痩せるだけでうつは軽減する 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/04 肥満者のうつ病有病率は、正常体重者の2倍であると報告されている。肥満とうつ病には、潜在的に双方向の関連がある。いくつかの研究において、うつ病が体重増加や肥満を引き起こすことが示唆されており、他の研究においては、肥満者がその後うつ病を発症する可能性が高いことが示唆されている。オーストラリア・シドニー大学のN. R. Fuller氏らは、12ヵ月間の研究において、うつ症状と体重変化との関連性を調査した。Clinical obesity誌オンライン版2017年8月11日号の報告。 対象者70例に対し、3ヵ月間のライフスタイル(食事、運動)の体重減量介入を行い、12ヵ月間のフォローアップを行った。対象者はベック抑うつ質問票(BDI-II)を完了し、研究の期間中、体重測定を行った。ベースライン時における対象者は、BMI 31.1±3.9kg/m2、体重89.4±16.1kg、年齢45.4±11.1歳、女性63%であった。 主な結果は以下のとおり。 ・ベースラインから3ヵ月までの平均体重変化は-5.2±4.3%、ベースラインから12ヵ月までの平均体重変化は-4.2±6.1%であった。 ・12ヵ月間の調査において、BDI-IIスコアは有意に低下し、BDI-IIスコアの1単位減少は、体重の-0.4%減少と関連していた。 著者らは「現在の研究では、非臨床的うつ病肥満患者における体重減少は気分改善と関連しており、これらの改善は3~12ヵ月間のフォローアップ期間中も持続することが示唆された」としている。 ■関連記事 うつ病になりやすいのは、太っている人、痩せている人? たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 うつ病患者の多い診療科はどこ? (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Fuller NR, et al. Clin Obes. 2017 Aug 11. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 うつ病患者、入浴がうつ症状を軽減 医療一般(2017/05/17) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] CKDへのSGLT2阻害薬、糖尿病・UACRを問わずアウトカム改善/JAMA(2025/12/09) PAH診断1年未満の中~高リスク患者へのソタテルセプト上乗せは有効である(解説:原田和昌氏)(2025/12/09) 非小細胞肺がん、アミバンタマブ・ラゼルチニブ併用における予防的抗凝固療法に関する合同ステートメント/日本臨床腫瘍学会ほか(2025/12/09) 治療抵抗性うつ病の認知機能維持に最適な薬物治療戦略は?(2025/12/09) 低用量アスピリン処方が2型糖尿病患者の初回イベントリスク低下と関連――AHA(2025/12/09) WHOが結核の症例数や死亡者数の最新データを公表(2025/12/09) 個別化プレハビリテーションで手術アウトカムが改善(2025/12/09) 朝食後の歯みがきが高血圧リスク低下と関連/鹿児島大(2025/12/09) [ あわせて読みたい ] 開発中の治療法最前線(2020/02/17) 希少疾病・難治性疾患特集 2020(2020/02/03) Dr.林の笑劇的救急問答15<上巻>(2020/01/15) 一発診断(2019/12/11) Dr.白石のLet's エコー 運動器編(2019/11/07) 毎日使える 街場の血液学(2019/10/09)