PARP阻害薬olaparib、BRCA変異乳がんの生存を42%改善/ASCO2017

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ケアネット

PARP阻害薬olaparib、BRCA変異乳がんの生存を42%改善/ASCO2017のイメージ

 BRCA変異陽性HER2陰性転移乳がん(mBC)に対し、PARP阻害薬olaparibの有効性および安全性を単剤化学療法と比較評価する無作為化オープンラベル第III相試験 OlympiAD試験の結果を、米国Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのMark Robson氏が米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)で発表した。

 OlympiAD試験では、HER2陰性(HR陽性またはトリプルネガティブ)で2ライン以上の化学療法を受けたBRCA変異陽性mBC患者を、olaparib群と医師が選択した標準的な単剤化学療法(TPC)群に、2:1に無作為に割り付けた(単剤化学療法はカペシタビンあるいはエリブリン)。治療は病勢進行するか毒性が忍容できなくなるまで継続した。主要評価項目は、独立第3者評価機関(BICR) 評価の無増悪生存(PFS)。副次的評価項目は2回目のPDまたは死亡までの期間(PFS2)、客観的奏効率(ORR)、安全性と忍容性、健康関連QOLであった。

 結果、302例の患者が登録され、205例がolaparib群に、97例がTPC群に割り付けられた。BICR評価のPFSは、olaparib群7.0ヵ月、TPC群4.2ヵ月と、olaparib群で有意に長かった(HR:0.58、95%CI:0.43~0.80、p=0.0009)。 また、PFS2はolaparib群13.2ヵ月、TPC群で9.3ヵ月と、olaparib群で有意に長かった(HR:0.57、95%CI:0.40~0.83、p=0.0033) 。ORRは、 olaparib群60%、TPC群29%であった。OSはolaparib群19.3ヵ月、TPC群19.6ヵ月と、同等であった。全般的健康関連QOL(EORTC-QLQ-C30)のベースラインからの変化は、olaparib群3.9、TPC群−3.6、とolaparib群が優れていた (差異7.5、95% CI:2.5~12.4、p=0.0035)。Grade3以上の有害事象(AE)は、olaparib群の36.6%、TPC群の50.5%で発現し、olaparib群で頻度の高い項目は、貧血16%、好中球減少症9%などであった。

 Discussantであるスタンフォード大学のAllison Kurian氏は、PARP阻害薬と免疫チェックポイント薬の併用への期待、また、今後のPARP阻害薬の役割、効果と耐性のバイオマーカーの特定を研究していくべきであると述べた。

 この試験の結果は、学会での発表と同時にNew England Journal of Medicine誌に掲載された。

■参考
ASCO2017 Abstract
Robson M, et al. N Engl J Med. 2017. June 4. [Epub ahead of print]
OlympiAD試験(Cinical Trials.gov)

(ケアネット 細田 雅之)

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