外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:145

アナストロゾールの乳がん予防試験(コメンテーター:勝俣 範之 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(182)より-

 ハイリスク乳がんの予防研究は世界的にはかなり進んでいて、SERMによるメタアナリシスについては、2013年に発表されている。今回の結果は、乳がんのハイリスクである閉経女性に対するアナストロゾール乳がん予防研究である。アナストロゾールは閉経後乳がん治療に使うホルモン療法であるアロマターゼ阻害薬に属する。

HDLコレステロールは乳がんリスクと逆相関する~仏・全国的コホート研究

 コレステロール、とくに高比重リポ蛋白(HDL)コレステロールが抗酸化および抗炎症特性により発がんに影響しうるというメカニズムは、いくつかの実験的研究によって報告されている。しかし、特定の脂質代謝のバイオマーカーとがんリスクとの関連を調べた前向き研究の結果は一定ではない。仏・パリ13大学のMathilde His氏らは、総コレステロール、HDLコレステロール、低比重リポ蛋白コレステロール、アポリポ蛋白A1およびB、中性脂肪について、乳がん、前立腺がん、およびがん全体のリスクとの関連を調査した。その結果、総コレステロール、HDLコレステロール、アポリポ蛋白A1の血清レベルが、がん全体および乳がんリスクと逆相関することが示唆された。European journal of epidemiology誌オンライン版2014年2月13日号に掲載。

BRCA遺伝子変異乳がん、両側乳房切除で死亡リスクが5割低下/BMJ

 BRCA遺伝子変異保有者で乳がんステージI・IIの患者について、対側乳房の切除を行ったほうが片側乳房切除よりも、20年死亡リスクが48%低いことが、カナダ・トロント大学のKelly Metcalfe氏らが行った後ろ向き分析の結果、示された。先行研究で、BRCA1もしくはBRCA2遺伝子に変異を有する女性の乳がんリスクは60%であり、片側乳房の診断後15年以内の対側乳房のがんリスクは34%であることが示されている。これまでの検討では、対側乳房の切除は乳がんリスクを低減するが、乳がん死の減少は示されていなかった。著者は、「BRCA遺伝子変異保有者や若年の乳がん発症患者には、両側乳房切除の選択肢が検討されるべきである」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年2月11日号掲載の報告より。

StageII/III大腸がんでのD3郭清切除術「腹腔鏡下」vs「開腹」:ランダム化比較試験での短期成績(JCOG 0404)

 臨床的StageII/IIIの大腸がんに対して、日本のオリジナルであるD3リンパ節郭清を伴う腹腔鏡下手術の有効性および安全性はいまだ明らかではない。JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)により、全生存期間について開腹手術に対する腹腔鏡下手術の非劣性を検討するランダム化比較試験が実施されているが、今回、D3郭清を伴う腹腔鏡下手術の短期成績における安全性および臨床的ベネフィットが報告された。Annals of surgery誌オンライン版2014年2月6日号に掲載。なお、主要評価項目の解析結果については2014年のうちに報告される予定。

待機手術を受けた患者の3%が90日以上のオピオイド投与が必要だった/BMJ

 主要待機的手術を受けたオピオイド未使用患者のうち、約3%が術後90日間オピオイドを継続使用していたことが、カナダ・トロント総合病院のHance Clarke氏らによる住民ベースの後ろ向きコホート研究の結果、報告された。低年齢、低所得、糖尿病などを有するといった患者の特性や術式による長期オピオイド使用の傾向も明らかになり、著者は「今回の所見は、オピオイド治療を長期化させない患者群を特定し介入する根拠となるものだ」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年2月11日号掲載の報告より。