精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:232

治療抵抗性うつ病患者の脱落予測因子と臨床的影響

 第2選択薬治療による臨床試験より脱落した治療抵抗性うつ病患者について、イタリア・ボローニャ大学のPaolo Olgiati氏らが、調査を行った。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2019年4月2日号の報告。  対象は、第1選択薬で奏効が見られず、ベンラファキシンの6週間治療に移行したうつ病外来患者342例。社会人口統計学的および臨床的特徴を、脱落群と非脱落群で比較を行った。  主な結果は以下のとおり。

ドイツ女子サッカーリーグにおけるうつ病や不安症状の有病率

 トップアスリートのメンタルヘルス問題の有病率に関する情報が、明らかとなっていない背景には、回答率の低さやサンプルの不均一さなどの方法論的課題があると考えられる。ドイツ・Medical School HamburgのAstrid Junge氏らは、トップレベルの女子サッカー選手におけるうつ病および不安症状の有病率および危険因子を評価するため、検討を行った。British Journal of Sports Medicine誌2019年4月号の報告。  ドイツ女子サッカー1部リーグ10チームおよび2部リーグ7チームに所属する選手を対象に、選手の特性、うつ病自己評価尺度(CES-D)、全般不安症尺度(GAD-7)に関するアンケートを実施した。

女子短大生における睡眠の質とスマートフォン依存

 スマートフォンの使用は一般的となり、青少年の睡眠の質に影響を及ぼしている。思春期の女性では、睡眠の質に関連する問題が増大する傾向にある。台湾・Changhua Christian Children HospitalのPo-Yu Wang氏らは、これまで研究されていなかった、女子短大生における睡眠の質とスマートフォン依存および健康関連行動との関連を調査し、睡眠の質に影響を及ぼす予測因子を特定するため検討を行った。PLOS ONE誌2019年4月3日号の報告。

日本人うつ病患者における健康関連QOLや経済的負担

 うつ病は、健康だけでなく経済的負担への影響も大きい疾患である。武田薬品工業の山部 薫氏らは、日本人成人におけるうつ病診断の有無による健康関連アウトカムとコストへの影響について調査を行った。ClinicoEconomics and Outcomes Research誌2019年3月号の報告。  日本の健康調査National Health and Wellness Survey(NHWS)の2012~14年のデータ(8万3,504人)を用いて、レトロスペクティブ観察研究を行った。日本人のうつ病診断群2,843例、うつ病未診断群2,717例(weight)、非うつ病対照群2,801例(weight)における健康関連QOL、仕事の生産性および活動障害に関する質問票(Work Productivity and Activity Impairment Questionnaire:WPAI)、医療リソース利用、年間コストの差を評価した。共変量で調整した後、傾向スコアの重み付けと加重一般化線形モデルを用いて、アウトカム変数の群間比較を行った。

自閉スペクトラム症におけるADHD症状とインターネット依存

 いくつかの研究報告によると、自閉スペクトラム症(ASD)患者では、インターネット依存(internet addiction:IA)がより多く認められるという。しかし、IAを伴う青年期のASD患者の特徴は、よくわかっていない。愛媛大学・河邉 憲太郎氏らは、青年期ASDにおけるIAの有病率を調査し、IA群と非IA群の特徴を比較した。Research in Developmental Disabilities誌オンライン版2019年3月13日号の報告。  対象は、愛媛大学医学部附属病院および愛媛県立子ども療育センターの外来ASD患者55例(10~19歳)。患者およびその両親に対し、Youngのインターネット依存度テスト(IAT)、子どもの強さと困難さアンケート(SDQ)、自閉症スペクトラム指数(AQ)、ADHD Rating Scale-IV(ADHD-RS)を含む質問を行った。

出産前後の日本人女性に対する抗てんかん薬処方~健康管理データベースからの検討

 東北大学の石川 智史氏らは、出産前および産後の日本人女性に対する抗てんかん薬(AED)の処方率および処方パターンについて、大規模データベースを用いて評価を行った。Pharmacoepidemiology and Drug Safety誌オンライン版2019年3月10日号の報告。  公表されているアルゴリズムまたは乳児の生年月日を用いて、妊娠開始日および出産日を推定した。AEDの処方率、最大用量、併用療法の頻度について、妊娠開始前180日、妊娠中、産後180日で評価した。

クロザピンと他の抗精神病薬による好中球減少症発症比較~メタ解析

 クロザピンは、他の抗精神病薬と比較し、好中球減少症との関連性が高いとの懸念から、ほとんどの国において、白血球数の定期的なモニタリングを行わなければ使用できない。しかしこれまで、対照研究のメタ解析により決定的に実証されてはいなかった。オーストラリア・クイーンズランド大学のNicholas Myles氏らは、他の抗精神病薬と比較したクロザピンの好中球減少症との関連性を評価するため、対照研究のメタ解析を行った。The Australian and New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2019年3月13日号の報告。

低食物摂取アルツハイマー病患者に対するリバスチグミンパッチの有効性

 多くのアルツハイマー病(AD)患者は、食物摂取不良や食欲不振を経験し、認知障害の進行を加速させる。これまでのいくつかの報告によると、リバスチグミンがAD患者の食欲を改善させることが示唆されている。香川大学の角 徳文氏らは、AD患者における低食物摂取を改善させるためのリバスチグミンパッチの有効性について検討を行った。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2019年3月12日号の報告。  対象は、「AD患者の食物摂取に対するリバスチグミンの効果に関する研究」にて募集した、食欲不振または不十分な食物摂取のいずれかを経験したAD患者。

アルツハイマー型認知症の薬はうたかたの夢か(解説:岡村毅氏)-1030

私たちの世代はアルツハイマー型認知症の薬の恩恵にはあずかれない。いつかは実現するかもしれないし、そう願うが、現実を見つめよう。 本論文は、アルツハイマー型認知症について広く信じられているアミロイド仮説(「アルツハイマー型認知症のセントラルドグマ」)に基づくものだ。つまりアミロイドをつくる酵素(BACE)を阻害する物質が、治療薬となるのではという考え方であった。しかし、本欄でも過去に紹介したように、すでに認知症になっている人に対して行われた研究では効果は見られなかった(「認知症の薬はいったいいつできるのか? バプティスト史観から」)。

境界性パーソナリティ障害に対する集団精神療法のメタ解析

 境界性パーソナリティ障害(BPD)治療ガイドラインでは、必須とはいかないまでも、患者ケアの重要な要素として精神療法を推奨している。米国・Rawson-Neal Psychiatric HospitalのStephanie P. B. McLaughlin氏らは、BPDに対する集団精神療法と通常治療(TAU)を比較したランダム化比較試験のメタ解析を行った。Psychotherapy誌オンライン版2019年3月14日号の報告。  グループおよび患者の特性、バイアス変数リスク、TAU比較条件の治療要素(精神療法が含まれるかどうかなど)に基づくアウトカムの違いを調査するため、モデレーター分析を行った。