眼科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:33

黄砂はスギ花粉症の症状に影響するのか

 黄砂は、スギ花粉のシーズン中における鼻および眼のアレルギー症状に影響を及ぼさないことが、真生会富山病院の扇和 弘氏らによる研究で明らかになった。黄砂は、スギ花粉のシーズン前にくしゃみや鼻水、シーズン後に結膜炎の症状を誘発したが、スギ花粉シーズン中のアレルギー症状に対する悪影響は観察されなかった。Auris nasus larynx誌2014年12月号の報告。

糖尿病黄斑浮腫、VEGF阻害薬3剤を比較/NEJM

 糖尿病黄斑浮腫に対する、眼科用VEGF阻害薬のアフリベルセプト(商品名:アイリーア)、ベバシズマブ(アバスチン、日本では眼科用は未承認)、ラニビズマブ(ルセンティス)の有効性、安全性を比較する多施設共同無作為化試験が米国で行われた。Jaeb Center for Health ResearchのAdam R. Glassman氏ら研究グループ(Diabetic Retinopathy Clinical Research Network)が米国内89ヵ所の協力を得て行った同試験の結果、3剤ともに視力の改善効果は認められるが、相対的効果は治療開始時の視力に依存し、開始時の視力障害が軽度であれば改善効果は3剤間で明らかな差はないが、障害が重度の場合はアフリベルセプトの改善効果が有意に高かったことを報告した。NEJM誌オンライン版2015年2月18日号掲載の報告より。

ラタノプロスト、緑内障の視野維持期間を延長/Lancet

 開放隅角緑内障の患者に対し、眼圧降下薬ラタノプロスト(商品名:キサラタンほか)の点眼は、視野の維持期間を有意に延長することが、初のプラセボ対照無作為化比較試験で明らかになった。英国・ムーアフィールド眼科病院のDavid F Garway-Heath氏らが、516例について行った試験の結果、報告した。開放隅角緑内障治療では、視覚機能喪失の回避を目的に眼圧低下治療が行われるが、プラセボ対照試験は行われていなかった。Lancet誌オンライン版2014年12月18日号掲載の報告より。

黄斑変性へのES細胞移植、安全性確認/Lancet

 ヒト胚性幹細胞(hESC、ヒトES細胞)由来の網膜色素上皮細胞で網膜下移植を行った患者について、約2年間追跡した結果が発表された。過剰増殖や拒絶反応などの有害事象は認められず、治療の安全性が確認されたという。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のSteven D Schwartz氏らが、同移植を行った18例について行った2件の第I・II相前向き臨床試験の結果で、Lancet誌オンライン版2014年10月15日号で発表された。

高血圧が色覚障害発症に関連?~日本の中年男性での検討

 高血圧は色覚障害の発症に関わるのだろうか。埼玉県立医科大学眼科の庄司 拓平氏らは、日本の中年男性における血圧と後天性色覚障害の有病率の関連を検討した。その結果、中年における高血圧が視覚神経機能に負の影響を与える可能性があることが示唆された。American Journal of Hypertension誌オンライン版2014年6月4日号に掲載。

特発性頭蓋内圧亢進症、アセタゾラミド投与のエビデンス/JAMA

 軽度視力低下を有する特発性頭蓋内圧亢進症(IIH)患者への、減量目的の減塩食療法+アセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)治療は、減塩減量食単独療法と比較して、わずかだが視野の改善に結びついたことが示された。米国・アイオワ大学のMichael Wall氏らNORDIC Idiopathic Intracranial Hypertension研究グループが、165例を対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。IIHは主に妊娠可能年齢の肥満女性にみられる。治療薬として一般にアセタゾラミドが用いられているが、使用の根拠を裏付ける情報は十分とは言えなかった。JAMA誌2014年4月23・30日号掲載の報告より。