せん妄と関連する薬剤は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/14 これまで、集中治療室(ICU)内でのせん妄に関する研究はよく行われているが、ICU外のデータは限られている。米国・Methodist Dallas Health SystemのAnthony Cahill氏らは、非クリティカルケア病棟(NCCA:non-critical care areas)におけるせん妄の発生率および関連する危険因子をプロスペクティブに評価を行った。The journal of trauma and acute care surgery誌オンライン版2017年10月16日号の報告。 IRB承認後、2015年12月~2016年2月まで都市のレベルI外傷センターにおいてプロスペクティブコホート研究を実施した。対象は、外傷外科医により指定されたNCCAに入院したすべての患者とした。退院まで12時間ごとのせん妄評価(CAM:Confusion Assessment Method)と、せん妄発生(CAM+)患者の重症度を定量化するCAM-Sを実施した。患者背景、検査値データ、入院時の薬物リストを分析した。 主な結果は以下のとおり。 ・対象患者148例中、CAM+患者12例(8%)、CAM-患者136例(92%)であった。 ・CAM+患者の平均CAM-Sは、7±3であった(平均年齢:52±20歳、男性率:45%)。 ・65歳以上の患者では、9例(21%)がCAM+であった。 ・せん妄と関連する薬剤は、albuterol(p=0.01)、アトルバスタチン(p=0.01)、デュロキセチン(p=0.04)、セルトラリン(p=0.04)、葉酸(p=0.01)、チアミン(p=0.01)、ビタミンD(p<0.001)、ハロペリドール(p=0.04)、メトプロロール(p=0.02)、バンコマイシン(p=0.02)であった。 ・せん妄と関連する異常な検査値は、アルブミン(p=0.03、OR:7.94、CI:1.1~63.20)、カルシウム(p=0.01、OR:4.95、CI:1.5~16.7)、ナトリウム(p=0.04、OR:3.91、CI:1.13~13.5)、ヘマトクリット(p=0.04)、平均血中ヘモグロビン濃度(p<0.05、OR:5.29、CI:1.19~23.46)であった。 著者らは「本研究では、NCCA入院患者の8%でせん妄が発生し、65歳以上の発生率は21%に上昇した。NCCA患者において同定された多くのリスク因子は、ICU患者での報告と一致しているが、これまでせん妄発生に関連していなかったリスク因子をCAM+患者が有していた。せん妄に対するNCCA患者のスクリーニングが考慮されるべきである」としている。 ■関連記事 せん妄に対する非定型 vs.定型 vs.プラセボ うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Cahill A, et al. J Trauma Acute Care Surg. 2017 Oct 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 せん妄ガイドライン2022年版第2版の主な改訂点を解説 医療一般 (2022/08/30) せん妄のリスク因子として糖尿病、脳血管疾患ほかを特定~認知症入院患者 医療一般 (2023/11/07) CareNet AcademiaによるAI生成記事 このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 70歳以上の1次予防、スタチンは有益か?/NEJM(2026/09/11) 心不全への経カテーテル三尖弁修復術は有用か/NEJM(2026/09/11) GLP-1RA使用は脱毛を起こす可能性があるが、非瘢痕性で可逆的であるため、丁寧な説明をすることで患者さんの不安解消への配慮を忘れないでほしい(解説:島田俊夫氏)(2026/09/11) 胃がん前がん病変、サブタイプ別の進行率~メタ解析(2026/09/11) 骨盤リンパ節郭清のAI支援、医師の認識能を向上/国立がん研究センター、Jmees(2026/09/11) 認知症高齢者、診断の何年前から自動車事故リスクが高い?(2026/09/11) AF治療中に脳梗塞を招く潜在的要因とは(2026/09/11) バービーとケンの身体プロポーション、より「現実」に近く(2026/09/11) 乳幼児期の睡眠不足、3歳時の発達遅延と関連――日本の出生コホート研究(2026/09/11) [ あわせて読みたい ] 外科医のキャリア終盤に思い出した 何でも診られる医者への憧れ【ReGeneral インタビュー】第3回(2025/12/25) 50代半ばで精神科から一転・総合診療でへき地へ【ReGeneral インタビュー】第2回(2025/12/15) 「総合医育成プログラム」で広がる医師のキャリアと医療機関の未来【ReGeneral インタビュー】第1回(2025/11/24) スマートに進める治験/臨床研究~臨床研究中核病院に学ぶ~(2025/10/28) 第50回日本骨髄腫学会学術集会:独占インタビュー(2025/04/18) ASCO2025 まとめ(2025/06/02) かかりつけ医のためのがん患者フォローアップ(2025/06/13) 医療・介護施設従事者のための転倒・転落事故へのアプローチ ~転倒・転落事故のメカニズム、予防、事故後フォローのすべて~(2025/02/27) 非機器的早期運動療法はDVT発生率を低減【論文から学ぶ看護の新常識】第1回(2025/02/05)