うつ病に対するtDCS療法 vs.薬物療法/NEJM うつ病治療として、経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct-current stimulation:tDCS)療法の選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)エスシタロプラム(商品名:レクサプロ)に対する非劣性は示されず、有害事象はより多かったことが、ブラジル・サンパウロ大学のAndre R. Brunoni氏らによる単施設の二重盲検無作為化非劣性試験の結果、報告された。大うつ病障害治療としての電気刺激療法は、2009年に経頭蓋磁気刺激(TMS)が米国FDAに承認され、さまざまな試験で異なる結果が報告されている。TMSは、けいれんリスクは小さいがコスト高であり、より安価で安全な手法としてtDCSが開発されたが、これまでに同法と薬物療法を直接比較する試験は行われていなかった。NEJM誌2017年6月29日号掲載の報告。
お酒はうつ病リスク増加にも関連 うつ病の発症率に対するリスクファクターの変化による影響を調査した研究はほとんどない。カナダ・マギル大学のXiangfei Meng氏らは、大規模縦断的集団ベース研究におけるうつ病の心理社会的リスクファクターおよびうつ病発症に対するリスクファクター改善による影響を定量化するため検討を行った。BMJ open誌2017年6月10日号の報告。
小児ADHDの合併症有病率と治療成績 ADHDの合併症は広く研究されているが、いくつもの問題点が解決していない。イタリア・IRCCS-Istituto di Ricerche Farmacologiche Mario NegriのLaura Reale氏らは、新規に診断された未治療の小児の臨床サンプル(ADHDの有無にかかわらず)における併存精神疾患を調査し、合併症のタイプに基づいて治療有効性を比較するため、多施設共同研究を行った。European child & adolescent psychiatry誌オンライン版2017年5月19日号の報告。
統合失調症患者の雇用獲得に必要なこと 一般と比較すると、統合失調症患者の失業率は、全年齢層において高くなっている。これまでの研究では、統合失調症患者の失業や作業不良に対し、神経認知機能に焦点が当てられてきた。しかし、最近のいくつかの研究では、雇用困難を理解するうえで、認知機能障害と同等以上に臨床症状が重要であることが示唆されている。米国・David Geffen School of MedicineのKatiah Llerena氏らは、統合失調症患者の就職や仕事の成果を妨げる陰性症状への理解を深めることは、雇用を向上させる治療法の開発に不可欠であるとし、検討を行った。Schizophrenia research誌オンライン版2017年6月7日号の報告。
妊婦へのリチウム使用、幼児への影響は 妊娠初期のリチウム曝露は、幼児のEbstein奇形や全体的な先天性心疾患のリスク増加と関連している可能性があるが、そのデータは相反し、限定的である。米国・ハーバード大学医学大学院のElisabetta Patorno氏らは、メディケイドのデータより、2000~10年に出産した女性における132万5,563件の妊娠に関するコホート研究を行った。NEJM誌2017年6月8日号の報告。
双極性障害患者の自殺、治療パターンを分析 カナダ・Sunnybrook Health Sciences CentreのAyal Schaffer氏らは、双極性障害(BD)患者の服薬自殺の特性を他の自殺者と比較し、評価を行った。International journal of bipolar disorders誌2017年12月号の報告。
認知症予防の新たな標的、グルコースピーク 平均血糖値の指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)は、認知症および認知障害のリスクと関連している。しかし、この関連における血糖変動やグルコース変動の役割は不明である。米国・ジョンズホプキンス大学公衆衛生学大学院のAndreea M. Rawlings氏らは、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)レベルの測定により、中年期におけるグルコースピークと認知症および20年の認知機能低下リスクとの関連を調査した。Diabetes care誌7月号の報告。
双極性障害の入院、5~7月はとくに注意 イタリア・トリノ大学のAndrea Aguglia氏らは、双極性障害患者における光周期の影響について検討を行った。Revista brasileira de psiquiatria誌オンライン版2017年6月12日号の報告。
アミロイドβ蛋白が高いと認知機能低下リスクが高い/JAMA 認知機能が正常でも、アミロイドβ蛋白値が高い人は正常値の人に比べ、認知機能低下リスクが高いことが示された。中央値3.1年の追跡調査の結果、アミロイドβ蛋白値が高い群で、ミニメンタルステート検査(MMSE)など3つの認知機能のスコアについて有意な低下が認められたという。米国・南カリフォルニア大学のMichael C. Donohue氏らが、認知機能の正常な445例を対象に、探索的データ解析を行い明らかにしたもので、JAMA誌2017年6月13日号で発表した。
リスペリドンと低力価抗精神病薬の併用、相互作用を検証 ドイツ・アーヘン工科大学のMichael Paulzen氏らは、リスペリドン(RIS)の代謝に対する低力価抗精神病薬の影響をin vivoで調査した。Progress in neuro-psychopharmacology & biological psychiatry誌2017年6月2日号の報告。