精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:278

抗精神病薬併用でQTc延長リスクは高まるか

 抗精神病薬は、多形性心室頻拍に関連しており、最悪の場合、心臓突然死につながる可能性がある。心拍数で補正したQT間隔(QTc)は、トルサードドポアントの臨床プロキシとして使用される。QTc間隔は、抗精神病薬単独療法で延長するが、併用療法でさらに延長するかはよくわかっていない。デンマーク・オーフス大学のAnja Elliott氏らは、統合失調症におけるQTc間隔と抗精神病薬単独療法および併用療法との関連を検討し、患者のQTc延長頻度を測定した。CNS spectrums誌オンライン版2017年6月29日号の報告。

アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の安全性、専門家による評価

 アルツハイマー型認知症(AD)の罹患率は上昇し続けているが、認知機能障害への治療選択肢は限られている。アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(AChEI)は、認知機能低下に対しベネフィットをもたらすことを目指しているが、有害事象がないわけではない。最近では、新用量や新剤形が承認され、処方する前に各薬剤の安全性プロファイルを注意深く考慮する必要がある。カナダ・トロント大学のDana Mohammad氏らは、3種類のAChEIについて専門家による安全性評価を行った。Expert opinion on drug safety誌オンライン版2017年7月12日号の報告。

季節農家の労働者はうつ病になりやすいのか

 農家労働者の生活困難は、ストレスやうつ病リスク上昇をもたらすといわれている。これまでの限られた研究では、主に季節農家に集中していたが、先行研究では、移住農家労働者または両集団を調査している。米国・イーストカロライナ大学のBeth H. Chaney氏らは、季節農家労働者のうつ病レベルおよび抑うつ症状の予測因子について調査を行った。International journal of environmental research and public health誌2017年6月30日号の報告。

日本人双極性障害患者のリチウム治療反応予測因子:獨協医大

 双極性障害患者では、機能的アウトカムに有意な影響を及ぼす認知機能障害が問題となることが多い。しかし、認知機能や機能的アウトカムの中心的な役割に対するリチウムの影響はよくわかっていない。獨協医科大学の齋藤 聡氏らは、リチウム治療中の双極性障害患者において、患者背景および臨床的変数(リチウムへの治療反応を含む)によって、認知機能および機能的アウトカムが予測されるかを検討した。Bipolar disorders誌オンライン版2017年7月10日号の報告。

治療抵抗性統合失調症、クロザピン+フルボキサミンの効果は

 多くの研究において、フルボキサミンは、クロザピンとの著しい薬物動態および薬理学的相互作用を有することが報告されている。台湾・台北医学大学のMong-Liang Lu氏らは、統合失調症患者へのクロザピン治療における代謝パラメータや精神病理に対するフルボキサミンの効果を評価するため、12週間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年7月5日号の報告。

公園や緑地が少ないとうつ病になりやすいのか

 公園や緑地が精神衛生上、有益な効果をもたらすとのエビデンスが増加しているが、ほとんどの研究において、特定または小さな地域に限定されている。韓国・ソウル大学のKyoung-Bok Min氏らは、公園や緑地が成人のうつ病や自殺の指標リスクと関連しているかを調査した。International journal of public health誌2017年7月号の報告。

抗うつ薬無効のうつ病患者、次の一手は?/JAMA

 抗うつ薬治療が奏効しない大うつ病性障害(MDD)患者を対象とした、抗うつ薬の切り替え療法(bupropion単独療法)と追加療法(bupropionまたはアリピプラゾール)の効果を比較する無作為化試験において、アリピプラゾール追加療法が切り替え療法よりも、12週間の治療中の寛解率の尤度が、わずかだが統計的に有意に増大したことが示された。米国・退役軍人(VA)コネチカット・ヘルスケアシステムのSomaia Mohamed氏らによる検討で、結果について著者は「アリピプラゾールも効果サイズは小さく、有害事象が認められる。費用効果などを含むさらなる検討を行い、このアプローチの真の有用性を明らかにする必要がある」と述べている。MDD患者のうち、第1選択の抗うつ薬で寛解に至るのは3分の1未満であり、残る患者には大半のガイドラインで、代替治療として切り替えや追加が推奨されている。JAMA誌2017年7月12日号掲載の報告。

双極性障害に対するアジュバント介入~メタ解析

 双極性障害は世界的障害の要因トップ10に位置する疾患であり、高い医療コストがかかっている。これまでの研究では、心理療法と併用した気分安定薬による治療は、有意な再発率低下や入院率低下をもたらすことが示唆されている。しかし、科学的根拠に基づき十分に検討されていない心理社会的介入がある。オーストリア・グラーツ医科大学のTanja Macheiner氏らは、双極性障害患者に対するアジュバント心理社会学的介入の有効性を評価した。Journal of affective disorders誌オンライン版2017年6月27日号の報告。

ベンゾジアゼピン服用による死亡リスク増大の真相は/BMJ

 ベンゾジアゼピン系薬の服用について、服用開始6ヵ月の全死因死亡リスクは増大しないことが示された。米国・ハーバード・メディカル・スクールのElisabetta Patorno氏らが、ベンゾジアゼピン系薬服用者約125万例と、高次元傾向スコアでマッチさせた非服用者を対象に行った試験で明らかにしたもので、BMJ誌2017年7月6日号で発表した。これまでに、ベンゾジアゼピン系薬の服用は、短期間であっても、死亡リスクが3~4倍に増大するというエビデンスが発表されていたが、それを否定する結果となった。なお、サブグループ解析では、服用開始12ヵ月、48ヵ月の死亡リスクや、65歳未満の患者の死亡リスクなどについては、4~9%のわずかな増大が認められている。