呼吸器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:270

早期(軽症)COPDにチオトロピウムは有用だろうか?(解説:小林 英夫 氏)-773

吸入抗コリン薬は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の自覚症状や呼吸機能の改善をもたらしうる基本薬剤と位置づけられている。しかし、自覚症状の乏しい早期(軽症)COPDに対し吸入抗コリン薬がどのような意義を有するのかについては、臨床的見解が一致しているとは言えない。本論文はその疑問を解決するために中国で実施された無作為化比較試験である。

オシメルチニブ、EGFR変異肺がん1次治療の適応を国内申請/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役会長:マーク・デュノワイエ)は2017年11月27日、第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)に関し、「EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」を予定の効能・効果として、本邦における製造販売承認事項一部変更承認を申請したと発表。

EGFR変異陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ vs.標準治療/NEJM

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ、1次治療適応は申請中)は現行標準治療薬のEGFR-TKIに比べ、有効性において優越性を示し、安全性プロファイルは同等で、重篤有害事象の発生頻度は有意に低いことが示された。フランス・パリ第11大学のJean-Charles Soria氏らが行った第III相無作為化二重盲検試験「FLAURA試験」の結果で、NEJM誌オンライン版2017年11月18日号で発表された。オシメルチニブは第3世代の経口不可逆的EGFR阻害薬で、EGFR-TKI感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を選択的に阻害する。

atezolizumab+ベバシズマブ+化学療法、進行肺がん1次治療のPFS改善(IMpower150)/ロシュ

 スイス・ロシュ社は2017年11月20日、進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、抗PD-L1抗体atezolizumabの第Ⅲ相試験IMpower150の結果を発表した。試験の結果、atezolizumabとベバシズマブおよび化学療法(パクリタキセル+カルボプラチン)の併用は、ベバシズマブと化学療法の併用と比較して、複合主要評価項目の1つ無増悪生存期間を有意に改善したと発表した。具体的な数値は発表されていない。

抗菌薬は上気道感染症後の細菌合併症を減らせるのか

 抗菌薬使用と上気道感染症(URTI)後細菌合併症との関連を検討した前向きコホート研究で、URTI後の細菌合併症はまれであり、また抗菌薬は細菌合併症予防における保護効果がない可能性が示唆された。スウェーデン・ストックホルム県ランスティング公衆衛生局のThomas Cars氏らが報告した。BMJ open誌2017年11月15日号に掲載。

オシメルチニブ、CNS転移の進行リスク低減を確認:FLAURA

 AstraZeneca社(本社:英国ロンドン、CEO:Pascal Soriot)は2017年11月18日、シンガポールで開催されたESMOアジア2017で、中枢神経系(CNS)転移に対する有効性についての第III 相FLAURA 試験のサブグループ解析の結果を発表。EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、オシメルチニブ(同:タグリッソ)が、エルロチニブ(商品名:タルセバ)またはゲフィチニブ(同:イレッサ)による標準治療と比較して、CNS病勢進行リスクを低減させたことが明らかになった。

腫瘍変異負荷は小細胞がん免疫治療のバイオマーカーとなるか(CheckMate-032)/WCLC

 再発小細胞肺がん(SCLC)の治療選択肢は限られており、生命予後も不良である。固形がんにおけるニボルマブ±イピリムマブの第I相試験CheckMate-032の初回報告では、ニボルマブ・イピリムマブの併用はSCLCに対し、良好かつ持続的な効果を示し、この結果をもって、NCCNガイドラインに推奨されている。しかし、非小細胞肺がん(NSCLC)のバイオマーカーであるPD-L1は、この試験において治療効果との関連性は示しておらず、SCLCにおける免疫治療の明らかな効果予測バイオマーカーは明らかでない。

非喫煙女性の肺がんに飲酒が関連か

 生涯非喫煙者における肺がんの病因はほとんどわかっていない。スペイン・コルーニャ大学病院のJose A. Garcia Lavandeira氏らが、ケースコントロール研究のプール解析で、生涯非喫煙者における肺がんリスクにおける飲酒の影響を検討したところ、ワインと蒸留酒の摂取が、とくに女性で、肺がんリスクを増加させる可能性が示唆された。ただし、本研究の限界を考慮すると本結果を慎重にとらえるべき、と著者らは述べている。European journal of public health誌オンライン版2017年11月13日号に掲載。

EGFR変異陽性肺がん、今後の治療シークエンスは?

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するEGFR-TKIの選択肢が増えてきている。これらの薬剤をどう使用すれば、患者さんにとって最大限のベネフィットが得られるのだろうか。2017年10月30日に開催されたアストラゼネカ株式会社主催のメディアセミナーで、関 順彦氏(帝京大学医学部附属病院腫瘍内科 教授)が、開発中の薬剤を含め、各薬剤の無増悪生存期間(PFS)や毒性から、今後の治療シークエンスについて展望した。