精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:229

統合失調症患者に対する早期の持効性抗精神病薬治療と入院率との関連

 統合失調症に対する抗精神病薬治療の早期開始は、アウトカムの改善に関与している。米国・Partnership for Health Analytic ResearchのJennifer Munday氏らは、新規の統合失調症エピソードを有する患者に対して、早期の持効性注射剤(LAI)による抗精神病薬治療が、実臨床での入院率の低下や医療費の削減と関連するかについて検討を行った。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2019年1月16日号の報告。 Truven Health Analytics MarketScan Commercial、メディケイド、メディケア・サプリメントのデータベースを用いて、2007年1月~2016年6月におけるレトロスペクティブコホート分析を実施した。新規の統合失調症エピソードを有する18歳以上の成人患者を対象に、初回の統合失調症診断日からLAI開始日(インデックス日)までの時間に基づき、2つの相互排他的なコホートを同定した。LAIを1年以内に開始した患者を早期開始群、1年超で開始した患者を後期開始群とした。1年間のフォローアップ期間における入院率・医療費、患者の人口統計学的・臨床的特徴、保険の種類、ベースライン時の全原因による入院・救急外来受診、ベースライン時の精神科での薬の使用について、ロジスティック回帰モデルおよび一般線形回帰モデルを用いて推定した。

双極性障害に合併する境界性パーソナリティ障害の特徴~米国調査

 双極性障害患者における精神科入院や自殺リスク増加を含むQOLや疾患アウトカムには、境界性パーソナリティ障害(BPD)の合併が影響を及ぼすといわれている。米国・Griffin Memorial HospitalのRikinkumar S. Patel氏らは、双極性障害患者の入院アウトカムに対するBPDの影響について、検討を行った。Medicina誌2019年1月14日号の報告。  米国の病院からの入院患者サンプル(Nationwide Inpatient Sample)より、ICD-9-CMを使用し、BPD合併双極性障害患者26万8,232例および双極性障害のみの対照群24万2,379例を抽出した。オッズ比(OR)の生成および入院アウトカムの評価のために、多項ロジスティック回帰を用いた。

バレンタインとてんかんの意外な関係

 バレンタインデーの由来となった聖バレンタインは、てんかんのある人々を庇護した聖人としてたたえられている。それ故、「世界てんかんの日」はバレンタインデー直前の月曜日、2月の第2月曜日と定められている。また、毎年3月26日をパープルデーと定めるなど、てんかんは世界的な社会啓発が進められている。2019年1月28日、大塚製薬株式会社が主催するプレスセミナー「てんかん患者を取り巻く環境を考える」が開催され、加藤 天美氏(近畿大学 脳神経外科主任教授)と川合 謙介氏(自治医科大学 脳神経外科教授)が登壇した。

神経性やせ症に対するオランザピンとプラセボの無作為化比較試験

 神経性やせ症の成人外来患者に対するオランザピンの有用性について、米国・コロンビア大学アービング医療センターのEvelyn Attia氏らが、プラセボと比較し評価した。The American Journal of Psychiatry誌オンライン版2019年1月18日号の報告。  神経性やせ症の成人外来患者152例(女性の割合:96%、平均BMI:16.7)を対象とした無作為化二重盲検プラセボ対照試験を、北米の5ヵ所で実施した。対象患者は、オランザピン群またはプラセボ群に1:1にランダムに割り付けられ、16週にわたり毎週評価された。主要アウトカムは体重と強迫観念の変化率とし、Yale-Brown強迫観念・強迫行為尺度(YBOCS)を用いて評価した。

中年期以降の握力低下と認知症リスク~久山町研究

 九州大学の畑部 暢三氏らは、中年期から高齢期の握力低下と認知症リスクについて、検討を行った。Journal of Epidemiology誌オンライン版2018年12月8日号の報告。  60~79歳の認知症でない地域住民1,055例(平均年齢:68歳)を対象に24年間の追跡調査を行った。そのうち835例(平均年齢53歳)は、1973~74年に実施した健康診断のデータを中年期の分析に使用した。中年期から高齢期の15年間(1973~1988年)にわたる握力低下によってもたらされる認知症、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症(VaD)のリスクをCox比例ハザードモデルで推定し、1988~2012年までフォローアップを行った。

子供における肥満とうつ病に関するメタ解析

 14歳までに診断可能な精神疾患は全症例の半数に上るにもかかわらず、小児期の精神疾患は、医療従事者および両親にあまり認識されていない。世界的には、10~19歳において、うつ病は疾患負荷の主な原因となっている。うつ病を未治療のままにすると、学業不振、社会機能の低下、薬物乱用、成人期の再発性うつ病、自殺リスクの増加を引き起こす可能性が高まる。その結果として生じる治療費のために、国民健康保険が負担する費用は20億ポンドを超えると推定されており、うつ病の社会的および経済的影響は、かなり大きいと考えられる。

強迫症治療に関する国際的な展望

 強迫症(OCD)治療に用いられる向精神薬、心理療法、新規治療法に関する国際的な傾向について、オーストラリア・シドニー大学のVlasios Brakoulias氏らが、調査を行った。Human Psychopharmacology誌オンライン版2019年1月10日号の報告。  OCD分野の研究者らにより、サンプル特性に関する要約統計量(Summary Statistics)が収集された。各国間の要約統計量の一貫性を評価した。

不安や睡眠の質と飲酒との関係

 睡眠不足の人は、睡眠の質を高めるために不安を和らげようとするが、毎日の飲酒が不安や睡眠障害を緩和する要因であるかはよくわかっていない。台湾・輔仁大学のKe-Hsin Chueh氏らは、不安と睡眠の質との関連および毎日の飲酒が、睡眠不足の人の不安や睡眠の質に対し調整因子として働くかについて、検討を行った。The Journal of Nursing Research誌オンライン版2018年11月28日号の報告。  台湾北部で睡眠不足(ピッツバーグ睡眠質問票:5超)を報告した20~80歳の84例を対象に、横断研究を行った。

円形脱毛症とうつ病、相互にリスク因子

 円形脱毛症(AA)の罹病は、後にうつ病を発症するリスクがある一方で、大うつ病性障害(うつ病、MDD)の罹病も後のAA発症の有意なリスク因子であることが、カナダ・カルガリー大学のIsabelle A. Vallerand氏らによって明らかになった。MDDのAA発症リスクに関しては、抗うつ薬使用が交絡因子であること(予防効果を確認)も示されたという。AAは脱毛の自己免疫疾患であり、患者にMDDなどの大きな精神的負担を強いる。一方で、多くの患者はAAを発症する前にメンタルヘルス症状を訴えることから、MDDとAA双方の関連が示唆されている。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年1月16日号掲載の報告。

軽度アルツハイマー病に対するコリンエステラーゼ阻害薬のベネフィット

 アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI-AD)および軽度のアルツハイマー型認知症(ADdem)に対するコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)の認知機能アウトカムについて、米国・セントルイス・ワシントン大学のJee-Young Han氏らが検討を行った。Alzheimer Disease and Associated Disorders誌オンライン版2019年1月10日号の報告。  対象は、MCI-AD(臨床認知症評価法[CDR]:0または0.5)もしくは軽度ADdem(CDR:0.5または1)と臨床的に診断された2,242例。患者データは、National Alzheimer's Coordinating Center(NACC)の統一データセット(Uniform Data Set)より抽出した。