外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:147

出血と血栓:原病が重ければバランスも難しい(解説:後藤信哉氏)-793

自分の身の周りにもがん死が多いので、がんは特筆に重要な疾患である。日本人は幸いにして静脈血栓塞栓症が少ない。静脈血栓塞栓症を契機にがんが見つかることも多い。本論文の対象であるCancer Associated Thrombosis (CAT)は日本ではとくに重要である。がん細胞が血栓性の組織因子を産生する場合、がん組織が血管を圧迫して血流うっ滞が起こった場合など、血栓にはがんと直結する理由がある。CATでは、血栓の原因となるがんの因子の除去が第一に重要である。

「アメトーーク!」で“火がついた”IQOS人気、310万人が使用?/本邦疫学研究

 マスメディアは人々の行動に大きな影響を与える。非燃焼加熱式(Heat–Not-Burn、以下HNB)タバコ「IQOS」が人気娯楽番組「アメトーーク!」で取り上げられ、その人気に火がついたようである。大阪国際がんセンターの田淵 貴大氏らは、2つのデータソースを使用して、日本におけるIQOSを含むHNBタバコへの関心度、使用率、HNBタバコの2次的曝露による症状などについて研究した。Tobacco Control誌オンライン版2017年12月6日号に掲載。

オートバイ死亡事故は満月の夜に増大/BMJ

 満月はオートバイでの事故死のリスク増大と関連することを、カナダ・Sunnybrook Health Science CentreのDonald A. Redelmeier氏らが、地域住民を対象とした横断分析の結果で報告した。近年、オートバイの死亡事故が増加しており、米国では交通事故死の7分の1を占めている。死亡事故を招いた主な原因は一瞬の気の緩みで、死亡に至ったオートバイ衝突事故における原因の大半でもある。研究グループは、「人は自然と満月に気が引かれるもので、それがオートバイの衝突事故を招いているのではないか」と仮説を立て検証を行った。結果について著者は、「交絡因子の影響は除外できていないものの、このリスクに関心を持つことで、満月の夜のオートバイ運転には注意するよう喚起し、一瞬の気の緩みの危険性を認識するのに役立つだろう」と述べている。BMJ誌2017年12月11日号掲載のクリスマス特集での報告。

がん患者のVTE治療、エドキサバンはダルテパリンに非劣性/NEJM

 がん患者の静脈血栓塞栓症(VTE)の治療で、経口エドキサバン(商品名:リクシアナ)はダルテパリン皮下注に対し、VTEの再発または大出血の複合アウトカムについて非劣性であることが、米国・オクラホマ大学健康科学センターのGary E.Raskob氏らが1,050例の患者を対象に行った非盲検無作為化非劣性試験の結果、示された。なおアウトカムを個別にみると、エドキサバン群でVTEの再発は低率だったが、大出血は高率だった。がん関連VTEの標準治療は低分子ヘパリンである。経口抗凝固薬が治療に果たす役割はこれまで明らかにされていなかった。NEJM誌オンライン版2017年12月12日号掲載の報告。

ホルモン避妊法、乳がんリスクが2割増/NEJM

 現代のホルモン避妊法をこれまで一度も使用したことがない女性と比較し、現在使用中または最近まで使用していた女性において、乳がんのリスクが高く、しかも使用期間が長いほどそのリスクは増加することが明らかとなった。デンマーク・コペンハーゲン大学のLina S. Morch氏らが、同国の女性を対象とした前向きコホート研究の結果を報告した。これまでに、エストロゲンは乳がんの発生を促進し、一方でプロゲスチンの役割はより複雑であることが示唆されていたが、現代のホルモン避妊法と乳がんリスクとの関連はほとんど知られていなかった。NEJM誌2017年12月7日号掲載の報告。

エリブリン・ペムブロリズマブ併用、トリプルネガティブ乳がんで良好な結果/サンアントニオ乳がんシンポジウム

 エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫)は、自社のエリブリン(商品名:ハラヴェン)と抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)との併用療法による転移性トリプルネガティブ乳がんを対象とした臨床第Ib/II相試験(ENHANCE1/ Study 218)のアップデート解析について、第40回サンアントニオ乳がんシンポジウムのスポットライトセッションで発表された旨を公表した。

DOACエドキサバン、がんの血栓症で低分子ヘパリンに非劣性

 第一三共株式会社(本社:東京都中央区)は2017年12月13日同社のニュースリリースで、抗凝固薬エドキサバン(商品名:リクシアナ)による、がん合併静脈血栓塞栓症(VTE)患者を対象としたHokusai-VTE CANCER試験の結果において、エドキサバンが標準治療薬である低分子量ヘパリンのダルテパリン(国内未承認)に対して有効性および安全性に係わる主要評価項目において非劣性を達成したと発表。  本試験の結果は、米国ジョージア州アトランタで開催した第59回米国血液学会(ASH)年次総会のlate breaking sessionで発表されると共に、New England Journal of Medicineにオンライン掲載された。