精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:283

てんかん患者におけるMRIに共通する脳SPECT画像の解析

 SISCOMやSTATISCOMは、てんかんの局所発作のためのMRIを中心に、発作/発作間欠期SPECT(単一光子放射断層撮影)分析に効果的であると臨床的に証明されている。最近では、この分析のためにソフトウェアも利用可能となった。米国・メイヨー・クリニックのZaiyang Long氏らは、これら局所発作の分析方法について、その性能の調査と比較を行った。Journal of neuroimaging誌オンライン版2018年1月10日号の報告。

ミトコンドリアATPシンターゼと加齢や認知症との関連

 アルツハイマー病などの認知症が増加する根本的な要因は、老化である。老化を治療戦略とする考え方は新しいものではないが、老化と加齢による疾患が分子レベルで、どれほど密接に関連しているかはよくわかっていない。米国・ソーク研究所のJoshua Goldberg氏らは、アルツハイマー病の候補薬J147の分子標的を同定し、老化と認知症との新規分子リンクを発見するための検討を行った。Aging cell誌オンライン版2018年1月7日号の報告。

軽度アルツハイマー病への抗Aβ抗体、第III相試験の結果/NEJM

 軽度アルツハイマー病患者に対するヒト化モノクローナル抗体solanezumabの投与(400mgを4週ごと)について、認知機能低下を遅らせる有意な効果は認められなかった。米国・コロンビア大学のLawrence S. Honig氏らが、2,129例を対象に行った第III相の無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果を、NEJM誌2018年1月25日号で発表した。アルツハイマー病は、アミロイドβ(Aβ)斑と神経原線維変化を特徴とするが、solanezumabは、可溶性Aβ(原線維アミロイドとして沈着する前の段階で、シナプスで毒性を引き起こすとされるペプチド)が、脳から除去される量を増やすようデザインされた。

ADHDと電子タバコ、水タバコ、可燃性タバコの使用との関連は?

 最近、電子タバコや水タバコなどの代替タバコ製品の使用が、若者の間で増加している。代替タバコ製品の使用開始が、ADHD症状と関連しているかは、よくわかっていない。米国・南カリフォルニア大学のNicholas I. Goldenson氏らは、青年期の喫煙や電子タバコなどの使用開始とADHD症状との関連について、調査を行った。Journal of pediatric psychology誌オンライン版2018年1月2日号の報告。

妊婦のうつ病と子供の成長との関連

 母親のうつ病と子供の成長との関連について、正確な見解は報告されていない。これは、子供の性別による影響に注目が限定されている可能性がある。米国・アメリカ国立衛生研究所のHyojun Park氏らは、母親のうつ病時期と子供の成長との関連について、とくに性差に注目し、集団ベースの出産コホートを用いて評価を行った。Obesity誌2018年1月号の報告。

術後オピオイド処方と乱用の関連/BMJ

 オピオイドの乱用が世界的に急増している。手術を受けた患者の退院時のオピオイド投与の割合は、非手術例のほぼ4倍に達するが、医師による習慣的なオピオイド処方の、乱用への影響は不明だという。米国・ハーバード・メディカル・スクールのGabriel A. Brat氏らは、米国におけるオピオイドの不適正使用の大幅な増加には、術後にオピオイドを処方された患者への薬剤の補充(refill)および処方期間の延長が関連することを示し、BMJ誌2018年1月17日号で報告した。

統合失調症における抗精神病薬単独療法前後の陰性症状と報酬系回路

 陰性症状は、統合失調症の中心的な症状であり、機能アウトカムと強く相関する。脳の報酬系回路の障害は、モチベーションや快楽体験の減少による陰性症状の主な要因であることが示唆されている。デンマーク・コペンハーゲン大学のMette Odegaard Nielsen氏らは、amisulprideでの治療後に陰性症状が改善した患者と改善しなかった患者における、報酬関連の脳の活動を比較した。Clinical EEG and neuroscience誌2018年1月号の報告。

認知症者の自動車運転を停止するためのワークショップ

 認知症者にとって、自動車運転は大きな危険を伴う。カナダの医師は、不適切な運転手を報告する法的な責任を負っており、その決定を患者に明らかにする必要がある。医師は患者との健全な関係を維持したいと考えているものの、認知症者は洞察力が不足しており、運転免許の喪失に対して非常に強い感情を示す。これらが、正確な情報交換を妨げる可能性がある。カナダ・オタワ病院のAnna Byszewski氏らは、このような難しい通達を行う医療従事者のための戦略と支援を提供する目的で、マルチメディアモジュールの開発を試みた。Canadian geriatrics journal誌2017年12月22日号の報告。