ロボット支援脊椎手術は有用か

提供元:ケアネット

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公開日:2015/03/17

 

 転移性または原発性脊椎腫瘍患者の治療において、外科手術は重要な役割を果たしている。近年、手術支援ロボットなどの新しい技術が開発され、正確なインストゥルメンテーションの設置や合併症の減少など有望な結果が示されている。米国・Texas Health Presbyterian Hospital PlanoのXiaobang Hu氏らは、ロボット支援脊椎手術の自験例について評価し、転移性または原発性脊椎腫瘍の治療においてロボット支援システムは安全かつ有用であることを報告した。著者は、「多数例におけるさらなる検討の実施を支持する結果である」とまとめている。International Journal of Spine Surgery誌オンライン版2015年2月3日号の掲載報告。

 研究グループは、脊椎腫瘍の治療において生検、椎弓根スクリュー設置または椎体形成術(vertebral augmentation)にロボット支援システムを用いた症例(第1例目から連続9例)について、診療記録のデータを解析した。

 評価項目は、手術時間、推定出血量、周術期および術後合併症、背部痛および下肢痛(視覚的アナログスケールによる)などであった。

 主な結果は以下のとおり。

・評価対象9例の背景は、女性7例、男性2例、平均年齢60歳(範囲47~69歳)、全例に胸椎または腰椎の椎体圧潰や脊髄症を認めた。
・後方固定術は全例で成功した。
・椎体形成術は4例で行われ、椎体レベルの平均数は5であった。
・手術時間(skin to skin)は平均4時間24分、推定出血量は平均319mLであった。
・周術期および追跡調査期間を通して合併症はみられなかった。
・9例中7例は最終追跡調査時に背部痛または下肢痛が改善した(2例は追跡不能)。

(ケアネット)