膠原病・リウマチ科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:10

バイオシミラーCT-P13は活動期クローン病に有効か/Lancet

 活動期クローン病患者に対し、インフリキシマブのバイオシミラーCT-P13投与はインフリキシマブ投与に対し、非劣性であることが示された。韓国・蔚山大学校のByong Duk Ye氏らが220例を対象に行った、第III相多施設共同無作為化二重盲検試験の結果で、著者は「バイオシミラーCT-P13は、活動期クローン病の新たな治療選択肢になりうるだろう」とまとめている。インフリキシマブ・バイオシミラーCT-P13は、強直性脊椎炎と関節リウマチにおいてインフリキシマブとの臨床比較が行われた後に、クローン病での使用が承認された。しかし、そのような形での承認に対して懸念があり、直接比較するため本試験が行われた。Lancet誌2019年3月28日号掲載の報告。

赤沈が死亡率に影響か

 炎症マーカーの1つである赤血球沈降速度(ESR)が死亡率に影響しているかもしれない-。非常に高いESRは根底にある病状の指標として役に立つ。加えて、ESRの中等度亢進は生物学的老化に起因しうる。しかし、ESRが年齢に関係なく、死亡の予側因子となるかどうかはほとんど研究されていない。オランダ・エラスムス大学医療センターのJ.Fest氏らは、Rotterdam StudyにおけるESRの亢進と全死因死亡リスクの関連について分析。ESRの亢進が死亡における独立した予側因子であることを明らかにした。著者らは「ESRは年齢とともに増加するという事実にもかかわらず、全死因死亡リスクの増加との関連を残しており、詳細な追跡調査が必要」と述べている。Journal of Internal Medicine誌2019年3月号掲載の報告。

子のアトピー性皮膚炎、母親の自己免疫疾患と関連

 アトピー性皮膚炎(AD)の発症機序に迫る興味深い論文が発表された。ADは、アトピー状態やフィラグリン遺伝子変異を含む多くの因子に影響を受け、遺伝子転座など遺伝子の一部が重複するような自己免疫疾患と関連していることが知られている。デンマーク・コペンハーゲン大学のC.R. Hamann氏らは症例対照研究を行い、母親の皮膚および消化器の自己免疫疾患が子のAD発症と密接に関連していることを明らかにした。これまで、親のADは子のADにおける重要なリスクになるものの、親の自己免疫疾患と子のAD発症との関連性はほとんどわかっていなかった。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2019年2月18日号掲載の報告。

強直性脊椎炎に新たな治療薬

 2019年1月30日、ノバルティスファーマ株式会社は、同社が製造販売(共同販売:マルホ株式会社)するセクキヌマブ(商品名:コセンティクス)が、昨年12月21日に指定難病である強直性脊椎炎への効能効果の追加承認を取得したことから都内でメディアセミナーを開催した。  セミナーでは、強直性脊椎炎の概要のほか、患者を交えてパネルディスカッションが行われ、医療者、患者双方から診療の課題などが語られた。

関節リウマチ、3つのnon-TNF型生物学的製剤を比較/BMJ

 関節リウマチの成人患者の日常診療では、リツキシマブ(Bリンパ球枯渇薬)およびトシリズマブ(IL-6受容体阻害薬)が、アバタセプト(T細胞共刺激標的薬)に比べ2年アウトカムが良好であることが、フランス・ストラスブール大学病院のJacques-Eric Gottenberg氏らが実施した前向きコホート研究で示された。これら3つの非腫瘍壊死因子(non-TNF)型生物学的製剤はいずれも関節リウマチに、プラセボに比べ優れた効能を有すると報告されているが、これらを比較した無作為化対照比較試験はなく、今後も直接比較試験が行われる可能性はほとんどないという。BMJ誌2019年1月24日号掲載の報告。

ヘモクロマトーシスの遺伝子変異、一般的な疾患とも関連/BMJ

 HFE遺伝子p.C282Y変異のホモ接合体は、性別を問わず、臨床的に診断された一般的な疾患(肝疾患、糖尿病、関節リウマチ、変形性関節症など)の有病率や発生率と関連があり、鉄過剰に関連するp.C282Y変異は、早期に介入を開始すれば予防および治療の可能性があることが、英国・エクセター大学のLuke C. Pilling氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年1月16日号に掲載された。欧州人家系では、HFE遺伝子p.C282Y変異ホモ接合体は、鉄過剰症である遺伝性ヘモクロマトーシス(1型)の主因とされる。鉄過剰症は瀉血療法により予防可能であり、治療が可能な場合もあるが、見逃しや診断の遅延が多いという。

変形性膝関節症の痛み、薬物療法の長期効果は/JAMA

 変形性膝関節症患者における薬物療法による長期的な疼痛緩和効果には、プラセボと比較して考慮すべき不確実性が存在することが、イタリア・パドバ大学のDario Gregori氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌2018年12月25日号に掲載された。変形性関節症は、慢性で進行性の疾患だが、薬物療法は主に短期の検討が行われており、そのため長期の疾患管理における推奨治療が不明確になっているという。  研究グループは、変形性膝関節症患者を12ヵ月以上追跡した薬物療法の無作為化臨床試験を系統的にレビューし、ネットワークメタ解析を行った(パドバ大学などの助成による)。

皮膚筋炎、抗核抗体陰性は悪性腫瘍のリスク大

 成人の皮膚筋炎(DM)患者における抗核抗体(ANA)の臨床的な意義は、まだ詳細に定義されていない。米国・メイヨー・クリニックのPaul M. Hoesly氏らは、成人発症DM患者において、ANA陰性が診断後3年以内の悪性腫瘍の発症に関連することを明らかにした。著者は、「ANA陰性DM患者では、とくに綿密な観察と頻繁な悪性腫瘍のスクリーニングが必要と考えられる」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年11月17日号掲載の報告。

新たな抗体医薬、遺伝性血管性浮腫の予防に効果/JAMA

 遺伝性血管性浮腫I/II型の患者において、26週間のlanadelumab皮下注はプラセボと比較して、発作の発生率を有意に減少したことが、米国・マサチューセッツ総合病院のAleena Banerji氏らによる第III相の無作為化二重盲検並行群プラセボ対照試験の結果、示された。遺伝性血管性浮腫の現行治療には、長期予防に関して限界がある(相当な有害事象や、頻回投与を要するなど)。lanadelumabは開発中の完全ヒトモノクローナル抗体で、血漿中カリクレインの活性を選択的に阻害する。第1b相試験において、忍容性が高く発作を減少することが示されていた。今回の結果を踏まえて著者は、「示された結果は、遺伝性血管性浮腫の予防治療としてlanadelumabの使用を支持するものであった。さらなる研究を行い、長期的な安全性と有効性を確認する必要がある」とまとめている。JAMA誌2018年11月27日号掲載の報告。

選択的JAK1阻害薬、乾癬性関節炎に有効/Lancet

 活動性の乾癬性関節炎の治療に、選択的JAK1阻害薬filgotinibは有効であることが、米国・ワシントン大学のPhilip Mease氏らによる第II相の無作為化プラセボ対照試験「EQUATOR試験」の結果、示された。16週時のACR20達成患者は80%に認められ、新たな安全性シグナルは認められなかった。JAK1経路は、乾癬性関節炎の病因への関わりが示唆されている。研究グループは、JAK1を選択的に阻害するfilgotinibの有効性と安全性を調べた。Lancet誌オンライン版2018年10月22日号掲載の報告。