精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:229

術後オピオイド処方と乱用の関連/BMJ

 オピオイドの乱用が世界的に急増している。手術を受けた患者の退院時のオピオイド投与の割合は、非手術例のほぼ4倍に達するが、医師による習慣的なオピオイド処方の、乱用への影響は不明だという。米国・ハーバード・メディカル・スクールのGabriel A. Brat氏らは、米国におけるオピオイドの不適正使用の大幅な増加には、術後にオピオイドを処方された患者への薬剤の補充(refill)および処方期間の延長が関連することを示し、BMJ誌2018年1月17日号で報告した。

統合失調症における抗精神病薬単独療法前後の陰性症状と報酬系回路

 陰性症状は、統合失調症の中心的な症状であり、機能アウトカムと強く相関する。脳の報酬系回路の障害は、モチベーションや快楽体験の減少による陰性症状の主な要因であることが示唆されている。デンマーク・コペンハーゲン大学のMette Odegaard Nielsen氏らは、amisulprideでの治療後に陰性症状が改善した患者と改善しなかった患者における、報酬関連の脳の活動を比較した。Clinical EEG and neuroscience誌2018年1月号の報告。

認知症者の自動車運転を停止するためのワークショップ

 認知症者にとって、自動車運転は大きな危険を伴う。カナダの医師は、不適切な運転手を報告する法的な責任を負っており、その決定を患者に明らかにする必要がある。医師は患者との健全な関係を維持したいと考えているものの、認知症者は洞察力が不足しており、運転免許の喪失に対して非常に強い感情を示す。これらが、正確な情報交換を妨げる可能性がある。カナダ・オタワ病院のAnna Byszewski氏らは、このような難しい通達を行う医療従事者のための戦略と支援を提供する目的で、マルチメディアモジュールの開発を試みた。Canadian geriatrics journal誌2017年12月22日号の報告。

成人不眠症に対する音楽療法に関するメタ解析

 原発性不眠症は、成人における最も一般的な問題の1つである。しかし、不眠症に対する非薬理学的介入として、音楽療法を用いるべきか、またどのような治療を優先すべきか、についてはよくわかっていない。中国・The 302nd Hospital of Chinese PLAのFan Feng氏らは、原発性不眠症患者を対象に、音楽療法群(介入群)と非音楽療法群(対照群)との比較を実施するため、検討を行った。International journal of nursing studies誌2018年1月号の報告。

米国成人におけるウイルスとうつ病との関連

 うつ病などの気分障害は、一般的な精神疾患である。うつ病に関連する因子には、C型肝炎、インフルエンザ、水痘帯状疱疹、ヘルペスなどのウイルスを含む感染症への曝露がある。米国・ブリガムヤング大学のShawn D. Gale氏らは、ウイルス曝露とうつ病とのさらなる関連を評価するため検討を行った。Psychiatry research誌オンライン版2017年12月20日号の報告。

血漿中脂質過酸化反応に対する抗精神病薬の影響

 ポーランド・ウッチ医科大学のAnna Dietrich-Muszalska氏らは、ユニークな作用機序を有する新規抗精神病薬であるアリピプラゾールに関して、酸化ストレスのマーカーであるTBARS(チオバルビツール酸反応性物質)レベルで測定したヒト血漿中脂質過酸化に及ぼす影響について、クエチアピン、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、ziprasidoneなどの他の抗精神病薬と比較し、評価を行った。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2017年12月27日号の報告。

軽~中等度アルツハイマー病に新薬idalopirdineは有効か/JAMA

 選択的セロトニン5-HT6受容体拮抗薬idalopirdineは、軽度~中等度アルツハイマー病(AD)患者の認知機能を改善しないことが、米国・California Pacific Medical CenterのAlireza Atri氏らが、idalopirdineの24週間投与の有効性を検証した3件の第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験(STARSHINE、STARBEAM、STARBRIGHT)の結果を報告した。アルツハイマー病は、高齢者での有病率が上昇し、治療費も増加していることから、新たな治療法が必要とされているが、今回の結果を受けて著者は、「アルツハイマー病の治療にidalopirdineを用いることは支持されない」とまとめている。JAMA誌2018年1月9日号掲載の報告。

統合失調症の発症バイオマーカーを共同研究

 ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社⻑:クリス・フウリガン)は2018年1月15日、統合失調症前駆期の正確な診断、精神病発症予測をサポートするバイオマーカーを開発するため、国立精神・神経医療研究センター、富山大学、東邦大学、奈良県立医科大学、久留米大学、千葉大学と共同研究を行うと発表した。

肥満とオランザピンの急性代謝系副作用との関連

 オランザピンは、統合失調症や様々な適応外疾患の管理に用いられる第2世代抗精神病薬である。オランザピンの急性代謝反応は、肥満に関連する多くの副作用を引き起こす。統合失調症患者は肥満率が高いが、元々ある肥満関連代謝障害がオランザピンの急性副作用を増大させるかどうかは不明である。カナダ・ゲルフ大学のLogan K. Townsend氏らは、非肥満マウスと高脂肪食(HFD)肥満マウスにおけるオランザピンの反応を比較した。Psychoneuroendocrinology誌オンライン版2017年12月8日号の報告。