精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:281

アミロイドβ蛋白が高いと認知機能低下リスクが高い/JAMA

 認知機能が正常でも、アミロイドβ蛋白値が高い人は正常値の人に比べ、認知機能低下リスクが高いことが示された。中央値3.1年の追跡調査の結果、アミロイドβ蛋白値が高い群で、ミニメンタルステート検査(MMSE)など3つの認知機能のスコアについて有意な低下が認められたという。米国・南カリフォルニア大学のMichael C. Donohue氏らが、認知機能の正常な445例を対象に、探索的データ解析を行い明らかにしたもので、JAMA誌2017年6月13日号で発表した。

うつ病患者へのベンゾジアゼピン併用、リスクとベネフィットは

 ベンゾジアゼピン(BZD)は、うつ病患者に対し、より早期に抑うつ症状を改善したい場合や不安症状を軽減したい場合に短期間用いられ、抗うつ薬治療の継続を改善する。しかし、BZDは、数週間の使用でも依存性を含むリスクと関連している。米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のGreta A. Bushnell氏らは、抗うつ薬とBZDの併用の傾向を調査するため、抗うつ薬を服用しているうつ病成人を対象に、併用期間の評価、長期BZD使用の推定および、その決定要因の検討を行った。JAMA psychiatry誌オンライン版2017年6月7日号の報告。

抗うつ薬はアルツハイマー病リスクを高めるのか

 アルツハイマー病(AD)は神経変性疾患であり、高齢者の記憶、思考、行動に対し、臨床的に明白で観察可能な障害を示す。アポリポ蛋白E(ApoE)ε4のような感受性遺伝子は、長期間AD診断のリスク増加と関連している。また、うつ病とAD発症リスク増加との関連を示唆する研究も報告されている。さらに、これまでの調査の知見より、高齢者に対する向精神薬使用において、混合効果も示唆されている。米国・フロリダ国際大学のShanna L. Burke氏らは、抗うつ薬の使用がうつ病や最終的なAD発症の危険性に与える影響について検討を行った。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2017年5月31日号の報告。

抗精神病薬の副作用、医師にどれだけ伝えられているか:藤田保健衛生大

 抗精神病薬の有害事象は服薬アドヒアランスに著しい影響を及ぼすことがある。藤田保健衛生大学の波多野 正和氏らは、患者から報告されることの少ない抗精神病薬の有害事象およびそのような症状が残存している理由について調査した。Clinical psychopharmacology and neuroscience誌2017年5月31日号の報告。

妊娠中の抗うつ薬使用、自閉スペクトラム症への影響は

 これまで研究において、妊娠中の母親の抗うつ薬使用が、子供の自閉スペクトラム症(ASD:autism spectrum disorder)のリスクを高めるかを調査したが、その結果は矛盾していた。米国・マウントサイナイ医科大学のA. Viktorin氏らは、妊娠中の抗うつ薬治療による子供のASDリスクについて検討を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年5月22日号の報告。

セロトニンの役割、摂食障害や肥満治療への期待

 セロトニンは、自己コントロールの促進、空腹や生理的なホメオスタシスの調整、カロリー摂取の調整に関与している。しかし、カロリー摂取量に対するセロトニンの影響が純粋にホメオスタシス機構を反映しているのか、セロトニンが食事決定に関与する認知過程の調整もしているのかは不明である。英国・ウォーリック大学のIvo Vlaev氏らは、SSRIのシタロプラムの急性期投与が、味覚や健康属性に応じて異なる食品間での選択に及ぼす影響について、プラセボおよびノルアドレナリン再取り込み阻害薬アトモキセチンとの比較による検討を行った。Cognitive, affective & behavioral neuroscience誌2017年6月号の報告。

SSRI服用は白内障と関連するか

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の服用が白内障のリスク増加と関連しているとの報告があるが、本当だろうか。スイス・バーゼル大学のClaudia Becker氏らは、大規模なプライマリケアデータベースを用いたケースコントロール研究において、SSRIの使用は白内障のリスクとは関連していないことを示した。ただし、65歳未満の患者に関しては、長期のSSRI使用で白内障のリスクがわずかに増加しており、著者は「さらなる研究が必要である」とまとめている。Ophthalmology誌オンライン版2017年5月29日号掲載の報告。

クルクミン、うつ病治療への可能性

 強力な抗炎症作用、抗酸化作用、神経保護作用を有する植物ポリフェノールのクルクミンに、新規抗うつ薬としての関心が高まっている。臨床試験においては、うつ病への有効性に関する結論は矛盾している。シンガポール国立大学のQin Xiang Ng氏らは、うつ病におけるクルクミンの臨床的使用に関するメタ解析を行った。Journal of the American Medical Directors Association誌2017年6月1日号の報告。

安定期統合失調症、抗精神病薬は中止したほうが良いのか

 データ集約を含む調査では研究間で再発の定義が異なるため、臨床評価尺度の総スコアはより一般的なアウトカムを提示する。カナダ・トロント大学の竹内 啓善氏らは、統合失調症の1年以上の維持治療における、抗精神病薬とプラセボの総合的な症状の軌跡を比較した。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年5月18日号の報告。