精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:235

ADHD児への有酸素運動効果は

 ADHDは、世界の小児の約8~10%に発症する最も一般的な精神神経疾患の1つである。ADHD児の大多数が成人期まで持続的な症状を有していることを示唆する研究が増加しており、ADHDによる人生経過への影響を明らかにしている。ADHD管理の主流は、薬物療法と、行動および心理的な介入であり、潜在的な治療戦略としての運動介入については、あまり注目されていない。シンガポール国立大学のQin Xiang Ng氏らは、ADHD児に対する運動介入の短期的および長期的な影響を調査するため、システマティックレビューを行った。Complementary therapies in medicine誌2017年10月号(オンライン版8月31日号)の報告。

摂食障害プログラム、オランザピンの使用は

 顕著な障害や発育への影響に関連する摂食障害である回避性・制限性食物摂取症(ARFID)に対する薬理学的治療についての情報はほとんどない。米国・サウスカロライナ医科大学のTimothy D. Brewerton氏らは、ARFIDに対する薬物療法に関して臨床報告を行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2017年10月25日号の報告。

日本人男性、不眠でうつ病リスクが10倍にも

 椙山女学園大学の西谷直子氏らは、男性労働者における不眠症とうつ病発症との関連を調査し、不眠症の重症度とうつ病発症との関連を明らかにするため、3年間のコホート研究を行った。International journal of public health誌オンライン版2017年10月20日号の報告。  男性労働者を対象に、うつ病と不眠症に関する自己管理アンケートを3年間実施した。うつ病はうつ病自己評価尺度(CES-D)を用いて評価し、不眠症はアテネ不眠尺度(AIS)を用いて評価した。ベースライン時にうつ病でない男性840例について分析を行った。  主な結果は以下のとおり。 ・113例にうつ病が認められた。 ・Cox回帰分析では、ベースライン時に不眠症(AISスコア1以上)であった男性は、うつ病発症リスクが7倍以上高かった。 ・さらに、不眠症ではなかった男性(AISスコア0)と比較し、AISスコア1~3の男性のうつ病リスクは5.2倍高く、AISスコア4以上の男性はうつ病リスクが約10倍高かった。  著者らは「本研究による新たな知見は、不眠症の重症度とともにうつ病発症リスクが増加することであった」としている。

ADHDドライバー、トレーニングで危機感知能を改善できるか

 ADHDを有する若者のドライバーは、同世代の人よりも交通事故傷害リスクが高い。このリスク増加は、危機感知能が低いことと相関する。これまで、ADHDを有する若者のドライバーを対象に、コンピュータ技術を用いた危険感知訓練について調査した研究はほとんどなかった。オーストラリア・School of Allied HealthのC.R. Bruce氏らは、ドライブスマートトレーニングを受けたADHDを有する若者のドライバーの、危機感知能における群間および対象者内の変化の有無や重要性を確認し、訓練により改善した危機感知能の変化が、時間が経過しても維持されるかを調査した。Accident; analysis and prevention誌オンライン版2017年10月14日号の報告。

せん妄と関連する薬剤は

 これまで、集中治療室(ICU)内でのせん妄に関する研究はよく行われているが、ICU外のデータは限られている。米国・Methodist Dallas Health SystemのAnthony Cahill氏らは、非クリティカルケア病棟(NCCA:non-critical care areas)におけるせん妄の発生率および関連する危険因子をプロスペクティブに評価を行った。The journal of trauma and acute care surgery誌オンライン版2017年10月16日号の報告。

ビプレッソは「双極性障害のうつ症状」の新しい治療選択肢

 2017年11月7日、共和薬品工業株式会社主催のプレスセミナーが開催され、双極性障害治療の課題と双極性障害のうつ症状に対する新たな治療選択肢であるビプレッソ徐放錠(一般名:クエチアピンフマル酸塩徐放錠)について、赤坂クリニック・うつ治療センター長の坂元 薫氏が講演を行った。坂元氏は、「双極性障害を大うつ病エピソードで発症した場合、単極性うつ病との鑑別が困難で見逃されやすい。ようやく診断されても、日本うつ病学会のガイドラインで推奨されている双極性うつ病の薬剤は、ほとんどが適応外であった。ビプレッソ徐放錠が登場し、治療選択肢が増えたのは大変喜ばしいこと。双極性障害患者のうつ症状改善に期待したい」と述べた。

治療抵抗性統合失調症、ECT併用は有益か

 治療抵抗性統合失調症(TRS)治療は、現代の精神医学における挑戦である。TRS患者の多くは、重度の神経認知機能障害を有する。TRS治療において、電気ショック療法(ECT)は効果的かつ安全であることが証明されているが、潜在的な神経認知機能の副作用に関しては議論の余地がある。クロアチア・University Hospital Center ZagrebのBjanka Vuksan Cusa氏らは、TRS患者の認知機能に対する抗精神病薬とECT増強療法の影響について、プロスペクティブオープン研究より評価を行った。The journal of ECT誌オンライン版2017年10月19日号の報告。