高齢の市中肺炎、セフトリアキソンvs.スルバクタム・アンピシリン
高齢者の市中肺炎の初期対応として、嫌気性菌をカバーするスルバクタム・アンピシリン(SBT/ABPC)などが用いられることがある。しかし、カナダの市中誤嚥性肺炎患者を対象とした多施設後ろ向きコホート研究では、嫌気性菌カバーは院内死亡リスクを低下させず、C. difficile大腸炎リスクを上昇させたことが報告されている1)。そこで、山本 舜悟氏(大阪大学)らの研究グループは、市中肺炎により入院した65歳以上の患者を対象としたデータベース研究を実施し、セフトリアキソン(CTRX)とSBT/ABPCを比較した。その結果、SBT/ABPCのほうがCTRXよりも院内死亡率が高かった。本研究結果は、Open Forum Infectious Diseases誌2025年3月5日号に掲載された。