膠原病・リウマチ科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:13

メガファーマスポンサーの臨床試験は結果公表率が高い?/BMJ

 臨床試験のデザインと結果の公表は、疾患領域だけではなく資金提供組織のタイプや規模によっても大きく異なるという。英国・ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのMagdalena Zwierzyna氏らが、資金提供組織と専門領域別に臨床試験の実施状況、デザインの特性および公表(dissemination)について調査した記述分析の結果を報告した。登録された臨床試験であっても、試験デザインが最適でなかったり、結果の公開が遅れることはよくあり、全試験のほぼ半数が試験完遂後何年も公表されないままである。現在、さまざまな組織が臨床試験に資金提供を行っており、報告される割合やその他の研究の質は、資金提供組織のタイプによって異なる可能性が指摘されていた。BMJ誌2018年6月6日号掲載の報告。

シナモンで関節リウマチ症状が緩和?

 わが国では、人口全体の0.4~0.5%、30歳以上ではおよそ1%が関節リウマチ(RA)にかかるといわれている。シナモンは、民間療法で関節炎などに使用されるが、詳細は検討されていなかった。今回、イラン・Ahvaz Jundishapur University of Medical SciencesのFarideh Shishehbor氏らの研究結果により、シナモンの摂取は、RA患者の炎症および臨床症状を改善する、安全かつ潜在的な補助的療法である可能性が示唆された。Journal of the American College of Nutrition誌オンライン版2018年5月3日号に掲載。

心血管疾患併存の痛風、フェブキソスタット vs.アロプリノール/NEJM

 心血管疾患を有する痛風患者に対し、非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬フェブキソスタット(商品名:フェブリク)は、プリン塩基類似体キサンチンオキシダーゼ阻害薬アロプリノールに比べ、心血管系有害事象の発生に関して非劣性であることが示された。一方で、全死因死亡や心血管死亡の発生率は、いずれもフェブキソスタット群のほうが高かった。米国・コネティカット大学のWilliam B. White氏らが、6,190例を対象に行った多施設共同無作為化二重盲検非劣性試験の結果で、NEJM誌2018年3月29日号で発表した。

雨が降ると関節痛の受診は増えるのか/BMJ

 降雨と関節痛や背部痛による外来受診に関連はないことが、米国・ハーバード大学医学大学院のAnupam B. Jena氏らによる、155万人以上の米国人高齢者のデータを解析した研究で明らかとなった。多くの人々が、とくに関節炎の患者において、気象条件の変化で関節痛や背部痛の症状が増悪すると考えている。気象パターンと関節痛の関連を検討した研究において至った結論はさまざまであり、種々の気象条件下で関節痛を詳細に評価した研究は、どれも症例数が少ないという。BMJ誌2017年12月13日号掲載のクリスマス特集での報告。

クローン病に対するタイトな管理の有用性-多施設共同RCT(解説:上村直実氏)-772

クローン病(CD)は原因不明で根治的治療が確立していない慢性炎症性腸疾患であり、わが国の患者数は現在約4万人で、医療費補助の対象である特定疾患に指定されている。本疾患に対する薬物療法の目的は、活動期CDに対する寛解導入および寛解状態の維持であり、一般的には、罹患部位や症状および炎症の程度によって、5-ASA製剤、ステロイド、代謝拮抗薬、抗TNF拮抗薬と段階的にステップアップする薬物療法が行われている。

クローン病のタイトコントロールは有益/Lancet

 中等症~重症の早期クローン病患者において、臨床症状とバイオマーカーの組み合わせに基づく抗腫瘍壊死因子療法の適時escalation戦略は、症状のみで治療方針を決定するよりも、臨床的および内視鏡的アウトカムを改善することが示された。米国・マウントサイナイ医科大学のJean-Frederic Colombel氏らが、22ヵ国74施設で実施した無作為化第III相試験「CALM試験」の結果を報告した。便中カルプロテクチン(FC)やC反応性蛋白(CRP)など腸炎症のバイオマーカーは、クローン病患者のモニタリングに推奨されてきたが、これらを用いた治療方針の決定がクローン病患者の予後を改善するかどうかは不明であった。Lancet誌オンライン版2017年10月31日号掲載の報告。

クローン病と潰瘍性大腸炎の罹患率と有病率、世界的な傾向は?/Lancet

 炎症性腸疾患(IBD)は、21世紀において世界的な疾病となっている。中国・香港中文大学のSiew C. Ng氏らが各国のIBDの罹患率と有病率の変化を調べた結果、IBDは今世紀に入り、社会の西洋化が進む新興工業国で罹患者が急増し世界的な疾病になったこと、西洋諸国では罹患率は安定しているが有病率は0.3%を上回っており、疾病負荷は高いままであることを明らかにした。著者は、「示されたデータは、この複雑でコストのかかる疾病をマネジメントするために、IBDの予防およびヘルスケアシステムの革新に関する研究が必要であることを強調するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年10月13日号掲載の報告。  検討は、2016年12月31日時点でMEDLINEとEmbaseを検索し、クローン病または潰瘍性大腸炎の罹患率もしくは有病率を報告していた1990年以降の試験論文を特定し、観察的な住民ベース試験を対象としてシステマティックレビューにより行われた。住民ベース試験は、特定地域の居住者全員を対象としており、患者がその地域を代表している場合とみなした。また、レビューには、潰瘍性大腸炎とクローン病の報告が分かれていた試験を包含した。オリジナルデータを報告していない試験、小児のIBD(診断時の年齢が16歳未満)の罹患率または有病率のみを報告している試験は除外した。