呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:272

日本初の抗PD-L1抗体アベルマブ、他の抗体との違いも

 抗PD-L1抗体として日本で初めて、アベルマブ(商品名:バベンチオ)が9月27日に承認された。アベルマブは、今回承認されたメルケル細胞がん(MCC)以外に、胃がん、非小細胞肺がん、頭頸部がん、腎細胞がん、尿路上皮がん、リンパ腫、固形がんに対して、国内で臨床試験を実施している。11月6日、共同開発を進めるメルクセローノ株式会社とファイザー株式会社によるプレスセミナーが開催され、西川 博嘉氏(国立がん研究センター研究所腫瘍免疫研究分野/先端医療開発センター免疫トランスレーショナルリサーチ分野 分野長)と山﨑 直也氏(国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科 科長)が講演した。

dacomitinibによるEGFR変異肺がん1次治療のサブグループ解析:ARCHER 1050/WCLC2017

 ARCHER1050試験は、EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療において第2世代EGFR-TKIのdacomitinibと第1世代TKIゲフィチニブを比較した第III相試験である。対象はStage IIIB~IVのEGFR変異陽性再発NSCLC患者452例で、主要評価項目はIRCレビューによる無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目はIRCおよび治験担当医の評価による全生存期間および客観的奏効率(ORR)である。

がん治療の末梢神経障害、皮膚障害に指針/日本がんサポーティブケア学会

 Supportive care。日本では支持療法と訳されることが多い。しかし、本来のSupportive careは、心身の異常、症状の把握、がん治療に伴う副作用の予防、診断治療、それらのシステムの確立といった広い意味であり、支持療法より、むしろ支持医療が日本語における適切な表現である。2017年10月に行われた「第2回日本がんサポーティブケア学会学術集会」のプレスカンファレンスにおいて、日本がんサポーティブケア学会(JASCC)理事長 田村和夫氏はそう述べた。

ALK/ROS1肺がんにおけるlorlatinibの国際第I相試験の結果/Lancet Oncol

 ALKまたはROS1非小細胞肺がん(NSCLC)の患者の多くは、TKI療法に感受性であるが通常は耐性となり、CNS転移も多い。この研究はALKまたはROS1変異陽性の進行NSCLCにおける既知の耐性について、前臨床で有望な活性を有し、脳移行性の高いALK・ROS1-TKIであるlorlatinibの安全性、有効性および薬物動態学的特性を分析することを目的としたもの。米国Massachusetts General HospitalのAlice T Shaw氏らによる報告がLancet Oncology誌に掲載された。

3次治療以降の進行NSCLCへのdurvalumab単剤療法(ATLANTIC)/日本肺癌学会2017

 2レジメン以上の化学療法後に進行した非小細胞肺がん(NSCLC)患者への治療選択肢は少なく、予後は不良である。ATLANTIC試験は、プラチナベース化学療法を含む2レジメン以上の化学療法治療歴のある局所進行・転移性NSCLC患者(Stage IIIB~IV)を対象とした、抗PD-L1抗体durvalumabの第II相非盲検単群試験。第58回日本肺癌学会学術集会において、宮城県立がんセンターの前門戸 任氏が結果について発表した。

呼吸器感染症の抗菌薬投与、プロカルシトニンガイドで生存率は?

 米国食品医薬品局(FDA)は2017年2月、急性呼吸器感染症患者への抗菌薬投与を判断するための血中マーカーとしてプロカルシトニンを承認した。今回、スイス・アーラウ州立病院/バーゼル大学のPhilipp Schuetz氏らの研究グループによるメタアナリシスの結果、急性呼吸器感染症の抗菌薬治療のマーカーとしてのプロカルシトニンの使用が、抗菌薬の曝露や副作用を減少させ、生存率を改善することが示された。著者らは、「急性呼吸器感染症におけるプロカルシトニン・プロトコールの普及は、抗菌薬マネジメントを改善し、臨床転帰および多剤耐性菌増加の脅威に対してプラスの効果をもたらす可能性がある」としている。Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2017年10月13日号に掲載。

NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ単独治療のOS結果(KEYNOTE-024)/WCLC2017

 KEYNOTE-024試験は、未治療のPD-L1高発現(TPS≧50%)の転移性NSCLC患者305例を対象にペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)単独投与群(n=154)と標準治療プラチナベースの化学療法群(n=151)を比較した、国際無作為化オープンラベル第III相臨床試験。本年(2017年)9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)では、追跡期間11.2ヵ月の中間解析が発表され、ペムブロリズマブ群の有意なPFSの改善が報告されたが、OSは未到達であった。10月に横浜で開催された第18回世界肺癌学会(WCLC2017)では、アップデートされたOSの結果が米国・The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのJulie R Brahmer氏により発表された。

新規インフルエンザ薬S-033188、先駆け審査指定制度下で国内承認申請

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)は、自社創製の新規キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害薬S-033188について、成人および小児におけるA型又はB型インフルエンザウイルス感染症を適応症として、2017年10月25日付で日本国内における製造販売承認申請を行ったと発表。