セリチニブ、食事との服用で有効性維持と毒性低減を両立(ASCEND-8)/WCLC2017 セリチニブ(商品名:ジカディア)750mg空腹時投与は、未治療の進行ALK陽性NSCLCに優れた効果を示すものの、下痢、悪心嘔吐などの消化器症状が発現する。ASCND-8は、ALK陽性NSCLCに対し、セリチニブ450または600mgを低脂肪食と服用した群と、750mgの空腹時服用を比較した無作為化オープンラベル試験。第18回世界肺癌(WCLC)では、未治療患者における有効性の中間解析と、安全性のアップデート結果について、韓国・Yonsei Cancer CenterのCho BC氏が発表した。
新型インフルエンザ対策の最前線 2017年11月5日、厚生労働省は都内において、「新型インフルエンザ対策に関する研修」を開催した。当日は、新型インフルエンザの疫学、治療ガイドライン、感染対策、行政の動向について4名の演者による講演が行われた。
atezolizumabによる長期生存NSCLC患者の特徴:OAK/WCLC OAK試験は、非小細胞肺がん(NSCLC)の2~3次治療における抗PD-L1抗体atezolizumabとドセタキセルを比較した第III相試験である。横浜で行われた第18回世界肺癌会議(WCLC)では、兵庫県立がんセンターの里内美弥子氏が、OAK試験の2年の結果と長期生存患者の特徴について発表した。
第3世代EGFR-TKI ASP8273のアジア人既治療患者における成績/WCLC2017 ASP8273は、EGFR 活性化変異やEGFR-TKI耐性変異に対する活性を持つ、第3世代EGFR-TKIである。横浜で開催された第18回世界肺がん学会(WCLC)で、サムスン医療センターのKeunchil Park氏が、ASP8273の第I/第II相試験の結果について発表した。
化学療法制吐薬としてのオランザピンの本邦第II相試験/IJCO 近年、がん化学療法に対する制吐薬としてのオランザピンの研究結果が報告されている。本邦においても、高度催吐性化学療法に対する、オランザピンの多施設無作為化二重盲検第II相用量設定試験が行われ、国立がん研究センター中央病院の矢内 貴子氏らがInternational Journal of Clinical Oncology誌に結果を報告した。
クリゾチニブ抵抗性ALK肺がんにおけるbrigatinibの成績:ALTA/WCLC2017 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)では、ほとんどの患者が耐性を獲得し進行する。クリゾチニブ治療後における第2世代ALK-TKI治療のPFSも1年に満たない。brigatinibはALK耐性変異に幅広い活性を示すべくデザインされた次世代のALK-TKIである。第18回世界肺癌学会(WCLC)では、クリゾチニブ耐性進行ALK肺がんにおけるbrigatinibの第II相ALTA試験の1.5年の追跡結果について、韓国・Samsung Medical CenterのMyung-Ju Ahn氏が発表した。
フルーツ摂取量が多いほど喘息や鼻炎を予防:日本の小学生 日本の小学生を対象とした研究で、フルーツの摂取量が多いほど、呼吸器アレルギー症状を予防できる可能性があることが、滋賀県立小児保健医療センターの楠 隆氏らによる研究で明らかになった。Pediatric allergy and immunology誌オンライン版2017年10月11日号の報告。
nab-パクリタキセル+durvalumab、肺がん2次治療以降の効果/WCLC2017 化学療法の免疫チェックポイント阻害薬(ICI)への追加は、奏効率の改善など効果を強化するとの報告がある。nab-パクリタキセル(nab-P)+カルボプラチンとICIの組み合わせは毒性を増すことなく非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する有効性を早期臨床試験において示した。第18回世界肺癌学会(WCLC)では、米国・Washington University School of MedicineのRamaswamy Govindan氏がnab-P+durvalumabの2~3次治療としての有効性と安全性を報告した。
喘息のモノクローナル抗体治療に新星あらわる(解説:倉原優 氏)-764 tezepelumabという名前を聞いてもピンとこない読者も多いだろうが、これは上皮細胞由来のサイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に特異的なモノクローナル抗体である。TSLPなんてほとんど耳にしたこともなかったので、何を隠そう私もピンとこなかった。
ワルファリン使用者、がん罹患率が2割低い ノルウェーの50歳以上の大規模コホート研究において、ワルファリンを服用している人はがん罹患率が低いことが報告された。ワルファリンはがんモデルにおいて、AXL受容体チロシンキナーゼによる腫瘍形成を阻害し、抗凝固レベルに達しない用量で抗腫瘍免疫応答を増強するが、本研究で臨床でも抗がん作用を有する可能性が示唆された。著者のノルウェー・ベルゲン大学のGry S. Haaland氏らは「この結果は、抗凝固が必要な患者の薬剤選択に重要な意味を持つだろう」と述べている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2017年11月6日号に掲載。