膠原病・リウマチ科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:16

クローン病に新たな治療アプローチ、IL-23阻害薬/Lancet

 インターロイキン-23(IL-23)のp19サブユニットを標的とするヒト型モノクローナル抗体製剤risankizumabは、活動期クローン病の臨床的寛解導入において、プラセボよりも高い効果を発揮することが、カナダ・ウェスタンオンタリオ大学のBrian G Feagan氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年4月12日号に掲載された。クローン病の発症には、遺伝学的、生物学的にIL-23経路の関与が認められる。予備的なデータでは、risankizumabは、IL-23経路が関与する慢性炎症性皮膚疾患である乾癬に有効なことが知られている。

カナキヌマブ効能追加承認への期待

 2017年2月27日、ノバルティス ファーマ株式会社は、都内にて「世界希少・難治性疾患の日」に合わせ「発熱・炎症発作を繰り返す難病『周期性発熱症候群』を知る」をテーマにメディアセミナーを開催した。セミナーでは、「周期性発熱症候群」の最新知見とともに、2016年12月に国内で3つの疾患に追加承認となった同社のカナキヌマブ(商品名:イラリス)についての説明が行われた。

抗IL-6抗体sirukumab、治療抵抗性RAに効果/Lancet

 抗TNF製剤に治療抵抗性または不耐容の活動性関節リウマチ(RA)患者において、ヒト型抗インターロイキン(IL)-6モノクローナル抗体製剤sirukumabの50mg/4週投与または100mg/2週投与は、プラセボと比較していずれも忍容性は良好で、RAの症状を有意に改善することが示された。オーストリア・ウィーン大学のDaniel Aletaha氏らが、RAに対するsirukumabの有効性と安全性を評価した第III相試験の1つSIRROUND-T試験の結果を報告した。sirukumabは、2016年9月に欧州および米国で、10月には本邦でも、抗リウマチ薬として製造承認申請が行われている。Lancet誌オンライン版2017年2月15日号掲載の報告。

少関節型若年性特発性関節炎、MTX追加で寛解期間が延長/Lancet

 少関節型若年性特発性関節炎の治療において、副腎皮質ステロイド関節内注射に経口メトトレキサート(MTX)を追加すると、寛解率はほとんど変わらないものの、再燃までの期間が延長し、毒性はさほど増加しないことが、イタリア・Istituto Giannina GasliniのAngelo Ravelli氏らイタリア小児リウマチ性疾患研究グループの検討で示された。研究の成果は、Lancetオンライン版2017年2月2日号に掲載された。若年性特発性関節炎は、国際リウマチ連盟(ILAR)によって、「16歳未満で発症し、6週間以上持続する原因不明の関節炎」と定義され、このうち少関節型は「6ヵ月間の罹患関節が1~4ヵ所の場合」とされる。本症の治療指針となるエビデンスに基づく情報はほとんどないという。

乾癬へのMTX高用量皮下投与は有効か/Lancet

 中等度~重度の尋常性乾癬患者に対するメトトレキサート(MTX)の高用量皮下投与について、52週時点のリスクベネフィットは良好であることが、英国・マンチェスター大学のRichard B Warren氏らによる第III相の国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。中等度~重度の尋常性乾癬治療においてMTXは使用頻度の高い全身性薬物の1つだが、その使用に関する高度なエビデンスは少なく、また投与は経口に限られていた。研究グループは、高用量皮下投与の有効性評価を目的に本検討を行った。Lancet誌オンライン版2016年12月21日号掲載の報告。

乾癬へのイキセキズマブ長期投与の安全性

 乾癬患者への、新たな生物学的製剤であるイキセキズマブの長期投与について、安全性プロファイルは良好であることが報告された。米国・コネチカット大学のBruce Strober氏らが、臨床試験の併合解析を行った。中等症~重症の乾癬に対する治療は長期にわたるため、生物学的製剤の安全性は重要であるが、解析の結果、維持投与期間中に予測できない有害事象は認められなかった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2016年11月23日号掲載の報告。

関節症性乾癬の診療で大切なのはコラボ

 10月29日の「世界乾癬デー」を前に、日本乾癬学会、日本乾癬患者連合会ならびに製薬企業7社は合同で、「皮膚症状と関節症状を併せ持つ疾患『関節症性乾癬』」と題するメディアセミナーを都内で開催した。セミナーでは、皮膚科専門医、リウマチ科専門医、患者の3つの視点から本症の診療概要や現在の課題などが講演された。

抗TNF薬で効果不十分の関節リウマチ、生物学的製剤が優れる/JAMA

 抗TNF薬の効果が不十分な関節リウマチ患者の治療では、TNF以外を標的とする生物学的製剤のほうが、他のTNF薬による治療よりも有効性が高いことが、フランス・ストラスブール大学病院のJacques-Eric Gottenberg氏らが行ったROC試験で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌2016年9月20日号に掲載された。腫瘍壊死因子α(TNF-α)阻害薬は、メトトレキサートの効果が十分でない関節リウマチ患者のQOLを改善するが、約3分の1の患者は疾患活動性が持続し、効果は不十分とされる。これらの患者の治療選択肢の指針は確立されていない。