること以上に、まず夫婦であること、男女であることが最優先であることを意識づけすることができます。これは、結果的に私たちのためだけでなく、次世代のためにもなります。結局、政治は政治家を選ぶ国民一人一人の意識や文化に根ざしています。国を変えるには、まず家庭の中の夫婦がその関係のあり方を見つめ直し、その夫婦(親たち)をモデルとする次世代(子どもたち)に影響を与えていく必要があるでしょう。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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あなたには帰る家がある(後編)【なんで倦怠期は「ある」の?どうすればいいの?】Part 3

私たちが「帰る家」とは?倦怠期への対策として、アサーション、夫婦間のSST、共働きと共子育ての3つの対策をそれぞれご提案しました。最後に、夫婦関係を「屋上のある2階建ての家」になぞらえて考えてみましょう。なお、この家の1階、2階、屋上の3段階は、マズローの欲求5段階説をもとにしています。(1)1階-「経済共同体」-共同経営者土台となる1階は、「経済共同体」であることです。夫婦は、「一心同体」「運命共同体」であるという幻想を抱く前に、現実的にも法律的にも経済を共有する関係であることです。言い換えれば、夫婦関係で一番大事なことは、生活が安定していることです。それは、お金、時間、労力において余裕があることです。また、夫婦関係は、例えるなら共同経営者であることです。上司と部下ではないです。逆に言えば、不公平になっていたり決定権が偏っている場合、そして先ほどご紹介したアサーションや夫婦間のSSTでも一方が改善するつもりがない場合、先ほどの限界設定が必要になります。なお、この1階は、マズローの1段目の「生理的欲求」と2段目の「安全欲求」に重なります。(2)2階-「苦楽共同体」-親友1階の土台をもとに発展していく2階は、「苦楽共同体」です。夫婦は、助け合い、励まし合い、慰め合って、苦楽を共にして乗り越えていく関係であることです。言い換えれば、夫婦関係で次に大事なことは、信頼関係を築いていることです。それは、夫婦がお互いのことを最優先に考えることです。つまり、仕事、子ども、自分の親などは二の次になるということです。この点で、夫婦関係は、親友であることでもあります。逆に言えば、一方が不倫をしている場合、もはや親友ではなく、先ほどの限界設定が必要になります。なお、この2階は、マズローの3段目の「愛情欲求」と4段目の「承認欲求」に重なります。(3)屋上-「価値共同体」-パートナー最後は、3階ではなく屋上としたのは、多くの夫婦が1階と2階でうまくいっているからです。つまり、屋上は、必ずしも必要なものではなく、あれば理想といえる位置づけです。それは、「価値共同体」です。夫婦は、いっしょに叶えたいことに向かって突き進んでいく関係であることです。言い換えれば、夫婦関係の究極は、夫婦でいることの社会的な価値を見いだすことです。例えば、旅行、スポーツ、アート、楽器演奏、学問追求などを通して、いっしょに何かを実現していくことです。そして、周り(社会)に貢献していくことです。ただし、ここで注意すべきことは、子育てのみを夫婦の価値にしないことです。なぜなら、子育てには終わりがあるからです。この境地で、夫婦関係は、唯一無二のパートナーであると言えるでしょう。「私たちはこういう夫婦です」「こんなことしてきました」「これからこんなことしていきます」という夫婦のアイデンティティです。このスキルの詳細については、関連記事10をご参照ください。なお、この屋上は、マズローの5段目の「自己実現欲求」に重なります。 夫婦とは?自分の親といっしょにいるのが平均20年、自分の子どもといっしょにいるのが平均20年です。それに対して、夫婦でいっしょにいるのは平均50年です。実は、夫婦は、人生の中で最もいっしょにいる時間が長い人であることが分かります。そんな長い期間、「経済共同体」「苦楽共同体」「価値共同体」であり続けることによってはじめて、夫婦は運命共同体になると思えるのではないでしょうか?<< 前のページへ■関連記事7.昼顔【不倫はなぜ「ある」の?どうすれば?】Part 18.半沢直樹【なんでやられたらやり返すの?逆に手を組むには?(ゲーム理論)】Part 19.逃げるは恥だが役に立つ【アサーション】10.ドンファン【どう愛する?】3)夫のトリセツ:黒川伊保子、講談社+α新書、20194)妻のトリセツ:黒川伊保子、講談社+α新書、20185)専業主婦になりたい女たち:白河桃子、ポプラ新書、2014

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初発精神疾患患者における抗精神病薬治療の中止率

 コンプライアンスの不良は、精神疾患患者にとって重要な問題である。精神疾患の再発を予防するうえで抗精神病薬治療は有用であるが、初回エピソード精神疾患後の治療期間に関する明確な推奨事項はなく、治療中止率やその原因については、よくわかっていない。スペイン・バスク大学のAna Catalan氏らは、初回エピソード精神疾患患者における抗精神病薬治療を中止するまでの期間と再発までの期間について調査を行った。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2020年12月7日号の報告。 初回エピソード精神疾患患者の大規模サンプルを用いて2年間評価し、すべての原因による抗精神病薬治療を中止するまでの期間と最初の再発までの期間を比較した。対象患者の社会人口統計学的および精神病理学的特徴、再発回数を収集した。 主な結果は以下のとおり。・初回エピソード精神疾患患者310例(平均年齢:30.2±11.2歳)を対象に、7つの早期介入チームが評価を行った。・診断では、特定不能の精神疾患(36.1%)が最も多く、使用された抗精神病薬は、リスペリドン(26.5%)、オランザピン(18.7%)が多かった。・最初の抗精神病薬治療の中止理由は、有効性の欠如であり、次いでコンプライアンス不良であった。・抗精神病薬の種類による再発率の差は認められなかった。・剤形では、長時間作用型注射剤(LAI)で治療された患者は、経口剤で治療された患者と比較し、治療から離脱することが少なかった。 著者らは「薬剤間での再発率の差は認められなかったが、剤形間では定着率の違いが認められた。精神医学では、コンプライアンスは依然として重要な問題であるため、LAI治療などさまざまな治療戦略を用いて、コンプライアンス向上を促進する必要がある」としている。

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抗うつ薬とベンゾジアゼピン併用療法に関連する死亡リスク

 抗うつ薬による治療開始後の数週間は、治療効果が十分でないため、不眠や不安による抑うつ症状の軽減に、ベンゾジアゼピン(BZD)が併用される。しかし、抗うつ薬とBZDの併用療法に関連する死亡リスクは調査されておらず、うつ病治療に対するベネフィットも明らかになっていない。この疑問について、韓国・成均館大学校のHan Eol Jeong氏らが、コホート研究による検討を行った。BMC Medicine誌2020年12月9日号の報告。 2002~17年の韓国医療データベースを用いて、人口ベースのコホート研究を実施した。うつ病患者260万人のうち、抗うつ薬またはBZDを新たに処方された患者61万2,729例を抽出した。診断後6ヵ月以内に実施されたうつ病治療に応じて、抗うつ薬単独療法群(AD群)または抗うつ薬とベンゾジアゼピン併用療法群(AD+BZD群)に分類した。群間比較を実施するため、ベースライン特性の調整に傾向スコアを用いた。主要アウトカムは、全死因死亡とした。フォローアップ期間は、アウトカム発現時または研究期間終了時とした。AD群とAD+BZD群の死亡リスクのハザード比(HR)、95%信頼区間(CI)を推定するため、多変量Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・傾向スコアが一致したAD群51万9,780例、AD+BZD群25万9,890例のベースライン特性はバランスがとれていた。・AD+BZD群は、AD群と比較し、全死因死亡リスクの増加と関連が認められた(調整HR:1.04、95%CI:1.02~1.06)。 著者らは「うつ病に対する抗うつ薬とBZDの併用療法は、死亡リスクの中程度の増加と関連が認められたため、BZDを併用する場合には注意が必要である」としている。

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慢性不眠症に対する処方デジタル治療「Somryst」について

 処方デジタル治療(PDT)は、米国食品医薬品局(FDA)に承認された新たなソフトウエアベースの医療機器であり、疾患の治療に用いられる。Somrystは、慢性不眠症治療に対しFDAにより承認された最初のPDTであり、不眠症の認知行動療法(CBT-I)を、モバイルアプリケーションを通じて提供するものである。CBT-Iは、慢性不眠症のガイドラインで推奨される第1選択治療であるが、CBT-Iのセラピストには限りがあり、より多くの患者へCBT-Iを提供するニーズにSomrystは合致する。カナダ・ラバル大学のCharles M. Morin氏は、Somrystについてのレビューを報告した。Expert Review of Medical Devices誌オンライン版2020年11月23日号の報告。 本レビューでは、Somrystの作用機序や技術的特徴、FDA承認時のランダム化試験の安全性および有効性のデータを解説した。 主な結果は以下のとおり。・Somrystは、成人慢性不眠症患者の治療において優れた臨床効果が認められており、リスクを上回るベネフィットをもたらす。・FDA承認時のランダム化試験では、第1世代のCBT-IプラットフォームであるSleep Healthy Using the Internet(SHUTi)の2つの臨床試験に基づき、評価された。・Somrystや一般的なPDTは、効果的な治療へのアクセスを向上させるために、有望なデバイスである。・非接触型であるSomrystは、COVID-19パンデミックなどの安全上の理由により対面診療が利用できないまたは推奨されない場合においても、理想的な治療オプションといえる。

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日本人うつ病就労者における職場での主観的事例の性差

 日本におけるうつ病患者数は、増加を続けている。うつ病による経済的影響には、アブセンティズム(欠勤や遅刻、早退など)とプレゼンティズム(心身の問題によるパフォーマンスの低下)の両方を介した生産性の低下がある。また、うつ病の有病率、発症経緯、自覚症状には、男女間で差があるといわれている。大阪市立大学の仁木 晃大氏らは、日本人うつ病就労者が、職場における問題をどのように認識しているかを調査し、うつ病の初期段階における職場での主観的な機能レベルの性差について検討を行った。Occupational Medicine誌オンライン版2020年11月28日号の報告。 日本人うつ病就労者を対象に、横断的研究を実施した。対象者の職場における主観的な機能レベルの変化は、初回診断後に調査した。対象者が最初に感じた機能レベルの変化に対する性別の影響は、カイ二乗検定および残差分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・調査対象者は、147人であった。・男性では、女性と比較し、仕事の効率が低下したと報告する割合が有意に高かった。・女性では、男性と比較し、同僚や上司との人間関係の問題を報告する割合が有意に高かった。 著者らは「男性では仕事の効率低下、女性では社内での人間関係の問題に注意することが、メンタルヘルスのセルフケアにおいて重要な要素であることが示唆された。管理職に携わる人は、従業員の機能レベルに注意し、適切な社会的支援を提供する必要がある」としている。

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統合失調症の新たな治療標的としてのPPARαの可能性

 統合失調症の病態生理は、いまだによくわかっていない。理化学研究所の和田 唯奈氏らは、統合失調症患者における核内受容体の一つであるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)/レチノイドX受容体(RXR)の役割について分析を行った。EBioMedicine誌2020年11月19日号の報告。 日本人統合失調症患者1,200例のDNAサンプルを用いて、分子反転プローブ(MIP)ベースのターゲット次世代シークエンシング(NGS)により、PPAR/RXR遺伝子のスクリーニングを行った。その結果について、日本のコホートデータ(ToMMo)やgnomADの全ゲノムシークエンスデータベースとの比較を行った。PPAR/RXR遺伝子の機能低下と統合失調症との関係を明らかにするため、Ppara KOマウスとフェノフィブラートを投与したマウスを用いて、行動学的、組織学的およびRNA-seq解析により評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症のリスク変異体として、c.209-2delAの欠損およびHis117Gln、Arg141Cys、Arg226Trpのミスセンス変異が同定された。・c.209-2delA変異は、未成熟終止コドンを生成した。・3つのミスセンス変異は、in vitroでの転写因子としてのPPARα活性を有意に低下させた。・Ppara KOマウスは、行動障害や大脳皮質のシナプス形成障害など、統合失調症に関連する表現型を示した。・フェノフィブラート経口投与により、NMDA受容体拮抗薬であるフェンサイクリジンにより誘発される脊椎病変の軽減が認められた。・フェノフィブラートを事前に投与しておくと、ほかのNMDA受容体拮抗薬であるMK-801に対するマウスの感受性が抑制された。・RNA-seq解析により、PPARαがシナプス形成シグナル伝達経路関連遺伝子の発現を調整していることが明らかとなった。 著者らは「統合失調症発症の根底にあるメカニズムには、PPARαで調整される転写機構やシナプスの調整が関連していることが示唆された。PPARαが統合失調症の治療ターゲットになり得ることが発見されたことで、新規治療薬開発への道が拓ける可能性がある」としている。

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COVID-19パンデミックによるメンタルヘルスへの影響~メタ解析

 COVID-19に関連したうつ病、不安神経症、不眠症、PTSD、精神的苦痛(PD)の有病率を推定するため、カナダ・オタワ大学のJude Mary Cenat氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Psychiatry Research誌オンライン版2020年11月26日号の報告。 Medline、Embase、APA PsycInfo、CINAHL、Scopus、Web of Scienceより検索を行った。うつ病、不安神経症、不眠症、PTSD、PDの有病率について性別、医療従事者、調査対象地域におけるグループ間の違いを評価するため、ランダム効果メタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・2,189件の研究をスクリーニングし、136件について評価した。その内、メタ解析の選択基準を満たした研究は、55件(18万9,159例)であった。・うつ病の有病率は、15.97%(46件、95%CI:13.24~19.13)であった。・不安神経症の有病率は、15.15%(54件、95%CI:12.29~18.54)であった。・不眠症の有病率は、23.87%(14件、95%CI:15.74~34.48)であった。・PTSDの有病率は、21.94%(13件、95%CI:9.37~43.31)であった。・PDの有病率は、13.29%(19件、95%CI:8.80~19.57)であった。・グループ間の違いは、非医療従事者と比較し、医療従事者における不眠症有病率の高さのみで認められた(z=2.69、p<0.05)。 著者らは「COVID-19による短期的なメンタルヘルスへの影響は、影響を受けた地域および性別において同様に大きいことが示唆された。しかし、医療従事者においては、不眠症の有病率が、非医療従事者よりも有意に高い」としている。

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COVID-19の症状悪化をフルボキサミンが抑制する可能性/JAMA

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬のフルボキサミンが、サイトカイン産生を調節するσ-1受容体を刺激することにより、軽度のCOVID-19患者の臨床的悪化を抑制する可能性が示唆された。米国セントルイス・ワシントン大学のEric J. Lenze氏らは、症状を有するCOVID-19の成人外来患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験において、フルボキサミンで治療された患者がプラセボより臨床的悪化が少なかったことを報告した。ただし、本研究はサンプルサイズが小さく観察期間が短いため、臨床効果を判断するために大規模無作為化試験が必要としている。JAMA誌2020年12月8日号に掲載。 本試験の対象は、セントルイス大都市圏(ミズーリ州とイリノイ州)に在住で、SARS-CoV-2感染が確認され7日以内にCOVID-19症状が発現し、酸素飽和度が92%以上の外来成人患者。2020年4月10日~8月5日に152例が登録され、9月19日まで追跡された。参加者は無作為にフルボキサミン100 mg(80例)またはプラセボ(72例)1日3回15日間投与に割り付けられた。主要評価項目は、無作為化後15日以内に「呼吸困難(すなわち息切れ)または息切れ/肺炎による入院」および「室内気で酸素飽和度92%未満または酸素飽和度92%以上に達するために酸素投与が必要」の両方を満たす臨床的悪化であった。 主な結果は以下のとおり。・無作為化された152例(平均年齢46歳[SD:13歳]、女性109例[72%])のうち、115例(76%)が試験を完了した。・臨床的悪化は、フルボキサミン群の80例中0例、プラセボ群72例中6例でみられた(絶対差:生存解析により8.7%、95%CI:1.8~16.4%、log-rank p=0.009)。・フルボキサミン群で重篤な有害事象1例、他の有害事象11例、プラセボ群では重篤な有害事象6例、他の有害事象12例が報告された。

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コロナ禍で増えた失業・自殺・労災請求、今後の見通しは?/日医

 日本医師会・松本 吉郎常任理事が、コロナ禍における今日の社会経済情報として、失業、自殺、労災認定などのデータを示しながら、日本医師会の見解を述べた。自殺者増は5ヵ月連続、失業率の上昇で今後さらに増える可能性も まず、完全失業率(季節調整値)のデータを示し、本年10月は男3.4%、女2.7%(男女計3.1%)と、コロナ流行以前の1月(男2.4%、女2.2%、平均2.2%)と比較して高い状況にあることを説明。完全失業者のうち、「勤め先や事業の都合による離職」は45万人と、前年同月に比べ22万人増加している。割合としては男性より低い女性も、完全失業者数は「15~24歳」を除くすべての年齢階級で前年同月に比べ増加していることを示した。 月別自殺者数の推移においては、5ヵ月連続で前年を上回っており、新型コロナ流行の長期化で生活苦や家庭などの悩みが深刻化していると分析。6月の緊急事態宣言の解除後にとくに増加していることを指摘し、その要因としては、コロナ禍で浮き彫りになった女性の非正規雇用者の失業やDVの相談件数の増加などが影響している可能性があるとした。 松本氏は、今後の見通しとして、失業率が1%増えると自殺者総数が1,000~2,000人増えるとの報告もあることに触れ、「コロナ感染そのものによる死亡者数よりも、数では大きくなることが想定される。また、失業率増加の後を追って自殺者数が増加することが多いため、雇用を守ることが命を守ることにつながることの啓発、失業者対策などの十分な広報、その不安に対するメンタルヘルスの実施と長期的継続が必要」との考えを示した。医療従事者はメンタルヘルスのハイリスク、新型コロナ感染も労災請求可能 新型コロナウイルスに関する労災請求件数は、医療従事者などで1,705件(医療業では1,332件)に上っている。なお、請求に対しては、業務外で感染したことが明らかである場合を除き、原則として労災保険給付の対象とされる。厚生労働省は、集団感染が起きた事業所などは、積極的に労災申請するように求めている。 医療・介護従事者などは、従来から精神障害での労災が多いなど、メンタルヘルスの影響を受けやすいハイリスクとされており、日本医師会は、コロナ禍で過重な身体的・精神的ストレスが加わっていることに懸念を表明した。松本氏は、今後も日本医師会として、社会経済状況を鑑み、産業医の支援など、社会貢献していく姿勢を示した。

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軽度から中等度のアルツハイマー病に対する抗Aβ標的薬の有用性~メタ解析

 軽度から中等度のアルツハイマー病に対するAβ標的薬の有効性および安全性を評価するため、中国・広州中医薬大学のLiming Lu氏らが、メタ解析を実施した。Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌2020年12月号の報告。 2020年4月までの研究を各電子データベースより検査した。プールされた推定値の算出には、ランダム効果メタ解析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・ランダム化比較試験19件(バイアスリスクが低い研究17件を含む)、対象患者1万2,903例が抽出された。・メタ解析では、抗Aβ薬とプラセボとの間で、アルツハイマー病評価尺度(ADAS-Cog)の認知サブスケールの差は認められなかった(平均差[MD]:0.20、95%CI:-0.40~0.81、I2=99.8%、MID:3.1~3.8、エビデンスの確実性:中程度)。・ADAS-Cogの結果では、Aβのクリアランスを増加させる薬剤(MD:-0.96、95%CI:-0.99~-0.92)と、Aβ産生を減少させる薬剤(MD:0.78、95%CI:0.25~1.32)とでは、効果が異なる可能性が示唆された(交互作用のp<0.000001)。この違いは、MMSEやCDR-SOBの結果でも認められた。・プラセボと比較し、抗Aβ薬に関連する有害事象は、不安、うつ病、下痢、倦怠感、発疹、失神、嘔吐であった。 著者らは「現在の知見から、抗Aβ薬による介入が認知機能低下の抑制に重要な影響を及ぼす可能性が低いことが示唆された。サブグループ解析により、Aβのクリアランスを増加させる薬剤において有用性が示唆されたが、その信頼性は限定的であり、実際のベネフィットは非常に小さいと考えられる」としている。

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第36回 タスクシフトで医師労働時間の短縮計画は実現できるのか?

<先週の動き>1.タスクシフトで医師労働時間の短縮計画は実現できるのか?2.医薬品メーカーに今、問われる安全性と安定供給3.コロナ禍でも着々と進められる社会保障制度改革4.マイナンバーのスマホ搭載でさらなるデータヘルス改革を目指す5.コロナに阻まれる地域医療構想の実現6.准教授の不正請求により再び問われた製薬企業の資金提供1.タスクシフトで医師労働時間の短縮計画は実現できるのか?2019年3月に取りまとめられた「医師の働き方改革に関する検討会」報告書に基づいて、2024年4月からは診療に従事する勤務医における年間の時間外・休日労働の上限は原則960時間以下とされる。2019年7月からは、実際に現場での働き方を改善するために「医師の働き方改革の推進に関する検討会」で討論されてきたが、本年12月21日に中間とりまとめが発表された。過酷な労働環境で働く医師の働き方改革の必要性から、着実に労働時間短縮の取り組みを進められるように、地域医療確保暫定特例水準(B・連携B水準)と集中的技能向上水準(C水準)の対象医療機関の指定の枠組みや、追加的健康確保措置の義務化、履行確保に係る枠組み、医師労働時間短縮計画などについて必要性が指摘されてきた。今後、地域の医療機関は2023年までに地域住民の求める救急医療を提供しつつ、医師事務補助作業員や他職種とタスクシフティングをして、医師の労働時間短縮に取り組む必要がある。(参考)医師の働き方改革の推進に関する検討会 中間とりまとめの公表について(厚労省)2.医薬品メーカーに今、問われる安全性と安定供給製薬業界において、後発品の経口抗真菌薬に通常用量を超える睡眠剤が混入し、死亡者が発生した事件は記憶に新しい。これまで厚労省は、医療費を抑制するため薬価引き下げを続けてきたが、医薬品の製造承認時に定めた製造工程を守れていないメーカーが存在し、今回のような事件が発生した。患者さんに安心して薬物治療を受けていただくためにも、再発防止が望まれる。とくに、薄利多売を求められる後発品は、原薬の調達をインドや中国といった国々に依存しているが、昨年は原薬工場のトラブルにより、セファゾリンの安定供給が途絶えるなど、医療現場に大きな影響が出たばかりだ。医療安全の観点からは、医薬品の安定供給と安全性はコスト削減を実現しながらバランスよく行われるべきである。厚労省は、2020年9月に医薬品の安定確保について取りまとめを発表しており、ワクチンも含め、国民の期待に業界が応える必要がある。(参考)医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(取りまとめ)資料(厚労省)3.コロナ禍でも着々と進められる社会保障制度改革2020年、厚労省は、新型コロナウイルス感染症への対策を打ち出しながらも、2025年に向けた社会保障制度の改革について取り組み続けている。高齢者の自己負担増については、日本医師会から受診抑制への懸念が表明されたにもかかわらず、75才以上の後期高齢者の2割負担導入を決定した。この経緯からも、現役世代から後期高齢者支援への支出軽減というより、現行の社会保障制度を維持する目的が明らかで、一定金額以上の収入のある高齢者には負担増を求め、財政健全化を先送りせずに同時達成する「社会保障と税の一体改革」を実現するためとも言える。新型コロナ感染拡大による財政出動により、健全化の目標は遠のいたが、2025年には団塊の世代が後期高齢者となるため、高齢者医療の支出増に備えた社会保障費の支出マネジメントが、今後も政府の大きな課題となっていくと考えられる。今年の12月14日には、全世代型社会保障改革の方針(案)が取りまとめられており、少子化対策と並んで医療提供体制の改革が述べられている。今後、医療現場でもこの動きを受け止める必要がありそうだ。(参考)全世代型社会保障改革の方針(案)(首相官邸)4.マイナンバーのスマホ搭載でさらなるデータヘルス改革を目指す2020年、政府はマイナンバーの普及促進にさまざまな対策を行ってきた。1人あたり5,000円相当のポイント付与だけでなく、来年度の春から本格的にマイナンバーの利用が推進されることになる。診療所や病院についても、マイナンバー専用端末に補助金を交付し、マイナンバーによって医療機関や薬局において健康保険のオンライン資格確認が可能となる。このほか、マイナポータルを介して、処方箋データや健診データの閲覧など利用者の利便性を高め、複数医療機関での検査、医薬品の処方の重複などを防ぐなど、さらに活用促進を目指す。また、12月23日に開催された社会保障審議会医療保険部会では、マイナンバーカードをスマートフォンに搭載可能にする法改正の検討を行い、保険診療をマイナンバーカードなしでも受けられる方向性について了承を得た。今後のデータヘルス集中改革プランも明らかとなっており、医療現場でも診療情報の情報共有に利用が進むことが期待される。(参考)データヘルス改革の進捗状況等について(厚労省)健康保険証、スマホ搭載 マイナカード活用で可能に(日本経済新聞)5.コロナに阻まれる地域医療構想の実現2025年に向け、病床の機能分化・連携を進めるために、医療機能ごとに医療需要と病床の必要量を推計し、「地域医療構想」の策定を行うため2015年3月から進めてきた。二次医療圏によっては急性期病床が過剰となるため、「地域医療構想調整会議」で協議することとなっていたが、具体的には医療機関の統廃合を伴うため、進捗が遅々として進まなかった。このため厚労省は、2020年1月17日に各都道府県に対して、公立・公的医療機関の再編統合を伴う場合については、遅くとも2020年秋頃までとしていたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大のため、延期を余儀なくされた。今年の9月には公立病院事業934億円の赤字の増加が報道されるなど、地方自治体にとっては運営が今後困難となることが予想される。政府は地域医療構想の実現のために、地域医療連携推進法人の利用や再編を支援する取り組みとして、優遇措置を来年度から開始するなど本格的なテコ入れに乗り出した。2023年度には各都道府県において第8次医療計画(2024~2029年度)の策定作業もあり、コロナの収束を待つ間もなく、議論を重ねていく必要がありそうだ。(参考)公立・公的医療機関等の具体的対応方針の再検証等について(厚労省)令和3年度厚生労働省関係税制改正について(同)6.准教授の不正請求により再び問われた製薬企業の資金提供今年も、麻酔科の元准教授が、実際には使用していない薬剤を手術中に使ったとしてカルテを改ざんし、診療報酬の不正請求を行っていたなど、製薬マネーを巡った大きな報道があった。第三者委員会を立ち上げた病院側によると、同医師は2018年から2年間で、2,800万円以上を不正請求していた。この事件発覚により、大学当局は同医師を懲戒解雇し、10月2日、津地検に刑事告発を行った。その後、12月23日に津地方検察庁から、公電磁的記録不正作出および供用の罪で起訴された。通常、奨学寄付金は製薬企業からアカデミアに対して研究助成目的に提供されるが、今回のように医薬品のプロモーション目的で提供される可能性があり、従来から行っているCOIの開示だけでなく、2020年10月12日に改定された日本製薬工業協会の「医療用医薬品等を用いた研究者主導臨床研究の支援に関する指針」に基づいて、適切に行われる必要性がある。(参考)当院における不正事案について(三重大学医学部附属病院)医療用医薬品等を用いた研究者主導臨床研究の支援に関する指針(日本製薬工業協会)

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維持期双極性障害に対する薬物療法~ネットワークメタ解析

 藤田医科大学の岸 太郎氏らは、維持期の双極性障害患者に対する薬物療法において、どの抗精神病薬および/または気分安定薬が優れているかを調査した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2020年11月11日号の報告。 2020年5月22日までに公表された研究を、Embase、PubMed、CENTRALより検索した。2つのカテゴリーにおけるネットワークメタ解析を実施した。カテゴリー1には、単剤療法の研究および2種類の使用薬剤が特定された研究を含めた。カテゴリー2には、リチウム(LIT)またはバルプロ酸(VAL)と第2世代抗精神病薬(SGA:アリピプラゾール、ルラシドン、オランザピン、クエチアピン、ziprasidone)を併用し、プラセボ+LIT/VALと比較した研究を含めた。主要アウトカムは、いずれかの気分エピソードの再発再燃率とした。その他のアウトカムは、うつ病エピソードおよび躁病/軽躁病/混合エピソードの再発再燃率、中止率、死亡率、各有害事象とした。リスク比と95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・41件のランダム化比較試験が特定された(9,821例、平均研究期間:70.5±36.6週、女性の割合:54.1%、平均年齢:40.7歳)。・カテゴリー1の内訳は以下のとおりであった。【単剤療法】アリピプラゾール、アリピプラゾール月1回製剤、アセナピン、カルバマゼピン、ラモトリギン、LIT、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、プラセボ【特定された2剤の併用療法】アリピプラゾール+ラモトリギン、アリピプラゾール+VAL、ラモトリギン+VAL、LIT+オクスカルバゼピン、LIT+VAL・カルバマゼピン、ラモトリギン+VAL(データなし)、パリペリドンを除く治療は、いずれかの気分エピソードの再発再燃率においてプラセボよりも優れていた。・アリピプラゾール+VAL、ラモトリギン、ラモトリギン+VAL、LIT、オランザピン、クエチアピンによる治療は、うつ病エピソードの再発再燃率においてプラセボよりも優れていた。・アリピプラゾール+VAL、カルバマゼピン、ラモトリギン、ラモトリギン+VALを除く治療は、躁病/軽躁病/混合エピソードの再発再燃率においてプラセボよりも優れていた。・アセナピン、LIT、オランザピン、クエチアピン、VALによる治療は、すべての原因による中止率においてプラセボよりも優れていた。・オランザピン+LIT/VALを除くすべてのSGA+LIT/VALによる治療は、いずれかの気分エピソードの再発再燃率においてプラセボ+LIT/VALよりも優れていた。・ルラシドン+LIT/VAL、クエチアピン+LIT/VALによる治療は、うつ病エピソードの再発再燃率においてプラセボ+LIT/VALよりも優れていた。・アリピプラゾール+LIT/VAL、クエチアピン+LIT/VALによる治療は、躁病/軽躁病/混合エピソードの再発再燃率においてプラセボ+LIT/VALよりも優れていた。・ルラシドン+LIT/VAL、クエチアピン+LIT/VALによる治療は、すべての原因による中止率においてプラセボ+LIT/VALよりも優れていた。・治療効果、忍容性、安全性プロファイルは、各治療で異なっていた。

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統合失調症の心臓突然死リスク、抗精神病薬と年齢との関係

 抗精神病薬を服用している統合失調症患者の心臓突然死リスクに対する年齢の影響について、台湾・台北医科大学のPao-Huan Chen氏らが調査を行った。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌2020年11月号の報告。45~65歳の統合失調症患者ではリスペリドン服用により突然死リスクが増加 対象は、台湾全民健康保険研究データベースおよび死亡診断書システムより抽出した、2000~16年に心臓突然死で死亡した統合失調症患者1,836例。14日間のウインドウ期間を設定したクロスオーバー研究を実施した。サブグループ解析では、患者の年齢で3群(45歳未満、45~65歳、66歳以上)に層別化し、抗精神病薬を服用している統合失調症患者の心臓突然死リスクに対する年齢の影響を評価した。 抗精神病薬を服用している統合失調症患者の心臓突然死リスクに対する年齢の影響を評価した主な結果は以下のとおり。・66歳以上の統合失調症患者では、抗精神病薬と心臓突然死リスクとの間に関連性は認められなかった。・45歳未満の統合失調症患者では、ゾテピン服用により、心臓突然死リスクの有意な増加が認められた(調整済み相対リスク[aRR]:2.68、p=0.046)。・45~65歳の統合失調症患者では、flupentixol(aRR:5.30、p=0.004)およびリスペリドン(aRR:1.68、p=0.01)服用により、心臓突然死リスクの有意な増加が認められた。 著者らは「統合失調症患者の心臓突然死リスクに対する各抗精神病薬の影響が明らかとなった。臨床医は、抗精神病薬治療によるリスクとベネフィットを評価する際、患者の年齢を考慮する必要がある」としている。

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うつ病、不安症、パニック症に対するインターネットベースの認知行動療法

 セラピストによるインターネットベースの認知行動療法(ICBT)は、うつ病、社交不安症、パニック症に対し有用であるといわれているが、その治療効果に対するリアルワールド環境の影響や予測因子については、あまりわかっていない。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のAndrea N. Niles氏らは、うつ病、社交不安症、パニック症患者に対するICBTの有用性と症状改善の予測因子について、検討を行った。Behaviour Research and Therapy誌オンライン版2020年11月21日号の報告。 教育クリニック(teaching clinic)において10週間のICBTを行ったうつ病患者114例、社交不安症患者150例、パニック症患者106例を対象としたプロスペクティブコホート研究を実施し、治療効果と症状改善の予測因子について検討を行った。患者の症状は、治療前、治療中、治療後に自己申告で収集した。 主な結果は以下のとおり。・各疾患の主要症状に対するエフェクトサイズは大きかった。 ●うつ病:d=1.48 ●社交不安症:d=1.01 ●パニック症:d=1.15・うつ病に対するICBTの症状改善効果の予測因子は、心理学的治療歴なし(r=0.21)、ベースライン時のネガティブな思考の多さ(r=0.20)であった。・パニック症に対するICBTの症状改善効果の予測因子は、ベースライン時の安全な行動の多さ(r=0.25)であった。・統計学的モデルにベースライン症状を含めた場合でも、予測因子は有意なままであった。 著者らは「教育クリニックでのICBTは有用であり、ベースライン時の問題がより顕著な患者において、よりよいベネフィットが期待できる」としている。

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うつ病に対する非定型抗精神病薬補助療法プロラクチン、性機能への影響

 うつ病に対する非定型抗精神病薬補助療法は、エビデンスで支持されている。うつ病では、性機能障害が一般的に認められるが、これが抗精神病薬の副作用により悪化する可能性がある。米国・バージニア大学のAnita H. Clayton氏らは、うつ病患者のプロラクチンと性機能に対するブレクスピプラゾールの影響について、評価を行った。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2020年11、12月号の報告。 短期試験において、うつ病患者にブレクスピプラゾール1、2、3mgまたはプラセボの投与を行った。長期試験では、オープンラベル延長試験として、フレキシブルドーズにてブレクスピプラゾール0.5~3mg/日を投与した。プロラクチンのベースラインからの変化およびプロラクチン関連の治療による有害事象(TEAE)を評価した。性機能の評価には、Massachusetts General Hospital Sexual Functioning Questionnaireを用いた。 主な結果は以下のとおり。・短期試験におけるプロラクチンレベルのベースラインから6週目までの変化量の中央値は、以下のとおりであった。【女性】●ブレクスピプラゾール:5.99ng/mL●プラセボ:-0.15ng/mL【男性】●ブレクスピプラゾール:1.61ng/mL●プラセボ:-0.08ng/mL・長期試験におけるプロラクチンレベルのベースラインから52週目までの変化量の中央値は、女性で0.27ng/mL、男性で0.27ng/mLであった。・ベースライン時のプロラクチンレベルが正常上限値の1倍超の患者におけるプロラクチンレベルは、時間とともに減少する傾向が認められた。・短期試験におけるブレクスピプラゾール治療によってプロラクチンレベルがベースライン後に正常上限値の3倍超となる患者の割合は、男女ともに低く(0~0.3%)、プラセボ群との差は認められなかった。なお、長期試験においてプロラクチンレベルがベースライン後に正常上限値の3倍超となる患者の割合は、女性で0.5%、男性で0.8%であった。・プロラクチン関連TEAE発生率は、短期試験のブレクスピプラゾール群で3.1%、プラセボ群で0.7%、長期試験で3.1%であった。・短期および長期試験では、男女ともにブレクスピプラゾール治療によるベースラインからの性機能改善が認められた。・ブレクスピプラゾール群の女性では、以下の項目について、プラセボ群と比較し、有意な改善が認められた。 ●性的関心:-0.19、95%信頼区間(CI):-0.33~-0.05、p=0.0074 ●欲情:-0.17、95%CI:-0.30~-0.03、p=0.0154 ●全体的な性的満足度:-0.16、95%CI:-0.30~-0.03、p=0.0184 著者らは「うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法は、プロラクチンレベルの変化が小さく、ベースライン後にプロラクチンレベルが上昇した患者の割合が低く、プロラクチン関連TEAE発生率が低く、性機能の適度な改善が認められた」としている。

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高齢者の身体活動とうつ病との関係

 都市部または農村部で生活している高齢者において、日常生活での身体活動(PA)に違いがあるのか、さらにPAとうつ病との関連について、アイスランド大学のBirgitta R. Smaradottir氏らが調査を行った。Laeknabladid誌2020年10月号の報告。 2017~18年のアイスランド北部のデータを用いて、横断的人口ベースの調査を実施した。対象は、地域在住の65~92歳の高齢者175人(参加率:59.7%、女性の割合:43%)であり、地方在住者は40%であった。PAの測定には、Physical Activity Scale for the Elderly(PASE)を用い、PA合計スコアと余暇、家庭、仕事に関連するPAを反映するサブスコアを調査した。うつ症状の評価には、老年期うつ病評価尺度を用いた。 主な結果は以下のとおり。・都市部と農村部のPA合計スコアは同程度であった。・性別では、男性は女性よりも活動的であった。・年齢層では、65~74歳は75~92歳よりも活動的であった。・農村部の高齢者は、都市部と比較し、仕事関連のPAが高かった。65~74歳のPAも75~92歳と比較し、同様であった。・男性は女性よりも、家庭関連でのPAが高かった。・PASEのPA合計スコアおよびサブスコアの高い高齢者では、抑うつ症状の少なさと有意な関連が認められた。・余暇関連のPAは、PASEサブスコアの中で唯一、抑うつ症状の少なさと独立した関連が認められた。 著者らは「さまざまな状況に関連するPAは、健康上のベネフィットをもたらすと考えられるが、余暇関連のPAに注目することは、メンタルヘルスに最も有益な影響を及ぼすであろう」としている。

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治療抵抗性うつ病患者の平均余命調査

 うつ病は、死亡率の増加と関連しているが、治療抵抗性うつ病(TRD)の場合、平均余命にどの程度の影響があるかは不明である。デンマーク・オーフス大学のKathrine Bang Madsen氏らは、TRD患者の原因別超過死亡率および損失生存年数(Life Years Lost:LYL)の推定を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年11月10日号の報告。 デンマーク国立処方箋レジストリより抽出した、2005~12年に初めて抗うつ薬を処方されたデンマーク生まれの18~69歳を対象とした。TRDの定義は、2年以内の2種類以上の異なる抗うつ薬の使用とした。死亡率の比(Mortality rate ratio:MRR)の推定には、初回処方時の年齢、暦年、併存疾患で調整した後、Cox回帰を用いた。平均余命の違いは、LYL法により推定した。 主な結果は以下のとおり。・初めて抗うつ薬治療を受けたうつ病患者15万4,513例のうち、8,294例(5.4%)がTRDであった。・103万2,245人年のフォローアップ期間中に、9,795例が死亡した。・TRDの男性(aMRR:1.34、95%CI:1.18~1.52)および女性(aMRR:1.39、95%CI:1.19~1.63)は、非TRD患者と比較し、死亡率が有意に高かった。・TRDの男性(1.21年、95%CI:0.36~2.44)および女性(1.24年、95%CI:0.35~2.34)は、すべてのうつ病患者よりも、平均余命が短かった。・過剰なLYLの大部分を自殺が占めており、TRDの男性では1.10年(95%CI:0.46~1.61)、女性では0.82年(95%CI:0.44~1.27)であった。・本研究の限界として、処方箋ベースでTRDを定義しているため、誤分類リスクが高まる可能性がある。 著者らは「いくつかの治療に対し適切な反応がみられないTRD患者では、早期死亡(とくに自殺)リスクが高まることが示唆された」としている。

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治療抵抗性うつ病に対するケタミン静注の有効性~メタ解析

 治療抵抗性うつ病(TRD)患者の治療において、ケタミンによる治療が期待されているが、いくつかの問題点は、いまだ不明である。カナダ・コンコルディア大学のWalter S. Marcantoni氏らは、TRD患者に対するケタミン静脈内投与が、うつ病スコア、臨床的寛解および奏効率に及ぼす影響を評価し、時間および頻度の両方における有効性について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年12月1日号の報告。 2019年1月4日までに、TRD患者に対する麻酔域下用量で用いたケタミン治療を評価した研究を5つの電子データベースより検索した。研究の選定、品質評価、データ抽出は、2人のレビュアーが独立して実施した。結果は、narrative synthesisで統合した。投与4時間後、24時間後、7日後のアウトカム測定値の標準化平均差およびオッズ比の調査が可能な場合には、変量効果モデルを用いてメタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・35件の論文より28件の研究が抽出された。・ケタミンの強い効果は、単回投与4時間以内に認められ、24時間でピークに達した。・ケタミンの有効性は、投与7日後でも持続していたが、いくらかの低下は認められた。・複数回投与により、ケタミンの効果は増強、延長された。・TRD患者に対するケタミンの長期的な安全性および有効性は、データが不十分なため、調査されなかった。 著者らは「抑うつ症状の迅速なマネジメントに対し、ケタミン投与は支持された。TRD患者の短期治療においてケタミンは、有用であると考えられる。今後、ケタミン長期投与の有効性、耐性、安全性に関するより多くの臨床的および実験的データが求められる」としている。

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患者の『コロナうつ』、早期発見するには?

 新型コロナウイルス感染症によるメンタルヘルス不調には「感染に対する恐怖・不安」「環境の変化によるストレス」「自粛制限によるストレス」「経済的な不安」などが挙げられるそうだが、ご自身や家族、診察を受ける患者に該当するものはあるだろうかー。 11月18日、うつ病疾患啓発セミナー「雇用形態別に見る、うつ病患者さんの現状と課題―求められる対策とは~働くうつ病患者さん464人への調査結果から見えた実態と新型コロナウイルス感染症の影響~」が開催され、三村 將氏(慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 教授)が「就労するうつ病患者さんの雇用形態別の現状と課題、コロナ禍での影響」について講演。アンケート結果を踏まえ、コロナ禍に悩むうつ病患者の解決策を解説した(主催:武田薬品工業株式会社、ルンドベック・ジャパン株式会社)。メンタルヘルスによる長期休業、15年前の2.5倍 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行する以前から職場におけるメンタルヘルスは問題視されてきたが、コロナ禍ではこの問題に拍車がかかっている。そこでまず、三村氏は職域におけるうつ病について、平成30年度の地方公務員健康状況等の現況概要を示し、「悪性新生物や循環器系疾患などによる休業は15年前から横ばいだが、精神及び行動の障害が影響する休業は15年前の2.5倍にまで増加している」と説明。この原因として、「ストレス社会を反映しているのはもちろん、精神障害による労災申請および労災認定も増加し、過労死・過労自殺なども社会問題となっている」と話した。一方で、自殺件数は国の対策や医療者によるサポートが功を奏し、10年前と比較して減少傾向であった。ところが、今年はCOVID-19の流行により自殺件数がとくに女性で増加し、例年以上に深刻さを増す可能性が指摘されている。在宅勤務の患者へ意識しておきたい3つのこと では、医師としてコロナと関連するストレスに関し、どのような対策を意識しておく必要があるのだろうか。4月16日に発令した緊急事態宣言を受け、多くの企業が在宅勤務へのシフトを余儀なくされた。在宅勤務に関し、さまざまなアンケート調査で、就労者のメリットも多く挙げられていたが、一方で同氏は、「対人関係(孤独感・コミュニケーション困難)、仕事量の増加、仕事時間の長期間化や時間管理の困難など、仕事の質・量・時間に大きな影響を与えている」点も危惧されると指摘した。 また、これらの状況の因果関係をみるために同氏らは就労におけるうつ病患者の実態調査を実施。その結果、コロナ関連での不調が如実に増えていることが明らかになった。調査の主な結果は以下のとおり。・2020年9月24日~10月1日にインターネット調査を行った。・対象者は19~64歳で、過去5年以内に精神科/心療内科/メンタルクリニックで初めてうつ病と診断され、うつ病の治療として1ヵ月以上の通院を行った者、または初めてうつ病と診断された際に正社員、契約社員または嘱託社員、派遣社員、アルバイト・パートタイムいずれかの勤務体系で就労していたものとした。・参加者は464名で、雇用形態の内訳は、正社員が200名、契約社員/嘱託社員が116名、派遣社員は46名、アルバイト・パートタイムは102名だった。・男女比は正社員では男性が多く、女性はパートタイムが多かった。・雇用形態に関わらず、仕事の継続・キャリアへの影響について不安を感じているものの、働くうつ病患者の53%は受診への抵抗を感じていた。・診断時に仕事をするうえで支障になった症状として最も多かったのは、集中力が保てないで44%だった。・うつ病を上司に伝えた理由は、正社員、契約・嘱託社員では「診断書が出たため」「会社の制度を利用するため」「仕事面で配慮を求めるため」で、派遣社員、パートタイム・アルバイトでは、「診断書が出たため」「会社の制度を利用するため」「仕事面で配慮を求めるため」だった。また、派遣社員では「周囲に病気であることを知らせるため」、パートタイム・アルバイトでは「退職するため」が最多だった。・コロナ禍では、参加者の58%が心身のストレス増加を感じており、主な理由は、経済的な不安が59%、感染への不安が50%、外出の自粛が48%だった。 そのほか、COVID-19の影響による生活の変化として、SNSの利用、動画視聴時間、ネットショッピングの増加を指摘し、「不眠があるからこれらの行動が増えるのはもちろん、これらの行動が増えたことによって不眠になったり、不眠が悪化したりする場合もある」と説明し、医療者は患者の生活の質・リズムの変化にも注意を喚起するよう説明した。 最後に同氏は職場内での解決策として、「患者は職場で上司や同僚と病状について話すことで安心感につながる傾向があることから、アンケート結果のような不安感を払拭するために治療中・治療後にうつ病患者が就業継続できるよう、企業内のサポートや包括的な社会の構築が重要である」と締めくくった。

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