整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:56

脊椎疾患の待機的手術、患者満足度が有効性を正確に表す?

 患者満足度調査は、医療の質と診療報酬の償還を決める要素として生み出されたもので、満足度を改善する要因を特定することは非常に重要である。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのSilky Chotai氏らは、脊椎変性疾患に対する待機的手術時に行った患者満足度調査から、アウトカムに対する患者の満足度は、脊椎外科的治療の有効性を正確に表すことが可能で、術後1年間における疼痛や機能障害の改善で示されることを報告した。ただし、だからといって満足度が治療の全体の質や有効性に依存するわけではないこと、メディケイド/保険非加入者の支払人の社会的地位および手術前の疼痛や機能障害が関与することも示唆されたと述べている。Neurosurgery誌オンライン版2015年4月23日号の掲載報告。

関節リウマチの予後・治療反応と関連する遺伝子/JAMA

 関節リウマチ(RA)患者では、HLA-DRB1ハプロタイプ遺伝子が疾患感受性と関連しており、放射線学的重症度、死亡、治療反応とも関連していることが明らかにされた。関連が認められたのは、HLA-DRB1ハプロタイプ遺伝子座の11にアミノ酸バリンが認められるタイプであった。英国・マンチェスター大学のSebastien Viatte氏らが、RA患者の複数のコホートを基に分析し報告した。なお今回の結果について著者は、他コホートで同様の所見がみられれば、次のステップとしてRA治療におけるHLA-DRB1ハプロタイプの位置付けを評価すべきと述べている。JAMA誌2015年4月28日号掲載の報告より。

喫煙は人工股関節全置換術後合併症の有意なリスク因子

 喫煙は人工股関節全置換術(THA)後にインプラント関連合併症の頻度を増加させる可能性があるとの報告が増えてきている。ドイツ・ハノーバー医科大学のSongsong Teng氏らは、メタ解析にてその関連を調べた。結果、喫煙はTHA後の無菌性のゆるみ、深部感染症および再置換術のリスク増加と関連していることを報告した。PLoS One誌オンライン版2015年4月24日号の掲載報告。

運動皮質の傷、慢性腰痛の重症度と関連

 慢性腰痛において、大脳運動野の再構築が運動コントロールを変性し、疼痛や障害などの一因となっている可能性がある。皮質組織化の変化と腰痛の臨床像との関連は明らかになっていなかったが、オーストラリア・西シドニー大学のSiobhan M Schabrun氏らは、第3腰椎での表面筋電図により、慢性腰痛における運動皮質の変質を確認できることを報告した。著者は、「皮質の組織化を修復することが、慢性腰痛の治療戦略となり得ることを意味している」とまとめている。Spine誌オンライン版2015年4月17日の掲載報告。

手術中の疼痛緩和で患者満足度は向上するのか

 周術期の治療と患者満足度には、どのような関連があるのだろうか。米国・シダーズ・サイナイメディカルセンターのDermot P. Maherらの研究によれば、術中の鎮痛は、疼痛管理に関する患者満足度および病院全体に対する患者満足度のいずれとも関連していなかった。関連が示唆されたのは、人口統計学的要因、入院前の薬物療法および麻酔回復室での疼痛スコアであったという。Pain Medicine誌2015年4月号の掲載報告。

アスピリンとNSAIDsの使用による大腸がんリスクと遺伝子型の関連(解説:上村 直実 氏)-354

 アスピリンや非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の常用により、大腸がんリスクが低下することが知られているが、どのようなヒトに有効かは不明であった。今回、ゲノムワイド(GWAS)を用いた遺伝子型と環境要因の相互作用を考慮したCase-Control研究により、アスピリンやNSAIDs使用が大腸がんの発症を減少させる一因として、染色体12番と15番の2つの一塩基多型(SNP)の遺伝子型と関連が深く、個別化医療への推進が期待される研究結果が報告された。すなわち、染色体12番と15番のSNPで、薬剤の常用と大腸がんリスクとの関連が異なることが示され、遺伝子型によってはリスクが高まるヒトもいる可能性が示唆された。

プロ野球投手の上肢血流量、シーズン中は顕著に低下?

 これまで、プロ野球選手における投球腕の血流量を調査した研究はなかった。米国・イリノイ州立大学のKevin Laudnerらは、超音波を用いた血流量の測定を行い、投手の肩外転時の上腕動脈血流量が、1年間で有意に減少することを示した。今回の結果について著者は、「プロ野球投手の上肢血流が、シーズン中に損なわれている可能性が示唆された」とまとめている。Journal of Shoulder and Elbow Surgery誌オンライン版2015年4月1日号の掲載報告。

疼痛管理の改善が認知症患者の問題行動を減らす?

 認知症患者の痛みは、気付かれることが少なく治療が不十分である。英国・ロンドン大学のElizabeth L Sampson氏らは、急性期総合病院に入院中の認知症患者を対象とした縦断的コホート研究において、疼痛が認知症の行動・心理症状(BPSD)と関連しており、疼痛管理の改善が問題行動を減少させ、認知症患者に対する入院ケアの質を向上させる可能性があることを示した。Pain誌2015年4月号の掲載報告。