外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:146

トリクロサン被覆縫合糸、術後感染症リスクを減少せず/Lancet

 正中開腹術の縫合に、トリクロサンで被覆した縫合糸を使っても、被覆していない縫合糸を使った場合と比べて、術後30日以内の術部感染症の発症リスクは減少しないことが判明した。ドイツ・ハイデルベルク大学のMarkus K. Diener氏らが、約1,200例を対象に行った無作為化比較試験「PROUD」の結果、報告した。術後手術部位感染症は、最も頻繁な開腹手術後の合併症の1つである。トリクロサン被覆縫合糸は、その発生を抑制することを目的に開発されたものだった。Lancet誌オンライン版2014年4月4日号掲載の報告より。

臓器移植後の慢性E型肝炎ウイルス感染にリバビリン単剤が有望/NEJM

 臓器移植後の慢性E型肝炎ウイルス(HEV)感染には、約3ヵ月間のリバビリン単剤療法が有効である可能性が示された。フランス・CHU RangueilのNassim Kamar氏らが、59例の固形臓器移植レシピエントを対象に、後ろ向きに検討した多施設共同症例集積研究を行い報告した。HEV感染に対しては現状、有効性が確立した治療法がない。NEJM誌2014年3月20日号掲載の報告より。

乳がん術後リンパ節転移への放射線療法、効果が明確に/Lancet

 乳房切除術および腋窩郭清後の放射線療法の効果について、1~3個のリンパ節転移があり全身治療が行われた場合でも、再発率、乳がん死亡率を低下することが明らかにされた。英国・オックスフォード大学のEarly Breast Cancer Trialists 共同研究グループ(EBCTCG)が22試験、8,135例の患者データをメタ解析し報告した。先行研究のメタ解析で、乳がん切除後の放射線療法は、リンパ節転移が認められる全女性について、再発および乳がん死亡の両リスクを低下することが示されていた。しかし、転移が1~3個と少ない患者におけるベネフィットは不明であり、本検討は、それらの患者の放射線治療の効果について評価することが目的であった。Lancet誌オンライン版2014年3月19日号掲載の報告より。

重症敗血症、アルブミンを投与しても死亡率変わらず/NEJM

 重症敗血症または敗血症性ショックの患者に対し、晶質液に加えてアルブミンを投与しても、晶質液単独投与と比較して28日、90日の生存率は改善しなかったことが示された。イタリア・ミラノ大学のPietro Caironi氏らが、1,818例対象の多施設共同非盲検無作為化試験ALBIOSの結果、報告した。先行研究において、重症敗血症に対するアルブミン投与のベネフィットが示唆されたが、有効性については十分には確立されていなかった。NEJM誌オンライン版2014年3月18日号掲載の報告より。

アナストロゾールの乳がん予防試験(コメンテーター:勝俣 範之 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(182)より-

 ハイリスク乳がんの予防研究は世界的にはかなり進んでいて、SERMによるメタアナリシスについては、2013年に発表されている。今回の結果は、乳がんのハイリスクである閉経女性に対するアナストロゾール乳がん予防研究である。アナストロゾールは閉経後乳がん治療に使うホルモン療法であるアロマターゼ阻害薬に属する。